カントー出身の俺氏、南国で教師をする。   作:静かなるモアイ

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安定のギエピー。


20時限目

ポケモンスクールの広場。そこにはポケモンバトルを行う為のバトルコートが有り、今から3対3でのマルチトリプルバトルが行われようとしていた。

 

片側のチームはサトシのピカチュウ、セレナのテールナー、ブラックのレシラム。一方はカキのバクガメス、アセロラのミミッキュ(色違い)、そしてレッドのピッピ(ギエピー)だ。

 

総合的な実力は大体同じだろう。幾度の冒険を繰り広げたピカチュウと伝説のレシラム、Z技を使えてスクール屈指の実力を持つバクガメスとポケモンマスターのギエピー。

これはまたと無い名勝負?の予感がしてきた。特にギエピーの問題児っぷりは僅か数日でアローラのポケモンスクール中に広まっており…メレメレ島全体に広がるのも時間の問題だろう。

 

「それでは…これより、歓迎エキシビジョンマッチを始める!それじゃあ…始め!!」

 

ククイ博士の号令で、遂に勝負が始まった。

 

「テールナー!神秘の守り!!」

 

先ず、最初に動いたのはセレナとテールナーだった。神秘の守りとはポケモンが使う技であり、味方を状態異常を防ぐ効果が有る。

バクガメスは炎タイプであり、ミミッキュはゴーストタイプ。火炎放射や鬼火等の火傷、更には怪しい光での混乱を用いた同士討ち…それらを防ぐ効果が有るのだ。

 

「私とテールナーが支援するから、ピカチュウとレシラムはオフェンスをお願い!」

 

サトシチームは見事に役割分担が出来ているようだ。バトルが本業ではなく、ポケモンのパフォーマンスを得意とするセレナとテールナーが支援を担当する。そして、彼女達のサポートを受けたサトシとピカチュウ、ブラックとレシラムがオフェンスだ。

ピカチュウもピカ様程では無いが、種族の壁を突破しており戦闘力は高い。勿論、伝説のポケモンであり素の状態でメガ進化ポケモンと互角に戦えるレシラムの強さは言わずもがな。この2体で攻めるのだ。

 

レシラムは大きくスタンスを開き、ピカチュウは頬からバチバチと電気を出して走り出す。

 

「レシラム!!龍の波動!!」

 

ブラックの指示が轟、レシラムが口から熱線を放つ。龍の波動…ドラゴンタイプの特殊技の中でもポピュラーな物であり、レシラムが使うドラゴンタイプの1つだ。

 

熱線は真っ直ぐにバクガメスに向かって直進する。その速度はかなり速く、瞬く間にバクガメスは直撃を受けてしまう。

バクガメスはドラゴンタイプも持っており、直撃すれば大ダメージは免れないだろう。

 

「かっ…ガメス!?」

「…ピッピ、サイドチェンジだ」

 

レッドが指示を出すと、ギエピーはどや顔をして技を使う。すると、ギエピーとバクガメスの居場所は瞬時に入れ替わったのだ。

サイドチェンジは味方との場所を入れ替わる技であり、このように味方と場所を入れ換えて代わりに技を受ける事も出来るのだ。

 

「僕にドラゴンタイプの技は効かないっピ!」

 

ピッピのタイプはフェアリー。フェアリーはドラゴンタイプの技を無効にする事が出来るのだ。故に、レシラムの龍の波動はピッピにダメージを与えることが出来ない。

 

しかし、ギエピーの側面からサトシのピカチュウが襲い掛かる。

 

「ピカ!!」

「ピカチュウ!アイアンテールだ!!」

 

ピカチュウの尻尾が鉄のように固くなり、ピカチュウはアイアンテールを放つ。アイアンテールは鋼タイプの技であり、ギエピーには効果は抜群だ。

 

「バリアーだっピ!!」

 

本来、ピッピはバリアーを覚えない。しかし、ギエピーはバリアーを使えるのだ。ギエピーはバリアーを展開し、アイアンテールを防ぐ。腐ってもカントーチャンピオンでありポケモンマスターのパートナー…並大抵の相手では無いのだ。

 

