カントー出身の俺氏、南国で教師をする。   作:静かなるモアイ

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モクローは可愛い。異論は認める。


10時限目

メレメレ島の露天が並ぶ商店街。そこを力なく、観光客が着るような衣類を纏い、コジロウ、ムサシ、ニャース、ソーナンスが歩いていた。

 

彼等が元気が無いのは当たり前。ロケット団が完全に壊滅した事を知った為だ(今さら)。ロケット団は今から10年以上前に、リンドウ達(主にレッドの手で)崩壊しており、殆んどの主力人物も組織が壊滅してサカキが行方を眩ませてから…カントーチャンピオンの座をレッドに譲り、本業のポケモンGメンとして動きやすく成ったワタルの手で逮捕された。

その後、一部の幹部達はジョウトで復活したが…サカキの息子シルバー、シルバーのライバルでゴールド、そしてワタルとレッドの手で完全粉砕された。所要時間…僅か1週間での事だった。

 

「これからどうするよ?」

「まさか…ロケット団が崩壊していたなんて…私、嘘だと思ってたのに」

「もう…帰る場所が無いニャ」

「ソーナンス…」

 

ロケット団が潰滅し、帰る場所が無いムコニャ御一行。今はキテルグマの住居に世話に成っているが、人が人らしく暮らす為には金銭が必要だ。

今着ている衣類も、過去にバイトをして蓄えた貯蓄を崩して購入した物だ。

 

「ロケット団の服は当分、着れないわね。着たら、間違いなく殺されるわ」

「だよな…てか、なんでメガシンカ使える凄腕トレーナーがこんな島に住んでるんだよ」

 

リンドウ、ブルーがメレメレ島に居る限りはムコニャは悪さを出来ない。仮にやろうとすれば、理不尽な強さを持つメガリザードンXのメガフレアで蒸発しかねない。

 

すると、グーグーとムコニャの腹の虫が鳴り響く。キテルグマに保護?されてから暫く経ったが、ムコニャは固形物らしいご飯を食べていない。

彼等が今まで食べたのはミツハニーの蜂蜜と木の実を擦り合わせた、キテルグマ特性ペーストだけだ。栄養価抜群で尚且つヘルシー…なのだが、直接殴るように口の中に放り込まれる為に、強引な感じで自分で食べた気がしないのだ。

 

「「ちゃんとした固形物が食べたい」」

「ソーナンス!」

 

だが、アローラの人は優しい。

 

「貴方達、お腹が空いてるの?良かったら食べない?」

 

ふと、声が聞こえて声の方を見るムコニャ。その方向には木の実の露店を切り盛りする年配の女性が居たのだ。女性の側にはアローラ地方の炎タイプのポケモン ニャビーが木の実を食べている。

 

「「「えっ?」」」

「アローラの教えでね…天の恵みは皆で分かち合うのよ。ほら…見て」

 

女性が空を見上げてそう言うと、空から小型の鳥ポケモンが沢山やって来た。

鳥ポケモンの名前はツツケラ。アローラ地方に多く生息するキツツキのようなポケモンであり、木の実が大好物だ。

 

だが、よく見ると…ツツケラの群の中にまん丸して可愛らしいフクロウのようなポケモンも混ざっている。このポケモンはモクロー。アローラに生息する草・飛行タイプのポケモンであり、音もなく相手に近付く事が出来るのだ。

 

ツツケラ達は露店の木の実等を持っていく。だが、誰もが咎めない。いや、咎める処か…ツツケラに木の実を分け与えているのだ。

 

「貴方達もお腹が空いてるでしょ?食べる?」

「ソーナンス!」

「「「頂きます!!」」」

 

ムコニャ御一行、女性の好意に甘えて旨い木の実を貰うのだった。

 

木の実をたらふく食べたムコニャはメレメレ島の町を探索する。折角アローラに流れ着いたのだ、アローラの街を満喫するのも良いだろう。

 

「しかし…これからどうするかだな」

「取り合えず、資金調達の為にバイトするしか無いわね」

「ソーナンス!!」

 

こうして、ロケット団の穏やかな?シュールな?アローラライフが本格的に幕を開けたのだった。

 

ふと、ニャースは右を見る。そこにはポケモンスクールの広告ポスターが貼られており、そのポスターには飛びっきりの笑顔をしたリンドウとリーフィア、リザードンが写っていた。続いてコジロウ、ムサシもポスターを見るが…3人は唖然としてしまった。

 

『メレメレ島ポケモンスクール。新入生何時でも募集中!

