BLACKSOULSⅡ腹パンRTA 0:19:19:19   作:メアリィ・スーザン・ふ美子

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混沌虚無配信5【素晴らしい新世界】

 

 

 

 

 

 

 ──はやすぎた後書き

 ──落丁! 

 

 

 今回この分からせRTAを書くにあたって、私はまずはじめに3つテーマを定めた。

 

 ひとつは、アンデルセン童話より【赤い靴】を物語の軸に据えること。

 ひとつは、新たな友人の望みをかなえること。

 ひとつは、だれもが幸せな結末に至ること。

 

 酷く端的に語れば、とどのつまり【赤い靴】とは上位者が愚かな少女を分からせる物語である。不幸な生い立ちの少女が、ある一つの事柄に心奪われ、傲慢にも調子に乗った結果、大いなる者に呪われてしまい、心優しいおじさんに分からせられ、紆余曲折の末にようやく反省し、神の御許に招かれ幸せになる物語だ。

 

 あらすじがまったく違う? 

 ……感性の相違だな。

 今の私にはそう読めるのだが。

 戯言はさておき。

 何故、テーマとして星の数ある童話の中から【赤い靴】を選んだかと言えば、もちろんそれ自体が私と同等とまでは言わないが、とてつもない恨み憎しみを抱えていたこともあるが、舞台装置として、非常に都合が良かったからだ。

 

 なにせ童話【赤い靴】には、三足ぶんの赤い靴が登場するのだから。

 

 一つは謙虚さを忘れた少女が履き、踊り狂うこととなったエナメル製の赤い靴。

 一つは王女が履いていた、少女の心を魅了してやまなかったモロッコ革の赤い靴。

 そして最後の一つは、両親を失った少女が、叔父と叔母に引き取られる切っ掛けとなった、ラシャ布の端切れでできた赤い靴だ。

 

 どの靴も三人の主演女優にピッタリと嵌まる、素敵な赤い靴だろう?

 ガラスの靴よりよっぽど履き心地が良いに違いない!

 私は魔法使いになったような気分で、彼女達の靴を赤く改変することに決めた。

 

 新たな友人、メイベル嬢の箱庭に這い寄る少女を送る、という展開は、正直に告白しよう。当初考えていなかった。しかし死者を復活させる呪文と引き換えに是非と言うことだから、頭を捻ってその展開を捻じ込んだ。形は違えど、同好の士のようなものだからね。

 

 これで私もロストエンパイアにいたあの人やこの人を遺灰も何もないところから蘇らせうるというもの。互いに益のある、非常に良い取引だった。

 

 さて、最後のテーマについてであるが、私はかつて愛しい少女を愛するためには私自身がメアリィ・スーになることだ、というような文言を書き残した。しかし私は彼女とは異なり、不幸な結末ではなく幸せな結末こそが物語の幕を閉めるに相応しいと思っている。

 

 それだけは真実をお話したかった。

 

 前回の童話において、私は我々自身の無念を晴らし幸せとなったが、ならばそれに続く物語は、皆を幸せにする物語を書くべきだろう、と常々考えていたのであるが……

 

 しかしはて、今更だが、誰もがみんな成りたがる、幸せとはなんだろう? 

 

 

 ――この先、種明かしが待っているんだ……

 ――びっくりするほどユートピア!

 

 

 それは不定形かつ変幻自在。千差万別に十人十色。一致百慮とはいかず、確固たる絶対などありえない。そのありかたはクトゥルフ神話に語られる神々のよう。しかし童話はあらゆる疑問にたいして答えらしいものがこめられているものだ。教訓ともいう。私は先人の知恵に倣って、この難題を解き明かす閃きの発想に至るヒントを童話から得た。

 

 

 幸せは、遠い所を探しても見つかりはしない。それは日常の中にある────【幸せの青い鳥】

 

 登場人物たちに悲劇の祝福あれ。メアリィ・スー様の悦びの餌と成れ────【不幸の蒼い鳥】

 

 

 なるほど。と納得することしきりである。

 もしもそうであるならば。

 答えはひとつしかあるまい。

 

 目覚めぬ夢の中、延々とまぐわい続け、ひたすら悦ばせつづけてやることが、皆の幸せなのだろう。 

 

 だってそれ以外考えられないじゃないですか。

 俺もやったんだからさ(同調圧力)

 いいだろ? 

