鉄血のビルドファイターズ(旧題 ガンダムビルドオルガーズ)   作:にくキャベツ

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第1話 鉄と血とガンプラと

「最終防衛ライン、突破されました!」

 

「団長! 団長のガンダムを出します!」

 

「……おう、任せろ。オルガ・イツカ、カラミティガンダム。行くぜ!」

 

 激しい戦闘を繰り広げる宇宙艦隊の中の一隻から、ガンダムが勢いよく発進する。宇宙を駆けるその機体に三機のザクが迫る。

 

「来やがったな……俺が相手になってやる!」

 

 腕に持っているバズーカ、トーデスブロックを敵に向かい構える。が、しかし。

 

「やめろオルガ! それじゃ無理だ!」

 

「何言ってんだユージン! 今此処でやらなきゃ……」

 

「お前が作ったそのガンプラは……」

 

 それを持った腕が根元からスッポリと抜けてしまった。

 

「……腕がしっかりハマってねえんだよ!」

 

「……勘弁してくれよ」

 

 外れた腕を弾き飛ばしたザクがコックピットに向かいマシンガンを構える。そこから光が溢れ……るところで、彼は机から飛び起きた。

 

「……夢か。そういや、腕作る前に寝ちまったんだったな……」

 

 彼の名はオルガ・イツカ。私立鉄血学園ガンプラ部3番組、通称『鉄華団』の部長。……そして、近い未来、世界に名を轟かせる、ガンプラビルダーである。

 


 

「俺のカラミティガンダム……」

 

「……何浮かねえ顔してんだよ、オルガ」

 

「何言ったってよ、俺たち第3ガンプラ部は第1、第2から流れて来たガンプラとか設備しかねえ……だからあるのは……」

 

 鉄血武器セットに付属するモビルワーカー、その数30台。この全てが第1部室、第2部室から流れて来たものだ。

 

「こんなんで戦えるわけねえだろうが……」

 

 何故モビルワーカーで今まで戦えてこれたかといえば、モビルワーカーは機体数にカウントされないため幾らでも出撃させ全員で戦うことができる為である。しかしそれでも30台程度ではモビルスーツ1機を相手にするのがギリギリのラインだった。

 

「こいつらは極限まで作り込んだけどよ……絶対数が増えない限りモビルスーツには対抗出来ねえよ。だって世界大会だぜ?」

 

 そして鉄華団が目指すのは世界大会での優勝。何故このような弱小チームがそのような大きな目標を持っているかの理由は、その一室に飾られたトロフィーにあった。

 

「……アムロ・レイ。ガンプラバトル選手権準優勝……か」

 

 かつてチャンプと言われた男、アムロ・レイ。彼はこの私立鉄血学園にガンプラ部を作り、バトルシステムを用意し……去っていった。

 

「元チャンプのお墨付きの部活だからって、そこまで気張るかよ、普通?」

 

「せっかくやるならでっけえ事をやりてえだろ……」

 


 

「団長! ギャラルホルンだ! 第1ガンプラ部が!」

 

「……んだと? ギャラルホルンが俺たちみたいなのを相手にする理由はねえはずだろ!?」

 

「オルガが自腹で買ってコッソリ作ってたカラミティあるだろ? アレを嗅ぎつけたらしくて……」

 

「……奪いに来たって訳かよ……最悪な賭けバトルだ」

 

「あぁ、ガンプラバトルで勝ったらそれをもらうって無理やり……」

 

「……分かった、完成したばっかのカラミティで出る。モビルワーカーじゃどっちみち勝ち目は……」

 

「えっ、そんな無茶……本当にやるの?」

 


 

《field 2 Desert》

 

「アイン・ダルトン、グレイズ出撃します!」

 

「オルガ・イツカ、カラミティガンダム! 狩に出る!」

 

 展開されるフィールド。そこに降り立つガンプラが一機、グレイズ、指揮官機だ。

 

「……どこから来る、奴は必ず……」

 

 と、そこで赤色のビームが上空より飛来する。

 

「このビーム……ガンダムSEED系のスキュラか!」

 

 それに少し遅れ、その地面に着地するカラミティ。

 

「かかってきやがれ……!」

 

 が、しかし。グレイズが放つライフルをかわそうと加速するオルガだが……カラミティの勢いがあまりにも付きすぎ、ブレーキが効かなくなってしまう。

 

「畜生、やられちまう……!」

 

 そのまま転んだカラミティにバトルアックスを構えたグレイズが襲いかかる。シールド、ケーファー・ツヴァイで防ぐオルガだが……連続攻撃に耐えきれずシールドが弾き飛ばされる。

 

「畜生、俺じゃ無理か……!!」

 

 アインのグレイズがカラミティを両断しようとしたその時……オルガのホログラムコックピットに、もう一人現れ、操縦桿を握る。

 

「……オルガ。あとは俺に」

 

 そしてそれを押し込み……一気に加速しグレイズに体当たりをかまし、それにより敵を吹き飛ばす。そして、その操縦桿を握っているのは……三日月だった。

 

「ミカ……分かった。パイロット交代だ」

 

「オッケー」

 

「動きが……動きが変わった!?」

 

『アイン! 惑わされるな!』

 

「クランク顧問……」

 

 バトルステージ外から飛ぶ助言。それを聞いて体制を立て直すグレイズだが……

 

「オルガ、こいつの武器は?」

 

「第三スロット……シュラークだ!」

 

 背部のビーム砲を構え、それを放つカラミティ。それを横っ飛びで避けるグレイズ、そして真っ直ぐ敵へ突っ込む。

 

「砲撃戦特化なら……近付いてしまえば終わりだ!」

 

「突っ込んで来るぞミカ!」

 

「……分かってる」

 

 グレイズのバトルアックスを躱し、さらにその勢いのまま蹴り付ける。さらに向かって来るグレイズのアックスを避けながらバズーカの銃口を押し付け、放つ。

 

「行けるぞミカ、トドメを刺せ!」

 

「あぁ、分かってる」

 

「スロット5番目、スキュラだ! ぶちかましてやれ!」

 

 腹部のビーム砲に光が収束し、光線が放たれる。それを受けたグレイズは耐えきれず……爆散した。

 

《battle end》

 

「すみません……クランク顧問……敗北した挙句にガンプラを破壊してしまいました……」

 

「いいんだアイン。今日のところは引き下がるぞ」

 

「……俺の……俺たちのガンプラが、勝った!」

 

「これなら世界大会行けるかな?」

 

「……もちろんだ! 俺たちみんなで……世界を驚かせてやろうぜ!」

 

 初勝利を収めたカラミティが、粒子の光を受けながら力強く立っていた。

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