此処はパルデア地方。かつて2度も文明が崩壊し、かつては帝国が存在していたが今では中央に大きなクレーター状の大穴……通称パルデアの大穴が空いている地方である。此処では豊かな自然が勿論のこと様々なポケモンが生息しており、ポケモンリーグも他の地方とは少し異なるのが特徴だ。
パルデア地方のポケモンリーグは他の地方と異なり、リーグの大会は存在しない。
カントー、ホウエン、シンオウ、ジョウトはジムバッジを集め、ポケモンリーグに挑戦して本選に出場。リーグ優勝者が四天王に挑み、その後はチャンピオンと戦う流れである。これはイッシュやカロス、そして四天王の代わりに本気のジムリーダーを交えたチャンピオントーナメントを行ってその勝者がチャンピオンと戦うガラルと後のアローラも似たような物だろう。だが、パルデアは他の地方とは全く仕組みが異なるのだ。
パルデア地方のリーグはジムリーダー、四天王は存在する。しかし、リーグの本選は存在しない。何故ならパルデアのチャンピオンは最強の称号ではなく、資格のような物なのだ。
パルデア地方ではチャンピオンが複数存在しており、ジム挑戦を終えて四天王に挑み……リーグ委員長(試験用の手持ち)に勝利すれば晴れてチャンピオンの資格をゲット出来るのだ。そして、その複数人居るチャンピオンの頂点に君臨するのがトップチャンピオンと呼ばれる人物であり、その人物は現在のリーグ委員長と同一人物である。
パルデアの大穴……そこは通称エリアゼロと呼ばれており、未知のポケモンが多く生息しており、噂では中生代の環境がそのまま残っており、未知の食材やポケモンが生息していると言われている。なんでも昔に此処を探検した博士は此処で、ドンファンに似た何かを2種類確認しているのだとか。
『やはり……入れんか』
そんなパルデアの大穴。どういう訳かバリアーが張られており、入ることが出来ない。入ろうとしても入ることが出来ず、強引に破ろうとしても直ぐに修復されてしまうので入ることが出来ないのだ。
正規の入口は電気が止まっているのか動かすことが出来ず、残念ながら現在はパルデアの大穴を潜り抜けエリアゼロに入ることが出来ないのは確かである。
『これではフトゥーの開発したタイムマシンを破壊することが出来ない。不味いな、このままでは未来の機械とそのポケモン達がタイムマシンを掌握に乗り出すぞ!!』
そんなパルデアの大穴の上ではバリアーの上に立つ1体のポケモンが存在していた。彼はアローラ→パルデア行きの飛行機の前輪格納庫に忍び込んでパルデアに不法入国した……ドイツの覆面マスクを被ったゲルマン忍者未来エルレイドである。このゲルマン忍者、タイムマシンを破壊するという目的の為にパルデアに渡ったが、残念ながらタイムマシンが存在するエリアゼロに向かおうとしたがバリアーでエリアゼロの中に入ることが出来ないようだ。
『なんだ?』
何かを感じ、未来エルレイドは後ろに飛び下がる。サイコパワーを用いて空に浮かび、様子を見ると……
「ンギャル!!ンギャ!!」
「モキュ!!モキュ!!」
「ムーマ!!」
傷付いたミライドン、古代ウルガモス(通常……流派東方不敗は使えません)、古代ムウマがバリアーに何度も体当たりをしており、何かから逃げ出そうとしていたのだ。バリアーに当たり、何度も傷付いても彼等は気にしない。必死に何かから逃げ出そうとしていたのだ。
『なっ!?』
彼等を追う何かを未来エルレイドは見てしまう。その何かはエリアゼロの入口を覆う雲でよく見えないが、此れだけは分かる。それは余りにも危険だと。
『仕方有るまい!!』
未来エルレイドは渾身の力でインファイトを使い、バリアーに穴を小さく空ける。そして、その穴を腕力を用いて強引に大きく抉じ開ける。
『ヌォォオオオ!!』
