真・女神転生 D.D.D. -Digital Devil Desire- 作:J.D.(旧名:年老いた青年)
新年明けましておめでとうございます!
今年もコンゴトモヨロシク……という事で、今回は他メンバーの召喚回です。
……とは言っても、大晦日中に仕上げる為に一人分だけなんだけどね。正月は地域のマラソンに出て、その後で日頃の不摂生に噎せながら炊き出しの豚汁を啜ってると思うので応援よろしくね!
※1/1 アナライズ図鑑の表記修正
「君の持つ、その“悪魔召喚プログラム”。それを大学からの脱出……延いては校内に取り残された者達の救出の為に、是非とも活用させて欲しいんだ」
テーブルに置かれた俺のスマホを囲んで話し合う中でそう諭す様に俺へ告げてきたのは黒沢でも岩動先輩でもなく、まさかの出間教授だった。
「……で、この“悪魔召喚プログラム”。アンタはこれからも使っていく気?」
尋問紛いの歓迎会が終わり、返却されたスマホを確認していると唐突に岩動先輩が俺にそう問い掛けて来た。
「……ええ。俺には、これしかありませんから」
彼女の言葉の意味は分かってるつもりだ。
これで召喚されるのは、俺達の命を脅かす“悪魔”そのもの——対抗手段として最も強力な切り札ではあるが、それと同時にいつ暴発するか判らない核爆弾の様なもの。
本当にそんな物に命を賭けられるのか。彼女は、そう問いたいのだろう。
だが生き延びる為に手段を選んでいられないのは、此処までの道程においてはっきりとしている。悪魔は普通、生身の人間が武器もなく対抗できる存在ではないのだ。
ならいいけど、と俺の答えに興味を失った彼女は部屋の隅に蹲ったままの名も知らない少女の元へ向かう。
一人手持ち無沙汰になった俺は、とりあえずスマホから“D.D.D.”を起動する事にした。これに命を懸けると決めた以上、一刻も早くその扱いについて習熟する必要がある。
▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼
----------------------------------------
>D-COMP
>Lv.6 妖獣 ヘルハウンド
>Applications
>悪魔召喚プログラム
>エネミー・ソナー
>MAG・ウォレット
>System Drive
>USB(F:)
>None
>Help
>Quit
▲ △ ▲ △ ▲ △ ▲
……“D.D.D..”の画面は期待していたよりもずっと——個人制作の無料スマホゲームよりも遥かにシンプルで、余計な情報をなるべく取り入れない様な造りだった——あぁいや、その事に文句を言いたいのではなく。
これじゃ……急拵えで装飾するまでの時間が足りなかったか、さもなくば、まるで
少なくとも、見た目からはこれを使って楽しもうなんて感想は絶対に出て来ない。
——コレをバラ撒いた犯人は、どちら側だ?
あの“悪魔”達はコレを介して出現したのか、“悪魔”達に対抗する為にコレが生まれたのか。
先に産まれたのが鶏だろうが卵だろうが、そんな事はこの機器的状況の前にはどうでもいいのは分かっている。だが考えずにはいられない……俺がコレを使う事で、どちらか一方の側に転ぶ可能性があるのかもしれないと。
僅かに迷って、少しでも情報を得ようと思った俺は>Helpの欄をタップした。
切り替わる画面——そこには『先輩デビル・バスターによる悪魔退治に関するヘルプ』のタイトルロゴ。
俺は慌てて他の四人を呼び集めると小さな画面の中の情報を共有しながら必死に文面を読み漁る。
俺達の前に何処からともなく突如現れ、そして命を脅かす“悪魔”達。彼らは各々で現界する目的こそ違うものの、共通して現世に留まる為に必要な生体エネルギー……“マグネタイト”を求めて人間をはじめとする動物を襲って補給を試みるという。
更に“悪魔”は“マグネタイト”による実体化という特殊な形で存在している……つまりは半分エネルギー体の様な状態である為、普通の人間が傷付ける事は困難。人間が体内に“マグネタイト”を溜め込み、“霊格”を高めた状態で戦う方法もあるが、最も簡単なのは“悪魔”同士で争わせる方法である。
人類の敵とも思える行動を起こす一方で、人間と同じ様に大多数と物事の考え方が違う“悪魔”も存在する。人間を襲う事に消極的だったり、積極的に交流を試みてきたり、ただ“マグネタイト”や物欲を満たす事に執心していたり……そういった“悪魔”を“仲魔”として味方に付ける事こそ、“悪魔”達との戦いには重要である。
本アプリに搭載された“悪魔召喚プログラム”には手始めに低級の“悪魔”一体と契約してあるが、彼らと信頼関係を築くのはこれを読む君自身だ。上記の通り、彼ら“悪魔”とて人間と同じ様に各々の性格は違い、それぞれに意思を持つ生物だ。それを理解し絆を育む事が、これからの助けになるであろう。
デビル・バスター O.K.
