鉄血のビルドファイターズ(旧題 ガンダムビルドオルガーズ) 作:にくキャベツ
「……マクギリスが……負けるなんて」
ガンプラ部第一部室へ向かうオルガ。ドアを開け問いただす。
「マクギリス、何負けてやがる? あのガンプラは一体……」
「オルガか。だがここにマクギリスのヤツはいない。そして……この学校の何処を探してもいない」
「……クランクのおっさん。どういうことなんだ、それ?」
「マクギリスは……学校を無期限に休学した」
「……アイツは逃げたってのかよ、俺らから」
「オルガ」
「……何も言わないでくれ」
俯いてユニコーンガンダムマーズキングを見つめ続けるオルガ。その顔は今までのいつよりも落胆しているように見えた。
アリアンロッド本社。そこのトライアルバトル用フィールドでは、準々決勝で倒されたはずのアメイジンググレイズが周りの標的を次々撃ち抜いていた。
《trial battle end》
「タイムは30秒、的中率は98%! 凄いぞマクギリス! 並み居るファイター候補生の中でお前が一番だ! 三代目メイジンアグニカ襲名式にお前が選ばれるのは間違いないだろうな」
「……ああ、そうだなガエリオ」
ガエリオと呼ばれた青い髪の男の横を通り抜け部屋を去るマクギリス。
「何処へ行くんだ?」
「心配しなくてもいい、明日の襲名式までには戻るさ」
「……好きにしろ。このメイジンアグニカの称号はお前が望んだモノなんだからな。それにしても大会を途中で抜けるために予備のガンプラを使ってわざと負けるとは……変なことを考えるものだな」
ユニコーンガンダムマーズキングを見つめるオルガの部屋のドアが開き、三日月が入ってくる。
「……ねえ、オルガ」
「どうしたんだ? ミカ」
「それ、貸してくれない? 試合前に壊しちゃうかもしれないけど」
「なんでだ?」
だが、しかし。三日月の目からオルガはその意図を感じ取る。
「……そういうことか。じゃあ持ってけ。但し、俺もついて行く」
「いいよ。……オルガも分かってるよね」
「あぁ。……ヤツが待ってんだろ?」
学校のバトルルームに待っていたのは、マクギリス。
「来てやったぞ、マクギリス!」
「……会えて嬉しいよ、鉄華団の諸君……」
「ミカ、やってくれるな」
「勿論」
お互いに向き合い、宇宙のフィールドを選択する。ガンプラをセットし、出撃する。
「それじゃ三日月・オーガス、ユニコーンガンダムマーズキング。出るよ」
「マクギリス・ファリド、アメイジンググレイズ。出撃する」
お互いが
「ミカ!!」
「分かってる」
バックパックを分離しモビルワーカーが登場、ワイヤーを弾きながら空中を移動する。ワイヤーでグレイズを縛り付け、動きを止める。無理やりパワーで千切られるワイヤー、だが放り出されるモビルワーカーの放つ機銃がユニコーンのシールドから分離したガトリングを捉え、グレイズの至近距離で爆発し吹き飛ばす。宇宙に漂うモビルワーカーを回収しビームトンファーを手に持ちサーベルとして構えるユニコーン、それに対し剣を展開するグレイズ。お互いの剣がぶつかり合い、光の筋となりながらぶつかり合う。
「ミカ。俺を信じろ」
「あぁ」
再度分離するモビルワーカー。さらにバックパックと合体し変形……戦闘機となる。鍔迫り合いの末に爆発する二人のガンプラ。だがマクギリスのグレイズのパーツも合体し戦闘機となる。
「ミカァ! あとは、俺に任せてくれ!」
二機の戦闘機が空を駆け、撃ち合う。そして……
「……いやー、負けちまったな」
「そうだね。明日は準決勝だけど、ガンプラ壊しちゃったよ?」
「……あぁ、そうだな。だけどこれくらいなら、直せるさ」
そして、翌日。
『準決勝第一試合を開始します』
街中に降り立つユニコーンガンダムマーズキング。その上から現れる漆黒の機体は……グレイズ・アイン。
「またお前か……!」
いきなりビームマグナムを構え放つユニコーン、だがその爆風の中からは無傷でグレイズアインが飛び出してくる。大型バトルアックスを抜くグレイズアイン、その攻撃をシールドで防ぐユニコーンだがアックスを受け止めたシールドはあっさりと破壊され、それで怯んだ隙に叩き込まれるドリルキックにより吹き飛ばされる。ブーストを吹かし体制を立て直すユニコーンだがそこに迫るグレイズアイン。ビームマグナムを撃つがグレイズアインはなんと身体を捻り躱す。さらに斧をしまいながら肩に掴みかかり、パイルバンカーで左腕を吹き飛ばす。
「浅いか……!!」
また斧を抜きながら距離を取るグレイズアイン。それに対しユニコーンは腕部ビームサーベルを抜く。斧の一撃を躱し敵の頭部にサーベルを叩き込むユニコーンだが、あまりにも圧倒的なナノラミネートの再現率によりビームサーベルが全く通らない。そのまま胴体部に膝蹴りを喰らい体制を崩したユニコーンがもう一本の足により蹴り飛ばされる。ビームサーベルを落としながら倒れこむユニコーンに迫るグレイズアイン。
「……終わりだ、お前のガンプラを何にもならぬ屑に変え俺が……俺が決勝に進んでみせる……!!」
事前に分離し背後から攻撃を狙うモビルワーカーを超反応で機関砲で叩き落とす。
「どうやらアレが最後の手段だったらしいな、これで……!」
斧を構え振り下ろさんとするグレイズアイン。だが、しかし。
《NT-D》
デストロイモードに変身したユニコーンがそれに掴みかかり、押し飛ばす。
「何? まだ動けるのか?」
「で……話は終わった?」
なんと弾き飛ばされたはずの左腕を緑色の光で浮かせ、本体にくっ付ける。
「バカな、サイコフィールドだと?」
「これの名前知ってるの? サイコフィールドって言うんだ」
背中のサーベルを抜くユニコーン。それに対し、バトルアックスを構えるグレイズアイン。サーベルによる突きを躱し右腕を斬り落とそうとするももう一本のサーベルを抜いたユニコーンに逆に左腕を落とされる。が、残った右腕によってユニコーンの左腕も捥がれる。そこからドリルキックを腹部に当てようとするグレイズアインだが、それを右手を引き換えに防ぐユニコーン。ビームサーベルが弾き飛ばされるが、そのまま素手で突っ込み押し出す。その衝撃で斧を落とすグレイズアイン、お互い素手になり互角の状態になる。その時サイコフレームが緑色に輝き出し……
「クランク顧問! 俺は、俺の信じる……」
掴みかかろうとするグレイズアインの腹部にユニコーンガンダムマーズキングの貫手が突き刺さり、貫通する。それを受けたグレイズアインは倒れこみ……
《battle end》
勝負は決した。
「……オルガ。俺勝ったよ」
「……ミカ……本当に勝てたんだな……」
こうして激動の準決勝を勝ち抜いたオルガたちは、ついに決勝へ向かうこととなる。……世界大会は目前だった。
「……俺のグレイズが……」
「アイン……惜しかったな」
「……俺は」
だが。まだ何かありそうだ。
「夏だから海に行こう」
「サービス回ってヤツ?」
「野郎ばかりの水着回とか何処に需要あんだよ!?」
次回『世界の実力』
「現実世界は冬?気にするんじゃねえよんなこと」