鉄血のビルドファイターズ(旧題 ガンダムビルドオルガーズ) 作:にくキャベツ
「……アメイジングバエル・フォーミュラをここまで……彼も成長したものだ」
「そうか、次は」
「どうも! 世界大会スポンサー及びイメージキャラクターのラクス・クラインです! ……こちらをご覧ください。決勝戦を目の前に、こちら会場の静岡では大盛況を見せております!」
会場付近に設置された数々のアトラクションや施設が賑わいを見せる光景をカメラに映す、レポーターのミーア。
「そしてご覧ください。実物大のユニコーンガンダム立像とバエル立像ですわ! こちらは大会の為だけに急ピッチで作られたイベント用のモノになっており、参戦ガンプラと同様のカスタムが施されているのです」
映し出されるのはユニコーンガンダムマーズキングの1/1立像、そしてアメイジングバエル・Fの同様の立像。
「こちらはガンプラ製作コーナー、買ったガンプラをすぐさま作成可能です! さらに隣接するフリーバトルコーナーでバトルまで可能ですよ! しかも大会に出場した選手とのバトルも……」
「あらミーアさん。あなたもバトルしに来ましたか?」
レポートを続けるミーアの元に、満面の笑みのラクスがやってくる。……ちなみに生放送中である。
「ちょっとラクス様、今は撮影中で……」
「あらすみません……すぐに行きますわ」
「あー! もう! カット! カットよ!」
そんなハプニングだらけな番組の裏で……
「不死身のコーラサワー! 只今参……」
あっさりと切り捨てられるジンクスⅢ。
「……嘘だろぉ?」
あっさりと倒される大会出場ファイターの姿があった。
「刹那ぁ……」
「いつまで落ち込んでいる沙慈・クロスロード」
祭りの中を歩く鉄華団と刹那、沙慈。
「別に沙慈のガンプラは弱くなかったと思うけど?」
「でも……刹那はあの人に負けたって言うしさ」
「……それは俺のせいだ。気にするな」
「そんなことより飯食おうぜ!」
いつの間にかフライドポテトを大量に持って来ていたシノ。
「……ハンバーガーは?」
「芋の方が美味えじゃん?」
「そうか……」
その頃、フリーバトルコーナーでは……ガンプラ一年分をかけた熱き戦いが繰り広げられていた。
「まったく、世界大会出場者の俺が出たら圧勝だって言ったじゃんかよ!」
周りのガンプラを蹴散らしていくムウのターンX。一般参加者だけでなく、コーラサワーのイナクトも爆散していく。
「ちょっと待てよ!」
コーラサワーの悲痛な叫びをかき消すように戦闘は続く。そのターンXに立ち向かうのは……アインのキュリオス。
「邪魔だ、この準々決勝敗退野郎!」
「準決勝まで進んだヤツの言うことはキツイね!」
キュリオスの放つミサイルを躱すターンX、そのまま月光蝶を展開するもその隙を突かれ、モーターソードを胴体に突き刺され……
「おいおい、そんなのって……」
「ありです!」
掴まれ、フリージングバレットでトドメを刺された。
「やはり、世界大会よりかはレベルが低……」
油断するアインの前に現れたのは、手を真っ赤に燃やすゴッドガンダム。反応する暇もなく胴体を掴まれ……
「ヒィィィィト!!」
「ドモンさん? 何故ここに、と言うかちょっと待って……」
「エンド!」
そのまま爆発。アインのキュリオスは倒れた。
「見てるか! レイン!」
真っ二つになったキュリオスを確認し、腕を掲げるドモン・カッシュ。どうやら目的はガンプラ一年分ではなく……
「……ドモン、今の私は司会なのよ……恥ずかしいからやめて……」
その近くに立っている女性だったようだ。
その頃、オルガたちは製作コーナーにて……
「よう、シン。ガンプラを作るのか?」
「あぁ。俺のじゃなくてステラが作りたいって」
シンと出会い、ステラのいる場所へ案内されていた。が、そこにいたのはステラだけではなく……
