鉄血のビルドファイターズ(旧題 ガンダムビルドオルガーズ)   作:にくキャベツ

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第12話 バトルウェポン

「ミカ? どうしたんだその腕の怪我」

 

「あぁ、これね……」

 


 

 話は昨夜、コンビニまで遡る。

 

「……あ」

 

 三日月は、またステラと鉢合わせしていた。

 

「……えっと、なんていうかこの前はごめんね……」

 

「いいよ、気にしてないし」

 

「……一応肉まん買ったから、食べる?」

 

 三日月に袋を投げ渡すステラ。

 

「……いや、いいよ」

 

「えっ、どうして?」

 

「冷めてるじゃん、これ」

 

「……ごめん、いつ来るか分からなかったから……」

 

「……もしかしてあの時のお詫びの為だけに俺のこと待ってたの?」

 

「うん。私お金はいっぱいもらってるから……」

 

「大丈夫だよ。俺自分で買うし」

 

 と、そのような会話を交わしていると……三人のチンピラがそこを通りかかる。

 

「ヒューヒュー、アツアツだねぇ……」

 

「すぐ冷めそうでもあるけどなぁ!」

 

「……何言ってんの? 俺たちがそんな風に見える?」

 

「……んだその言い方は?」

 

 が、三日月の一言で危険な雰囲気へと突入。チンピラの中の一人が金属バットを取り出し三日月へ殴りかかる。……が、そのバットは片手で受け止められ……

 

「へえ……喧嘩? 俺は嫌だね」

 

 と、そんなところで。

 

「ステラぁぁぁぁっ!!!」

 

 走り寄って来たシンが三人のチンピラを約3秒で全員殴り飛ばした。

 

「何やってんだステラ、危険じゃないか! それにそいつと絡んで……また撃たれちゃったらどうすんだよ!」

 

「でも、謝らないとダメだって……」

 

「……確かに、そうだけど……とにかく、危険だからもう部屋に帰ろう……」

 

 去っていく二人。放置される肉まんと三日月。

 

「……これ、食べるか」

 


 

「……ってことがあってさ」

 

「昨日冷えた肉まん持ってたのはそのせいか……そんな腕じゃガンプラバトルは……昭弘やシノに代わってもらうか」

 

「大丈夫。これくらいの怪我なら問題ないって」

 

「そこまで言うなら……次も頼むぜ」

 


 

「どうも! ラクス・クラインでーす!」

 

 世界選手権のルール説明のステージに立つのは、ファイターの一人であるキラ・ヤマトのセコンドでもあるラクス・クライン……の、そっくりさん。

 

「ラクス……彼女は?」

 

「彼女はミーア・キャンベル。私のプロデュースしたアイドルで、時々私と入れ替わりながら生活していますわ」

 

「……君は自分のプロデュースしたアイドルに自分の名前を貸すのかい?」

 

「何かおかしいですか?」

 

 控え室でラクスの発言に呆れた顔をするキラ。ルール説明は続く。

 

「第3ピリオドはオリジナルウェポンバトル! くじ引きで引いた武器のみで一対一で戦う特殊ルールになっていて、手に入れた武器の特性、使い道を瞬時に判断する力が求められます!」

 


 

 くじ引きが終了し、それぞれバトルがスタートする。

 

「ハーッハッハッハ! このバスターライフルさえあれば無敵だ!」

 

 バスターライフルを乱射するアストレイゴールドフレーム。それを地面をローラーで滑りながら躱す、肩を赤く塗ったザクフリッパー。

 

「……」

 

「無言で不気味なヤツだ!」

 

 ローラーで滑る移動法、例えるならローラーダッシュで接近するザクフリッパー。その素早さにバスターライフルは一発も当たらない。

 

「終わりだ」

 

 ザクフリッパーの放つヘビィマシンガンで蜂の巣にされるゴールドフレーム。最終的にフリッパーの肩に装着されたミサイルポッドで吹き飛ばされ勝負は決した。

 

『第3ピリオド第一試合、勝者キリコ・キ……』

 

 続いてトンファーを振るうケンプファー相手に立ちはだかるのはアメイジンググリムゲルデ。トンファーから発射されるロケットアンカーを手に持ったナイフで切り払い急接近、ケンプファーにナイフを突き刺し勝利した。

 

「……なるほど。プログレッシブ……そういうのもあるのか」

 

『第3ピリオド第五試合、勝者マクギリス・ファリド!』

 

「武器が支給されていない!?」

 

「どうやらハズレを引いたみたいだね……」

 

 一方刹那のアルトライザーは武器すらない状態で砂漠に突っ立っていた。

 

「もらったぜガンダム! この俺パトリック・コーラサワーが第3ピリオドの頂点に立つ時が来たぁ!」

 

「お前、コーラサワーか?」

 

 ハイパービームサーベルを引っさげ現れるAEUイナクト。武器がないアルトライザーに殴りかかるが……

 

「仕方ない、行くぞ沙慈!」

 

「分かってる!」

 

 トランザムを発動し赤みを帯びるアルトライザー。それがどうしたといった様子で斬りかかるAEUイナクト。だが……

 

「トランザム神拳!」

 

「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃあ!?」

 

 トランザムを発動したアルトライザーによる高速の拳による突きの連打を機体の全身に受け、言葉にならない声をあげながらコーラサワーのイナクトは砂漠に沈み、その衝撃で落としたハイパービームサーベルを拾ったアルトライザーは倒れ込んだイナクトにトドメの一撃と言わんばかりにそれを突き刺した。

 

「……そんなのってありかよ……」

 

『第3ピリオド第九試合、勝者刹那・F・セイエイ&沙慈・クロスロードチーム!』

 