 

元ホウエンチャンピオンやククイ博士等の優秀な教師達が、ポケモンの素晴らしさを教えます!

 

ポケモンを育てるに一番必要なのは愛情、次に愛情、三番目に愛情だ。愛情が無ければポケモンは育たないし、トレーナーにも力を貸してくれない。強いトレーナーは皆、愛情に溢れている。by元ホウエンチャンピオン、現ポケモンスクール教師 リンドウ』

 

おもいっきり、昨日にムコニャを吹き飛ばそうとした張本人が写っていた。しかし、昨日は余りの殺気にリンドウの事を良く見ていなかったニャース達。その為か、とある事に初めて…いや、改めて気付いたのだ。

 

「ニャャャァァァア!?この人…あの時、ホウエンでニャー達を助けてくれた恩人ニャ!!」

「ポケモンハンターからドガースやアーボは勿論、俺達のマタドガスやアーボックを助けてくれた恩人じゃないか!!」

「あの時と服装が全然違うから気付かなかったけど…バンギラスを使うポケモンハンターから、私達をやや褐色ぎみの女の子と共に助けた凄腕トレーナーじゃない!!」

 

そう、過去にムコニャとリンドウはホウエンで遭遇していたのだ。序にサトシとニアミスしている。

 

その際にリンドウは弟子一号(パートナー ゴニョニョ、ボーマンダ)と共にポケモンハンターを文字通り、粉砕しており…ムコニャにポケモン預かりサービスをしているマサキを紹介していたのだ。

 

その後、マサキに保護したドガース達とアーボ達を預け、彼等の護衛にパートナーのマタドガスとアーボックをマサキに預け…ムコニャの手持ちは地方を巡る度に変わることに成るのだった。

 

「謝罪の次は感謝の手紙ニャ!!」

 

果たして、リンドウはこの事を覚えているのか?

 

 

 

 

「なんか…ムコニャの事を何処かで見たことが有るんだけどな」

 

やや覚えていた。リンドウは休日を使い、ブルーと共にマオとサトシと一緒にアイナ食堂のテラス席で寛いでいた。

 

テラス席の机の上にはアマカジ、ピカチュウ、リーフィアは楽しそうに遊んでいる。

 

「リンドウ先生…ムコニャって?」

「アイツ等…ムサシ、コジロウ、ニャースだろ?だから合体させて縮めてムコニャ。でも…何処かで会った気がするんだけどな」

 

――アニメを時々、前世で見ていたからか?

 

と心の中で結論付けたリンドウ。本人は殆ど忘れていたのだった。あの時…ポケモンハンターに囚われたドガースとアーボ達を助けようとしていたトリオを助けた事は覚えているが、まさかムコニャだったとは思わなかった。

 

「ヒガナだったら覚えているかもな。俺はポケモンハンターをレウスとボス(ボスゴドラ)でギッタンギッタンのボコボコにしてたし、ヒガナは彼等の治療と檻の破壊をしてたしな」

「先生!ポケモンハンターって何ですか?」

 

ポケモンハンターの事を知らないマオは疑問を浮かべて、問う。

 

「ポケモンハンターってのは…ポケモンの密猟者の事さ。

ポケモンをパートナーとして捕獲するんじゃなくて、道具として捕獲して売り捌く。目的の為なら手段を選ばない奴等さ。過去、俺達は何度か会った事が有る。

魔境オーキド研究所にも攻めて来たし、ホウエンにもやって来たな。全員、ブタ箱送りに成ったけど」

 