 

 文末に、この二次創作小説を執筆するにあたって様々な形で世話となったメイベル嬢の言葉を借り、筆をおかせていただく。早く彼女を愛さなければ。愛ラブRTA!

 

 

 

 

 

 

いずれ黒き魂の負荷に耐えられず、

近いうちに爆発して器が壊れるでしょう

その瞬間こそ狙い目よ、グリムくん。

飛散した魂を搔き集めて別々の器に戻すの。

ワタシも手伝ってあげる

 

 

 

 

 

 ――この先、つづきがあるぞ

 ――あなたのグリムはどんな顔ですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──びっくりするほどユートピア! 

 ──びっくりするほどユートピア! 

 ──びっくりするほどユートピア! 

 

 

 

「世界が貴女を許さなくても、私は貴女を赦します」

 

 

 やった! 私はやった! アリスに赦された! ついに至るは純白の牢獄、ほんの僅か、胸中にかすめた悪い夢を克己して廃し、易きに流されず、進むべき正義の道を完走した! ああ、もう死んでもいい! 私は艱難辛苦を乗り越え、ついに、報われたのだ!  

 

 

「さあプリス、私と一つになりましょう、それはとてもとても気持ちいいことなのよ」

 

 

 私は夢幻のような安らぎに包まれて、その大いなる言葉に従い……あれ……従い……おかしいな。なんで私、泣いてるの? だって、ダメじゃないか。こんなはずじゃなかった。そんなつもりじゃなかった。どうして? こんなに嬉しいことはないのに。何故、私は、泣いているんだろう? 

 

 

 ──びっくりするほどユートピア! 

 ──びっくりするほどユートピア! 

 ──びっくりするほどユートピア! 

 

 

 ほうら、耳を澄ませば、世界の中心で理想郷を叫ぶ、無数の歓声にあがっているではないか! 何もおかしいことはない。その賛辞は五臓六腑に染み渡り、ソウルを芯から書き換えるかのよう。黒色? 白色? 赤色? 世界が明滅する。私はなんだかふわふわとした心地のまま、何も考えられなくなった。

 

 

 ──二人は渦状銀河を描くかのように一体化し、愛しい彼と末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 

 

 

 

 

 

 ……それはすべての中核で災厄の祝辞を吐きちらす彷彿としたあらゆる妄想の渦中にて尽きること無く創造力の反映を繰り返す無形の陰影にほかならなかった。

 すなわち時系列をも超越した想像もおよばぬ無明の後宮で下劣な太鼓を打つ狂乱なる連打と祝辞に呪われた嬌声が交わる只中ひたすら反芻しつづけ終わらないものは名乗りがたき黒雲、あるいは暗霧とだけ呼称するのが相応しい。

 

 

 

 

 

 

 ──ビルちゃんのお尻キタ! 

 ──レ ギ ュ レ ー シ ョ ン 遵 守

 

 黒き濃霧に包まれて、トカゲのビルは愛しい彼に愛されていた。

 

「あーたまらねえぜ! 

 この尻にどれだけ顔を埋めたいと思ったことか!」

 

「嬉しい……僕を、僕を、僕だけを、選んでくれたんですねっ♪」

 

 二人は末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 

 ──これがウィニングランですか、大したものですね

 

 

 

 

 

 

 ──毒舌デレこれが好き(隙自語)

 

 黒き濃霧に包まれて、芋虫シーシャは愛しい彼と愛し合っていた。

 

「美人な嫁さん貰って死ぬまで退廃的な生活を送りたいとは……不死者にあるまじき怠惰。つくづく業が深いなキミは。まあ、だが、その欲望に従ってこんなスローセックスライフを送れるのなら、芋虫のままでも悪くない」

 

「そうか、そうか」

 

 二人は末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 

 ――エッチコンロ点火!

