「随分と……短期間でバトルをしたんですね……」
野外教室での授業が終ると、生徒指導の教員がホワイトとスグリに話しかけてきた。ブルベリはバトル専門校であり、生徒指導の教員のお仕事はメレメレ島ポケモンスクール等の学校の生徒指導と異なり……生徒達が積極的にバトルをしているかどうかのチェックである。
生徒指導の教員は端末で生徒達が積極的にバトルをしている確かめており、一定期間以内に指定人数の生徒とバトルを繰り広げて尚且つ勝った場合はBPのボーナスと技レコード等のプレゼントを行っている。この野外教室に辿り着く前に、ホワイトとスグリは襲ってきたトレーナー×30を返り討ちにしており、そのボーナスを貰える資格を得たのだ。
「ええ、勝負を挑まれたので答えただけですよ」
「うん!ブルベリの人達ってバトルに積極なんだね!でもさ、バトルだけじゃなくてポケモンと冒険したり、コンテストとか他の事にも興味をもって欲しいな!!」
と何事もなく、相手をボコボコにしたスグリとホワイトのお言葉である。
「此処はバトル専門校ですからね……コンテストは畑違いですよ(あり得ない……既に学園の水準はジムリーダーを上回ってる。なのに、この2人は何者なのよ!?)」
心の中で悟られないようにする生徒指導の先生であった。因みに生徒指導の先生達は戦えない者も多く、ブルベリは元々は研究設備だった事もありブライア先生のように研究者から上がった教員も多く、全員がポケモンバトルが上手とは言えないのだ。
余談だが、コーストエリアの生徒指導の先生がホワイトと戦えば……秒殺されるので、平均的な生徒達よりも弱い。
「しかし、ここの学生はバトルには熱心ですが、バトルに趣を起きすぎてませんか?最低限の信頼関係しか結べてない子が多い」
同じ教員としてか、リンドウが思った事を生徒指導に告げる。実はと言うと、リンドウもホワイトやスグリ程では無いのだがブルベリの学生から勝負を挑まれた。
戦ってみてリンドウが分かった事だが、バトルの腕前の水準は非常に高い。中等部のホワイトとスグリ、高等部のサトシ達と少数精鋭のぶっ壊れが多いメレメレ島ポケモンスクールと比べてブルベリは生徒達の実力の中央値は非常に高いと感じたのだ。だが、パートナーポケモンとの信頼関係がそこまで高く築けてないのでは?と感じる場面も有ったのだ。
「それに、テラリウムドームの野生のポケモン達ですが、強力なポケモンが多い分……新入生が新しいポケモンを捕まえるのは難しく有りませんか?」
それとテラリウムドームに生息するポケモン達の大半が、非常にレベルが高いことも特徴だろう。ツツケラやヒノヤコマ、各地方の初心者向けポケモン(所謂、御三家)等の扱いやすいポケモンも生息しているが……ツンベアー、アローラナッシー、アローラゴローン、サイドン、フライゴン等の強力で初心者では捕獲も難しいポケモンが多く生息しているのだ。しかも、その個体の強さも高く……ホウエンのチャンピオンロードより高い。学生には少し危なくないだろうか?
「そうでしょうか?我が校の生徒達は皆が優秀ですから」
だろうな。こんな所じゃ、バトルの素質のない子達は辞めるしか無いからな。リンドウが心の中で嘆く。そう、ブルベリ学園はバトルに素質のない子達は排除されるような仕組みと成っているのだ。
豊かな学園生活を送るためにはブルベリのブルレクをこなすしか無いが、こんなチャンピオンロード真っ青のテラリウムドームでブルレクをこなすのは難しい。捕獲は勿論のこと、倒すのも難しく……バトルの素質がない子or3年前のスグリのように素質が開花する前の子ならタスクをこなせず、食堂で食事も食べることも出来ない。
「…………そうか。なるほど参考になりますね」
「でしょ?是非ともメレメレ島でも採用してくれますか?」
--反面教師としての参考じゃボケェェェ!!こんな選民思考な学校が有ってたまるかぁぁあ!!
