魁!兄貴前線!   作:じゃすてぃすり~ぐ

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 皆様、お待たせしました!
新年一発目の投稿です。結構、グダグダな上にギャグが少なめな感じですが、温かい目でお願いします。
 ではどうぞ。


第弐の章『ファーストコンタクトでありマッスル!』

「「変態?」」

 

 WA、MP5、G41の言葉にピクリ。と反応するムキムキマッチョの二人組みの男。

 キョロキョロと辺りを見回し、問いかけた。

 

「何処にもおらんじゃないか」

「何処におるんじゃ、その変態?」

「「「あんた等だよッッ!!!」」」

 

 すっとぼけた反応に、3人はツッコミを入れる。言われた二人組みは「え!?ワシら!?」と意外そうな表情で言い返した。

 

「ワシらの何処が変態なんじゃ!」

「そうじゃ、この格好はワシらの普段着じゃ!」

「普段着!?パンイチが普段着なの!?」

「やっぱり変態じゃない!」

 

 憤慨する二人組みに、ツッコミを入れるMP5とWA。そんなやり取りをしていると・・・。

 

「む・・・う~~~ん・・・」

 

 むくりと、三人目の男が起き上がってきた。こちらは、二人組みのようにハゲてはおらずほどほどに伸びた青い髪に特徴的なティアラをはめた青年だった。

 彼もまた上半身裸でマッチョではあるが、こちらはズボンを履いている。

 

「おお!兄貴、起きたんですかい!?」

「ああ・・・。ここは何処だ?ビルダー星じゃあなさそうだが・・・」

 

 二人組みの片方が、起き上がった『兄貴』なる青年に気づき声をかける。・・・何故かポージングしながら。一方の青年は辺りを見廻しながら片方にそう問いかける。

 

「それがワシらにも分からんのじゃ。時空のひずみに引き込まれたと思ったら、いつの間にかここにいて向こうの娘っこ達に変態呼ばわりされたんじゃ」

「ビルダー星?時空のひずみ?何を言ってるのかしら?」

「きっと、宇宙人さんだと思うの。だって、空から来たんだし」

 

 WAの言葉に、M9はそう断言する。何を馬鹿な・・・、と一笑しようと思ったが目の前のクレーターといい、その中心地に彼らがいたことといい、あながち戯言とは言い難い。

 そんなWAに9A-91が提案をする。

 

「まぁ、とりあえず保護と言う形で私達の基地に来てもらって詳しい話を聞く・・・と言うのはどうでしょうか?」

「・・・それもそうね。・・・って言うか、9A-91・・・アンタ心なしか鼻息荒いけど、変な事考えてない?」

 

 頷きながらも、ちらりと彼女の顔を見てジト目で問いかけた。なぜなら、9A-91の表情は頬を紅く染めており鼻息が凄く荒かった。・・・何と言うか、発情しているメスみたいに。

 

「そ、そんな事ないですよぉ!

 別に、あの人達の筋肉を触ってみたいとかそんな事思ってませんから!事情聴取がてらに腹筋スリスリしたいとかそんな事考えてませんから!・・・グヘヘヘヘ・・・」

「思いっきり考えてるじゃない!!!」

 

 WAの指摘に、顔を真っ赤にさせてパタパタと手を振りながら反論する9A-91。それを見て、WAはツッコミを入れた。

 

「これさえなきゃ、普通にいい人なんですけどね9Aさん・・・」

「まぁ、仕方ないよ。9Aちゃんだし」

「おっ、そうだな(白目)」

 

 そんな9A-91を見て、MP5,G41,M9は口々にそう言った。M9にいたっては本来の口癖である「~なの」が消失してしまっている。

 

―閑話休題・・・。

 

「ゴホン・・・、と言う事で貴方達をこれからG19地区司令部へと連れて行く事にするわ。貴方達が何者で、何処から来たのかを知る為にもね」

 

 ちょっとぐだぐだしたものの、彼ら・・・謎のマッチョマン三人組(青い髪のマッチョマンはイダテン、スキンヘッドの双子のマッチョはアドンとサムソンと名乗った)をG19地区司令部へと連れて行く事を伝えるWAちゃん。それはありがたい。とイダテンは答える。

 

「俺達も気がついたらここに飛ばされていて、何がなんだかさっぱりだからな。情報が欲しかった所なんだ」

「話が早くて助かるわ」

 

 肩を竦めながらWAはイダテンの言葉にそう返す。何処かのバーバリアンチックな見た目とは裏腹に、話がわかる奴だな。と3人組を内心で評価しながら。

 

「す・・・凄い。このハリといい、ツヤといい・・・『指揮官』や『アベさん』達に負けず劣らずの筋肉・・・。エクセレントッ!エクセレントですッッ!!!」

「エクセレントとは嬉しい事を言ってくれるのう!」

「それに、その『指揮官』や『アベさん』達とやらにも会ってみたいのう!」

「是非とも会ってください!(私が)喜びますよ!!」

 

 ふと、アドンとサムソンに喜色満面で語りかける9A-91を見かける。筋肉の何処がいいんだろうか・・・?そう思い、WAは嘆息。

 まぁ、何はともあれこの三人組を連れてG19地区司令部へと帰る事を基地にいる指揮官に通信を入れようとしたその時だった。

 

『01小隊!01小隊、聞こえるか!?』

 

 通信だ。しかも基地の方からである。何事だろうか?そう思い、応答する。

 

「こちら01小隊、どうしたの?」

『「02小隊」が担当している居住区地域が、鉄血の連中の襲撃を受けている』

「何ですって!?」

 

