鉄血のビルドファイターズ(旧題 ガンダムビルドオルガーズ)   作:にくキャベツ

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第11話 巨大な敵

 

「私としたことが、目覚まし時計をセットし忘れるとは……寝坊だ寝坊……まだオルガたちは脱落していないだろうか?」

 

 急いで観客席へ駆け込むドアン。だがそこで彼が見たものは……

 

「何!? あの巨大なガンプラは……メガサイズモデルのザクか!」

 

 あまりにも巨大なザクⅡのガンプラの姿だった。

 


 

「オルガ、あのデカイのは?」

 

「1/48メガサイズモデルのザクだ、手強いぞ!」

 

 身構える周りのガンプラたち。ゆっくりとマシンガンに手をかけ引き金を引くザク。例え通常は威力の低いザクマシンガンであってもこのサイズでは脅威以外の何物でもなかった。一発一発が恐ろしい威力を誇るマシンガンを躱すユニコーン、だがアルトライザーは大量のジョイントパーツのほとんどを破壊されてしまう。

 

「ジョイントがほとんどやられた!?」

 

「アームがやられたなら第三、第四形態にはなれない、この二つすっ飛ばして第五形態になるよ!」

 

「了解」

 

 破壊されたアームパーツを収束し巨大なライフルとして一体化させるアルトライザー。シンプルな状態で巨大なライフルを持ったこの姿こそアルトライザー第五形態であった。……そしてメガサイズのザクは、排出される薬莢さえ脅威になる。降り注ぐ薬莢を避けるために飛び上がるターンX。それを見たザクは脚部のミサイルポッドからそれぞれ三発、合計六発のミサイルを放つ。

 

「おいおい、嘘だろ!?」

 


 

 その頃それを観戦するアリアンロッドの三人は……

 

「CPU戦用のメガサイズザクが動き出した? 何故だ?」

 

「さあ……俺にも原因は分かりません。考えられる可能性としては何者かがシステムのハッキングを……取り敢えずバトルを中止して原因を」

 

「いや、いい。……良い余興になるだろう、突如現れた強敵というのも……」

 

「……」

 


 

 その頃大惨事と化した荒野。

 

「なんだか知らねえが……お前も瞬殺!」

 

 メガサイズザク相手に互角に立ち回るレイダーガンダムだが、ザクに目立った損傷は見られない。

 

「くそっ、なんて硬さだよ!」

 

 ザクが巨大なザクマシンガンを放つたびに周りのガンプラがゴミクズになっていく。ティターンズカラーのガンダムmark-Ⅱがマシンガンを避け、反撃にバズーカを放つも全く通用せず、巨大な手で払われ爆散する。アッシマーとAGE-1タイタスが先頭に立ち大量の機体がメガサイズザクに立ち向かうも、Sマインでその全てが返り討ちにされる。Sマインは対人用兵装だが、このサイズで使えばMSをもあっさりと破壊可能だ。

 

「なんてパワーだよ、こいつ!」

 

 と、そこで空から降下するもう一つの影。

 

「……アレは」

 

 ある程度近づいて来たところで、それがとんでもない大きさだということが理解できた。そう、これは……

 

「デストロイガンダム!」

 

 そう、先ほどまで宇宙で戦闘していたデストロイガンダムが地上へ降り立ったのだ。メガサイズザクとデストロイガンダム、巨大な二機がお互い睨み合う。それを追ってヘビーアームズカスタムも地上へ落下、降り立つ。

 

「なんだよこりゃ……怪獣大戦争かよ」

 


 

「アレは一体……? フリーダムアストレイであそこに飛び込むのは無理かな……」

 

 遠くからそれを見上げるキラ。できるだけ離れようと移動を始めるも……その前に黒い影が立ちはだかる。それは黒く光り、その手には巨大な斧を持った……

 

「こいつは……!?」

 


 

 巨大機体同士がぶつかり合う荒野、その流れ弾に当たり脱落していく一般ファイターたち。

 

「オルガ、どっちを叩けばいい?」

 

「取り敢えず……ザクを叩く!」

 

 デストロイに加勢しザクを倒そうとする二人だが……そのザクの頭部に黒いガンプラが飛び乗り、手に持った斧でその頭を滅多打ちにし粉砕。それを受けたザクは、激しく砂埃をあげながら倒れ込んだ。

 

「何? ……マクギリスの次はお前かよ」

 

 爆発炎上するザクの残骸の中で佇むガンプラは……グレイズアイン。かつて予選でオルガたちが倒したはずの、黒い機体だった。

 

「な、なんでこいつが此処に? 予選で脱落したはずじゃ」

 

 戸惑いを隠しきれないオルガたちだが、グレイズアインの行動は続く。手に持った斧をデストロイに投げつけ、頭部に直撃させる。同じように倒れこむデストロイ。一方フリーダムアストレイが隠れていた森では……奇襲を受け頭部を潰されたフリーダムアストレイの残骸が残っていた。ブーメランのようにグレイズアインの元へ帰ってくる斧。

 

「化け物かよ……あの二機を一瞬で」

 

「チィッ!」

 

 ガンバレルを解放しながら溶断破砕マニュピレータを開くターンX。だが、その直後にグレイズアインに急接近され……反応できぬままドリルキックを受けたターンXは勢いよく吹き飛び、荒野を滑りながら見えないほどの距離へ飛んで行った。

 

「……沙慈! トランザムは!?」

 

「使えるけど、まさかあいつと戦うつもり!?」

 

「そのまさかだ!」

 