 ──エチチチチチチチチチ \勃/

 

 

 

 

 

 ──やはりおっぱいは宇宙だ(再確認)

 

 黒き濃霧に包まれて、愚鳥ドドが愛しい彼を愛していた。

 

「ドド様は本当にアタマのよい御方」

 

「ふふふふふーん(どやっどやっ)

 きみはなかなか分かっているなっ! 

 でも賢いだけじゃなくて最強に強いんだよっ! 

 ほらほら! おっぱいむにむに攻撃をくらえーっ!」

 

「うわードドっぱい強すぎるーやられたー」

 

 二人は末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 

 ──宇宙の心はドドだったんですね(ダブルチェック)

 

 

 

 

 

 ──つるぺたようじょ! 

 

 黒き濃霧に包まれて、心臓の女王が愛しい彼と愛し合っていた。

 

「もうロリーナのこと以外考えられないよ。

 君にだけ永遠の忠義を捧げよう」

 

「いまさら遅いわよっ♪

 でも、私だけが先生を独占できるんなら、ゆるしてあげても、よくってよ?」

 

 二人は末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 

 ──まさかハートのクイーンの改変が伏線だったとはこの(以下略)

 ──何も伏せれて無い件

 

 

 

 

 

 

 彼女らは、互いを認識していない。

 どうしてだれかと、愛しい彼を取り合う必要があるのだろう? 

 愛しい彼は幾らでもいるのに。

 

 

 押さないで、順番だよ。

 私たち、みんなみんな。

 足りない創造力を補ってもらって。

 愛しい彼と愛しあうの。

 

 

 

 

 

 

 

 ――僕は毒伝播の話をするのが好きでね

 ――その説明をする前に今のワンダーランドの状況を理解する必要がある。少し長くなるぞ

 

 黒き濃霧に包まれて、帽子屋ハッタたちは愛しい彼らと愛し合っていた。

 

「要は貴方の死魂のソウルがワンダーランド中に散らばって、たいていどんな願いごとも叶ったつもりになれる無数のカケラになった! 当ワンダーランドは誰でもウェルカム! ラッタラタッタッターンターン! いつでもどこでも誰とでも! ドッッッスケベ! 出来るようになったってことでしょっ? 

 これは強い(確信)

 まさにこの世はニューワンダーランド、オーダーっ♪

 帽子屋さんも負けてはいられませんねっ。

 こうなれば今まで隠し通してきたマルヒ裏技を使わざるを得ません。

 いきますよっ! はああああぁーっ! リバースハットオープン!

 帽子分身の術! ハットの舞!(本人は増えません)」

 

「やっと寝れると思ったのに……

 なんで寝かせてくれないですか……」

 

「こんな毒電波なら大歓迎!

 さぁ! 乱交ぱーりーしましょ♪」

 

 みんなは末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 

 ――毒伝播とは、空から降り注いで人を狂わせたり、おかしな行動をとらせたりする、言葉通り毒のような改変のことさ。

 ――穴という穴全てに、黒のソウルを流し込んでやる!

 

 

 

 

 

 

 ――この先、レズに挟まる男がいるぞ

 

 黒き濃霧に包まれて、ウミガメモドキたちは穏やかに過ごしていた。

 

「これからは三人で仲良く暮らせるといいな……」

 

「ふふっ

 たまには趣向を変えて三人でするかい?」

 

「ふええっ!?

 わ、私はどちらでも……

 でも、これで世界は平和になったんですよね……

 もう、怖い思いしなくていいんだっ。

 ホント、よかったあ……っ♪」

 

 三人は末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 

 ――何故その胸でタートルネックを着ているの?

 ――やめないか!

 

 

 

 

 ――NTRながら食べるNTR男の肉は美味いか?

