メレメレ島の花畑。そこに彼女は居た。
「ドーモ!ドーモ!イモトで御座います!!」
メレメレ島の大地と海が育んだ珍獣ハンター イモトだ。彼女は嘗て、スカル団という元は存在したチンピラ集団の一員だった。だが、それも過去の話。
今では主にYouTuber等で珍しいポケモンや変わった生態を持つポケモン…俗に言う珍獣と呼ばれるようなポケモンと触れ合う事を生き甲斐にする珍獣ハンターである。
珍獣ハンターはポケモンハンターと違い、ポケモンを道具のように扱わず、対等に接する。ハンターという称号が付いているが、必ずしも捕らえるという事では無いのだ。
寧ろ…イモトの活躍を見れば冒険家やフィールドワークの調査員に近いだろう。わざわざ現地まで向かい、珍獣と触れあって生態を記録するのだ。
そんなイモトであるが、彼女はパートナーであるアローラナッシーとルージュラのマサコを連れて珍獣探しにやって来たのだ。
「良し!今日も珍獣を探すぞ!」
彼女達が今まで見付けた珍獣は…カイロスやポッポと同じ攻撃力のイワーク等々のカントー三大珍獣は勿論、様々な珍獣と触れ合ってきた。
だが…イモト達の目の前に…………サイドチェストを華麗に決めた筋肉ムキムキの赤いポケモンが現れた。
「マッブシ!!プロテイン!!」
「なんじゃありゃ!?」
珍獣ハンターイモト。アローラに漂流してしまった件のマッシブーンと遭遇してしまった。果たして、どうなるイモト!?どうなる珍獣ハンター!?
一方その頃、我らがサトシ君率いるウルトラガーディアンズは各々のライドポケモンに乗って現場に急行している。
先頭からサトシのギラティナ、ブラックのレシラム、カキのリザードン、スイレンのカイオーガ、マオのフライゴン、セレナのボーマンダさん、リーリエのソルガレオ、アセロラのドラパルト、マーマネのメタングと続いている。
半分が伝説のポケモンであり、物凄い集まりだが今さら気にしてはいけない。
すると…サトシ達の視線の先にホログラム状だが、モーン博士が映し出された。どうやらウルトラガーディアンズのコスチュームには通信の映像を映し出す効果が有り、こうしてモーン博士がホログラム状だが登場したのだろう。
『諸君!大変だ!!珍獣ハントを行っていた珍獣ハンターが、件のマッシブーンに襲われた!
直ぐに救援に向かってほしい。座標は…此処だ』
モーン博士から指令を受け、モーン博士は珍獣ハンターがマッシブーンに襲われた場所をサトシ達に送る。その現場は直ぐ側であり、ライドポケモン達の力が有れば一瞬で辿り着くような所だ。
「「「ウルトラジャー!!」」」
モーン博士から指示を受け、現場に急行するサトシ達。とは言え、ウルトラガーディアンズの事を知らない民間人からすれば…ギラティナ、カイオーガ、ソルガレオ等々の伝説のポケモンに跨がった特別コスチューム姿の少年少女が飛んでいる事しか理解できないだろう。
やがて、現場に到着したサトシ達。そこには…倒され、グロッキーに成った珍獣ハンター イモト、そのパートナーであるナッシーとルージュラのマサコの姿が有ったのだ。
「イモトさん!?」
倒されたイモト。特にナッシーは吸血系統の技を過剰に受けたのだろう…ガリガリに痩せ細っており、栄養の補給が必要だ。
「あの…あのプロテインが…プロテインが…ガクゥ…」
「イモトさん!?」
珍獣ハンター イモト 筋肉には勝てなかった模様。イモトもアローラの中では指折りに強いポケモントレーナーだ。そのイモトが倒されたとなると、件のマッシブーンは強力なポケモンなのだろう。
だが…イモトを倒した筋肉の化身…作者が選ぶ最も好みなウルトラビースト堂々のNo.1 マッシブーンはイモトから少し離れたところで、華麗なサイドチェストを決めていた。
「マッブシ!!」
見よ…この腰の括れ、そして逞しい2つの腕と腰のコントラストが産み出すサイドチェストを…と言いたげなプロモーションから繰り出されるサイドチェスト。
間違いなく、カントーボディービル協会から表彰される事は間違いないだろう。だが…今はボディービル処では無いのだ。サトシ達は何としてでも、このプロテインの化身を捕らえて保護しなければ成らないのである。
「仕方ない…俺とブラック、カキでマッシブーンの相手をするから、女子とマーマネはイモトさんとそのパートナーを!」
「「「了解!!」」」
イモトとナッシー達を女子とマーマネに託し、サトシとブラックそしてカキはマッシブーンと対峙する。
「それにしても…凄い筋肉だな」
「モーン博士が言うにはタイプは虫と格闘…ヘラクロスとかと同じだ」
マッシブーンを捕まえるとは言え、危険な相手以外は成るべく平和に保護したい。先ず、始めにサトシ達が選んだ手段は話し合いだ。
