「ふー……流石に疲れたよ」
サバンナエリアとコーストエリアの境目を過ぎて、ホワイトはコーストエリアに入った。だが、ホワイトはコライドンに乗ってないし、なんならボールから出していない。これには訳がある。
コライドンは確かに種族値600族(この作品では)の中では超優秀な部類に入るだろう。しかし、コライドンには明確な弱点が存在する。それは4倍弱点のフェアリーではなく、燃費である。コライドンは平時、ライドフォルムこと制限形態で生活しており、戦闘時や気分が乗った時はバトルフォルムこと完全形態となる。だが、完全形態はカロリーの消費が多いのだ。カロリーの消費が多い、つまり身体に蓄えたエネルギーが普段よりも早く消耗するのだ。そして、ホワイトのコライドンは他のコライドンと異なりメガシンカも使う……メガシンカを使えば更にカロリー消費が激しくなり、連発すればお腹ペコペコで動けなくなるのだ。
「流石にメガシンカとキズナ進化の同時と連発は身体に来るな」
どうしてトレーナーの皆さんが一度の戦闘で、メガシンカを基本的に1度しか行わないのか?理論上はパートナー全員にメガストーンを持たせれば、全員メガシンカは出来るだろう。しかし、それは出来ない……何故ならトレーナーの身体が持たないからだ。
メガシンカはトレーナーとパートナーの心が1つになって使うことが出来る。故に、使えばトレーナーにも多少の負担が来る。
ホワイトは鼻から鼻血を出してしまう。肉体に負担のかかるメガシンカやキズナ進化を多用すれば、いくら超人であるマサラ人や古代イッシュ人+流派東方不敗でも限界は来る。
ポケットからハンカチを出して、鼻血を拭う。ホワイトに勝負を挑んできた生徒は数多に居たが、その大半が伝説のポケモンをパートナーに出来た為か、力に溺れてリンドウ曰くの
そして、ホワイトは感じていた。伝説のポケモンをゲットした生徒の8割以上が、捕まえた伝説のポケモンと信頼関係が巧くいってなかったのだ。当たり前だが、ポケモンは道具ではない……家族だから当然だ。
「ちょっと、無理しすぎたかな?」
コーストエリアのトロピカルなビーチに辿り着いたホワイトは、備え付けられた南国式のベンチに腰かけた。まだ手持ちのパートナーは元気だが、エースのミロカロスはキズナ進化の連続使用で疲れているし……コライドンに関してはカロリー切れでガス欠。カロリーオバケの学食はデリバリー出来ないのだろうか?と考えていると……
「ホワイトさん!こんな所に居たんですか!?心配したんですよ……鼻血!?」
「タロ、急に走らないでよ」
ホワイトの姿を遠くから確認できたタロとゼイユが此方に向かって走ってきた。その後ろでは人質に取られないように、キュレム・オリジンの背中に乗せられたリコも此方にやって来た。
『ホワイト、メガシンカとキズナ進化を多用したのか?
多くのトレーナー達が一度のバトルで、メガシンカを沢山使わないのは身体の負担が大きいからだぞ?お前もそれは分かってる筈だ』
キュレムがホワイトに注意するように、いや怒るように告げる。当然だ、キュレムにとってホワイトは息子であり……並行世界とは言え愛娘が遺してこの世界に飛ばした孫でもある。
ホワイトがメガシンカとキズナ進化を多用して、動けなくなってしまえば大変だ。故に、祖父でもあるキュレムはホワイトの事を心配して叱るのだ。
「ごめんよ、だってさ……流石に数が多かったし、その人達がリコを狙ってきたら?きっとブルレクのポイント目当てに、教師達から言われたらリコはまだ未熟だし……流石に振り払えない……だから誰かが助けてあげなくちゃ。もう、僕は守られるだけの子供じゃないから」
とホワイトは言うが、意識を手放すように気を失ってしまう。よほど、無理をしたのだろう。無理もない。ホワイトがキズナ進化を会得して多用したのは初めてであり、リンドウやサトシと違って長い間(5年ほど)使い続けた訳ではない。メガシンカと比べてホワイト自身の体力の消耗も大きいのだ。
「ホワイトさん!?」
咄嗟にタロがホワイトに手を伸ばそうとしたが、誰かがホワイトを抱えた。
「全く、そこまで責任感持たなくて良いんだよ……お前は」
その人物はリンドウであり、リンドウの後ろではミライドンがワンちゃん座りをしている。だが、ミライドンの後ろでは急ブレーキの後が着いており、猛スピード→フルブレーキングで駆けつけたのだろう。
「「リンドウ先生!?」」
「リンドウ先生……」
「よっ、お前達。所でリコ、怪しいヤツに狙われてはいないか?」
「はっはい!キュレムが護ってくれたので……」
ブライア先生の目的はテラパゴスの確保。テラパゴスはリコのペンダントであり、リコも当然ながら狙われる危険性も有るのだが……そこはキュレムが護ってくれたようだ。
「そうか……それは良かった。さてと」
リンドウはそう告げ、ホワイトをタロに託した。ゼイユにはお弁当箱とサンドイッチを手渡した。