 トランザムを発動しながらチェーンソーを取り出しグレイズアインに迫るアルトライザーだが、一瞬で背後に回り込まれ、振り向いた瞬間に膝蹴りを受け怯んだところにバトルアックスが振り下ろされる。首を落とされダウンするアルトライザー。

 

「……嘘ぉ」

 

 あまりにも情けない声を出すオルガ。だがオルガが唖然としてる間にもグレイズアインの虐殺は続く。取り敢えず目に付いた悪の三兵器を吹き飛ばし、突如現れたデスティニーガンダムのアロンダイトを片手で受け止め投げ飛ばす。

 

「オルガ!」

 

「あぁ、ミカ。なんであいつがあんなに強くなってるかは知らねえが、さすがにビームマグナムをフルパワーでぶつければくたばるはずだ、絶対に当ててくれ!」

 

「分かってる」

 

 フルパワーでビームマグナムを放つユニコーン。それに反応し振り向くグレイズアインだが、さすがに避けれず直撃する。巻き起こる砂埃。

 

「やったか!?」

 

 が、グレイズアインは無傷でその煙の中から現れる。

 

「さすがに硬すぎる……なんだこの化け物は……」

 

「……またお前らか。チーム鉄華団……!!」

 

 そしてその黒い機体から怒りに震えた声が放たれる。

 

「あの時も、あの時もあの時もあの時も! 俺の前に立ちはだかったのはお前たちだった!」

 

「……こっちとしてもあんたは面倒だけどね」

 

「だが、その因縁も此処で終わりだ!」

 

「あんたが俺に一度でも勝ったことあったっけ。てかなんでここにいんの? 予選で負けたでしょ」

 

「口の減らないヤツだ!」

 

 バトルアックスを構えこちらは迫るグレイズアイン。

 

「ミカ、NT-D状態でディスチャージを使えばあの化け物も仕留められるはずだ……やれるな?」

 

「オルガがやれってんならね」

 

 デストロイモードに変形するユニコーン。さらにビームを吸収したシールドをビームマグナムに接続する。迫るグレイズアイン。

 

「……粒子出力100%、撃てるぞ!」

 

 ビームマグナムから放たれる真紅の光線。それがゲートを通り抜け拡散、強化される。

 

「な、何!? そのビームは!? ……ば、化け物共め……!」

 

 驚きの声を上げながら撃ち抜かれていくグレイズアイン。吹き飛ばされながら爆発し、炎を巻き上げる。

 

「やったぜ……!」

 

 晴れる煙。……そこには、両腕と頭部を失ったものの未だに立ち続けるグレイズアインの姿があった。

 

「何? ディスチャージでも仕留めきれなかったのか!?」

 

「よくも……俺のガンプラを……クランク顧問から譲り受けた俺のガンプラをここまで……!」

 

 迫るグレイズアイン。エネルギーを使い果たし動けないユニコーン。

 

「終わった……か」

 

 諦めかけたその時。そのグレイズアインが金縛りに合う。

 

「な、これは……ブラディ・シージ!?」

 

「ご名答」

 

 その周りには、吹き飛ばされたはずのターンXのパーツが浮かんでいた。

 

「よくもさっきはメチャクチャにしてくれたなぁ?」

 

「仕留めきれていなかったのか? そんなバカな……!!」

 

 そのターンXがグレイズアインにトドメを刺そうとした瞬間……試合が終了した。どうやら規定人数に到達したようだ。

 

「あらぁ……もうちょっとでこの化け物を倒せたのによぉ……」

 

 ちなみに試合終了後に表示されたグレイズアインのキルスコアは1……詰めが甘く、メガサイズザク以外のガンプラは一機も倒せていなかったらしい。

 


 

 試合終了後……

 

「負けた負けた……あのグレイズには完敗だ……俺たちだけじゃねえ、周りには大勢いたのにその全員が勝てないどころか圧倒されて……刹那の兄貴やムウさんも真っ向からじゃ勝てなかった……あの時ムウさんが入って来なけりゃ俺たちは……」

 

「……オルガ。こんなもんじゃないんだろ?」

 

「あぁ。決勝トーナメントまでにはあいつにも勝てるくらいのガンプラを……!」

 


 

「僕が作って、刹那が乗ったアルトライザーなら完璧だと思っていたのに……あいつにはボロ負けだよ」

 

「……時期が悪かった。あの時ははっきり言って戦闘力の低い第五形態でなおかつライフルが使えない状況だった」

 

「第六形態以降を早く完成させないと、またあいつと当たった時に今度こそ……」

 


 

「ステラ、どうなんだ?」

 

「……デストロイは壊れちゃったけど、ガイアは無事……だからまだ戦えるから……気にしないで」

 

「そういう問題じゃない。……あのグレイズ……こっちを追撃してきたら危なかったな」

 


 

「奇襲だったとはいえフリーダムアストレイが一瞬で……あのガンプラは強いよ」

 

「……大丈夫です。新しいガンプラもファクトリーが作っていますわ」

 

「……そんな大掛かりに作るものだったっけ?」

 


 

 各ファイターがグレイズアインについて思案する中、アリアンロッドのマクギリスとガエリオも……

 

「ガエリオ……あのガンプラは」

 

「……アレを使っているのはアインだ。それ以外何も分からない」

 

「アイン・ダルトン……まさか彼が」

 

 それを聞いたマクギリスは、少し口角を釣り上げた。

 




「強敵、ユウキ・コスモとの対戦だ!」
「なにこの武器」
「……さあ?」
次回『バトルウェポン』
「世界の壁はでっけえなぁ……」
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