マオからのサプライズ…それはサトシの時には行われなかった挑戦サプライズであり、まさかのカレー対決であった。
「ルールは簡単!私、マオちゃんとカレー料理対決をしてもらいます!
材料は此方で用意した豚肉、牛肉、モーモーミルクチーズ、ソーセージ、スイレンのお父さんが釣ってきた魚…好きな物を選んでくれて構いません!
勿論!隠し味として、木の実も容れるように!マオちゃんからのコツとしては…木の実は水分が多いので、木の実の水分量とルーを作る際の水を良く考えて作ること!木の実と水の合計水分量が多すぎると…シャバシャバのカレーに成ってしまいます!!」
場所を教室からポケモンスクールの広場に移動したリンドウ達。
そこには既にククイ博士、リンドウ、ブルーの教師陣の手で見事な即席野外キッチンが出来ていた。大きなテーブルの上には色取り取りの様々な木の実、新鮮な食材が並べられており…何れでも好きな物を使っても良いのだ。
「ご飯は此方で用意したから…美味しいルーを頼むぞ!」
教室からのサプライズには参加しなかったククイ博士。彼はなんと、既にマオのサプライズの為に1人で白米とサフランライスを沢山炊いており…美味しいカレーの下準備をしていたのだ。
そんなククイ博士は『審査員席』と書かれた長いテーブルにリンドウとブルーと共に座っており、2人と共に審判を務めるのだ。
「調理器具も此方で用意したので、安心して下さい!
それと…審査員の先生方は料理上手のククイ博士、同じく料理上手のリンドウ先生、そしてリンドウ先生の手料理で舌が肥えたブルーお姉さんの3人です!
勿論!審査が終わったカレーは皆で美味しく頂くので、皆のお昼ご飯に成ります!制限時間は二時間…それじゃあ、スタート!!」
マオの宣言でカレー対決が始まった。では…今回の出場選手を紹介しよう。
先ずは主催者であり、アイナ食堂の看板娘マオとパートナーのアマカジ。
「良し!アマカジ、アイナ食堂看板娘の意地を見せるよ!」
「アマっ!!」
アマカジとマオもやる気と元気は一杯だ。日頃から料理を行い、父親と共にアイナ食堂を切り盛りする看板娘…料理の腕前には自信が有り、この中では一番の優勝候補である。
エントリーNo.2 アセロラとパートナーの色違いミミッキュことミミたん。
「ミミたん!アセロラちゃんも頑張るから…頑張ろう!」
「キュー!!」
アセロラはリンドウがアローラに来てから弟子入りした少女、ポケモン勝負の腕前は兎も角…料理の腕は未知数だ。だが、簡単な料理なら教えてもらえているかも知れない。
エントリーNo.3!サトシと共にカロス地方を旅したポケモントレーナー セレナ、そして彼女のパートナーであるテールナーである。
「良し!勝てるか分からないけど、頑張ろう!」
「テール!」
セレナはそこそこ料理が出来る。事実、セレナはサトシと旅をしている時…シトロン不在の際は料理をしていたのだ。その上、カロスからホウエン地方に旅発った後、自分でキャンプもした事は有るので必然的に料理の腕も上達した。
エントリーNo.4!次期イッシュチャンピオンであり、数少ない禁止伝説級(メガ進化ポケモンに素で匹敵する伝説のポケモン)をパートナーにした少年 ブラック、そのパートナーであるレシラムとタブンネのネネ。
「料理したことねぇぇぇええ!!」
ブラックは慟哭した。ブラックが旅に出た頃はお湯を注げば直ぐに、そして簡単に出来るインスタント料理のバリエーションが増えていた。
レッドやリンドウの時代はカップ麺位だったが、ブラックやサトシの頃はインスタントカレー、インスタントチャーハン、インスタント釜飯等々…沢山のインスタント料理が出ていた。お湯を注ぐ、或いは袋のまま茹でる…それだけで美味しい食事の出来上がりだ。
事実…ブラックは旅路の飯として、ポケモンセンターで食べる食事以外はそのインスタントだ。それに…ブラックやサトシの時代では道路にもポケモンセンターが有り、野宿の機会はリンドウ達の子供の頃と比べると随分と減った。
『諦めてはいけない。私が何とかアドバイスするわ』
レシラムがブラックだけに聞こえる声で告げ、タブンネもガッツポーズする。1人と2匹の戦いは始まったばかりである。
「タブンネ!!」
ブラック…人生初の本格的な料理が幕を挙げたのだった。
そしてエントリーNo.5。最強のポケモントレーナーであり、趣味は危険地帯(シロガネ山)でのキャンプの我等がポケモンマスターレッド…とパートナーのバグチュウもといピカ様。
シロガネ山でのキャンプがバレた際は、四天王のカンナやキョウに怒られ…そしてハナコママに電話で怒られる。シロガネ山キャンプで磨いたカレーの実力を見せつける事が出来るのか?