「かけ上がれ!」

「ピカ!!」

 

だが、サトシのピカチュウはバリアーの壁を一気に駆け上がり、空高くジャンプする。

 

「えっ?」

 

すると…レシラムが巨大な火炎の球体を放った。レシラムの必殺技、クロスフレイムである。

 

「これはよけれないっピ!!」

 

焦るピッピ。そして…迫り来るクロスフレイムはピッピのバリアーを一撃で粉砕し、ピッピに直撃した。

 

「「取り合えず、ギエピーから倒そう」」

 

ギエピー…サトシとブラックからもギエピー呼ばわりされて、いきなりターゲットに認定される。

 

だが、ギエピーもピカ様程では無いが種族値の壁を突破したポケモン。過去にはグリーンのドサイドンやリザードン等を奇策を用いたとは言え倒した程の実力を持っているのだ。

 

「やろー!!やってくれたっピ!」

 

故にこの程度では倒れない。流石はギャグ補正の塊と言える男だ。

 

だが、セレナはある異変に気付く。それはアセロラのミミッキュの姿が何処にも無いことだ。確かにバトルが始まった時はコートの中に居た筈だが、現在はコートに姿が見えない。

 

しかし、突如としてミミッキュはテールナーの真後ろに現れた。まるで瞬間転移したように現れたのだ。ゴーストタイプの技、ゴーストダイブだ。一時的に消えて、現れて奇襲したのだろう。

 

「なっ!?テールナー!!」

 

気付いたセレナが声を出すが、既に遅い。テールナーが振り向いた時にはミミッキュはテールナーに攻撃を加える寸前だった。

 

「ミミたん!!シャドークロー!」

 

ミミッキュの尻尾から鋭利な影の爪が出現し、ミミッキュはテールナーの急所にシャドークローを当てる。テールナーは進化すると炎・エスパータイプに成るが、テールナーの時は未だ炎タイプ。等倍とは言え、急所の攻撃は手痛い。

 

「きゅぅぅ」

 

テールナーは一撃で倒れ、戦闘不能に成った。

 

「やった!アセロラちゃん大勝利!」

「奇襲が上手く行きましたね」

「あぁ…だが、此処からだ」

 

奇襲が成功し、一手を取ったレッド達。相手は電気、炎・ドラゴン…対しレッド達はフルメンバーでフェアリー、炎・ドラゴン、ゴースト・フェアリーが居る。

 

「レシラム相手に此方は有利ですね。バクガメスはドラゴンだし、ピカチュウの電気も大丈夫です」

「タイプ相性ならな……(だが、炎はフェアリータイプの攻撃に対し耐性が有る。絶対的有利とは言えん)」

 

レッドは冷静に状況を分析する。

 

「モエルーワ!!」

 

――ピカチュウ、私の背に

 

「ピカチュウ!」

 

ピカチュウはレシラムの背に飛び乗り、レシラムは翼を羽ばたかせて飛び始める。

 

ブラックが考えたのか、はたまたレシラムの考えなのか分からない。

 

(何をするきだ?)

 

レッドは無言で考える。

 

「ミミたん!!もう一度ゴーストダイブで消えて!」

 

アセロラはミミッキュに指示を出し、ゴーストダイブで消える。恐らく、奇襲を仕掛ける為だろう。

 

「カキ、バクガメスが覚えてるドラゴン技は?」

「ドラゴンテールです」

「この距離で当てるのは厳しいか…ピッピ、トリックルームだ」

「あいよっピ!!」

 

トリックルームは足の遅いポケモンが速くなる技だ。これにより、レシラムやピカチュウと比べて足の遅いギエピーとバクガメスの俊敏性を上げる技だ。

 

「ミミッキュの攻撃に合わせて走れ」

「あいよっピ!!」

「ガメス!!」

 

トリックルームが有る限り、ギエピーとバクガメスはレシラムとピカチュウよりも速く動ける。

 

そして…レシラムの背に乗ったピカチュウの背後にミミッキュが現れるが…突如としてレシラムはもうスピードで急降下して、加速した。

 

「龍の舞いの加速か…」

 

レッドが囁き、ギエピーとカキは唖然とする。

 

