鉄血のビルドファイターズ(旧題 ガンダムビルドオルガーズ) 作:にくキャベツ
唖然とするオルガ。
「……なんで……なんで負けたはずのマクギリスが……!」
その目線の先にいるのは……メイジン・アグニカ。
「アメイジンググリムゲルデ。アリアンロッド技術部が持てる技術の全てをつぎ込んで完成した最高傑作だ。その初陣に相応しい戦果を期待しているぞ」
「期待だと? そんなものは必要ない。最強の英雄たるアグニカにとって勝利とは必要最小限の絶対条件だ」
マクギリス……いや、アグニカの駆るアメイジンググリムゲルデが雪原へ飛び出す。それに対しブルーディスティニー1号機がEXAMを発動させながら近付く。
「ワークスチームか……だが、相手にとって不足はない!」
ミサイルを放つ1号機。それを躱すグリムゲルデ、さらに横っ飛びで滑りながらライフルを放ち攻撃する。それをシールドで防ぎながらマシンガンを放つ1号機、被弾したグリムゲルデからカンカンと小気味好いが鳴るが通用した様子は見えない。
「ならば……!」
マシンガンを投げ捨てサーベルを引き抜く1号機。それに対し答えるように自らもライフルを捨てヴァルキュリアブレードを展開するグリムゲルデ。接近すると同時に放たれる1号機のミサイルを腕部に追加搭載した小型ミサイルで迎撃するグリムゲルデ、ついに二機は肉薄する。ナノラミネートを塗装した剣とビームサーベルが弾き合い鍔迫り合いになる。お互いに距離を取り再び仕切り直しとなり、空中へ飛び上がる。空中でぶつかり合いながら剣を打ち合い弾き合う。二人のバトルに巻き込まれ、あたふたしたまま二人の放つミサイルの流れ弾に被弾し爆散するティエレン。お互いに激戦を繰り広げるグリムゲルデと1号機だが、1号機の背後から突如現れたAGE-1タイタスに1号機は殴り飛ばされダウン。特に動揺した様子も見せずタイタスに斬りかかるグリムゲルデ、突きを躱し回り込まれるもそこから放たれる剣も片腕で受け止める。殴り返して勝負を決めようとするタイタスだが突如グリムゲルデの腰部から飛び出してきた隠し腕がビームサーベルを取り出し、タイタスを横に斬り裂き撃破した。
《battle end》
「アレが……アグニカの戦いか……」
第一ピリオド終了後、ホテルにて。
「アイツはどう見てもマクギリス・ファリド……俺とミカが初めて負けた相手だ」
「……うん」
「しかもアリアンロッドワークスチームのファイターと来たもんだ。ガンプラバトルを知り尽くしたチームが作った機体で尚且つパイロットはあのマクギリス。はっきり言って強敵だ」
「……だが俺たちは勝つ。勝つ以外に道はねえ」
「マクギリス。主催者からリークされた情報によると次のピリオドの種目はバトルグラウンドだそうだ」
「……バトルグラウンド……参加者全員でバトルロイヤルをするルールか。面白い」
「お前はアリアンロッドのファイターたちの見本なんだ。しっかりしてくれよ」
「あぁ。アグニカが目指すのは元より勝利のみだ」
「頼もしいな」
『長らくお待たせしました。世界大会、第二ピリオドの競技内容について説明します。第二ピリオドは、この巨大フィールドを使用し、全ファイター90名によるバトルロイヤルを行います。三分の一の機体が残った時点で終了となり、生還したファイターにはそれぞれ4ポイントが与えられます。それでは、第二ピリオドを開始します』
「それじゃユニコーンガンダムマーズキング、三日月・オーガス。出るよ」
宇宙空間に飛び出すユニコーンガンダムマーズキング。
「とにかく目に付いたヤツ全員潰せばいいんだよね?」
「確かにその通りだが、敵は強豪揃いだ。気をつけろ、ミカ」
と、その隣にアルトライザーが並走して飛ぶ。
「そうだ。この戦いに一機で挑むのは危険だ、ここは一度協力しないか?」
「刹那の兄貴……確かにそうだな」
「来るよ!」
と! そこで沙慈の号令が飛ぶ。それとほぼ同時に飛来したビームを躱す二機。
「あ、あのガンプラは……」
「イデジム! 操縦ファイターは……ユウキ・コスモ!」
そこに浮かんでいたのは、どう見てもガンプラではない異物。赤いボディと巨大な肩、そしてジムⅢに酷似した頭部を持った、伝説の巨神だった。
