――お腹…空いたよ…
そのモクローはツツケラの群の一員だ。厳密にはツツケラの最終進化形であるドデカバシが率いる群の末っ子だ。
モクローもとい、モクローの最終進化形であるジュナイパーは托卵の習性を持っている。托卵とは、産まれた卵を他のポケモンにこっそりと託し…そのポケモンに我が子を育ててもらう子育ての事だ。幸いにもモクローは一匹だけ姿が違うにも関わらず、義親であるドデカバシや義兄であるケララッパからは共に育ったツツケラと共に愛情を持って実の我が子同然に育ったのだ。
しかし、モクローは空腹だ。この季節に成ると弟達が産まれるためにモクローはツツケラ達と共に、産卵期に備えて木の実を集めていた。だが、ツツケラ達は木の実を巣に持ち帰ったが、モクローは木の実と間違えて民家に飾ってあった風鈴を間違えて持ち帰ってしまったのだ。当然、兄であるケララッパに怒られて…モクローは木の実を手に入れる為に、再び町にやって来たのだ。
だが、空腹の状態でアマカジに襲い掛かり、現在に至る。
「おい…大丈夫か?」
「ピカピ?」
ふと、そんな声が聞こえてモクローは目を開ける。モクローはベンチに座らされており、モクローの目の前には彼を心配するサトシ、ピカチュウ、ブルー、そしてリンドウとリーフィアが居たのだ。
「モク?」
「気が付いたか?」
リンドウの言葉を受けてモクローは周りを見回す。モクローはサトシが右手にバナナを持っているのを見ると、サトシの右腕に止まり…美味しそうにバナナを食べ始めた。
「うぉ!?足の力が凄い!」
モクローの足の力を直接感じて驚くサトシ。モクローは余程空腹だったのだろう、直ぐにバナナを食べ終えるとテーブルの上に有る皿を見る。皿には綺麗に切り分けられたメロンが置かれており、モクローはメロンを食べたそうだ。
「お腹が空いてるの?食べて良いわよ」
ブルーがその皿を差し出し、モクローは嬉しそうに皿に飛び付いてメロンを食べ始めた。物凄く食欲は旺盛であり、メロンはあっという間に失くなってしまった。
「モク…」
モクローはお腹が一杯に成ったのか、嬉しそうだ。すると、サトシがモクローの頭を撫でる。モクローの体は羽毛でふかふかであり、柔らかく肌触りが凄かった。
「うぉ!柔らかい!」
「モク…!」
撫でられてモクローも嬉しそうだ。だが、サトシ達は何かを感じて周囲を見回す。どうやら、何かが高速で近付いて来ているようだ。
「ボンジュール!!元気だったか?サトシ、リンドウ、ブルー!」
「ゲコ!!」
とっ我らが緑ことグリーンの声とゲッコウガの声が何処から聞こえた。
「えっ?ゲッコウガ!?それにグリーンさん!?」
「サトシ、上だ。上を見てみろ」
リンドウに言われ、サトシは上を見てみる。上空ではプテラの足に掴まって此方に向かってくるグリーンとゲッコウガが居たのだ。
本来、アローラではライドポケモンとして登録されたポケモン以外に乗ることは法律で禁止されている。しかし、これは乗ってなく掴まっているのでグレーゾーンだがセーフなのだろう。ライドポケモンに登録したかったが、グリーンは一刻も早くゲッコウガとサトシを再会させる為に…このような移動方法を選んだのだ。
「あら、ミドリムシ…グレーな方法で来たわね」
「うるさいぞ青汁。此方は最高速度でカントーから遥々やって来たんだぞ。てか、お前達!!カロスでの事件、本当に大変だったんだからな?なあ、サトシ!」
「今思えば、カロスリーグで起きた事件にリンドウ先生とブルーさんが居てくれたら」
地面に着地したゲッコウガとグリーン。グリーンはプテラをボールに戻し、サングラスを取る。
カロスリーグで起きた事件。主犯メガフラダリが引き起こした事件であり、正にミアレシティどころかカロスが崩壊しかけた事件だ。その際にサトシ、グリーンは勿論、カロスチャンピオンのカルネ、ホウエンチャンピオンのダイゴ、リンドウとブルーとも面識が有る伝説のポケモン…レシラムを使うブラックという15歳程の少年が活躍して事なきをえた。
とは言え…フラダリのメガギャラドスは勿論のこと、パーフェクトジガルデ、破壊神メガバンギラス、レシラム、メガサーナイト、メガメタグロスが本気を出した為か…事件を解決する為の二次被害の総額は計り知れないだろう。
「「それは…本当にすみませんでした」」
先ず、その時…リンドウはポケモンスクールで授業中。ブルーはオーキド研究所で仕事中。公務でカロスリーグを見に来たグリーンは加勢できたが、空港も全封鎖されており…リンドウとブルーは駆け付ける事が出来ないのだ。
「お前達の事情も分かるが…。サトシ、ゲッコウガのボールだ。ゲッコウガはカロスでの一仕事を終えて、帰ってきたぞ」
「ありがとうグリーンさん。お帰り、ゲッコウガ。また宜しくな!」
「ゲコ!!」
ゲッコウガのモンスターボールを受け取り、ゲッコウガは無事に大事な主人の元に帰還できた。
