真・女神転生 D.D.D. -Digital Devil Desire-   作:J.D.(旧名:年老いた青年)

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他の小説が行き詰まったので気分転換に書きました。
希望があれば続きますし、希望がなくても多分続くかもしれません。


Chapter.1 Digital Devil Desire
Prologue. Weapon in Trojan Horse


 

 

 

 

 

 人間の歴史は光と影の衝突——即ち、神と悪魔の戦いの歴史に他ならない。

 

 ヒトならざる超常の力を振るい、互いの欲望(Desire)の為に彼等は争い、勝者は“神”として……そして敗者は“悪魔”として扱われる。

 それに倣うようにして我々人類も人種・宗教・国家・言語・思想によって対立し、勝者を支配者に……そして敗者を隷属させてきた。

 

 だが、幾ら言葉を取り繕おうと前者の者達における“ヒトならざる”本質は変わらない。

 

 

 

 ——だからこそ、『あえて、“神”も“悪魔”と呼ぶ』。

 

 

 

 ……ここに、一つの“もしも(if)”がある。

 

 メシア教もガイア教も存在せず、悪魔を絵空事の存在として世界が認識し、尚且つ各地で諸問題を抱えながらも大多数の人間にとっては平穏に2000年(ミレニアム)を乗り切った世界。

 

 一見すれば、本来の我々の世界とは大きく異なる結末を迎えるであろうこの世界に、“悪魔”による暗躍の影が差す。

 

 

 

 これは、そんな“悪魔”達と己の“欲望(Desire)”を懸けて立ち向かった青年達の物語である。

 

 

 

◇  ◆  ◇  ◆  ◇

 

 

 

デジタル・デビル物語(ストーリー)

 

真・女神転生 D.D.D.

 

- Digital Devil Desire -

 

 

 

◇  ◆  ◇  ◆  ◇

 

 

 

 

 

 ——夢を、見た。

 

 

 多くの亡骸と瓦礫の上で、緩やかに滅びる文明の夢を見た。

 

 廃墟と化した街の中を無数の異形達が進軍していく。横たわる死体から鮮血の滴る肉と腑を貪り、息のある者を見つけては悪戯に嬲り、果てには隠れ潜んでいた者達を集めて殺し合わせ、その様を観ては嘲笑する……この世の地獄が其処には在った。

 

 だが、人間達も無力なままではなかった。

 一部の人間は身の回りの様々な道具で武装して異形達に反旗を翻し、囲んで袋叩きにする青年達や狭い路地に誘い込んで集中砲火を浴びせる軍隊、時には大きな群れに罠を仕掛けて一網打尽にするなどの活躍も見せた。

 しかし、どう足掻いても異形と人間の地力の差だけは埋まらない。当初は優勢になる事も多かった反乱は次第に対策を練られる様になり、人類は一度拡大した勢力圏を次々と放棄せざるを得なかった。

 

 日に日に増え続ける死傷者、目に見えて枯渇する物資、些細な原因から殺人にまで発展する生存者間の衝突。そんな絶望的な状況下に、腕に小型のコンピュータらしき機械を着けた一人の青年が現れる。

 プロテクターを纏い、剣や火器で武装したその青年は機械から異形を喚び出すとそのまま人々を襲う異形の群れへと立ち向かって行く。

 

 時には仲間の異形と協力して武力で撃破し、時には機械を通じたコミュニケーションで退散ないし協力を取り付ける。

 

 人々は、人のままでありながら異形と並び立ち向かうその姿に英雄を見る。

 

 

 ——遠い、遠い世界が見せた夢であった。

 

 

 

 

 

《center》◇  ◆  ◇  ◆  ◇《/center》

 

 

 

 

 

 『ここも遅かった様だな……早速で悪いがヴァハグン、“マハ・ラギ”を頼む』

 『ああ、任せろ契約者』

 その言葉と共に路地の暗がりで焔が爆ぜる。焔の中で踊る黒いシルエットと共に辺りへ蛋白質と脂肪の焼ける独特の異臭が立ち込めていき……そして灰の山だけが残った。

 

 『遂にここまで来てしまったか……』

 

 

 

 ——首都・東京。

 LEDとネオンで照らし出された深夜の歓楽街をコート姿の男が歩いていく。

 

 『——駄目だ。場当たり的な対処じゃどうやっても限界がある』

 男の外見は四十を過ぎた頃の長身痩躯な中年であり、まだ残暑残る晩夏にも関わらず煤けたコートを着込む異様な風体であった。周囲もその姿を不気味に思っているのか、男の進路に入るまいと雑踏の波が割れていく。

 

 『このままでは首都が……いや、下手をすれば国家が丸ごと異界に呑み込まれかねない。そうなると知れば、米国は迷いなくカードを切るだろう』

 周囲から向けられる好奇の視線など意に介す様子もなく男は独り言ちる。その足取りは重く、暗雲立ち込めるその展望は彼の瞳の色をひどく濁らせた。

 

 『——一か八か、このプログラムに賭けるしかない……のか』

 男が視線を向ける自身のコートの裏、そこにはホルスターに収められた状態で鈍く輝くコンピュータがある。勿論彼が注目するのはコンピュータ本体ではなくその中にインストールされたあるプログラム(・・・・・・・)なのだが。

 これはある種の劇薬だ。現状を打破する最大の特効薬にして、現状を回避不可能なまでに悪化させる最恐の劇毒なのだと男は考えている。だが迷っている暇などない……決断すべき刻は、既に目前へと迫っていた。

 

 男は近くのネットカフェの一室を借りると急いで事前に用意していたプログラム入りのダミーアプリを“トロイの木馬”に仕込み、逆探知対策に海外サーバーを20箇所以上経由してからネットワークの海に放流する。

 本来であればこのプログラムは贈る相手をしっかりと調査した上で直接配るべきモノなのだが、一々説明する時間さえ惜しい程の状況下で採り得る苦肉の策故に仕方がない。こうやって無差別にバラ撒きでもしなければ、こんな怪しげなアプリなど誰も説明なしには活用してくれる訳がないのだから。

 

 

 

 

 

 木馬の中に眠るのは“悪魔召喚プログラム”。文字通り、“悪魔”と呼ばれる異形を召喚して従える為のツールだ。

 このプログラムはこれからの世界、脅威に対するアドバンテージを得る為には必要不可欠な武器だ。だがそれは同時に、悪しき心の下で振るわれれば人類に仇成す凶器にもなる事を意味する。

 

 

 

 ……どうか、これを得た者が正しき心を持っている事を祈る。

 

 

 

 

 

 その呟きと共に夜の闇へと消えていった男の行方は、誰も知らない。

 

 

 

 

 

後書きスペースの活用法について

  • 次回予告
  • 登場人物の紹介
  • 登場悪魔のアナライズ図鑑
  • 主人公パーティのステータス
  • 特になしorその他(要望は感想欄かメッセージBOXへ)
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