「グレンキャノンを有効に使わせろ!」
イデオンの腹部が開き、そこからビームが放たれる。それを躱しながら突っ込むユニコーン。
「ミカ!? やるのか!?」
「あぁ。ここでやらなきゃダメだ」
イデオンのパンチをシールドに受け、後退して距離を取る。それに対し腹部のビーム砲、グレンキャノンを放つイデオン。が、ユニコーンはそれをサイコフレームを解放したシールドで防ぎ吸収する。
「そうか、そのシールドはあのマックスターのグラブと同じ機能を持ってるのか……だけど!」
ビームを吸収したユニコーンの頭上から大量のミサイルが飛来する。それをなんとか防ぐユニコーンだが、ビームと違い吸収できず吹き飛ばされる。
「こっちの弱点にもう気付いたか……!」
背中にマウントしたシールドを飛ばし、シールドファンネルとして使用してミサイルを防ぐユニコーン。
「三日月!」
チェーンソー付きのダブルバルカンをイデオンに放つアルトライザー、だがそれを躱され、グレンキャノンによる反撃でマントを剥がされ吹き飛ばされる。
「刹那! マントが!」
「分かっている、第二形態に移行する!」
アルトライザーが怯んでいる内にユニコーンへミサイルを放つイデオン、シールドファンネル二枚をあっさりと破壊しユニコーンガンダム本体を追撃する。それを受け大気圏へ落下するユニコーン。
「くっ、三日月がやられた? ならば……!」
第二形態の肩部に装着された大口径ビーム砲でイデオンを怯ませ落下するユニコーンを追うアルトライザー。
「……深追いは……禁物か」
その頃、地上では……空を舞う量産型ガンキャノンがEz-8のビームライフルで撃ち落とされる。
「よし! 上手くいった!」
そんなEz-8の元にストライクダガーが三機の編隊を組んでやってくるが、放つビームをシールドで防がれ、Ez-8の三連続射撃で綺麗に三機とも撃墜された。が、そんなEz-8も背後から現れたリーオーに右腕を切断され、そのまま首も刈り取られダウンした。そんな中街中を疾走するアメイジンググリムゲルデの前に三機のドムが現れる。
「オルテガマッシュ! モビルスーツにジェットストリームアタックをかけるぞ!」
が、グリムゲルデが取り出したビームサブマシンガンに反応する暇もなく三機とも蜂の巣にされ爆散した。
その頃、宇宙では……暴れまわるデストロイガンダムに対抗すべく四人のチームを組んで挑むファイターたちだが、あっさりと迎撃され爆散する。その中の一機のヘビーアームズがフルバーストでそのデストロイを撃破しようとするもその全てが通用しない。
「つ、強すぎる……!」
が、そのヘビーアームズの横を通り抜けるようにヘビーアームズカスタムが現れる。
「お前はその機体の真価を引き出せていない」
「な、なんだお前は!?」
「……トロワとでも名乗っておこう」
その頃荒野では……
「まずは優勝候補の一角、ムウ・ラ・フラガを崩すんだ!」
大量の機体がターンXに襲い掛かる。だが、ターンXはその攻撃をことごとく躱す。
「で? お前らはそれを現実に出来るわけ? 出来ないよなぁ? ほら行くぜ、月光蝶である!」
月光蝶を放出するターンX。10機以上の機体がその翼に巻き込まれ消えて行く。
「げ、月光蝶ォ!? ば、化け物か!?」
号令を掛けていた男が情けない声を上げる。その男が乗っていたザウートもドーバーガンに撃ち抜かれ爆散した。月光蝶の放出を解除したターンXだが、そこに曲がるビームが襲い掛かる。
「曲がるビーム!? まさか……」
「見つけたぜぇ!? 殲滅!」
と、そこに気を取られている間に背後から鉄球が飛来しバックパックが破損する。
「何!? ナノマシン散布ベーンが!?」
そして鉄球を放ったのは……レイダーガンダム。
「チッ、その空飛ぶ砲台はぶっ壊せなかったかよ。だがあのインチキ兵器は封じたよぉ!?」
「こ、こいつら……!」
と、そこにさらに二発のビームが飛来する。
「うっせーぞ、お前ら。後は俺が仕留める!」
それを放ったのは……カラミティガンダム。
「ハァ? 後から出てきてトドメ貰おうったってそうは行かねえぞオルガ!」
「どっちもウザい。ちょっと黙ってて」