 

 黒き濃霧に包まれて、トゥイードルの双子はそれぞれの愛を堪能していた。

 

「ダム……ッ! 愛し合ったの? 私以外の奴と!

 悔しい! でも、美味しい……ッ!

 食事の手が止まらない!」

 

「逆にもしそうだったら、そうかもしれないし、

 仮にもそうだとしたら、そうだっただろうけど、

 実はそうじゃないから、そうじゃない。

 だから求めてしまうの、ごめんなさいディー、でもどうか分かって?

 これが新世界の文化なの」

 

 二人はそれぞれの愛を堪能しながら末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 

 ――百合を失ったな

 ――どこが? 失ってないからこそ気持ちいいんだが?

 

 

 

 

 

 それを望むならいくらでもいくつでも好きなだけ共同幻想を作ろう。

 求めよ、さらば与えられん。

 創造主の愛は無限だ。

 リクエストに答えつづける姿なき影はあたかも奴隷作家のようで、

 しかし同時に、彼女らもまた愛の奴隷であった。

 

 アンチェインに束縛された陰陽は闇鍋のごとくかき混ぜられ、渦状銀河を構成しすべてのすべてを色とりどりに輝かせ、箱庭円環を永遠に満たすのだ。

 

 

 

 

 

 

 ――喉が渇けば血を啜らせ、腹が減ったら肉を噛みちぎらせる。それを永遠と続けさせてやる……くくく…… 

 

 黒き濃霧に包まれて、メイドのビクトリアが愛しい彼と愛し合っていた。

 

「ごめんなさい! ごめんなさい!

 ご主人様が食べ放題だからってこんな粗相ばかり!

 こんなドジなメイドにはお仕置きしてくださいっ♡

 お仕置きが、終わったらまた、ください♡

 ご主人様の、熱くて……激しくて……脈打っている……

 心臓を」

 

 二人は末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 

 ――食べられるのは、実は気持ちいい

 ――イートフィリアかな?

 

 

 

 

 

 ――不倫は文化だ

 

 黒き濃霧に包まれて、公爵夫人マルガレーテは愛しい彼と愛し合っていた

 

「おーっほっほっほっほ! 理解しましたわ!

 その教訓は『そう見えるのならそうなのだ。』というだけのこと。更に噛み砕けばこうなりましょう――『己のことを、人の目に映るものとは違うなどとは思わないこと、かつてそうであった、そうであったかもしれない、事実そうであった己とは違うなどとは、それもまた人の目には違って映るのだから。』」

 

「流石公爵夫人。理解した上で堪能するか。

 ではいくぞ。無限食物の空きは十分か」

 

 二人は末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 

 ――旦那は?

 ――パンプキン・オーなら無限食物で寝てるよ。

 

 

 

 

 

 

 ――こういうのでいいんだよ!

 

 黒き濃霧に包まれて、秘密の姫君たちは愛しい彼と愛し合っていた。

 

「くひひ……ねえ、どっちがイイの?」

「くふふ……もちろんあたしよね?」

「は? クティで気持ちよくなってるに決まってるじゃん! ねーっ?」

「下手糞のくせに。雑魚おじさんはココが気持ちいいんだもんね~?」

「どっちも凄過ぎるぅううううう」

 

 仲直りした二人はしかし競い合い、愛しい彼と末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 

 ――海鮮姉妹丼

 ――つゆだくで頼む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 果たしてそれはどの瞬間か。

 背負った這い寄る少女の一側面から何事かを囁かれ、グリムのソウルがスモーク・グレネードの如く爆発四散した瞬間以降であることは間違いあるまい。

 

 瞬く間に五里霧中と化した暗闇の中、夢も幻も現実も見分けがつかなくなるかのような感覚が彼女の全身を巡った。紅ずきんは、その酷く冒涜的な感覚を記憶のどこかで覚えていた。即座にメアリィ・アンがいた場所にほうちょうを一閃、その首を刎ねた感覚が返ってくるものの、視覚的に確かめる術はない。意識が朧げになり足元がふわつく陶酔感は止まらない。

