ハイスクールD×D 案①『遠坂凛に転生したら』 作:ら・ま・ミュウ
龍の籠手の亜種禁手を発動させ、全ての手にバルムンクを握りしめるジークフリート
最早、手加減やむ無しと
遠坂凛の守護に力を割きつつ、雷撃などの中距離攻撃で錯乱を試みたエレシュキガル
禁手化を発動し曹操ら英雄派の人間に鍛えられた赤龍帝は初めての実践ながらも上手く立ち回る、そんな彼を緑の光が包む。アーシアが神器で治療を行い少しでもイッセーの禁手の使用時間を伸ばせないかと試みているのだ。
『ガァァァァ!!』
戦闘が始まって一分が経過する。
謎の龍に致命打を与えられないまま、宝具の冥界を維持し続け何百と投影を繰り返すサーヴァント達に流石の遠坂凛の魔力は底が見え初め、「ぐっ!?」赤龍帝の禁手が解けた。
「ここまでか……皆撤退するわよ!」
「待ってくれ!俺のことは構わなくても!」
「うっさい!私はアンタの主でも親でもないの、保護者として少しでも危険だと判断したら迷わず撤退!以上!」
確かに持ち合わせの宝石で魔力をチャージすれば遠坂達はまだ戦えなくもない。しかし、今回はあくまでティアマットの鱗を剥いで適当な所で逃げるつもりでいたのだ。その前提で凛はアーシアと一誠が戦闘になるべく参加せず渡された礼装を絶対に脱がないという条件で連れて来たというのに、
………これ以上は、アーシアも一誠も怪我を。龍が隠し玉を持っていたり更に強力な存在が召喚されでもしたら凛は彼らに命を保証することが出来なかった。
「何かしらのドーピングで一時的に力を得たタイプでもなさそうだし、勝算が低すぎるのよ。一誠、魔術師ってのは準備に準備を重ねるのが基本。私が尊敬する切嗣さんならこういう緊急時はアーチャーを囮にしてコイツが何なのか調べようと自身は真っ先に逃げるけど、「おいっ!?」準備なんてしてないし、誰も犠牲になんてしたくないから皆で頑張った。けど、何にも分かんない。それで良いじゃない」
「………いいんスかね?」
「大丈夫、ここら辺はティアマットが縄張りにしてたから魔物も寄り付かないし、その内ティアマットに交流のある悪魔が洞窟の異変に気づいて討伐隊を組むなり捕獲するなり勝手に決めてくれるわ」
ティアマットが魔王と殺し合える強さと言うなら、あの状態のサーゼクスにコイツは敵わないだろうし。そう付け足した凛は節約すると決めた令呪を一画使用し、爆発的に速度を上げたアーチャーとエレシュキガルに一誠とアーシアを回収させて転移の魔方陣を発動させた。
『これを臆病と呼ぶか、保護者として当然の行いとして観るかは貴方次第………』
『ちなみに、一誠とアーシア、ジークフリートが居なければマスターは意地でも敗けを認めなかっただろう………彼女の負けず嫌いは原典の………いや、こう言うあやふやな表現はよそう“凛”以上だ』