リンドウがチャンピオンに戻り、圧倒的な実力でチャレンジャーを倒した数日後。
「安いよ!安いよ!!今日は特にオボンが安いよ!傷薬もどうだい!今なら安いよ!!」
アローラ地方を主な商業拠点としている大型チェーンスーパー メガヤス。その敷地内である広場では多くの人達で賑わっており、1人の女性が広場で行われている特売を他の店員やパートナーのポケモンと共に切盛りしていた。
「アンタ達が来るのを、コイツと首を長くして待ってたのよ!ほら買った買った!」
「ナッシー!」
彼女の名前は元スカル団のイモト。最近、メレメレ島のテレビ局のディレクターと結婚したポケモントレーナーであり、日頃からパートナーのナッシー(アローラ)と共に珍獣を探したり、バイトしたりして家庭を支える新婚さんである。
アローラのナッシーはカントーやホウエンのナッシーと違い、首が物凄く長い。これはアローラの気候が非常に関係しており…亜熱帯のアローラはホウエンやオレンジ諸島と比べるとタマタマとナッシーに最適な環境だったのだ。その為か、ナッシーはぐんぐんと首を伸ばして…何処から見ても滅茶苦茶首が長い草・ドラゴンタイプのポケモンに成ったのだ。
オーキド校長やアローラの人々はアローラのナッシーこそ、本来のナッシーでは無いのかと考えている。と言うのも、普通のナッシーは成長不足の身体を補う為にサイコパワーに目覚めたが…アローラのナッシーはそれすら不要で五体に眠るドラゴンの力に目覚めているのだ。
そして何より、アローラナッシーは首が長く…滅茶苦茶目立つので客を集めるのに最適だ。
「はい!買った買った!今ならもれなく、アローラの大地で育ったオリーブオイルも着いてくるよ!!」
今日も順調に商売繁盛と…思っていたイモトとパートナーのナッシー。だが、その考えはその数秒後に打ち砕かれる事に成るのだった。
「「「「チューチューチュゥゥ!!」」」」
突如、やけに野太い声でネズミのような声が聞こえてきたのだ。何事かと思い、イモトとナッシーが声の方を見ると…300近くは居るラッタの大群が此方にやって来たのだ。
「なんじゃありゃ!?」
アローラのラッタはカントー等のラッタと違い、黒い体毛とよりゴツい肉体が特徴だ。ゴツくなり、体が丈夫に成った分俊敏性は下がっている。
そのアローラ地方独特のラッタが数多の群れで迫ってきたのだ。ラッタはピカチュウよりも大きいし、それが大群でやって来るのだ。想像して欲しい、悪夢としか言えない程の惨事であろう。
イモトのナッシーはレベルはそこそこ有り、カントーのジムバッジならば3つ位は取れる程の実力を持つ。しかし、この大群を一人で迎え撃つのはイモトとナッシーには不可能だ。
「のわわわわわ!!」
「ナッシィィィイ!!」
「ぎゃぁぁぁーー!!」
ラッタの大群は瞬く間にイモト達を呑み込み…大群が去った後には数多のラッタの群れに踏まれて、体に多くの足跡を刻まれた来客とイモト…そしてナッシーだった。だが、被害はこれで終わらず、屋外ブースは壊滅…木の実や野菜等の食材はラッタ達の手でどさくさに奪われてしまった。
「なっ…何が!?」
何とか気力を振り絞り、前を向いたイモト。彼女の眼前には道路を渡り、農家の木の実畑を蹂躙するラッタの姿であった。
このラッタ達は誰かが停めねば被害はどんどん拡大していき、メレメレ島の農業に大打撃を与える事は間違いないだろう。誰かが止めなければいけない…そう…サトシの試練が近付いてきたのだ。
翌日。
「アローラ!諸君!今日も太陽がまぶ……サトシ?」
朝礼の時間に成り、教室にやって来たリンドウとブルー。しかし、何やらサトシは考え事をしているのか頬杖を着いて何やら考え事をしている。
「サトシ!朝礼を始めるわよ!お姉さん達の方を向きなさい!」