「おいおい!? いくら強い武器を貰ってもこんなデカブツが相手じゃ……」

 

 レールガンを連射するガナーザクウォーリアを巨体による格闘で粉砕するデストロイガンダム。

 

『第3ピリオド第十三試合、勝者ステラ・ルーシェ!』

 

 GNアームズを手に入れウキウキ気分のドライセン。

 

「これならばどんな相手だろうと……!」

 

 と、油断していると……前方から接近してくるのはガンダムSEEDに登場する巨大強化ユニットミーティア。それのコアユニットになっているのは……フリーダムアストレイ。

 

「僕の使い慣れたミーティアを引けて良かった……これが別のモノだったら」

 

「ちょっと待て!? そんなの反則だろ!?」

 

「GNアームズ引き当てた人に言われたくないよ」

 

 ミーティアフルバーストで吹き飛ばされるGNアームズ付きのドライセン。

 

『第3ピリオド十七試合、勝者キラ・ヤマトと愉快な三隻同盟チーム!』

 

「……このチーム名はなんとかならなかったのかな」

 

 まだまだ第3ピリオドは続く。そして、次はオルガたちの試合だった……

 

「ミカ……この武器は……」

 

「うん。これって……」

 

 オルガたちに支給されたのは……野球のピッチャー用の装備一式だった。

 

「これで……これでやれってんのか?」

 

 と、そこで周りから壁やグラウンドがせり上がり……

 

「野球のスタジアムに……!」

 

 辺り一帯が野球のスタジアムとなった。そしてそのバッターボックスに立つのは……伝説巨神。

 

「なんかよく分からないが、イデオンなら野球も楽勝で勝ち抜いてみせる!」

 

「ミカァ! その腕で野球は無茶……」

 

「やるよ」

 

 振りかぶりボールを投げるユニコーン。それに対しバットを構えたイデオンは……そのままそれを振り抜き、ボールを打ち返した。

 

「……やっぱりその腕じゃ無理だって……俺が操作変わる……」

 

「それはダメだ。俺がやるよ」

 

「そこで意地張るんじゃねえよ……」

 

 もはや諦めムードのオルガ。半泣きで上を見上げる。が、無慈悲にも試合は続く。再び負傷した腕でボールを投げるも、

 

「悪いがこのイデオンなら、その程度!」

 

 あっさりと打ち返され、打ち返されたボールがユニコーンの左腕に直撃。それを受けた左腕は破壊された。

 

「……無理だって……その身体じゃ無理だって……」

 

「諦めるなんてオルガらしくもないよ」

 

「いやそうだけど……そうだけどよ……あと一球だぜ? また打ち返されて終わりだ……」

 

 やつれて死にそうな顔でネガティブな言葉を次々と放つオルガ。チーム鉄華団の敗北はもはや必然であった……が、彼らには切り札があった。

 

「ねえオルガ……アレ、使える?」

 

「アレ……? あぁ、アレか……ぶっつけ本番だが、確かにこの状況をなんとかするにはアレしか……阿頼耶識システムしかねえな……」

 

 阿頼耶識システムという単語を口走るオルガ。

 

「ミカ、こいつは負担が激しい。……やれるな?」

 

「あぁ」

 

 取り出した謎のケーブルを脊髄に挿入する三日月。そしてそれをバトルシステムのコンソールに繋ぎ……

 

「完全なる機体との一体化を果たす阿頼耶識システム……それのリミッターさえ解除できれば……そのガンプラの性能は、他の機体を二倍三倍は軽く超える!」

 

 デストロイモードに変形したユニコーンのツインアイが赤く発光する。

 

「やるぞ……ユニコーン……!」

 

「あの光は……それがお前らの本気か……! ならば! イデオンもイデを全開にして受けて立とう!」

 

 イデオンに刻まれたイデの紋章が輝く。それと同時にゴーグルアイに青い光が走る。

 

「行くぜミカ、全神経を右手に、右手の神経をガンプラに。粒子を通してガンプラに俺たちの信号を送り込んで、フルパワーで投げるんだ。俺の指示通りに!」

 

「オッケー」

 

「左足を、空に!」

 

 思いっきり左足を振り上げ、ボールを振りかぶるユニコーン。

 

「地面を、踏み込んで……後は勇気で!」

 

 そして、ガンプラの全エネルギーを右腕に集約し、そのボールを投げる。

 

「イデオンソード! バットに集中して……行けぇ!」

 

 イデオンの腕から放たれる白い光がバットを包み、それを迎え撃つ。

 

「やったか!?」

 

 ボールを受けバラバラに吹き飛びながら壁に激突するイデオン。勝利したユニコーンだが……その時だった。イデの発動が起こったのは……原作の宇宙を滅ぼすほどのエネルギーではないものの、イデオンから放たれる凄まじい光はユニコーンガンダムマーズキングを飲み込み……引き分けとなった。

 

『ゲームセット! 第3ピリオド二十試合はドロー、試合は引き分けです』

 

「ごめんオルガ、引き分けになっちゃった」

 

「大丈夫だミカ、これから俺たちが勝ちまくればいいんだ!」

 

「ありがとう。この勝負は楽しかったよ!」

 

「……コスモ……ユウキ・コスモか……」

 

「次戦うときは……俺のイデオンが勝つ」

 

「……それは俺たちのセリフだ」

 

 熱い握手を交わす三人。そして第四ピリオドは……




「次のピリオドはレースだと!?」
「それじゃ俺の流星号の出番だぜ!」
「……俺のカラミティの出番が少ない気がするんだが」
次回『オルガカート・ダブルダッシュ!』
「俺たちは止まらねえからよ……!」
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