「………」
レッドはピカチュウの可愛らしい絵柄がプリントされたエプロンを纏い、愛用のフライパンを軽く持つ。言葉を話さないが、彼のやる気はバッチリだ。
「ピカチュウ!!」
ピカチュウもやる気満々であり、何処から取り出したのかコックさんの帽子を被っている。
「なんで…僕はお留守番なんだっピ?」
されど、ピッピことギエピーはお留守番もとい待機である。何故なら…
――お前…絶対摘まみ食いするじゃん
心の声とは言え、ギエピーに尻目を送るフリーザーとフシギバナがそう囁く。このギエピー、ポフィンは勿論…アローラに来てからはポケマメを良く摘まむ。その結果…心なしか太った気がしてきたのだ。
「フシギバナ、フリーザー…もしもの場合はやって良いぞ」
「ピカ!」
「僕は何もしないっピよ!!……多分」
何はともあれ、出場選手が出揃った。
先ず…材料を手にする為に、ピカ様達は走り出す。ピカ様、セレナ、アセロラ、ブラック、マオは先ず…味の決め手?と成る木の実の選別に取り掛かる。木の実を入れなくてもカレーは出来るが、それでは基本的なカレーしか出来ない。甘口、ほろ苦い、そして辛味…それは木の実を加える事でよりアクセントが光るのだ。
だが、レッドはピカ様に木の実選別を任せると…一人で材料コーナーに向かう。そこで、レッドが手にしたのは骨付きウインナーと本格的なカレーのスパイスだ。
「ふむ…これで良いか」
なんと言う事でしょう。レッドは市販のカレー粉を選ばず、スパイス等を組み合わせて本格的なカレーを一から作ろうと言うのだ。
だが、忘れてはいけない。レッドはチャンピオンに就任してから最初の2から3年までは幼いサトシとハナコと共に暮らしていた。当然、休みにはハナコの手伝いもしていたし、料理の腕も高いだろう…事実、レッドはホウエン地方でセレナとブラックにカレーを作っては御馳走している。
「見てみなさいよ、リンドウ。レッドの奴、本格的にカレーを作る気よ」
「まあ…レッドはサトシのママさんでレッドの叔母であるハナコさんから、料理の手解きを受けてるしな。
アイツ、無口だけどやることは凄いからな」
完全に実況と解説者に成ったブルーとリンドウ。
「リンドウ!ククイ博士!他の子達は木の実を選び終えたわ!」
ブルーがそう言い、ククイ博士とリンドウは木の実コーナーを見る。そこではブラック達が木の実を選び終わり、野外キッチンで調理に取りかかっていた。
マオはアマカジと共に選んだ木の実を磨り潰し、カレーの下準備に取り掛かる。
アセロラとセレナもそれは同じく、やはり木の実入りのカレーは木の実を磨り潰していれるのが基本のようだ。事実、ピカ様も擂り鉢で木の実を磨り潰している。
「レシラム…やっぱり、擂り潰した方が良いかな?」
『モモンとキー、ヒメリは磨り潰して、オレンの実はあらごしにする。ネネ、貴方はブラックと一緒に木の実を磨り潰して。
私は適当に食材を選んでくる』
伝説のポケモン レシラム。完全にブラックチームのブレインと成るのだった。
全てのチームが木の実を選び終わり、本格的に調理を始めた頃。この男がそわそわとしだした…そう、レッドの手持ち最強?の問題児ギエピーである。
「ねぇ…リンドウ、ピンクの悪魔がそわそわとしてるわよ」
「奴め…虎視眈々と摘まみ食いのチャンスを狙ってるな」
ギエピー、虎視眈々と摘まみ食いを狙う。勿論、ギエピーに反省の余地は無いのだ。
(少し位なら…もんだいないっピ!」
「おい、ギエピーの奴…途中から心の声が丸聞こえじゃないか。誰か停めてやれよ」
ギエピー…遂に善心が心の誘惑に負けてしまう。
ギエピーの心が誘惑に負けた頃、既にレッド達はカレー作りの大詰めに入っていた。大きなお鍋(レッドだけ大きな中華鍋)で木の実と食材が入ったカレーを煮込み、グツグツと煮込んでいく。
だが!!此処に、ピンクの悪魔が降臨した!!