「会えて嬉しいよ。鉄華団の諸君」
「マクギリスじゃねえか……」
再び、メイジンではない、マクギリスと出会ってしまったオルガたち。オルガと三日月だけを連れ……高台で会場を見下ろす。
「マクギリス……お前」
「ハハ……申し訳ない。あの時、私はメイジンになる道を選んでしまった」
「別にいいよ。チョコの人と世界大会で戦えるんだし」
「君たちは優しいな。多くは語るまい……」
背中を見せ、ニヤリと笑いながらマクギリスは、最後の言葉を語った。
「最高のバトルをしよう」
そうとだけ語り……マクギリスはその手すりを乗り越え、飛び降りて去っていった。
「……なんだあの帰り方」
同じく帰ろうとするオルガに、三日月が話しかける。
「ねえオルガ。……ちょっとさ。一回だけバトルしてみない?」
それを聞いたオルガは、口角をゆっくりと吊り上げて……
「お前とか? ……いいぜ」
その勝負を受けた。
彼らのバトルを見るために……数々のファイター、数々の観客が集まる。
「かかってきな、ミカ。俺の作ったガンプラでボコボコにしてやるぜ」
「へえ。性能だけ良くても勝てないんじゃなかったの?」
お互いガンプラをセットするオルガと三日月。
「オルガ・イツカ。ユニコーンガンダムマーズキング! 狩りに出る!」
「それじゃ三日月・オーガス、ガンダムバルバトス。出るよ」
宇宙へ飛び出す二人のガンプラ。性能が高いのはオルガだが……操縦技術は圧倒的に三日月の方が上だ。
「バルバトス? いつの間にそんなもん作りやがった……」
「あぁ、うん。あの赤いのは今直せないから、新しく作ろうと思ってさ」
滑腔砲を放ちながらユニコーンに迫る三日月のバルバトス。が、それをシールドで受けながら、ビームマグナムで反撃するユニコーン。それを真っ向から突っ切りながら、バルバトスは滑腔砲を連射する。それを宙返りで躱すユニコーン。
「あの動き……オルガのヤツ上手くなってやがる!」
「へえ、やるじゃん。それじゃあ接近戦なら……」
「なんの! こっちにだってメイスくらいあるさ!」
メイスを構えるバルバトス、それと同じように取り出したメイスを構えるユニコーン。ぶつかり合う二つの鉄塊、が、素組みのバルバトスでは力負けする。
「勝った! このまま押し込んで……」
「オルガ、性能だけ勝てないって忘れた?」
が、バルバトスはその力を受け流しながらユニコーンの体制を崩し、そのまま蹴り飛ばす。体制を立て直すユニコーンだが、突き出されるメイスにシールドを破壊される。
「あのさオルガ……それ決勝戦で俺が使うから壊したくないんだけど」
「なんのすぐに直すさ!」
接近してきたバルバトスを蹴り飛ばし、距離を取るユニコーン。そのままメイスを投げ捨て、ビームマグナムを放つ。
「それじゃあ遠慮なく」
が、そのマグナムは避けられ、急接近されたユニコーンはメイスを叩きつけられ、さらに宇宙に漂う小惑星に叩きつけられた挙句連続で打撃を受け……
「おいふざけんな、なんで俺がこんなに作り込んだガンプラが素組みのミカに負けんだよ!?」
「オルガが弱いからじゃない?」
「クソゲー! クソゲーだぜこりゃあ!」
オルガの嘆きと共に、ユニコーンガンダムマーズキングは爆散した。
その後も楽しい時間は続き……こうして、前夜祭は終わりを迎えようとしていた……
「……おいふざけんな。俺は楽しくねえぞ」
死んだ目をしながらユニコーンガンダムマーズキングを直す、オルガを除いて。
翌日。
「……マクギリス?」
「始めようじゃないか。全力の戦いを。君たちの求めていた、戦いを」
戦いの場に立っていたのは、異様な姿をした……真っ黒なガンプラだった。
「これがマクギリスの本気?いや、違う!」
「これは……チョコの人じゃない」
次回『ダインスレイヴ』
「月の悪魔と厄災の剣……か」