すると、アイナ食堂の中からマオがフルーツを持ってきた。どうやら、モクローの為にフルーツを取りに行ってたのだろう。
「おまたせ!モクロー未だ食べれる?……なにそのポケモン!?超格好いいじゃん!?いや、それより…このお兄さんもしかして…」
「マオ、コイツはグリーン。俺の幼馴染みでカントーのトキワのジムリーダーだ」
「アローラ!グリーンだ。宜しくな」
「そんで、コイツはゲッコウガ!俺の大事なパートナーなんだ」
グリーンとゲッコウガ。一人と一匹と出会ったマオだったが、モクローがマオの持つフルーツを足で掴んで森の方に飛んでいく。
「モクロー!?」
「諦めちゃダメよサトシ!!追いかけるわよ!!」
ブルーの言葉を受けて、リンドウ達はモクローを追いかけるのだった。
森の中を突き進むこと10分。先頭をゲッコウガ、リンドウ(頭の上にリーフィア)とサトシ、ブルーとマオ、最後尾にグリーンという隊列でリンドウ達は森を進む。
森を進み、拓けた場所に出る。そこは大木の切株を利用したドデカバシファミリーの大きな巣が存在しており、そこではモクローが楽しそうに家族と過ごしていた。
「モク!!」
サトシに気付いたモクローは此方に向けて飛んで来て、サトシの側でホバリングする。
「お前…こんなに沢山の家族が居たのか!?」
「しかし…ジュナイパーが托卵か…話には聞いていたが、実例を初めて見るなんて」
ジュナイパーは托卵を行う事で知られているが、カントーでも野生のリザードンが余り見られない事と同じく、アローラでも滅多に見られない。それ故か、ジュナイパーの托卵は珍しいのだ。
だが、次の瞬間。巣で過ごしていたドデカバシ達が大きな網で囚われてしまった。
「バシッ!?」
「ケララッ!?」
すると、大きな足音が聞こえて…ニドキングとアリアドスを引き連れた若い男2人が現れた。手には銃を持っている事から、只者ではない。
「へっ!アローラのポケモンは高く売れるから良いぜ!」
「だな!兄弟!おっ!彼処にもゲッコウガやリーフィア居るじゃん。奪おうぜ!」
どうやら、相手は密猟者…ポケモンハンターのようだ。
だが、相手が悪かった。
「ゲッコウガ!君に決めた!!」
「リーフィア!やれ」
「行きなさい!カメちゃん!」
「フーディン!行ってこい!」
ゲッコウガ、リーフィア、カメックス、そしてグリーンのフーディンが飛び出し…僅か5秒でポケモンハンターのニドキングとアリアドスは戦闘不能。
その上…
「ふん!」
「はっ!!」
マサラ人(大人)のリンドウとグリーンの手で、ポケモンハンター2人も倒され…ポケモンハンターは縄で拘束されてしまった。
ポケモンハンターの前にはリンドウとグリーン、その上リンドウとグリーンの後ろには2体のバンギラスがポケモンハンターを見下ろしている。
「どうするグリーン?晒し首にするか?」
「いや…此処はバンギラスで再起不能にするか」
「「ごめんなさい!!」」
密猟者、見事にご用となる。一方…
「バシッ!」
「モク!」
モクローはドデカバシからの後押しを受けて、サトシのリュックの中に入った。
「モクロー!俺と来たいのか?」
「モッ!」
モクローはリュックから飛び出して、サトシのモンスターボールに触れる。そして、モクローはサトシのポケモンに成ったのだった。
「やったじゃん!サトシ!」
「アローラ初のゲットおめでとう!!」
ブルーとマオから祝福の言葉を受けて、サトシはボールからモクローを出す。そして、モクローを掲げて…御決まりの言葉を言った。
「モクロー!ゲットだぜ!!」
「ピカチュウ!!」
こうして、新たな仲間にモクローを加えたサトシだった。
その頃の赤
「博士…あと、数日たったらリザードンをサトシの所に送ってくれ。俺の見込みなら、数日以内にグリーンのリザードンを越える。そうなれば、サトシのリザードンが勝てないリザードンはレウスだけだ」
「レッド…お前は…またシロガネ山に行くのか!?」
レッドは首を横に振り、告げる。
「仕事でアルトマーレに行ってくる」
次回!アシマリバルーン!?
剣盾リストラ勢で、サトシの手持ち(新規)に欲しいアンケートを取ります。場合によっては全部採用するかも
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準伝説のラティアスたん(アルトマーレ)
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600属の卵をグリーンから貰う
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吸血強化の元凶 マッシブーン!!
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あの赤ちゃんロコン貰えば?