抉じ開けられたバリアー。だが、バリアーはどんどん修復されていき、いくら未来エルレイドが普通の未来エルレイドと違って中の人補正(中の人補正 ゲルマン忍者)でめちゃくちゃ強いと言っても直ぐに閉じてしまう。
『何をしている!!早く逃げるのだ!!』
未来エルレイドが叫び、ミライドンと古代ムウマに古代ウルガモスは命辛々……バリアーの外に脱出する。それと同時に未来エルレイドはバリアーから手を放す。すると、バリアーは瞬く間に修復され、彼等を追ってきた何かはバリアーに弾かれて大穴の奥に消えた。
『未来……既に手を出してきたか』
バリアーの上では必死に命辛々全力で逃げてきたのだろう。ミライドン、古代ムウマに古代ウルガモスが安堵したように疲れはてていた。
『仕方無いか。着いてこい……先ずは怪我を治すのが先だな。だが、町中のポケモンセンターには寄れないな』
未来エルレイドは彼等を連れて何処かに向かった。エリアゼロの攻略には未来エルレイドだけではきっと不可能だ、もう1人……いや優秀な仲間が多く必要だ。この現代のパルデアを救うためにも、なんのかしなければ成らない。
『そう言えば今は学会だったな。弟とそのトレーナーを巻き込みたくないが……ホウエンチャンピオンの力は借りたいな』
未来との決着を早く付けなければならない。
テーブルシティ。パルデアの中心地とも言える街であり、中心にはサグラダ・ファミリアを彷彿させる巨大な学舎 グレープアカデミーが聳えており、グレープアカデミーは創設800年を超える長い歴史を持つ学舎である。
テーブルシティ国際空港。テーブルシティから地下鉄で繋がっている空港に、1人の男が普段とは異なるチャンピオンとしての青紫色のコートを纏い、2人の人物と共にパルデアに降り立った。
「此処がパルデアか。降り立つのは初めてだな」
リンドウ、南国のYシャツ姿ではなくコート姿でパルデアに上陸。
「いやー良い所じゃない!!着いてきて良かったわ!!」
そして遊び半分で着いてきたリンドウの嫁であるブルー。なお、今回……リンドウは学会の発表で来ているのでリンドウに随伴する為か今日はリンドウの付き添いで参加である。
学会に参加するリンドウは兎も角、付き添いの人はリンドウと同じIDが書かれた証明書付きのネームプレートを首から提げないと学会の会場には入れず、ブルーはそれを大事そうに大切な物入れに仕舞っている。
「そういや、ブルーは俺の付き添いだけど。サオリ先生、貴女は?」
だが、1人……学会とは関係ないがアローラから訳有ってやって来た人物が居た。それはポケレスリングの伝説的覇者であり、レジェンド、そして自分の力(物理)で自身のパートナーを鍛え上げた人類最強(物理)サオリ先生である。
「ポケレスリングの将来有望な逸材であるビワさんがグレープアカデミーに在籍していてね。彼女から手紙が届いてやって来たのよ!」
グレープアカデミーは学力やポケモン関係は勿論のこと、スポーツでも有名だ。そんなグレープアカデミーにポケレスリングの強化選手として推薦入学を果たしたビワという将来有望な生徒が通っており、サオリ先生はビワから手紙を受け取り遠路遙々南国のアローラからパルデアにやって来たのだ。
「そろそろか」
ふと、リンドウがそう告げ腕時計を見る。すると、空に一筋の赤い飛行機雲が現れる。その飛行機雲は此方に向かって徐々に高度を落としてきており、旋回をしながら周囲に気を使いながら速度を落としながら此方に向かってきているのだ。
「時間ピッタリね」
ブルーがそう告げた瞬間、リンドウ達の視線から数メートル先……テーブルシティ国際空港の広場に星が堕ちた。
その星は逆噴射も華麗に決めて地面に衝撃が伝わらないように降り立った。それは蒸気が風で消えたと共に姿が現れる。
「リンドウせんせー!!ブルーおねえさーん!!」