ギエピーはコップとお玉を持つと、コソーとレッド達に近付く。先ず、ギエピーが狙いを定めたのは料理上手と評判のマオの所だ。
マオの所にやって来た我等がギエピーは、静かに近付き…バレないようにお玉でカレーを掬い…コップに入れて極々と飲む。
(流石は食堂の看板娘だっピ!!)
やはり、マオの作ったカレーは旨かった。
続いてギエピーが狙いにつけたのは…セレナの所であった。
静かに、音を立てずに近付くギエピー。そして、マオの時と同様にお玉でカレーを盗み…コップに容れて極々と飲んでいく。
お玉で直接飲んでも良いのだが、お玉で飲むと…流石にレッド達の手で殺されかねない。最悪、バグチュウの必殺コンボ、サトチュウのボルテッカー、カメちゃんのハイドロカノン、レウスのブラストバーン、レシラムのクロスフレイムが飛んで来る。そうなれば、流石のギエピーでも命の保証は無い。
(やはり、此方も美味だっピ!)
続いてギエピーはブラックの所に目をつける。だが、ブラックの所に向かおうとすると…レシラムが殺意の籠った視線をギエピーに向けていた。
――わかってるな?ピンクの悪魔
視線だけで人を何万と殺せそうな殺気をレシラムはギエピーに向けていた。勿論、これは不味いと理解したギエピー。下手をしなくても、クロスフレイムどころか青い炎が飛んで来る。
我が身の可愛さ故か、ギエピーは何事と無かったようにそそっと退散しようとする。しかし…
「ピカチュウ…やれ」
「ピカ!!」
「ちょっ!?待てっピ!!」
ピカ様は神速を用いて消え、ギエピーの後ろに現れる。そのままアイアンテールで打ち上げ、ギエピーが最高到達点に上がる前に…ピカ様はその最高到達点に到着する。
そして、ピカ様は続けて爆裂パンチを放ち…ギエピーの顔面にクリティカルヒットさせる。音さえも置き去りにする程の勢いで地面に激突するギエピー。だが、悲劇は未だ終わらない。
「ピカ!!」
ピカ様は青い雷撃を纏う。本来はゼクロム専用技の雷撃と呼ばれる必殺だ。その雷撃を用いて、青い雷と化したピカ様はギエピーに全力でぶつかり…
「ギエピー!!」
ギエピーは見事に成敗された。
「ピカ!」
このピカ様もといバグチュウ…どや顔である。因みに先程の蹂躙劇…僅か3秒の間であった。
「「「「………」」」」
ピカ様の圧倒的な実力の片鱗を見たサトシ達は言葉が出ない。当たり前だ、このピカ様に勝てるポケモンは世界中を探してアルセウス様位である。
「出来たぞ」
「ピカチュウ!!」
レッド様、カレーを完成させる。何とか、マオ達のカレーも完成させて…無事にカレーは完成した。
いざ、実食。ククイ博士、リンドウ、ブルーの目の前にはマオ、アセロラ、セレナ、ブラック、そしてレッドが作ったカレーが揃う。
「先ずは…マオのカレーだな」
リンドウがそう言い、マオのカレーを食べる。マオのカレーはカレーの上に、こんがりと焼かれたネギが置かれており、香ばしい香りが食欲をそそる。
「これはアリだな」
「うん、うまし」
「旨い!流石はマオちゃん!!」
3人の審査員からの評価は上々。続いてはセレナのカレーだ。
セレナのカレーはスライスしたリンゴをトッピングし、辛味の木の実をチョイスした代物だ。
「リンゴ…いや、蜂蜜の甘さ…木の実の辛さが良いアクセントを出してるな」
「上手く…バランスが組合わさってるな」
「旨い!流石はセレナちゃん!!」
セレナもこう評価を貰った。続いてはリンドウの弟子2号のアセロラちゃんだ。
アセロラのカレーは甘味の特徴な木の実を用いて、素材に水辺のハーブことワサビをすりおろしたのを使ってる。
「旨いが…ワサビが苦手な人はキツイかもな」
「俺は好きだな、この味」
「旨い!流石はアセロラちゃん!」
賛否両論が別れそうな味。だが、ワサビが苦手ではない人は好むような味なようだ。
そして、さっきから旨いしか言わないブルー…それで良いのか?
