ハイスクールD×D 案①『遠坂凛に転生したら』 作:ら・ま・ミュウ
「曹操、悪い知らせだ………」
世界で初めて神器教育科を設立した魔術学校。そのOBとして卒業した後も割りと頻繁に訪れていた英雄派の集まる一室は重苦しい空気に包まれていた。
「
「三大勢力のゴミ共め!」
英雄派の一部が殺気立つ
「待て、三大勢力と決めつけるのは早計だ。他の神話系統の独断とも」
「日本神話は遠坂凛との契約で国内にいる全ての神器保有者を保護すると約束を交わした筈だ!」
「言わせるな。スサノオとロキが戦えばロキが、天照大神とアレスが戦えばアレスが………古くはあるが、信仰自体が力となる神々…世界的に有名な彼らに比べ日本神話の知名度など無いに等しい、最悪の場合を除き他神話の神が関われば神器保有者ごときで日本の神は動かない」
現に遠坂凛の屋敷にオーディンが訪れた時も悪魔が襲撃した時も、日本神話は知らぬ存ぜぬで通した。
義理堅いだとかフェンリルの尻尾に火を浸けて土地神を守ったからだとか、分かりやすく貢ぎ物などを横流しして遠坂凛を上手く騙しているようだが、英雄派の彼らにとって、既に三大勢力や神々の評価は落ちる所まで落ちていた。
「なぁ、曹操。俺たち人間はこんなにも無力なのかよ」
「あの、遠坂凛でさえティアマットとその後に現れた龍には勝算が少ないと言葉を漏らしていた」
曹操と同等かそれぞれ以上の遠坂凛(魔法少女化)でさえ魔王級で手こずる。三大勢力を滅ぼせたとしても魔王を越える存在など百はいるであろう神の前で人は従うしかないのか。
英雄。無力な人間を守る為に集まった彼らに神という大きすぎる壁が立ち塞がったことで、その現実が改めて重くのし掛かった。
「――いや、一つだけ最強にして最上の手段ならある。遠坂は近々、第二魔法を使い降霊魔術を修めるのだと躍起になっていた。」
その時、ゲオルグが口を開いた。
「降霊魔術………?」
「英霊召喚の亜種、我々に合わせれば亜種禁手
英霊召喚は死後英霊として星に刻まれた偉人を再び現代へ甦らせる大魔術。しかし、大量の魔力や好意的ではない英霊が召喚された場合、召喚主に牙を向く可能性があり人類の守り手とするには問題があった
遠坂凛が成そうとしている事は、召喚ではなく己を媒介とした憑依。英雄の力を人間が借り受け擬似的なパワーアップを可能とする名付けて―――」
「
「ほぉ、並行世界の技術ですか」
その日はこれといって特別な日と言うわけではなかった。強いていうなら宝石剣を完成させたばかりでえらく上機嫌でありゲオルグの質問にペラペラと(勿論話すべきでない事には口を閉じるが)いつもと比べ、かなり口が軽くなっていた。
「そう、前々から興味はあったの。でも、私が修めているのって鉱石魔術で降霊科は専門外だからムリなのかなぁ~て諦めていたの。現にホムンクルスは私の才能をフルで働かせてみたけどムリだったし、たぶん成長するにつれて自然と原典と同じ魔術が使えるようになったのは『サービスしたるで!』あの変なメールのお陰。今さら学ぼうにもこの世界の時計塔に私以上の魔術師は居ないし、もう殆ど諦めていた時に、アーチャーがね「では、並行世界の魔術師に教えを乞うてみたらどうだ?」その一言にピカーンって来たのよ!
私年齢的には中三だし、今からでも全然!」
「今貴方が消えれば英雄派は空中分裂し、それを好機と悪魔達が一斉に攻め込んで来るでしょうね。何処へとは言いませんが」
「えぇー!」
これ以上の戦力は過剰。神という脅威を認識していなかったゲオルグには遠坂凛がこれ以上強くなるのは彼女のうっかり属性を真剣に危険視して避けたかった。
それだけの理由でその時は深く考えようとしなかったが夢幻召喚………これは、神々と矛を交える我々には必要になると英雄派に伝える。
「結局は凛さんに頼りきりじゃん。情けな~い」
「ぐっ!?」
「それってヘラクレスの力を俺が正式に受け継ぐって事だろ?スゲェじゃねえか!」
「………その場合、ジークフリートとシグルドどっちだ?」
「曹操か」
英雄派は盛り上がる。
この世界のギルガメッシュが成し得なかった全ての神々を滅ぼす
その野望を胸にして。
『この世界のギルガメッシュは神に負けた!』『貴様、我(おれ)が神に負けただと!?その侮辱は万死に値する!』『――ならば、神々が今も生きているのは何故だ?』『……………』