「ルカリオ…頼めるか?」
「ピカピ!」
「任せておけ」
それに、ここにはサトシのパートナーであり人語もポケモン語もどちらも理解しているルカリオが居る。交渉役にはうってつけだろう。
ルカリオは一歩前に踏み出し、マッシブーンとの対話を試みる。
「マッブシ!!muscle!!プロテイン!!」
「えっ?なんて?えっ?」
マッシブーンはニーパイセップスからのダブルニーパイセップスで二頭筋と大胸筋をアピールする。
「ルカリオ?」
「わからん…何を言ってるのかさっぱりわからん。唯一聞き取れた言葉が…筋肉、プロテイン、ザバス、サイドチェスト、ビーレジェンド激うまチョコ風味だけだ。
だが…これだけは分かる。マッシブーンは此方に敵意は無いようだ」
どうやら…住んでいる世界が違うためか、ルカリオでもマッシブーンの言葉は理解できないようだ。しかし、ルカリオは波動等で相手の気持ちも理解できる。その為か、マッシブーンが此方に敵意が無いことを理解したのだ。
「しかし…戸惑っているようだ」
無理も無い。マッシブーンはこの世界に突如、事故で迷い混んだのだ。人だって、突然…飛行機等の不時着や小型船舶の漂流で見知らぬ国に辿り着いてしまえば、きっと同じような思いを抱くだろう。
「そうか…そうだよな」
マッシブーンが起こした破壊行動も、イモトへの攻撃も不明な世界にやって来た故の混乱と不安、正当防衛からであった。
「マブシ……」
すると…マッシブーンは…
「マッブシ!!muscle!!」
手を後ろに回し…腰を少し捻って、サイドトライセップスを行った。
「マブシ!」
「サトシ!言葉が通じたぞ!!彼らのコミュニケーションは…ボディービルのポーズらしい!!」
「「「そんな訳があるかーーー!!」」」
なんと言う事でしょう。マッシブーンという種族の中でのコミュニケーションは…ボディービルのポージングだったのだ。
「マブシ!!」
「彼と友好な関係を気付くには…私達もやるしかない」
「「「マジで?」」」
「ピカ?」
だが…マッシブーンと友好な関係を築く為にはサトシ達もボディービルを行うしか無いのだ。現実は非常である。
「マッスル?」
「マッスル!」
「マッスル!!」
「ピカピカ!」
「マッスル!」
その為に…サトシ、カキ、ブラック、ルカリオ、ピカチュウは最も逞しいボディービルのポーズ モストマスキュラーを行う。
「muscle!!」
続き、マッシブーンも手本を見せるようにモストマスキュラーを披露する。
――見た前…この大胸筋と二頭筋が織り成す芸術を…あぁ…筋肉は素晴らしい。私にはそれが必要だ!!
何やら…マッシブーンからそんな声が聞こえたが、気にしてはいけない。
そして…この場は急遽、ボディービル大会へと変貌してしまった。
「muscle!」
「マッスル!」
「ピカピカ!」
だが…マッシブーンとのコミュニケーションを知らないセレナ達と被害者であるイモトは苦笑いを浮かべ、そのポージングを見守っていた。
『おい…ボールは投げないのか?』
「そうでした!」
レシラムに言われ、サトシはウルトラボールを取り出してマッシブーンに投げる。
「muscle!まぶ!?」
そして…マッシブーンはウルトラボールの中に入り、無事にゲットされたのだった。
だが…マッシブーンは手持ちや家族の一員に加えるためのゲットではない。保護する為のゲットなのだ。
だから…必ず、別れが有る。
「ほしぐもちゃん!お願い!」
「グルォォオ!!」
ソルガレオが咆哮を挙げて、マッシブーンの故郷へと通じるウルトラホールを開く。
そして…ボールから解き放たれたマッシブーンは歓喜の喜びに沸いた。
「muscle!マブシ!マッブシ!!」
彼は理解したのだ。このウルトラホールの先に自分の故郷が有ることを。
いざ…帰るためにホールを潜ろうとするマッシブーン。しかし、マッシブーンをサトシ達が呼び止める。
「マッシブーン!」
そして…サトシ達は…
「「「「マッスル!」」」」
各々…ポーズは違うが、サイドチェスト、ダブルニーパイセップス、モストマスキュラー等を披露する。
「muscle!!」
そして、マッシブーンはサイドチェストを決めながら、ウルトラホールを潜った。
そのサイドチェストは……美しく、そして逞しいサイドチェストであった。
あぁ…やはり、muscleは偉大である。
皆さん、新型コロナが流行してます。作者も仕事や必要最低限の買い出し以外は外に出ないようにしてますので、本当に気を付けて下さい。
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