「似合ってるじゃない。流石は素材が良いだけは有るわね」
青色の甚兵を纏ったゼイユがニヤリと笑みを浮かべ、その後ろでは白色の甚兵を纏ったスグリがウンウンと頷いている。
此処はそこそこ大きな日本家屋であり、場所は公民館から歩いて5分程の所にあるゼイユとスグリ姉弟の実家。両親は海外で働いており不在だが、普段は祖父母が暮らしており、ゼイユとスグリが帰ってきた時は基本的に4人で過ごしているのだ。そんな2人の実家にホワイトはやって来ていた。
「似合ってるべ……ホワイト」
ホワイトが此処にやって来た訳は、ゼイユからお古の甚平を譲って貰う為だ。スグリの祖母の手で甚平を着せてもらい、緑色の甚平姿となっている。
今日から暫くはオモテ祭りが行われ、大きな賑わいを見せる。神社の本殿……キタカミセンターまでの登り参道ではスイリョクタウンの青年団やOBorOG、それに地元の有志の方々が出店を開いており、焼き蕎麦や焼き鳥、お好み焼き、唐揚げ、ベビーカステラ等の美味しそうな屋台が沢山並んでいるのだ。
屋台の料理はどれもがワンコイン未満で手に入り、食べ物だけではなくスーパーボール掬い、ヨーヨー釣り、型抜き等々の沢山の面白そうな遊びの屋台も有るのだ。楽しむ価値は充分に有るだろう。
「ねぇどう?」
「バッチリよバッチリ!!スグもホワイトぐらい素直ならね……」
お祭りの衣装に着替えた。準備は完了であり、これからキタカミセンターに向かおうとした時だった。
キュルルとタイヤのブレーキの音が家の外で聞こえる。すると、玄関先でミライドンに跨がったリンドウが現れた。リンドウはミライドンから降りると、ミライドンの頭を撫でてから「お邪魔します」と一言告げて敷地内に入ってきた。
「よっ、ホワイト。準備はバッチリか?サトシ達は先にキタカミセンターに行って、祭りを楽しんでるぞ」
実はと言うと、サトシを含めた他の生徒達はオモテ祭りをお先に楽しんでいる。サトシ達は甚平に着替えるつもりはなく、と言うか甚平を持ってないor持ってきていない。私服姿に着替えて、オモテ祭りを楽しんでいるのだ。当然、屋台を楽しむのならお小遣いは必要だが仕方がないだろう。
「うん!!準備はバッチリだよ!!」
「そうか。それじゃあ、お前達……一列に並んでくれ。記念撮影だ!!」
リンドウがそう言うと、ゼイユとスグリはホワイトを挟むように並んでポーズを決める。それと同時にホワイトのボールからイーブイと「マカセロス」の言葉と共に我らがカイロスさんも飛び出してきた。
「はい、チーズ」
リンドウはその言葉と共にスマホロトムで写真を撮った。
「今はチーズなんて言わないわよ」
「リンドウ先生、わやじゃ」
(今の子は言わないのか!?)
そしてリンドウ、カルチャーショックを受ける!!
キタカミセンター。そこでは祭りが行われていたのだが……リンドウはスグリを呼び出して、2人でベビーカステラを食べながら話をしていた。
「スグリ。ブルーベリー学園はどうだ?」
「ボチボチだべ……」
「そうか……単刀直入に言うぞ。君はこのままじゃ、ポッキリ折れる」
リンドウの言葉に対して、スグリはえっ?と驚きながらリンドウの方を見る。
「ブルーベリー学園の事は資料で見たことと、ブライア先生から聞いたことでしかわからない。
バトルを専門にしているようだが、バトルに向かない子やポケモンも居るんだ。イッシュには知人も居てな、少しだけ調べて貰った。
親御さんに高い授業料を出して貰っているとは思うけど、君は色々その眼で見て……視野や見聞を広めた方が良い」
ブルーベリー学園はバトル専門であり、バトルに関してしか授業を行わない。バトル関連の授業しかないので、バトルの腕前はメレメレ島ポケモンスクールやグレープアカデミーと比べても、確実に強くなりやすいだろう。だが、バトルに挫折してしまえば?辞めるしかない。最早、学校と言うよりは訓練所と言った方が良いかもしれない。
「まあ、よく考えて見てくれ。戦う事だけがトレーナーじゃない。
だが、君は良いトレーナーに成ると思うぞ?オタチと戦っている時は嬉しそうだったしな」
「人の教え子を勧誘ですか、リンドウ先生」
すると、イカ焼きを食べながらブライア先生が現れた。
「いーや、沢山ある人生のヒントを与えただけですよ、ブライア先生」
「む?」
一方のホワイト。ホワイトはゼイユとはぐれてしまったが、キタカミセンターから山への登山道に続く近くで、お面を被った小柄な子供?を発見する。
「ぽにお?」
その子供?はホワイトに向けてそう言う。
「ぽにおーん!!ぽにぽに!!」
「遊びたいの?」
「あっ!!ホワイト!!こんな所に……鬼退治フェスしない?アンタ、コライドンと一緒なら出れるわよ」
すると、ホワイトを見つけたゼイユが近付いてきた。だが、ゼイユの言葉を聞いた子供?は脚の強靭なバネで後ろに跳び、山への登山道の階段を一気に後方に上がる。だが、その瞬間……お面が外れてしまう。
「ぽにぃ!?」
そのお面の下は超絶可愛らしい顔があった。だが、顔の色が黄色だった事から人間ではなくポケモンなのだろう。
「ぽに……」
そのポケモンは両手で顔を咄嗟に隠そうとする。両手と言っても、法被の袖に見えるような手だが。
ホワイトは堕ちてしまったポケモンのお面を手に取る。そのお面はエリアゼロで見かけるような結晶が装飾に使われた、豪華な緑色のお面であった。だが、これはあのポケモンのお面であり、ホワイトが貰う訳には行かない。
「これ、落ちたよ」
「そうよ。それに、夜の山は危ないわよ……今日は遅いし、私の家に泊めてあげるから」
ホワイトはポケモンにお面を返そうとお面を差し出し、ゼイユはポケモンに夜の山は危ないと告げて降りてくるように言う。だが、ポケモンは逃げるように山に登っていった。
「どうした2人とも……てか、なんだ?それ」
「姉ちゃん、ホワイト。お待たせだべ」
しかし、間が悪いことにリンドウとスグリもやって来てしまい、リンドウとスグリはホワイトの持つお面を見てしまう。
「せんせー!!ポケモン居たよ!!物凄く、可愛くてアイドルに向いてそうな子!!その子がお面を落としたんだ」
「ポケモン?お面?」
「きっと鬼様だべ!!」
「なっなんだっピ!?これは毒!?桃の臭い!?くそ、敵が見えないピ!?ギェェピィィー!!」
一方のギエピー。未知の敵に襲われ、取り憑かれる。
次回!!操られたギエピー!?
そして、ホワイトはゼイユとスグリの祖父母から鬼……オーガポンの事実を話される。
ギエピー?「ククク……ともっこは甦らせてもらうぞ。このお面も私が貰おう」
ホワイト「ギエピーじゃない!?ギエピーはもっと言葉が下品だもん」
入学してみたい学校は?
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オレンジアカデミー
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グレープアカデミー
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メレメレ島ポケモンスクール
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セキエイ学園
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ブルーベリー学園
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タマムシ大学(オーキド博士の母校)