ハイスクールD×D 案①『遠坂凛に転生したら』   作:ら・ま・ミュウ

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『私、頑張るから!…アンタは座に帰りなさい』『溺死しろマスター!』

皆さんこんにちは遠坂凛です。

先日は魔力の塊のような上級素材こと上級悪魔が屋敷に侵入し殲滅したのち一晩かけて素材に解体、魔力を宝石に移し終えたので若干の寝不足気味ではありますが、時刻は深夜1時。もうすぐ2時を迎えます。この意味が、分かりますか?fate好きの貴方なら分かりますよね!

 

「アーチャー!英霊召喚を始めるわよ!エクスカリバーを投影しなさい!」

 

「殺す気かマスター!?」

 

 

 

 

屋敷の地下にある魔術工房。

この世界に転生して遠坂凛の容姿、魔術回路、起源すら受け継いだ私はこの十年、研究に研究を重ねた英霊召喚用の魔方陣をサラサラと描いて行く。前世が超のつくオタクであるためその気になればアイリスフィールやウェイバー君が使用した魔方陣を寸分違わず書き写すことも可能な私だけど、この世界には聖杯がない。座に干渉する為の呼び水、聖杯のバックアップなしに維持する魔力などは個人で賄わなければならない。ユグドミレニアみたいにホムンクルスで魔力不足を補えれば良かったが原典の遠坂凛に出来ないのに小説読んだだけのオタクに再現出来る訳がなく、魔力消費を極限まで抑えたこの魔方陣を用いて通常の召喚ではギリギリ、Fate/zeroのバーサーカーなんて間違っても召喚しようものなら宝石魔術の遠坂といえど容易に干からびてしまう。

 

「だから、アンタの出番よアーチャー。投影とはいえその英霊が実際に使用した宝具は何よりの触媒。うっかり、モードレッドやリチャード一世を召喚するなんてアクシデントは起きない。アンタと私なら狙った英霊をほぼ100%召喚することが出来る!」

 

「待ちたまえ。だから何故エクスカリバーなんて大それた物を投影しなければならないのだ!下手をしなくとも死ぬぞ私は!?」

 

「うっさい!セイバー見たいの会いたいの!その為に死になさいアーチャー!」

 

「死んでしまえマスター!」

 

 

結局、チキッたアーチャーはカリバーンを投影して逃げた。

あの野郎………と思わず令呪で自害を命じたくなるが、時間が差し詰っている。

 

「はぁ………いけるわ、貴方ならいけるわ、遠坂」

 

その瞬間、アーチャーとのパスが切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ!連絡も無しに切ったなマスター。

アーチャーが単独行動持ちだからと躊躇いなく、パスを切りおって。………令呪の拘束を逃れたサーヴァントに補給用の宝石まで持たせるとは。とんだ愚か者だよ。」

 

「ほうっ紅い外套…魔術師は女と聞いていたが?」

 

アーチャーの前に漆黒のローブを纏う男が現れた。あまりに破る者が多いので凛は忘れているが日本神話の後ろ盾を得てから遠坂は三大勢力と不可侵の条約を結んでいる。

この男。内包に秘めた魔力量からして上級悪魔だろう。知らぬ存ぜぬが通用する身分ではない。

 

「まぁいい、眷属になれ人間」

 

「完全にアウトだ。さて、サーヴァントらしくマスターを護らせて貰うぞ!」

 

悪魔と英雄が闇夜で激突する。

 

 

 

 

 

「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。祖には我が大師シュヴァインオーグ。降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、」

 

 

 

 

 

「どうした!我が同朋達を屠ったにしては歯ごたえのない!」

 

「くっ!」

 

 

 

 

 

 

 

「王国に至る三叉路は循環せよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻は破却する」

 

 

 

 

 

 

 

「貴様を殺して眷属にした後、本命の小娘も眷属化して私は魔王へと至るのだ!」

 

「!?その異常な強さの正体は蛇、旧魔王派か!

ならば、死体を気にして戦う必要もない!

I am the bone of my――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

「告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「カラドボルグ!!!」

 

「馬鹿なぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろ、召喚も済んだ頃だろう。戻る………」ベキッ

 

 

 

 

 

 

 

 

「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、」

 

 

 

 

 

 

「あ、不味い」

 

 

 

 

 

「天秤の守り――!」

 

荒れ狂う魔力、そして光輝く魔方陣。

 

「(いける!間違なく英霊召喚は成功する!)」

 

それを嘲笑うかのように天井が落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………」

 

「………………うん、ふっ」ドヤ顔

 

「………令呪を持って命ずる自害せよ、」

 

「待て!?早まるなマスター!」

 

人生初めての英霊召喚は失敗に終わった。




そもそも、抑止力すらないのに英霊召喚出来るのかということ。

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