「この子を頼む。20分位したら起きると思うけど。ホワイトが起きたらこの弁当を食わせてやれ、コライドンにはこのサンドイッチだ」
「えっ!?」
「俺は……あのアホどもに実技授業してくるよ」
リンドウはベルトに提げた1つのモンスターボールを手に取った。と言うのも、リンドウの視線の先ではニヤニヤとしながら伝説のポケモンを繰り出した、おやつ親父のオヤツで勘違いしてしまった哀れな学生の諸君が立っていた。
レックウザ、ライコウ、スイクン、サンダー……本来なら余りの珍しさに卒倒しそうになる伝説のオンパレード。だが、彼等はブライア先生や他の教員達の計らいで、おやつ親父のオヤツをゲットして……楽して伝説のポケモンと出会えたに過ぎない。
「今がチャンスだよ!!ホワイトって生意気なガキは疲れて寝てるしよ!!」
「そうだな!!」
「やれやら、どこが英雄なんだい?俺より弱そうなガキじゃないか」
「「流石はスワマ!!言うことが違う!!」」
哀れな学生の諸君はすっかり、伝説のポケモンの力に虜に成っているようだ。ならば本物を見せてやるしかない、ホワイトがキュレムをリコの護衛に回してるなら、リンドウがそれを行うだけだ。
「グラードン。俺が許可する……
その瞬間、日差しが強くなる。
「おい……俺達の息子をバカにするなよ。少なくとも、浮かれるお前達の100倍男前だわ」
「グラァァァァ!!」
リンドウのボールから飛び出したグラードンは、断崖の剣をカタパルトのように応用し、その場から飛ぶように消える。次の瞬間、右手に限界まで地震エネルギーを圧縮したグラードンがレックウザの前に現れた。
「い!?」
「「「お前もオヤツの力でか!?」」」
「グラードン、地震!!」
「ぐゅゅゅぁぁあ!?」
「グラァァ!!」
解き放たれた地震パンチは……レックウザを一撃で粉砕した。ホウエンチャンピオンであるリンドウからすれば、相手のレックウザはトレーナーとの信頼関係が皆無であり、ホウエンの守護龍(最終暴力装置)レックウザを知るリンドウからすれば、もはやキュウリであった。
「どうした?伝説のポケモン以外のパートナーも居るだろ?安心しろ、お前達が伝説以外を使えば俺もグラードンを下がらせて別のパートナーを使うさ」
レックウザを一瞬で鎮圧したグラードンの圧力に怯え、哀れな生徒達はずり下がる。
「なんだよ……なんでそのグラードンはそんなに懐いてるんだよ!!」
「トレーナーとポケモンは信頼関係が出来た瞬間、改めてパートナー同士になる。グラードン……本物を教えてやるぞ」
空気が震え、グラードンの雄叫びがコーストエリアの空に響いた。
「うめうめ、やっぱりパパのお弁当美味しいな。ブルーママとお母さんの百倍旨いよ」
「アギャッス!!」
そしてホワイトとコライドン、目が覚めて……リンドウのお弁当とサンドイッチを食べて復活。なお、その背後では伝説を使うトレーナーの皆さんがリンドウとグラードンの手で粉砕されていく。
「ギャァァア!?落ちるぅぅぅ!!」
「ギエピー!!セルフダイビングになったピ!!」
ギエピー、持ち直したアカマツくんと共にコーストエリアにタクシーで現れた。だが、ギエピーの余りの重さでタクシーの籠紐が切れてしまい、ギエピーとアカマツはスカイダイビングの如く投げ出された。
「しってるかっピ?時速60キロの風圧を掌で受けたら、女性のおっぱいと同じ感触らしいっピよ?」
「今、そんな豆知識いる!?でも、それが事実なら俺は今、全身でタロ先輩のおっぱいを堪能してるのか!?てっそんな訳があるかぁぁぁぁあ!!柔道部位の固さじゃねぇぇぇぇか!!」
バシャーン!!ギエピーとアカマツはコーストエリアの海に不時着し、リンドウとキュレムに救助されたのだった。
リンドウ「とりあえず、ピーチドンはW地震パンチが決まった」
ピーチドン(本名はネタバレなので)「わっ私は……こっこんな所でぇ……あっあっあ゛あ゛あ゛!!」←バキバキに潰される音
メガコライドン「良い、みあげ話が出来た」
ゼイユ「てか、カキツバタの試練の為にドームでポケモン捕まえた?コライドンやオーガポン使えないのよ?」
ホワイト「捕まえたよ?はい、直ぐにヒトカゲからリザードに進化したけど」
リンドウ「テラリウムドームのポケモン、全体的にレベルが高いな。だからヒトカゲとかと直ぐに進化してしまう子が多いのか」
タロちゃんのライドポケモン
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今流行りのミライドン
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モトトカゲ進化?ゲンダイドン
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ホワイトさんの後ろに決まってるだろ?