 通信の声に、WAは驚愕の表情で返す。

 

『現在、02小隊が民間人を避難誘導させながら応戦してるが・・・何気に(数が多くて)ヤバイですね』

「・・・了解、急いで02小隊の救援に向かうわ」

『頼む、わーちゃん』

「わーちゃん言うなってのに・・・、通信切るわよ」

 

 そう言って、WAは通信を切ると小隊の面々に告げた。

 

「皆、司令部に帰還するのは後。今から02小隊の救援に向かうわよ!」

「えー!?やっと帰れると思ったのにー!」

 

 WAの言葉に、ぶーたれるM9。そんなM9をMP5が宥める。

 

「仕方ないですよ、それが戦術人形の仕事なんですから。

 ・・・でも、どうするんですか?イダテンさん達を連れて行く訳にはいかないですよ。一応、一般人ですし」

「それもそうね・・・。とりあえず、3人はヘリで護送するわ。貴方達もそれでいいかしら?」

「ああ、構わない」

「「ワシらも兄貴と同じじゃ」」

 

 MP5の言葉に、頷きながらWAはイダテン達に提案をする。三人はその提案を快く了承した。・・・後は、

 

「付き添いを誰にするか・・・よねぇ」

 

 ヘリにイダテン達だけを乗せる訳にはいかないので、付き添いを誰にするかを考える。そこへ、M9が名乗りをあげた。

 

「はーい!私が行くの!」

「却下」

「何で!?」

 

 だが、即座に取り下げる。抗議の声をあげるM9。ジト目でM9を観ながらWAは訳を説明する。

 

「アンタ、イダテン達を送り届けた後そのまま帰るつもりでしょ。

 そうは行かないわよ、彼らを基地に送った後は私達の所へ直行だからね」

「くっ・・・神は死んだの・・・」

 

 がっくりとうなだれるM9。そんな彼女を尻目に、WAは誰を付き添いにするか考えていた。

 

―その結果・・・。

 

「じゃあ、3人の護送頼んだわよMP5」

「はい!頑張ります」

 

 MP5が付き添いをする事となったのであった。イダテンらと共にヘリに乗り込みながらWAと会話を交わす。

 そして、ヘリのドアが閉められると同時にヘリが飛び立つ。

 それを見届けた後、WA達は02小隊の救援へと向かうべく居住区地域へと向かう事となったのであった。

 

―そのヘリの内部で・・・。

 

「しかし・・・、改めてみると荒野ばかりだな」

 

 窓の外から見える荒野を見ながら、イダテンは呟く。その呟きに、アドンも賛同した。

 

「そうじゃのぅ。町もあるといえばあるが、廃墟が多い・・・。まるで戦争でも起こったかのようじゃ」

「起こったかのよう・・・じゃなくて、実際に起こったんですよ。世界を巻き込んだ戦争が」

「何だって?それはどう言うことなんだ?」

「詳しくは分からないんですけど・・・」

 

 イダテンの問いかけに、MP5が答えようとしたその時だった。

 

「おい!あれは何だ!?」

 

 ヘリのパイロットが叫ぶ。それと同時に、MP5達は外を見た。

 

「あれは・・・鉄血の『マンティコア』と『アイギス』の部隊!?」

 

 見えたのは、グリフィンが敵対している『鉄血工造』の戦術人形である『マンティコア』と『アイギス』で編成された大部隊。

 それを見て「何故、ここに!?」と疑問を浮かべるも、それはすぐに分かった。

 

「この進行方向は・・・、司令部の方。・・・って事は、居住区地域の襲撃は囮だった・・・!こうしちゃいられない!早く、指揮官にこの事を知らせないと!」

 

 鉄血の大部隊が司令部に迫る。この緊急事態を、伝えるべくMP5は通信機を手に取り司令部に伝えようとする。

 ・・・だが、

 

「嘘・・・何で繋がらないの!?」

「まずいですよ!このままだと、司令部に・・・」

 

 ジャミングがかかっており、全く繋がらなかった。このままだと、司令部が危ない!そんな状況の中、立ち上がった者がいた。

 ・・・そう、

 

「俺達が奴らを食い止めよう」

「な、何を言ってるんですか!?殺されちゃいますよ!」

 

 イダテン達である。ただの人間が丸腰で戦術人形に挑む、はっきり言って自殺行為であるイダテン達の行動に、MP5はそう言ってとめようとする。

 

「娘っ子よ、安心せい!」

「兄貴とワシ等は、数々の修羅場をくぐってきたんじゃ!

 その鉄血とやらの事は分からんが、あの程度の集団などに遅れは取らんわい!」

 

 イダテンの代わりにそう答えたのは、アドンとサムソン。何故かポージングを取りながらであるが、そこは気にしてはいけない。

 

「そう言うわけだ、奴らの相手は俺達に任せて欲しい。行くぞ、アドン!サムソン!」

「了解でさぁ!兄貴ィ!」

「何処までもお供しますぜぇ!」

 

 イダテンがそう言って、アドンとサムソンに号令をかけると共に、MP5とパイロットが制止する間もなくヘリのドアを開け、パラシュートをつけずそのまま飛び降りた。

 そして・・・、

 

―ギュン!!!

 

「「と、飛んだーーーーーー!!!?」」

 

 そのまま、重力に逆らい飛んだのである。これには、MP5もパイロットも驚きを隠せなかった。

 そんな二人を尻目にイダテン達は鉄血の大部隊へと向かっていく・・・、果たしてイダテン達の運命や如何に!?

 

 

 続くッ!




次回は、鉄血部隊との初戦闘&イダテン達の実力見せとなります!
お楽しみに!

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