続いてはブラックのカレーだ。ブラックのカレーはイッシュ地方でも良く食べられる、イワナ等の魚のステーキをこんがりと焼いてトッピングした代物だ。
「あの…初めてなんで御手柔らかに」
ブラック、人生初の本格的な料理である。
「そういや、ブラックはリンドウとブルーと共にイッシュを旅してたな?と言うことは…リンドウの弟子1号ってブラックか?」
「いや、弟子1号はホウエンに居ますよ。どちらかと言うと…ブラックはブルーの弟子ですかね?」
「よーし!ブラック!お姉さんが貴方の味を見てあげるわ!!」
ブラック作のカレー。レシラム完全監修の為に、問題は無さそうだ。
「「初めての料理にしては超上的だな」」
「旨い!ブラック!貴方、料理できるじゃない!」
ブラック…取り合えず、食える代物だった模様。そしてレシラムはどや顔をするのだった。
最後に我等がレッド様のカレーだが、一口食べたククイ博士とリンドウは…
「「参りました!!」」
見事に降参。首を傾げたブルーもレッドのカレーを一口食べると…
「降参です!!滅茶苦茶美味しいんですけど!!」
レッド様…完勝である。
「「ですよね」」
レッドのカレーの味を知るセレナとブラックは結果が分かってたようにそう言った。
その後、出来たカレーは全員で美味しく頂きました。
食後…次のサプライズは…
「それじゃあ…次のサプライズは!」
「「俺達、男子3人が企画する!!籤引きマルチトリプルバトル!!」」
空に成ったカレーのトレイを持ちながら、マーマネ、サトシとカキがそう言った。
彼等が企画したのは複数のチームバトルであるマルチトリプルバトル、そのトリプルバトルのチームを籤引きで決めて戦う代物だ。
勿論、籤引きを引くのはサトシ、カキ、マーマネ、セレナ、アセロラ、ブラックの6人だ。ポケモンバトルが本業ではないセレナと最年少のマーマネはアレだが、ブラックとサトシは当たり籤と言えるだろう。
いざ、彼等はマーマネが用意した籤を引こうとしたが…
「マーマネ、俺が代わりに出て良いかな?」
「レッドさん!?」
ポケモンマスター…まさかの飛び入りである。
「どっどうぞ!」
「ありがとう。そこのトゲデマル…良く懐いてるな、愛情を持って育ててる証拠だよ」
レッド、代打で参戦する。そして、改めてレッド、サトシ、ブラック、カキ、セレナ、アセロラの6人で籤を引いた結果……
「おっおい…マジかよ」
カキは冷や汗を流していた。彼の隣に居るのがレッドと言う事も有るが、相手側の3人が固まっていた。
カキチームの相手はサトシ、セレナ、ブラックであり…サトシはピカチュウ、セレナはテールナー、ブラックはレシラムを出していた。
必然的にカキチームはカキ、レッド、アセロラの3人だ。カキはバクガメスを繰り出し、アセロラはミミッキュのミミたんを出した。
(レッドさんは誰を出すんだ?)
「行け、ピッピ。さっきの摘まみ食いをチャラにするほどの活躍をしろ」
「ギエピー!?」
レッド様…ピカ様ではなく、ギエピーを繰り出す。とは言え、ピカ様はチート過ぎるので仕方無いだろう。
だが、サトシ達は知らない。ギエピーの戦い方を。
その頃の大誤算
「僕は実家の会社を継がねば成らない。ミクリもコンテストやトライポカロンをバトル以上に発展させるという夢が有る…だから、彼にチャンピオンを継がせるのは厳しい。
今は通信技術の発達で、最重要以外の書類仕事は遠くに離れていても出来る時代だ。頼めるか?リンドウ君」
ホウエンリーグ本部 サイユウシティの一室で、とある青年は1枚の写真を手に取る。その写真にはチャンピオン時代…青紫のコート姿のリンドウが写っていた。
大誤算が友人のミクリ君とリンドウの弟子1号を連れて、自家用ジェットでホウエンを出たのは…その3日後であった。
次回!ギエピー…レシラムとサトチュウ相手に奮闘する!!
ギエピー「これで…青い炎をふせぐっピ!!」
剣盾リストラ勢で、サトシの手持ち(新規)に欲しいアンケートを取ります。場合によっては全部採用するかも
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準伝説のラティアスたん(アルトマーレ)
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600属の卵をグリーンから貰う
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吸血強化の元凶 マッシブーン!!
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あの赤ちゃんロコン貰えば?