ハイスクールD×D 案①『遠坂凛に転生したら』 作:ら・ま・ミュウ
「なっ!?何だ貴様!」
「その鍵貰い受ける!」
とある山奥、ひっそりと研究を行ってきた魔術師の工房に赤い女が襲撃を掛けた。
魔術師の男は腕を切られた訳でもそのあと惨たらしく殺されることもなかったが、近々行われる亜種聖杯戦争でギルガメッシュを召喚するために用意した触媒を盗まれてしまい…新たな触媒を用意出来るほど財産に余裕がなかった為、事実上の敗退が決まった。
末端とはいえ被害にあったのは時計塔所属の魔術師、時計塔はこの事件を調査するために幾つか人材を派遣したが、亜種聖杯戦争が始まるとそれどころではなくなり、赤い女の正体は未だに謎のままである。
突然だけど子ギルを倒す為に並行世界に行って『
…………いや~ギルガメッシュの倉に鍵をするとか流石に卑怯な事だと思うわよ?でもオーディンがやられて北欧は今、大変な事に為ってるの。もう半分以上の神々が冥界送りになってロキは神性の一部を封印され実態を保てず神霊のような虚ろな状態となり、エレちゃんが繋ぎ止めなければ誰も認識出来なくなるようなとても危険な状態にある。子ギルはフェンリンを警戒して停戦状態が続いているようだけどそれも時間の問題。もうなりふり構っていられる時間はない。
「――と言う訳でエレちゃんお願いします!」
「了解したのだわ」
鍵を受け取ったエレシュキガルはFate/strange Fakeでイシュタルがやったよう『王の財宝』を封じた。
「エア!」
だが、残念。ギルガメッシュは既にエアを抜いていた。
ついでに言うとアヴァロン(原典)を装備しヴィマーナまで取り出していた。本気と書いてマジ状態ではあるが上裸スタイルでもなくガチガチに宝具で装備を固めている。腰に付けたエリクサーとか蘇生の霊薬は見間違いだと思いたい。
「もう、ダメよ…………終わりだわ。毒も天敵も何もかも…………遮断する奴なんかにどうやって勝てばいいのよ」
普通ならヤれるであろうエルキドゥもヒュドラの毒も無駄だ。だって当たんないし、エルキドゥとか呼び寄せたらメソポタミア神界が大変な事になりそうだし。イシュタルとか確実に殺られるし。
「気軽に並行世界に渡るんじゃなかった」
遠坂は絶望する。もう万策尽きたと、自身の打てる手は残っていないと。
ギルガメッシュの手によって神々は消滅し、人間の時代が来るのだ。
謂わばこれは剪定事象…ロストベルト的なこの世界が本来の形に戻るような物よ…………悪いことじゃない。エレちゃんはサーヴァントだし子ギルも見逃してくれる。
私みたいな小娘は、ただ受け入れるしか……………………
――話の途中だが