放課後。
サトシとピカチュウはスイレンと共にスイレンの家にやって来ていた。理由は簡単、明日借りる為の釣竿を借りに来たのだ。
明日の授業は釣竿が必要だ。なんせ、学校が保有するライドポケモンに乗って沖合いに出て水ポケモンを釣るための課外授業なのだ。
ライドポケモンは学校のをレンタルする為に問題は無いが、釣りを行う為には釣竿が必要だ。当初、リンドウがホウエンチャンピオン時代に使っていた良い釣竿を借りる予定であったが…スイレンの家には凄い釣竿が何本も有るためか、それを借りる事にしたのである。
「ここがスイレンの家?」
「ピカピ…」
スイレンの家はメレメレ島に有る海辺の所に有り、家の敷地に有る船着き場にはライドポケモンのラプラスが鎮座して放し飼いにされている。
「うん。お父さんは漁師だから滅多に帰ってこないけどね」
正に漁師家族と言った感じの家であり、1階建てだが広い作りだ。
「ただいま」
スイレンが帰宅の挨拶を行い、扉を開けて中に入る。玄関には魚のポケモンと思われる魚拓が飾られており、水ポケモンの置物等が置かれていた。
すると、家の奥からドタドタと騒がしい足音が聞こえてくる。そして、玄関にスイレンそっくりな小さな少女が2人も現れた。恐らくだが、双子だろう。それほどに容姿がそっくりだったのだ。
「「おかえり!ぎょぎょぎょぎょ!」」
「ぎょぎょぎょぎょ…えっ?」
独特な挨拶に驚くサトシであったが、スイレンの妹と思われる双子の少女は目を輝かせてサトシを見る。正確にはサトシの肩に乗っているピカチュウをだ。
「ピカチュウだ!」
「はじめて見た!」
「「かわいい!!」」
そして、幼子達は物凄い早さでサトシからピカチュウを奪うと、家の奥に消えてった。
「うん…ごめんね。妹のホウとスイなんだ」
「物凄く…スイレンと似てるな」
「うん…良く言われる」
幼子2人はホウとスイ。スイレンの妹であり、ホウとスイは双子である。誰が見てもスイレンと姉妹であると分かるほどにそっくりであり、近所でも評判だろう。
スイレンの案内で家のリビングに向かうと、ホウとスイがピカチュウと遊んでいた。いや、遊んでいると言うよりも双子が一方的にピカチュウとじゃれていると言えるだろう。
ピカチュウの頬っぺたを左右に引っ張ったり、ピカチュウをこねくり回したりしているのだ。そんな様子を見かねたスイレンが、腰に両手を当てて口を開く。
「ホウ、スイ!ピカチュウ困ってる!」
「「むむ!もっと遊びたい!それより、そのお兄さん誰?姉ちゃんのボーイフレンド?」」
ボーイフレンドとは勿論、彼氏の事である。そんな事を妹に問われたスイレンの顔はぼっと赤くなり、恥ずかしそうに返答する。
「ちっ違う!全然違うから!!」
「本当に本当に?」
「本当に本当に!!」
「俺はサトシ。スイレンの学校の友達で、今日は釣竿を借りに来たんだ。ピカチュウ…悪いけど、ホウとスイと少し遊んでやってくれないか?」
そう、サトシは今日…釣竿を借りに来たのだ。
「「本当に!?やったー!」」
「ピカチュウ!」
ピカチュウと遊べるためか、ホウとスイは嬉しそうだ。
ピカチュウにホウとスイの面倒を頼んだサトシとスイレンは、釣竿が置かれている所にやって来た。
そこには様々な凄い釣竿が置かれており、疑似餌は可愛いポケモンの顔がデザインされた代物だ。
「どれでも好きな物を選んで良いよ」
「本当か!?それじゃあ…このピカチュウの奴にするよ」
サトシが選んだのはピカチュウの顔が可愛くデザインされた疑似餌を持つ凄い釣竿だ。この凄い釣竿が有れば、ギャラドスは勿論…ミロカロスやホエルオーも釣り上げる事が出来るだろう。
翌日。
集合場所である海岸。そこに3匹のラプラスと3匹のホエルコのライドポケモンをスタンバイさせ、教員であるリンドウとブルー、ククイ博士はサトシ達を待っていた。
ラプラスは2人乗り、ホエルコは1人乗りだ。
「さてと…後はサトシ達が来るのを待つだけだな」
「ククイ博士、サトシは無事に起きれたのか?」
「大丈夫だ。今回は早めに起こしてきたし、問題は無い。時間通りに来る筈さ」
今回は遅刻しないように、ククイ博士はサトシをしっかりと起こして来たのだ。問題は無いだろう。
すると、前方の方向から各々が使う釣竿をもってサトシ達がやって来た。サトシはスイレンから借りた凄い釣竿、スイレンは凄い釣竿、マオは自宅に有った良い釣竿、カキは自宅に有った釣竿、マーマネは今回の為に発注した最新型の凄い釣竿、そしてリムジン通学を行うリーリエは凄い釣竿……と何処から見ても宇宙服な防護服を着ていたのだ。
「「へっ?」」
まさかの宇宙服のような防護服。アローラはホウエンよりも温暖な気候だ。その為か、物凄く熱い。ララキナマウンテンなどの一部の場所を除いて、一年中温暖な気候…専門用語では亜熱帯と呼ばれるような所だ。
そんな南国アローラで密閉された防護服を着てみればどうなるか?物凄く熱いに決まっている。
その証拠にリーリエは汗を額から流していた。
「おっおい…リーリエ、大丈夫か?」
「大丈夫です!これなら、私でもポケモンに触って釣りが出来ます!!」
確かにこれならリーリエでも釣りが出来て、ポケモンに触れることが出来るだろう。
「そっそうか…無理はするなよ。それじゃ出発と行くか!
ラプラスは2人乗り、ホエルコは1人乗りだ。各自、好きなライドポケモンに乗って出発と行くぞ!!」
ラプラスにはリンドウとブルーのペア。サトシとマオのペア、リーリエとスイレンのペアが乗る。ホエルコにはカキ、マーマネ、ククイ博士が乗って彼等は沖合いに向けて出発した。
その頃の赤、黒、Xヒロイン。
「ギエピー!?」
「うわわわわ!?ちょっと!早い!速すぎるよ!」
「クゥーン!!」
上空でギエピー、セレナ、ラティアスの悲鳴が響く。だが、音が響いた時には既に彼等はそこには居ない。何故なら、音を越えるマッハな速度でアローラに向かってるためだ。
「モエルーワ!!」
レシラムは前方に炎のバリアを張っており、そのバリアで上空の寒さと衝撃波から自分に乗っている人を守る。その為にマッハな速度で飛んでも問題は無いのだ。
レシラム特急便。スーパーマッハでアローラに向けて進行中。
「てかなんで僕だけ、発動機の尻尾なんだっピ!?滅茶苦茶熱いっピ!!」
しかし、ギエピーの声はレシラムには届かなかった。
次回!釣り…果たして、リンドウは釣ることが出来るのか!?
そして…ピンクの悪魔とバグチュウ、アローラに到着する?
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