「——どう、だろうか」
そして、冒頭に至る。
ざっと目を通した限りでは、その意見に反論できる内容はない。
“悪魔”相手に人間は無力であり、岩動先輩の様に生身で対抗出来るのは一握り程度の人間のみ。そして“悪魔”達はに立ち向かう為には“悪魔召喚プログラム”を使って同じ“悪魔”を使役する必要がある。
「でも……でもですよ?あのヘルプには“悪魔”とは契約してあるだけで命令を聞くかは別問題だと書いてあったんですよ?」
内部の“悪魔”とプログラムを使用する召喚者の間に特別な契約は存在しない……つまり俺がアイツを召喚した時に襲われなかったのは、偶々目の前に明確な敵がいて俺よりもソイツらを優先した……完全に運だったと証明された訳だ。
「それで、もしも俺達に襲い掛かったら「君が居るじゃないか」——へ?」
出間教授は俺の悲観に溢れた言葉を遮り、続けて話す。
曰く、他四人の召喚に際して対象とする“悪魔”が敵対的な行動を取った場合、俺が召喚した“
……冗談だろ?
次にこの中の誰かが召喚した“悪魔”が友好的かどうかどころか、俺にはあの魔犬が次も協力してくれるという保証さえない。
俺一人なら……俺一人の命で済むなら、別に問題ない。これまでの道程も含めて、どうせ自分の人生。それに責任を持つのは仕方がない事だと割り切れる。
……だけどそこに他人の命が懸かるなら、俺には無理だ。俺の判断一つ、やり方一つで他人の命が動く責任感に俺は間違いなく耐えられない。
「……大丈夫、全ての責任は私が取る。それに私が死んだとしても、君を恨まないと誓おう」
君は力を貸してくれるだけでいい、と教授の決意に溢れた双眸が俺を見つめる。
「……分かり、ました」
俺は……そんな彼に、嫌な顔をする事が出来なかった。
「——じゃあ、俺からだ」
諸安全性を鑑みて場所は移り、守衛室すぐ外の廊下。
黒沢の掛け声と共に、彼のスマホから光を伴って小さな影が飛び出した。
『んん〜?キミがボクをよんだサマナーかな?』
その姿は空飛ぶ壺に入ったリトルグレイ。
以前上階で遭遇した時の能力は確か、電撃だった筈——俺は警戒心を込めながら脂汗の滴る手でスマホを構える。
『キミキミ、話しかけてるんだからムシするのはダメ!分かってるの?』
「っ、あ、ああ。悪かった……ゴメン、なさい?」
黒沢は少しの間だけ“悪魔”に話しかけられている事に呆けていたが、不機嫌になりそうな気配を察したのか慌てて謝罪した。
『へぇ!オトナってみんなイジっぱりって聞いてたのに、サマナーさんは素直なんだね!おもしろーい!』
幸いにも悪魔はその態度に機嫌を良くしたらしく、嬉しそうに暫く壺ごと宙を跳ね回ると……突然、黒沢の胸元に勢いよく飛び込んだ。
「お、面白いって——うげぇっ!?」
「なっ——!?」
ドゴッ、という音と共に黒沢が数メートルほど吹き飛ぶ。突然の凶行に反応しきれなかった俺は遅れてヘルハウンドの召喚を試みたが……その光景を目にした瞬間、止めた。
『エヘヘ♪ボク、キミが気に入っちゃった!』
「お、お助けぇ〜!」
なんと、倒れた黒沢の上で悪魔の壺が転がり回っているのである。その姿はまさしく飼い主にじゃれる大型犬……いや、被害を考えれば肉食獣の如く。
壺の硬い表面でローラーをかけられた黒沢の顔や首など目に見える肌は既に痣だらけとなっている。
………………。
『ふふふふっ!ボクは“妖魔 アガシオン”!コンゴトモ、ヨロシクね!』
何とか宥め賺しはしたが、未だ興奮冷めやらぬ壺悪魔……“妖魔 アガシオン”は、男二人による決死の説得の末にスマホの中へと帰って行ってくれた。
何だか俺の時とは随分違う様な……同じ相手と死闘を繰り広げた側からすると何とも言えない理不尽な気分を今回は味わってしまった。
「なあ忠野——これメチャクチャ痛いんだけど」
「……スイマセン」
黒沢先輩、止めに入ってたら多分仲魔に出来なかったと思うので結果オーライって事にしてくれませんか……ダメ?
----------------------------------------
Lv3 妖魔 アガシオン(仲魔)
<ステータス>
力2 知5 魔5 耐3 速5 運4
HP:23 SP:25 CP:9/30m
物理攻撃:9 物理防御:9
魔法攻撃:8 魔法防御:7
命中 :35 回避 :38
会心 :2.5%
<耐性>
剣打技銃火氷衝電核水風重光闇神精
弱弱----耐-----耐耐--
<性格・口調>冷静・子供(男)
<忠誠タイプ>物欲型
<習得スキル>
[ジオ]……敵単体に電撃属性のダメージ(小)
[プリンパ]……敵単体に中確率で<混乱>付与
[九十九針]……敵単体に射撃属性のダメージ(小)
----------------------------------------
後書きスペースの活用法について
-
次回予告
-
登場人物の紹介
-
登場悪魔のアナライズ図鑑
-
主人公パーティのステータス
-
特になしorその他(要望は感想欄かメッセージBOXへ)