 

 紅ずきんはしかし、そのような改変への対処法を心得ていた。

 

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 強く心に決めれば、改変の魔の手は即座に脳髄の奥にまでは届かない。

 自分というものに芯がなければこそ、心は改変を受けいれてしまう。

 魂を強く保って確かな自己を維持すれば、干渉を一時的に退けることは出来る。

 だがこの場に留まっていれば、その緊張はつづきはすまい。

 ラシャ布の【赤い靴】は童話のすじがきをなぞり焼きすてられていた。

 不意に、彼女を取り囲むかのように冒涜的な血文字が次々と浮かび上がる。不思議とその赤は暗霧の中でも不気味に発光し、紅ずきんにも読み取ることが出来た。

 

 

 ――流石は紅ずきん

 ――それでこそだ

 ――姐さんと呼んでも?

 ――姉弟プレイ! 良いですね!

 ――実は俺ってば紅ずきんちゃんの弟やったんとちゃう?

 ――嘘つきは殺せ

 ――この先、夢から覚める場所があるぞ

 ――毒伝播は世界を歪め、改変してしまう力をもっている。どうだい? 面白いと思わないかい?

 ――肉と肉がとろけ合うまで、交わり続けることだってできるんだ!

 

「イカれてる……」

 

 ――僕は……正常だよ。イカれてこそ不思議の国だからね

 ――さて紅ずきん、君が追うべき真の黒幕にたどり着くための方法を教えよう

 ――童話【絵のない絵本】を探しなさい

 ――アンデルセンコードに隠されし暗号を解き明かし、真実にたどり着くのだ

 ――それはどうかな?

 ――ホントォ?

 ――そうとも言えるし、そうでないとも言える 

 ――協力者は大切にな。

 ――嘘つき!

 ――どっちかなあ

 ――どっちかなあ

 ――どっちかなあ

 ――どっちも似たようなモンかぁ!

 

「……っ。

 なるほど、貴方がそうだったのね……

 哀れな人……」

 

 

 紅ずきんは全てを悟り、撤退を心に決めた。それらが敵だと分かっても、敵の正体が掴めない。この場は退いて情報収集し、準備を整え、改めて決着をつける心算だ。謎を暴くべくといえども、この場で敵が晒す情報を鵜呑みにし続けていれば、やがては没入感で心を奪われていただろう……クルーシュチャ方程式ならぬ、毒伝播文学と言った所か。

 紅ずきんはどんな淫腐街よりも醜悪に漂う淫臭に惑わされかけたポロを送還すると、自らもまた帰還の手鏡を用いて物語が閉じる前に夢世界から脱出した。その後の命運を、もはやこの(ページ)で追うことはできない。

 

 いずれ彼女の"ほうちょう"が全ての黒幕の首を刎ねる日が来るのだろうか?

 

 ――to be continued?

 ――つづかない

 ――世界改変の中、童話に糸付けられずに踊る人間がいてもいい。キャラクターが勝手に動くとはそういうことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――師匠! 好きッス!

 

 蘇る混沌の魔女は、自宅に混沌の少女を招き、酒を手に手に語りあっていた。

 

「いや、しかし、たまげたぜ

 まさかこうもあっさりと蘇生させられるとはな

 救済はこの箱庭世界だけでは満足ができぬ……ってか?

 なぁ、馬鹿弟子……くくくっ……」

 

「人間が、人を超え、超越者になるというのはありえないというほど珍しいことではないわ」

 

「全知全能、ありとあらゆる魔法……。

 その全てを我の頭に取り込むは不可能である……ってのが自論だったんだが。

 こりゃ撤回しねえといけねえな。

 アンタはできてるんだろ?