それはホワイトキュレムに跨がったホワイトであった。ホワイトはキュレムの背中から降りると、華麗にステップを刻みながらリンドウとブルーに近付き、そのままブルーに抱き付いた。
「これこれ、甘えるな甘えるな。リンドウ!!なんで、シロナお姉様より早くホワイトを養子にするって言わなかったのよ!!」
「いや、誰も名乗りあげなかったらそうしたけど。その場合、クルミ(リンドウ妹)は5歳しか変わらない甥が出来るぞ」
テーブルシティ。地下鉄に乗って空港から移動したリンドウ達。勿論、キュレムは大きいためにモンスターボールの中に戻し、ホワイトはイーブイとコライドンを場に出しており、リンドウはリーフィアを連れ歩きしている。
「ねえ!!せんせー!!ポケセンで泊まるの?」
「俺もパルデアの事を調べる前はそうするつもりだったんだが、残念だがパルデアのポケセンは宿泊施設は無いんだよ」
テーブルシティを含め、パルデアのポケモンセンターには宿泊機能は存在しない。
その証拠にリンドウが指差したポケモンセンターには宿泊室は愚か食堂も存在しておらず、有るのはドライブスルー形式の回復マシンとフレンドリーショップ、そしてポケモンの落とし物から作る使い捨てのわざマシン……わざレコードを作り出す無人販売マシーンだけであった。
「ええー!!それじゃあ、何処に泊まるのよ!!」
ブルーが驚愕に満ちた声で叫んだ。まあ、無理はない。ポケモントレーナーにとって宿泊先はポケモンセンター、これが基本だ。宿代はかからず、食費も掛からない。そんな夢のような宿泊施設が使えないのだとしたら、何処に泊まるのだろうか?
「ホテル。学会に参加する研究者と博士、その付き添いは経費でテーブルシティの五ツ星ホテルに宿泊できるぞ」
「「五ツ星ホテル!?」」
だが、御安心を。リンドウや世界中のポケモン博士や博士号はまだ認められてないが優秀な研究者は五ツ星ホテルに優先的に宿泊でき、その上……なんと経費から出るのでお金は気にしなくて良いのだ。
宿泊先が五ツ星ホテルと知らされた為か、ブルーとホワイトは年頃の子供のように目を輝かせている。まあ、ホワイトは年頃の子供であるが。
「俺達は経費から出て五ツ星ホテルですけど、サオリ先生は?」
「私はビジネスホテルよ。有給を使って来たからね」
なお、サオリ先生は経費から出なかったので自腹でビジネスホテルである。まあ、あのレジェンド・サオリが来たと知ればそのビジネスホテルは繁盛するだろうし、良いだろう。
「それじゃあ、私はビジホに荷物を預けてグレープアカデミーに行くわね」
サオリ先生と別れ、リンドウ達は五ツ星ホテルに向かう。五ツ星ホテルに到着すると……
「うわ…………雑誌やテレビで見たことがある博士ばっかりよ!」
そこには学会の為に世界中から集結したポケモン博士や研究者、その付き人や助手等々……大勢の方がロビーに居たのだ。
我等がオーキド博士は勿論のこと、ウツギ博士にゴールド、オダマキ博士、ナナカマド博士など日本の研究者が大勢集まっている。その中にはオレンジ諸島のウチキド博士も居たのだ。
欧州ではプラターヌ博士、ガラルのマグノリア博士にその孫でリンドウと同じく博士号の取得がかかっているソニア。パルデアのポケモン博士であるクラベル博士とその助手であるジニア、そしてポケモン考古学の権威であるオーリム博士……息子のペパーはグレープアカデミーに居るのだろう。他にもゲームには登場しない多くの博士や研究者が集っており、オーキド研究部で働いていた過去があるブルーは集った博士達を見て驚いていた。
「やあ、誰かと思えばリンドウ君にブルーさんじゃないか。大きくなったね」
ふと、そんな声が聞こえてリンドウは声の方を見る。そこには眼鏡をかけた男性が妻子と思われる女性と少女に幼子、そして複数の助手を連れてホテルにやって来た。
「サクラギさん!?アンタも来たのか!!」
