ハイスクールD×D 案①『遠坂凛に転生したら』 作:ら・ま・ミュウ
「フハハハ!フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ―――――――――!」
王は笑う。高々と、雪積もる大地を一望する人の家の扉の前で
「フハハハハハ―――ハックション!」
王は笑う。高々と、決して燃える事のない衣を纏い永遠と燃え続ける灯火を掲げて
「フハハハハハハハハ!!!!」
王は笑う、高々と、笑い続ける。
寒ければ暖を取り、日が沈めば世界最古のテントを取り出し、腹が減れば極上の肉を何処からともなく調達して――
一週間が経った
「…星空を肴に酒を飲むのも一興よ」
「アイツ!いつまで居るの!?」
どうも皆さんこんにちは遠坂凛です。
ギルガメッシュの処女奪っちゃうセクハラ発言&神々の終末一緒に観ようぜヤベーイ発言から一週間。事態は籠城戦(補給アリ)という思わぬ展開を迎えギルガメッシュが諦めて帰るまで屋敷から一歩も出ない決意を固めた私です。
あんな「
…………まぁギルガメッシュが一度言った事を容易に撤回できるほどプライドが安くないのはよ~く知っています。
理想としては、神殺しを止めて教会なりプラモ屋なり好きな所に帰って貰えるのが最高ですが、今は時間を稼げるだけでありがたい。
「――天秤の守り手よ!」
工房で遠坂は詠唱を唱え魔力を活性化させる。
そう……対ギルガメッシュ用に新しいサーヴァントを召喚するのです!
「――――あれ?」
時間、魔方陣、霊脈の代わりを果たす大気中のマナ、高純度の魔力集積体(宝石)
触媒はないが、失敗する通りはなかった。
良くて三騎士の誰か、悪くてもアサシンクラスが召喚されると遠坂は確信に近い物をこれまでの経験から得ている。けれど、召喚は失敗に終わった。
「詠唱に間違いがあったのかしら?
それとも、魔方陣に誤りとか?」
もう一度、魔方陣から書き直し遠坂は唱える。
召喚は失敗に終わった。
「何か変よ……これ」
違和感、例えばハサン達を召喚した時に感じた針穴に糸を通すような感覚が、糸穴どころか針その物が消失したような、何もない所に手を伸ばす虚無感と言えばいいのだろうか?
「何なのよ、妨害されてると言うの…………?」
英霊召喚が行えない。
その事実は遠坂の中で想像を絶するほどストレスとして膨れ上がりギルガメッシュすら思考の片隅にして原因究明に勤しんだ。