鉄血のビルドファイターズ(旧題 ガンダムビルドオルガーズ) 作:にくキャベツ
「来るぞ昭弘!」
「分かってる!」
前回の対グレイズアイン戦で激しく損傷した三日月のユニコーンガンダムマーズキングに代わり昭弘のソードカラミティガンダムリベイクが決勝戦に臨む。敵は大量のGビットを引き連れたガンダムダブルエックス風のクロスボーンガンダムX3。
「戦いは数だ。この数に勝てるわけがない」
大量のGビットが放つビームを避けながらビームブーメランを取り出し投げるカラミティ。それは直角的な軌道を描きながら周りのGビットを次々と撃破した。
「……は?」
その光景に呆気にとられる対戦相手。
「俺たちのガンプラは」
「伊達じゃねえ!」
さらに次々とビームブーメランを投げつけ、Gビットを殲滅していく。そして近くにいるGビットは対艦刀で叩き斬る。
「ば、化け物か!?」
呆然とするクロスボーンに接近したカラミティがそれを真っ二つに斬り裂き、勝負は決した。
「どうなってんだ白いガンプラが負けたぞ」
「……これは、あの、その」
「何にせよ、あの茶色のガンプラは脅威だな……」
バスを貸し切り、高速道路を走る鉄華団。
「優勝の副賞が旅行とはな……」
「温泉だったか? こんな大人数で押しかけていいのかよ」
「いいらしいぜ、知らんけど」
バスの席で黙々と新しいガンプラを作るオルガ。今回使用しているキットはガンダムマックスター……Gガンダムに登場するネオアメリカ代表のモビルファイターだ。
「おっオルガ! 今回は何作ってんだ?」
「……喜べ。次はシノのガンプラだ」
「へえ、俺の? カラーリングはピンクで頼むぜ」
「分かってる」
そして……運転席に座っているのはドアン。
「悪いなドアンのおっさん。あんたに運転任せちまってよ」
「いいんだ。むしろ私も来て良かったのか?」
「……運転できるヤツが鉄華団にいないからな……ロックオンの兄貴は店番で忙しいし」
「見ろ。海だ」
ビーチサイドを眺めるオルガたち。よく晴れており、絶好の海水浴日和と言えるだろう。
「……ねえ、泳がないの?」
「いや泳ぐわけねえだろ寒い」
……冬じゃなければ。冬は寒い、尋常じゃなく寒い。こんな日に海水浴に出れば普通に死ぬだろう。むしろなんで封鎖しない、シン、この馬鹿野郎。
「……旅館行こうか」
「あぁ……分かってる」
「ごめんくださーい」
旅館に入るオルガたち鉄華団。そこに見覚えのある人影が駆けてくる。
「……ようこそおいでくださいました」
そこに現れたのは和服姿の沙慈だった。
「……沙慈の兄貴? そんな格好で何を」
「僕だって知らないよ……優勝の副賞でここに来たらいつの間にかこんなことになってたんだ」
そこに歩いてくる刹那ともう一人の女性。
「何をしている沙慈・クロスロード。しっかりと接客しろ」
「なんか面倒な事に巻き込まれちゃったね、沙慈……」
「ルイスは普通にしてていいよ。僕がやるから……刹那はもう少し遠慮というものを考えようか」
オルガたちが旅館でくつろいでいると……突然轟音が響く。玄関からのようだ。そこへ向かうと……なんとそこには軽トラックが突っ込んでいた。
「……おいおい、冗談だろ?」
そのトラックの中から現れる大男。
「すまない……ブレーキの効きが悪かったみたいだ。だがこれでは旅館は当分営業できないな……そろそろ俺たちに権利を売ってはくれないか?」
その男はどうやら女将にこの旅館の権利を要求しているようだ。
「……典型的な地上げ屋だなぁ……」
そんな中、オルガが彼らの前に立つ。
「……なんだお前は?」
「おい、バトルしろよ」
そして突然決闘の申し込みに出る。
「お前が勝ったらこの旅館の権利をやる。だが俺が勝ったならこの旅館には二度と関わるな。それでいいよな、女将さん?」
「……えっ?」
「黙ってるってことはYESって事だな? やるぞ、ガンプラバトルだ! 刹那の兄貴、沙慈の兄貴も来てくれ!」
強引にガンプラバトルの流れに持っていくオルガ。さらに刹那と沙慈も無理やりに巻き込む。
「ミカァ! やってくれるな?」
「いいよー。んじゃ、三日月・オーガス、ユニコーンガンダムマーズキング、出るよ」
「刹那・F・セイエイ、アルトライザー。目標を駆逐する」
二体のガンプラが街に飛び出す。そんな二人に立ちはだかったのは……巨大なモビルアーマー。
「アプサラスか!」
「刹那、取り敢えずまずは第一形態で……」
「分かっている」
アルトライザーがエクスキャノンからミサイルを放つ。それに被弾するアプサラスⅢだが、特に効いた様子はない。さらにアプサラスⅢは足を展開し地上に降り立つ。
「巨大な足が……」
ビームマグナムを放つユニコーンだが、その光線は弾かれてしまう。
「Iフィールド……?」
「生半可なビームは通じないってことか!」
圧倒的な火力の前に火の海と化すフィールド。それを避けながら都市を飛行する二人のガンプラだが……
「小賢しい」
アプサラスⅢが謎のガスを放つ。それを浴びた二機は錆つき動きが止まってしまう。
「こ、このガスは!?」
さらに襲いくるアッザムリーダー。その網にかかる二人。
「アッザムリーダーかよ!?」
「諦めろ、この灼熱地獄から逃れられたものは……!」
ツノが折れ膝をつくユニコーン、だがしかしアルトライザーは……
「刹那! 第二形態!」
「分かっている」
マントをパージしアッザムリーダーを弾き飛ばす。さらに各種ジョイントアームを展開し……第二形態へ変形する。
「撃つんだ、刹那!」
「了解。フルバースト!!」
同時に放たれる大量の武装。反撃に放たれたアプサラスⅢのビームを物ともせず押し切り……破壊した。
「……今日は助けられちまったな」
「問題ない。お前こそよくあんな無茶な賭けが出来たな」
こうして勝手に話を広げ、勝手に解決したオルガたち。旅館で身体を休ませ……ついに世界大会のメンバーが決まろうとしていた!
「ついに世界大会が近づいて来たぜ…!」
「俺様の流星号:TYPEAmericanも絶好調よ!」
「行こう。俺たちみんなで」
次回『交差する道』
「行くぞ沙慈・クロスロード」