「誰かと思ったらサクラギさんじゃない!!懐かしい!!オーキド研究部を退職して以来ね」
その男性はサクラギ博士。数年前までオーキド研究部で働いていた博士であり、リンドウやブルーとも面識がある博士なのだ。
「やあ。リンドウ君、コライドンの事をニュースで見たよ。そして君が噂のホワイト君だね。レッド君以来の天才だと……ニホンじゃ有名だよ!!」
「うん!!そうだよ、宜しくね!!」
ホワイトとも挨拶を交わすサクラギ博士。そしてサクラギ博士とその妻子に助手達はコライドンを見る。此の世で唯一、化石からの蘇生に成功した貴重なコライドンを見てサクラギ博士と助手達は息をのむ。
「これが……後の四代目シンオウチャンピオンの切札か。はは、凄いね」
「切札と言うか……エースの1人かと、切札はキュレムが居ますからね。それに、今の姿は移動に特化したライドフォルム……制限形態です。完全形態の迫力はもっと凄いですよ」
リンドウの説明を聞き、サクラギ博士とその助手達はコライドンを見る。
「ねえ、此処でバトルフォルムに成っちゃう?」
「注目が凄いからやめてくれ」
バトルフォルムはロビーではやめましょう。何故ならテーブルシティではバトルする場所が決められており、此処でバトルフォルムに成れば多くの注目を集めてしまう。
「そうだ!!リンドウ君!!紹介するよ、娘のコハルと息子のソウタ、そしてコハルの友人のゴウだ」
とサクラギ博士は付き添いでやって来た娘 コハル、息子の幼子ソウタ、そしてコハルの友人であるゴウを紹介してくれた。
「コハルです」
「俺はゴウ!!いづれ全てのポケモンを捕まえてミュウに辿り着くんだ!!」
コハルはまだポケモンを持っておらず、ゴウは同じくポケモンを持っていないがいづれは全てのポケモンを捕まえてミュウに辿り着くそうだ。
「ミュウを?」
「オーキド博士主催のキャンプで会ったんだ!!」
「そのミュウ、レッドのミュウよ。残念だったわね……既に捕獲されてるわよ」
ゴウ君、ミュウを捕獲したがったが……そのミュウは既にレッドが捕獲しており……夢は叶わず!!
「でっでも他の伝説も」
「役目を担ってない伝説なら良いと思うぞ?俺も役目を担ってないグラードンをパートナーにしたしな。
だが、伝説のポケモンは役目が存在する。レックウザは大空の守護者として、ルギアは海の神として、ディアルガとパルキアは時空を司り、イッシュの三龍は自らが定めた英雄を導くこと。伝説のポケモンは伝説と呼ばれるために役目が有る。それと心を通わせてパートナーにするんだぞ」
リンドウはそうゴウに告げた。ゴウが伝説のポケモンを求めるのは構わない、だが……願わくばポケモンハンターのようには成らず、パートナーと心を通わすトレーナーと成ってほしい。
「歳は?見たところ……ホワイトよりも歳上だな。12歳位かな?最初のパートナーは決まった?」
「ミュウが良い!!」
「ゼニガメにしなさい!!」
そしてブルーお姉さん。ゴウ君にゼニガメをお勧めするのだった。
「此処がパルデアか。来るのは久し振りだな……」
そしてウィロー博士。アシスタントであるチームリーダー達とネットを連れてパルデア入り。
リンドウがグレープアカデミーの腐敗を知り、ぶちギレるまで残り1時間。
次回!!リンドウ、激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム事件!!
リンドウ「いじめを黙認?証拠を隠滅?これが……教師のやることかぁぁあ!!いじめを受けた生徒のフォローと保護は勿論のこと、いじめっこを正しく導かないとか何様じゃ!!」
???「記録ロト!!」
あと、影が物凄く薄くなったアイツ。パルデアに密入国。
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