心の中で怒りが噴火したリンドウであった。そしてリンドウは退学者の数を調べる決意を決めた、こんな所じゃ素質の子や開花してない子は満足に学べない……そんな学校が有って良いのだろうか?いや、素質がないからと切り捨てるのは学校や教師の風上にも置けない。
授業が終わればお腹が空いてくる。ホワイトとスグリもブルレクをこなし、トレーナーバトルでのボーナスも稼いだ事で数日分の食費を稼ぐことが出来た。
「此処が食堂です。ホワイトさんとスグリさんはBPを稼げましたし……リコちゃんのは私が出しますね!」
リンドウは「調べたいことがある」と告げて、リンドウと別れたホワイト達はタロの案内でブルベリの食堂にやって来た。
「「なにこの……ジャンクの塊」」
「凄く……イッシュ感ですね」
だが、メニューは明らかにTHE・イッシュと呼べるメニューばっかりであった。しかも日本人が想像する、ステレオタイプでのTHE・イッシュな料理ばかりである。
ハンバーガー、分厚くチーズたっぷりのピザ、巨大パフェ、唐揚げうどん+グミ+フライドポテト(チーズどっぷり)+プリン&ドーナツというビタミンの事を1ミリも考えられていない。唯一、野菜が入ってるのはハンバーガーだけである……それもレタスとトマトだけ。
因みに食堂のメニューは全てシアノ学長が決めた……それも自分の好物で固めたのである。
「タロちゃん。これ栄養大丈夫?」
ホワイトがメニューを指差しながら、不安そうに言う。と言うのもホワイトはデント、我らがタケシ、そしてリンドウパパの手で料理を教えて貰ったので栄養の大事さは理解している。だからこそ、成長期の子供の栄養面を1ミリも考えれていないブルベリのジャンクなメニューには疑問しかなったのだ。
「美味しいんですけど……ちょっと胃もたれが。
BPを購買で払えば、食材を買えるので、それで自炊してる人も居ますね」
「まあ、折角だ……たまにはジャンクも良いよ。チートデイで良いじゃないか」
だが、たまには良いだろう。スグリは代表して前に出た。
「学生定食を1つ!!」
「あいよ!!」
筋肉の化身であるスグリはあろうことか……シアノ学長考案のカロリーオバケ 学生定食を頼んでしまった。
「じゃあ、僕はハンバーガーセットで。飲み物は紅茶で」
「飲み物はコーラ、メロンソーダ、ビール、ハイボールが有ります」
「なんでお酒有るの?じゃあメロンソーダで」
ホワイトは一番カロリーがマシそうなハンバーガーセットを注文。だが、飲み物はイッシュ人が好みそうなコーラ、メロンソーダ等の炭酸飲料と何故かお酒だけであった。
「私もハンバーガーセットで!」
「この子の分は私が払います。同じので」
リコとタロはハンバーガーセット。ただし、リコの分はタロの奢りである。
「おっ!!スグリじゃねぇーか。お前、本当に帰ってきたんだな。元気だったか!!」
と、声が聞こえてホワイト達は後ろを振り向く。そこには間もなく成人を迎えるだろう青年が立っていた。
白髪の青年であり、彼はカキツバタ。イッシュ地方のソウリュウジムのジムリーダー シャガの孫であり、イッシュ四天王アイリスの兄弟子である。強い。
「カキツバタさん!!」
「ゼイユから聞いたけどよ、南国で元気にしてんだってな!!…………てか、デカク成りすぎじゃね!?オイラより大きいなおい!!」
カキツバタとスグリはスグリが覚醒前からの知人であり、カキツバタはいつもゼイユの後ろにかくれて友人の居なかったスグリの事を気にかけてくれていたのだ。
「しかし、カキツバタさんはもしかして先生に?」
「いーや、また留年してよ。まだ高等部3年なんだわ」
「えっ?いや、アンタたしか姉ちゃんの3つ歳上だよね!?」
なお、カキツバタは三留している。
「で、お前さんがホワイトだな!?そっちがリコか!
オイラはカキツバタ。まあ、気軽にブラザーやツバッサンと呼んでくれよい。オイラもブラザーって呼ぶからよ」
そしてホワイト、カキツバタから問答無用にブラザー認定される。
「ブラザー?」
「心の兄弟ってつうことだ。ブラザー、いやスグリとリコも食後に部室に来てくれ。此処じゃ言えない事が有るんだよ」
カキツバタはホワイト達に用があるようだが、少し表情が深刻そうだ。きっと何か問題を抱えているのだろう。
「カキツバタ!?ホワイトさんを巻き込むんですか!?」
「オイラ達じゃラクツを停められない。教員も動かねぇ……ブライア先生も何を何を考えてるか分からねぇ。
ラクツに勝てるとすればイッシュチャンピオンのブラック、そんでイッシュ最強のジムリーダーチェレンだけだよい……チェレンでも難しいかもしんね。だけどよ、ブラザーが来てくれた……こんなチャンスはないよい」
そしてホワイトとスグリはブルベリ学園が抱える問題に巻き込まれる。
次回、リーグ部。
カキツバタ「此処がリーグ部の部室だよい」
ギエピー「HQ、HQ!此方ピッピ!!咄嗟にロッカーに隠れたっピ!!」
入学してみたい学校は?
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オレンジアカデミー
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グレープアカデミー
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メレメレ島ポケモンスクール
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セキエイ学園
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ブルーベリー学園
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タマムシ大学(オーキド博士の母校)