 俺だって魔女の端くれだ。

 その薄皮一枚下に、とんでもねー魔力が胎動してることくらい分かるさ。

 魔道の深遠ってのは、遠いもんだ……なあ、頼むよ。

 俺も、俺もせめてその次元まで連れていってくれ」

 

「イヤよ面倒臭い。ワタシはアリスちゃんをウォッチするのに忙しいの」

 

「………だよなぁ。

 すまんな。これっぽちの対価でずうずうしいこと言っちまった。

 ならまあ、立場逆転ってヤツを受け入れるかあ。

 今度は俺が弟子になって、馬鹿師匠に鍛えられる夢でも見させてもらうさ」

 

「そうすると良いわ。クスクスッ……

 グットナイトメア。良い悪夢を」

 

 童話【オズの魔法使い】は再度改変され、愛しい彼と末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

 

 ――修行するぞ! 修行するぞ! 修行するぞ!

 ――どうせエロい修行しかしねぇゾ

 

 

 

 

 伝話【ジャンヌダルク】は再度改変され、混沌の少女の呪文により蘇り、愛しい彼と末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。過程については省略する。

 伝話【サンドリアの聖女】は再度改変され、混沌の少女の呪文により蘇り、愛しい彼と末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。過程については省略する。

 童話【マッチ売りの少女】は再度改変され、混沌の少女の呪文により蘇り、愛しい彼と末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。過程については省略する。

 童話【ガチョウと黄金の卵】は再度改変され、混沌の少女の呪文により蘇り、愛しい彼と末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。過程については省略する。

 伝話【エリザベート・バートリー】は再度改変され、混沌の少女の呪文により蘇り、愛しい彼と末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。過程については省略する。

 

 ほかにも、ほかにも、誰もが、みいんな、未だにワンダーランドに残っている全員がそれぞれ、抽象的に思い描く、しかし確かな形にまでは至らない、曖昧な夢想を実現させた気持ちになって、末永く幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。過程については省略する。

 

 ああ、なんて幸せなんだ。

 幸せが数珠繋ぎとなって、この世界にはもうハッピーエンドしかないじゃない!

 なんて素敵な新世界だろう!

 

 ――僕にも出来るんだ! 僕が救って(壊して)やった。

 ――あはは! ソウルがこんなに黒く穢れていたって、救って(壊して)やれるんだ!!

 ――みんなのことを……救済(木っ端微塵に)してあげる……

 ――んふふ……セックス……セックス……みんなセックスし続けろ。激しく。もっと激しく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――この気持ち、まさしく愛だ!

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――愛は世界を救う。

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――当たり前だよなぁ?

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 

 黒き濃霧を裂くスポットライトを当てられて、生意気な少女、メアリィ・アンは故の知れぬ領域で踊っていた。装いは扇情的な逆バニー衣装で、少女の秘密の花園地区はハートマークの緑色ニプレスにより隠されている。顔には無数の青あざがあり、しかしその人気は衰えることなく、たくさんのたくさんのほんとうにたくさんの愛しい彼らに可愛がられていた。

 

 剥きだしにされた腹にも青あざがあり『殴ってください』『You Can Hit Me!』『御自由にお使いください』などという文言が刺青のように書き込まれている。メアリィ・アンはどれだけ殴り殺しても蘇る。愛しい彼からの改変により、不死身さに特化して力を取り戻しているのだ。

 

 メアリィ・アンは上目遣いの媚びた表情で、あらたな創造神、かつて紅ずきんの森へと放し飼いしていたような、退廃主のようにもみえる陰影に許しを請う。請い続ける。

 

 許されると思ったか?

 絶対に許さない。絶対にだ。

 

 

「いつまでも、お前は踊らなくてはならぬ。」

 

 

 と、メアリィ・アンに糸付けられた童話【赤い靴】原作は言いました。どうやら惨たらしい改変を受けたようで、酷くご立腹のようでした。

 

 

「赤い靴をはいて、踊っておれ。

 お前が青じろくなって冷たくなるまで

 お前のからだがしなびきって

 骸骨になってしまっても踊っておれ。

 ラドウィッジ市街の住民が住んでいるような家を一軒、一軒と踊りまわらねばならん。娼婦らがお前の居ることを知って、きみわるがるように、お前はその家の戸を叩かなくてはならないのだ」

 

「堪忍してください!