さらに後から現れるはフォビドゥンガンダム。
「こいつら……チーム・悪の三兵器か!」
「よく分かってんじゃねえかよ! そこまで分かってんならさっさと死んじまえってんだ!」
レイダーガンダムに飛び乗るカラミティガンダム。バズーカでターンXのドーバーガンを破壊し、さらにレイダーの頭部ビーム砲ツォーンで胴体を攻撃する。怯むターンXに、フォビドゥンのビームが襲い掛かる。溶断破砕マニュピレータでそれを弾くターンXだが、さらに背後から迫るカラミティの三発のビームには対応できず被弾する。
「こいつら、なんて強さだ!?」
さらにカラミティはレイダーから飛び降り、レイダーはMS形態に変形。ガンダムハンマータイプの武器であるミョルニルを投げつける。
「そりゃあああっ! 滅殺!」
それを躱すターンXだが続いて迫るフォビドゥンに左腕を切断される。
「何!?」
「フッ……」
「なんてな」
が、切断された左腕を飛行させ、再びくっ付ける。
「バラバラになるのはこいつの得意分野なんでね!」
「抹殺!!」
「は、されねえぞ!」
再び呪詛のような二文字熟語を放ちながらミョルニルを投げつけるレイダー、それをバラバラになることで回避するターンX。
「なんだそりゃあ!?」
再び合体したターンXがレイダーを蹴り飛ばすが、それとほぼ同時に地上から放たれるカラミティのビームにターンXも被弾する。
「こいつら……強いぞ!」
その頃大気圏内へ落下するユニコーンガンダムマーズキングは……
「ミカ! 機体の損傷は少ない、まだ行けるぞ!」
「……だけどシールドファンネルは二枚なくなっちゃったし、良い状態とは言えないでしょ」
「ミカはストイックだな……それでこそだ」
荒野へ落下するユニコーン。そして……
「あれは……ムウさんのターンX!」
「テメエエエエ! 撃滅!!」
三機のガンダムに追い詰められるターンX。
「くっ、さすがにこりゃキツイって……!」
ミョルニルを受け怯むターンXにカラミティのビームが迫る。だが……そのビームは上空から飛んできたもう一つのビームに相殺された。さらに同じ方向からレイダーに向かいもう一発放たれる。それをなんとか躱すレイダー、さらにもう一発飛んでくるもフォビドゥンはそれをシールドで曲げる。
「なんだ!? 上からか!?」
上空から現れたのは……ユニコーンガンダムマーズキング。
「三日月!? 何やってんだ、俺が負けた方が後々楽になるのによ!」
「……あんたとは一対一でやってみたい」
「……相変わらず頑固なやつ」
と、上空から舞い降りたユニコーンに接近するレイダー。
「なんだか知らねえが、お前も瞬殺!」
そして、ミョルニルを振るった。
「……どうだ、ガエリオ。マクギリスの様子は」
「ラスタル会長。実力差がありすぎるようで、マクギリスのヤツに挑む奴はほとんどいませんよ」
「なるほど。ジュリエッタ、お前が次期代表ファイターなワケだが……この戦いは参考になりそうか?」
「いえ。一部の戦い以外低レベルすぎて参考になりません」
「……そうか。ところで、このファイターは?」
モニターに映された三日月を指差すラスタル。
「……三日月・オーガス。チーム鉄華団のエースです」
「ほう……鉄華団、か。面白くなってきたじゃないか」
戦いを続ける悪の三兵器と鉄華団、ムウのチーム。レイダーに追い詰められるユニコーンガンダム、怯んだところに必殺のツォーンが直撃する……はずだった。そのビームを弾くもう一つのビーム。
「あぁ!? またかよ!?」
レイダーのファイター、クロトが空を見上げると……そこにはアルトライザーがいた。
「間に合った……大丈夫か、三日月、オルガ!」
「せ、刹那の兄貴! 助けに来てくれたのか!」
こうして三対三となり、激しい戦いがまた始まる……と思われたところで巨大な地響きが鳴る。
「……何? 何か来る?」
全員が戦闘を止め、そちらの方を見る。……そこには、巨大なザクがいた。
「こ、これは……メガサイズのザクだと!?」
「な、なんだあのデカブツは!?」
「こうなったらアレを使うしかない……」
次回『巨大な敵』
「考えなくても分かる」
「これが俺のあるべき姿」