ふと…リンドウは前を見る。前方からは空腹で意識が朦朧としたモクローがゆらゆらと此方に飛んできたのだ。

 

しかし、モクローは余程腹が減っているのか…マオのアマカジを木の実と間違えて襲い掛かってきた。

 

「プゥゥ!!」

 

しかし…

 

「アマ!!」

 

アマカジは蔕の部分を高速回転させて浮かび上がり、体当たりでモクローを返り討ちにする。

 

アマカジは見た目は勿論、甘い香りを撒き散らす為に果物と良く間違えられるのだ。

 

「モク!?」

 

体当たりの攻撃を受けて、モクローは吹き飛び…電線に足が引っ掛かってしまう。そして、モクローは意識を失い…電線から落ちてしまう。

 

「危ない!!」

 

だが、サトシが走り出して…モクローが地面に落ちる前に受け止めた。

 

この日、モクローは運命に出会った。

 

 

その頃のグリーン…

 

「着いたな…此処がアローラだな」

「ゲコッッ!!」

 

温暖なアローラに合わせ、アロハシャツにサングラス姿のグリーン、そして隣に立つサトシのゲッコウガはアローラのメレメレ島国際空港に降り立った。

 

グリーン、アローラに入国。

 

 

 

「此処がアローラか!」

「良し!仕事の始めと行こうか!!」

 

何の因果か、アローラ固有種の捕獲の為にポケモンハンターの2人が不法侵入してきた。

 

だが、ここには多くの冒険を経験したサトシ、ホウエン歴代最強の元チャンピオン リンドウ、世界最強のジムリーダー グリーンが居る。

 

密猟者…終了のお知らせである。

 

 

 

その頃の赤

 

最強のポケモントレーナー レッドはオーキド研究所で、自分のパートナーの一匹 フリーザーと模擬戦を行うリザードンを見守っていた。

そのリザードンはサトシのリザードンであり、現在は色々あってオーキド研究所で修行中だ。普段はグリーンの番長リザードンが面倒を見てるが、番長リザードンはリンドウのボスゴドラと共に暴走したサンダーとファイヤーの鎮圧に向かってる。

 

その為か、代わりにレッドのポケモン達が代わりに鍛えているのだ。

 

「………グリーンのリザードンを越えるのも、時間の問題か。

フリーザー、下がって良いぞ。良し、ピッピ…いけ」

「えっ!?」

 

リザードン、サトシの元に戻る為に修行中。すると、サトシの歴代のパートナー達も、レッドの所に集まってきた。

 

すると、レッドは腰に提げたモンスターボールを投げる。現在、外に出してるのはギエピー、ピカチュウ、フリーザーの三匹なので他の三匹はそれで出てくる。

 

「お前達………サトシをびっくりさせたい?」

 

レッドの言葉に頷くサトシのポケモン達。

 

「フシギバナ…中型のポケモンを、フリーザー…飛べるポケモンを、ピッピ…やっぱり小型のポケモン達を、エーフィ…はピカチュウと共に俺と来い、ラプラスは大型のポケモン達をだ」

 

ギエピー、ピカチュウ、フシギバナ、ラプラス、フリーザー、エーフィ…自分のパートナーに指示を与えて、レッドはエーフィとピカチュウと共にサトシのリザードンを見る。

 

「行くぞ」

 

リザードンは力強く頷いた。

 

サトシの控え組…魔改造が進行していた。




レッドの現在の手持ち。

ピカ様、フシギバナ(メガフシギバナ)、ギエピー、フリーザー、エーフィ、ラプラス。強さ順です。

剣盾リストラ勢で、サトシの手持ち(新規)に欲しいアンケートを取ります。場合によっては全部採用するかも

  • 準伝説のラティアスたん(アルトマーレ)
  • 600属の卵をグリーンから貰う
  • 吸血強化の元凶 マッシブーン!!
  • あの赤ちゃんロコン貰えば?
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