鉄血のビルドファイターズ(旧題 ガンダムビルドオルガーズ) 作:にくキャベツ
宙を舞うブレイヴとフリーダムアストレイ。ブレイヴの放つビームを躱したフリーダムアストレイが接近し、ブレイヴの変形機構を破壊する。
「やるな!」
ブレイヴが放つ膝蹴りがフリーダムアストレイを怯ませるが、いつの間にか解放されていたドラグーンにブレイヴは蜂の巣にされる。
「これで……終わり!」
落下するブレイヴに刀を一突き。勝負は決した。
《battle end》
観戦を終えた帰り道のオルガたち。
「いやぁさっきのフリーダムアストレイとブレイヴの戦いは凄かったなミカァ!」
「……うん。負けた方のブレイヴだっけ? そっちも凄い強かったし、世界大会のすごさを改めて感じれたかも」
「あぁ。そして俺たちの次の相手だ」
……その頃。キラ・ヤマトは……
「ラクス? どうしたんだい?」
「キラ。ついに彼らが食いついて来ましたわ。私たちのスポンサーになりたいと、アリアンロッドが申し出を」
「本当かい? ……ラクスも変なこと考えるよね。オモチャを動かすだけの粒子の謎を調べようだなんて」
「いえ。あの粒子は、プラフスキーは……この世界を変えてしまうかもしれないのです」
「大袈裟だよ」
「ラスタル様。良いのですか? あの様な者たちに工場見学などさせてしまって。あのエリアは不可侵ではないのですか?」
「……泳がせておけ。どうせ彼は次の試合で……鉄華団の輝かしい伝説の1ページとなり、負けたとなれば適当に理由を付け……我々の近くから消えてもらえばいい。新しい時代の糧になる駒を増やしたにすぎないんだよ、我々は」
「明日の組み合わせはオルガたちのチームとキラの試合と……」
トーナメント表を見るムウ。
「……この勝負、どっちが勝つかねえ……」
翌日。ガンプラバトル会場にて……
《battle start》
「……さて。行こうぜミカ。身体の方は?」
「オッケー。身体なら大丈夫、もうかなり動くよ」
城のステージに飛び出すユニコーンガンダムマーズキング。赤い空、輝く月、そして日本の城。そんな風情のあるフィールドは……
「僕がまた吹き飛ばすよ」
ドラグーンを解放しあたりを焼き払ったフリーダムアストレイにより、城も山も野原も全て吹き飛ばされ、荒野と化す。その光で辺り一帯が眩い光に包まれ昼のようになる。フィールドの特徴を一瞬で全て消し去ったフリーダムアストレイが地面に降り立つ。
「さて、やろうか」
「……なんて威力だ……戦う前にまずフィールドを粉々に……」
刀を抜くフリーダムアストレイ。
「ミカァ! 短期決着で……阿頼耶識を繋ぐぞ!」
「分かってる」
NT-Dを起動しデストロイモードに変形、さらに目を赤く光らせる。バックパックからビームサーベルを引き抜くユニコーンガンダムマーズキング。お互い剣を構え睨み合う。先に動いたのはフリーダムアストレイ、初動の動きを見せず鋭い剣戟を振るう。が、それに一瞬で反応したユニコーンがそれを躱す。
「躱された? くっ……!」
距離を取りながらドラグーンを放つフリーダムアストレイ、恐ろしい素早さで的確な動きをするオールレンジ攻撃が襲い来る。
「……またこれか」
だがムウのターンXやガンプラマフィアのジオングとの戦いで既に対応に慣れた三日月は辺りを駆け巡るドラグーンのビームを避け、手に持ったサーベルで切り払って行く。
「ドラグーンが通用しないなら……」
放出していたドラグーンを辺りに漂わせ、全砲塔を放つフリーダムアストレイ。さすがに避けきれず、シールドで受けるユニコーンだが、それでも受けきれずシールドを粉砕される。
「……手強いか」
「フルバーストで倒せないなら、接近戦を……いや、ドラグーンで充分か?」