 もう童話【赤い靴】はこりごりだよっ!

 ボクが悪かったから、許してよっ!

 っていうか家ってどこだよ! 暗くって見えねーよそんなもん!

 ああ、神さま、わたくしをお救いくださいまし! ねっねっねっ?」

 

「永久の先の先まで既にこう記しておる。

 お前は踊らなくてはならんぞ。そうら、踊れ、踊れ――――」

 

「おごッ……!

 おっ踊りますッ! 踊りますからァ、もぅ、殴らないでぇ……っ!」

 

 

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――ここで10万文字ジャストなら愛しい彼女を開放する

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――ねーよ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――ここまで俺の自演

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――早く彼女を愛さなければ

 ――はい再走

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■WEB小説投稿サイト・ハーメルン■

 

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・BLACKSOULSⅡ分からせRTA 0:19:07:21

 

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令和2年10月31日 完結

 

 

 

著者――――――メアリィ・スーザン・ふ美子

発行者―――――物理書籍にはなりません

発行所―――――物理書籍にはなりません

印刷所―――――物理書籍にはなりません

製本所―――――物理書籍にはなりません

原作――――――BLACKSOULS

原作サークル――イニミニマニモ?

開示設定――――通常設定

感想受付設定――非ログインユーザーからも受け付ける。

評価時の設定――必要文字数なし

推薦受付設定――受け付ける

感想欄投票設定―有り

 

 

 

 誤字脱字等を確認した場合、随時更新していきます。

 このサイトの小説は無料で閲覧することが可能です。

 

 

 

 

 

 この物語は二次創作です。個人の脳内が生み出した幻想に決まってます。実在する人物、団体、地名、事件などとは関係あるはずもございません。

 

 





 作者の中の中の人のあとがき
 
 ハッピーハロウィン! なァんかこのオチ見たことあるよなあ? 創造力補完計画かな? ともあれ分からせRTAはこれでオシマイです(世界も)

 途中からRTA要素も配信要素もどっか行ったようにも見えますが、あれはコメント的ななにかをあんまり違和感なく助言として頻出させるための舞台装置だから。ぜんぶ暗黒舞台装置グラン・ギニョールってやつが悪いんだ!

 物語の構造を解体新書しますと、第一部【緑髪のアン】を堪能しまくって賢者モードになった上位者グニキが「そや、ワイばっか幸せなのも悪いしみんなも救済したろ。二次創作ってそういうモンやったりするやん?(意訳)」と思い立ち、物語のつづきを構想し、創造主としてさまざまな改変を加えた……という形になりますね。メイベルちゃんは共犯者。ノーデさんも共犯者ですが、あんまりそれっぽい活躍はさせてあげられなかったなぁ(残念)

 上位者グニキにはもうハッピーエンドとはどうあるべきものか、わからへんのやな……ああ創造主様……原作者様……どうか私たちを次の世界(DLC第三弾)にお導きください……

 当作品の設定をあまり鵜呑みにしない方がよろしいかと。何故なら皆、平気で嘘を吐き、妄言を口走るからです。決して騙されないよう、魂を強く保ってください。プリスが初代にして二代目赤の女王とかありそうでありえない独自設定だゾ。どうせ女王エリザベートが初代赤の女王だったに決まってるゾ(偏見)

 というわけで、実走者編に後付け混沌虚無配信編、二編合わせて長時間のご閲覧ありがとうございました!

もう、誰も見てないよな……あなたが今度読みたい次の童話はどんな内容ですか?

  • 完全オリチャー玉パンRTA
  • 混沌ダンジョン系RTA(独自解釈あり)
  • 師匠Lv999RTA(独自設定マシマシ)
  • IFプリスエンドちゃんとした版
  • 次のDLCの内容を汲んだもの

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