ブルーが名指しでそう言って、漸くサトシは此方を向いた。
「あっ…すみません」
「悩みごとか?ホームシックか?」
「いえ…そんなんじゃ無いんですけど…実は斯々然々で…」
サトシは訳を話し出した。
元スカル団のイモトとナッシーがバイト中にラッタの大群に襲われた頃、ポケモンスクールは休みだった。その為か、サトシはククイ博士とセレナ、ラティアスの4人で買い物に出掛けていた。
その際にラッタの被害を受けた農業地区に訪れ、そこで島キングのハラと出会ったそうだ。
「ふむ…ハラさんと?確かに島キングと知り合わないと、島巡りは出来ないしな。続きを」
「はい…そんで」
その後、ハラと共に農業地区の片付けの手伝いを行ったサトシ達はハラの自宅に招かれた。その際にサトシはハラから1つの課題を告げられたのだ。
――では、サトシ君。君はあのラッタ達をどうやって追い払いますか?勿論、バトルを行わずにです。それが分かりましたら、君に島巡りの試練を受けさせましょう。
「バトルを行わずにラッタを追い出すか。確かにサトシのゲッコウガとリザードンなら、あのラッタの大群相手は何とか成るだろう。
島巡りはただ強いポケモンとトレーナーを育てるだけじゃない。正しい心を持ったトレーナーとポケモンを育てる他にも、自然との向き合いかたを問うからな」
「でも…どうしたら良いのか分からなくて」
確かに普通はラッタ達とバトルして、ラッタ達を追い出す選択を取るだろう。それはメレメレ島にやって来る前のリンドウも同じだ。
「そう言えば…聞いた事が有ります!嘗て、メレメレ島にやって来たラッタ達の大群を追い払う為に、他の地方からデカグースを連れてきたという話が有ります!」
ふと、リーリエがそう告げた。デカグースはアローララッタの天敵であり、少し威嚇しただけで野生のラッタ達は本能で逃げていくだろう。
「メレメレ島の有名な絵本だな。サトシ、デカグースの力を借りればどうだ?」
「はい!それで、やって見せます!!」
デカグースの力を借りれば、サトシ本人とパートナーはラッタと戦わない。条件は合っている。
その日の夜。
「で?OKは貰えたか?」
仕事が終わり、自宅でリンドウはサトシに電話をかける。
『はい!明日にも試練を受けさせてくれるみたいです』
「それは良かった。だけどな、サトシ…俺からの課題を言って良いか?」
『先生からの課題?』
「お前は強い。その歳で1年以内に様々な地方のバッジを集めてるし、素質は有る。だけど…今後の為にもモクローやラティアスにも経験を積ませて欲しい。
お前のパートナー、特にゲッコウガとリザードンは強い。俺達もゲッコウガとリザードンが相手なら本気を出す必要が有るほどにな。
島巡りの試練は形は様々だが、ハラさんの試練は十中八九…ぬしポケモンと呼ばれる特別なポケモンと戦う物だ。ゲッコウガとリザードンならばぬしポケモンにも負ける事は無い、俺が保証する」
『もしかして…ラティアスとモクロー、そしてピカチュウで出来るだけ試練を受けろって事ですか?同じことをククイ博士からも言われましたし、俺もそうするつもりです!』
ゲッコウガとリザードンの力が有ればぬしポケモンは簡単に倒せる。だが、それではモクローやラティアスの経験には成らない。それをサトシも理解しているようだ。
「あっ!ハラさんと戦う大試練では…ゲッコウガとリザードンを使っても良いぞ?もしかしたら、ハラさんはやや本気で来るかも知れないしな」
サトシの試練が始まる。
次回!ぬしポケモン…
サトシ「でかすぎだろぉぉおおおおお!!」
モクロー「くるっっっ!?」
ピカチュウ「ピカ!?」
ラティアス「クゥーン!?」
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