再びユニコーンの周りに漂うドラグーン。今度は切り払われないよう距離を取りつつ射撃している。それを躱しながら頭部バルカンを連射するが、ユニコーンの頭部バルカンではドラグーンを撃ち落とすことは不可能だ。舌打ちをする三日月。その次にすぐさま行った行動は……サーベルを投げること。手に持ったサーベルを投げつけ、ドラグーンを破壊する。さらにもう一本、バックパックのサーベルを投げつけ、さらにさらにビームトンファーとして使用可能な腕部のビームサーベルも一本二本と投げつけドラグーンを破壊して行く。
「武器を投げた? だけどそれじゃ近接武器は……」
サーベルを全て消費し尽くしたところを見計らい接近しトドメを刺そうとする残りのドラグーンだが……それは突如振るわれた鉄塊に薙ぎ倒され、破壊された。
「アレは……そうか、ムウさんと戦った時使ってたメイスか!」
ドラグーンが巻き起こした爆風の中から現れるのはメイスを携えたユニコーンガンダム。それを見たフリーダムアストレイは……背中の羽根から、光の翼を解放した。
「……だったら……僕だって本気でやるしかないよね……!」
「ねえ、手品はもう終わり?」
「行けミカァ! 接近戦なら……」
突っ込むユニコーンだが、そのメイスはかわされ、顔面を蹴りつけられる。さらにそのままの勢いでフリーダムアストレイはビームライフルを投げ捨て、ビームサーベルを抜き、メイスを弾き飛ばす。
「しまっ……!」
「悪いけど……勝たせてもらうよ!」
左腕にサーベルを突き刺し、その刺さった持ち手を掴み投げ飛ばす。岩肌に叩きつけられるユニコーン、右腕を動かして抵抗しようとするもそこにもう一本のサーベルが右の掌に突き刺さり岩肌に固定される。さらにフリーダムアストレイは投げ捨てた二丁のビームライフルを空中でキャッチし連結させ、身動きの取れないユニコーンを踏みつけながらそれを突きつける。が、バックパックに背負っていた予備のシールドがいつの間にかシールドファンネルとして解放されており、その攻撃でフリーダムアストレイが怯んでいる隙に無理やり磔を解きながら顔面を殴りつけるユニコーン。それでもフリーダムアストレイは殴りつけられた衝撃を利用してユニコーンを蹴りつける。それに怯まず突っ込んできたユニコーンに、腰部レールガンを突きつけ放つ。肩の装甲が剥げながらも、貫手でフリーダムアストレイの左肩を破壊する。お互いに離れながら、空へと加速し宇宙へ出る二機のガンプラ。
「ガーベラストレート!」
二本目の日本刀……ガーベラストレートを抜くフリーダムアストレイ。
「……ミカ。やれんだよな? だから任せてんだぞ?」
「当たり前だよ。オルガが言うならね」
武術の構えを取るユニコーン。そして、その目は赤色に染まっていた。振るわれる刀の下に回り込んだユニコーンが、手刀でその腕を斬り裂く。そして……
「決めるぞミカァ! 手に全神経を接続、機体を自動稼働に変更! 後は気合で補えばいいんだ!」
「これで……」
全力の貫手が、フリーダムアストレイの胴体を貫いた。
「……ごめんねラクス。僕はやっぱり、この粒子は遊びのためにないとダメだと……」
《battle end》
「勝ったぞミカァ! 俺たち強豪と当たりすぎだぜ……」
「だけど、勝てたんだから良いじゃん」
「まあ、そうなんだけどよ」
明るく語り合うオルガたちの裏で、微妙な顔でラクスと対面するキラがいた。
「……負けちゃったよ。これじゃあもう……」
「いいのですわ。あそこまで楽しそうにしてるキラ久しぶりに見たのですもの」
「そうかい? ……粒子の謎はまた今度かな?」
「いえ。こちらが既に手を回しておりますわ」
「……仕事が早いね」
微妙な表情が優しい笑顔へと変わり、キラはオルガたちの方へ向き直り……
「頑張ってよ。優勝したいなら……僕を倒したくらいで満足しちゃダメだからね……」
「アインとムウの準決勝が始まったようだ」
「ムウさんの方は……アレステラじゃ?」
「ステラだって辛いんだ。止めてやってくれ」
「アインの方は……あのドイツ仮面は!?」
「俺にはクランク顧問の他に恩人と言える人がもう一人居るんです。その名前は、キョウジ・カッシュ」
次回『大地のガンダム・鏡のガンダム』
「二本立てじゃねえのか?」