(レシラムはテレパシーを使える。それを応用し、サトシとブラックから言葉を介さずに遣り取りをしてるのか。それもピカチュウとも)

 

そして…レシラムとピカチュウは上を向いた。

 

「レシラム!火炎放射!!」

「ピカチュウ!!10万ボルト!!」

 

レシラムの口から放たれる火炎放射、ピカチュウの10万ボルトが炸裂し…ミミッキュは一撃で倒れてしまった。

 

「ミミたん!?」

 

ミミッキュ…戦闘不能。これで2対2だ。

 

「やろーー降りてこいっピ!!」

 

――宜しい、ならば望み通りに降りてやろう

――ピカチュウ!!

 

ギエピーの脳裏にレシラムの声と、レシラムを介して伝えられたピカチュウの声が響く。

そして…レシラムは地上に降りたが、口からは青色の炎が出ており…明らかに何かを放とうとしていた。

 

「ピ!?」

「レシラム!青い炎!!」

 

青い炎…レシラムが用いる最強必殺であり、だいもんじの実質上位互換の炎技だ。

 

レシラムは口を開けて、青色の炎を爆光…熱線として解き放った。青い炎は亜光速でギエピーに向かって直進する。このままでは直撃を受けたギエピーは間違いなく、戦闘不能に成ってしまうだろう。

 

「こうなったら…光の壁だっピ!!」

 

光の壁。それは光の壁を張って特殊攻撃を防ぐ技だ。ギエピーはそれを展開し、あろう事か…青い炎を受け止めた。

 

その上…受け止めながら前にギエピーは進みだしたのだ。

 

「嘘だろ…マジか!?すげぇぇ!凄いぞ!レッドさんのピッピ!!」

 

ギエピーの快挙に喜ぶカキ。

 

「おい…ちょっと待て…なにやってんだ?お前」

 

だが、カキはそんな声を聞いて隣を見る。そこでは顔を真っ赤に染めて、怒りの形相を浮かべたレッドが居たのだ。

 

「それは…俺愛用の鍋だぞ…」

 

鍋?その場にいた全員が疑問を浮かべる。恐る恐る、カキとアセロラ、更にサトシとブラックにセレナも移動してギエピーの手元を見る。いや、彼等だけではない…観戦していたククイ博士やリンドウ達もギエピーの手元を確認する。

 

なんと言う事でしょう。ギエピーはレッド愛用の中華鍋で青い炎を防いでいたのだ。これにはレッド以外の全員がズッコケた。

 

「はっはは!青い炎破れたり!!これで近付いて、じゃれつくで倒してやるっピ!!」

「…ピカチュウ、横から10万ボルト」

「ギエピー!!」

 

だが、ギエピーはピカチュウの10万ボルトを横から受けて、鍋を落としてしまう。その結果、青い炎の爆光の直撃を受けた。

 

「ギエピー!?」

 

だが、ギャグ補正故か、未だ戦闘不能に成らない。すると、レッドはギエピーの首根っこを掴んで持ち上げた。

 

「レッド!?」

 

その上、レッドの後ろにはバグチュウ、フリーザー、フシギバナが居たのだ。

 

「すまん、ちょっと抜ける」

「誰か……助けてっピ!!」

 

アローラの空にギエピーの悲鳴が響いた。レッドの乱入?という形で幕を閉じた歓迎会。

 

何はともあれ、レッド、セレナ、ブラック、アセロラはメレメレ島の一員に成ったのだった。




レシラムさんのCVイメージはスカサハ師匠です。

次回!卵当番は誰?と大誤算の降臨!?

「リンドウ君、君にチャンピオンに戻ってもらう。あっ、リーグの防衛戦は来週だから」
「今シーズン位、気合いで何とかしろよ!!御曹司!」

剣盾リストラ勢で、サトシの手持ち(新規)に欲しいアンケートを取ります。場合によっては全部採用するかも

  • 準伝説のラティアスたん(アルトマーレ)
  • 600属の卵をグリーンから貰う
  • 吸血強化の元凶 マッシブーン!!
  • あの赤ちゃんロコン貰えば?
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