「ドロバンコ!!にどげり!!」
ポケモンスクールの広場。そこではリンドウが各々の課題点を見ながら、生徒達のバトルを見ている。
今バトルをしてるのはあばれる君ことヒロキ、そしてメラルバ一匹で大試練を突破したレイムの戦いだ。
ケイネのクラスは最年少のチルノとレイムを除き、全員が2匹以上のパートナーを持っている。そもそもアローラではポケモンを2匹以上持っているトレーナーは少なく、4体以上の手持ちを加えているトレーナーは極僅かだ。
それはポケモンリーグが未だなく、多くの人達が他の他方と比べてリーグ挑戦等をテレビでしか見たことが無いからかも知れない。
しかし、メレメレ島ポケモンスクールでは本格的にバトルの実技指導等を行う。現にケイネのクラスは11歳未満のチルノ以外は全員が島巡りを行い…Zクリスタルを手にしてるのだ。
「メラルバ!糸を吐くを応用して移動しなさい!」
迫り来るドロバンコのにどげり。だが、あろうことか…レイムのメラルバは前方斜めに糸を吐くで糸を放ち、それを一気に巻き取る事で高速で移動して回避する。
「なに!?」
「糸を吐く!」
にどげりを回避したメラルバはドロバンコの方を向き、再び糸を吐く。吐かれた糸はドロバンコの足に絡まり、ドロバンコの自由を奪った。
糸を吐くは相手に糸を纏わせて、素早さを下げる技だ。勿論、強引に引きちぎって振りほどく事も可能だ。だが、引きちぎるまでの時間等で隙がどうしても生まれてしまう。
「どっどろば!?」
「ドロバンコ!引きちぎるんだ!」
「遅い!!メラルバ…捨て身タックル!!」
「ルバ!!」
その隙を用いて、メラルバ渾身の捨て身タックル。それは身動きが出来ないドロバンコに大ダメージを与え、ヒロキのドロバンコは一撃で倒れてしまった。
「ドロバンコ!!」
「ドロバンコ!戦闘不能!!この勝負、レイムとメラルバの勝ち!」
審判を務めるケイネの声が響き、レイムは嬉しそうにガッツポーズを行う。
「負けたよ!」
「私の勝ちね」
「次は負けないぞ!ドロバンコもそうだけど、コイツも鍛えないとな」
ヒロキは腰に提げたボールを1つ手に取る。その中にはアローラで彼が捕まえた、アローラでのイシツブテが入っているのだ。とは言え、イシツブテは未だ捕まえたばかりで、ドロバンコよりも弱い。まだ経験が必要なのだ。
「はーい、そこまで。良いファイトだった。それじゃあ、見ていた人達に感想を聞こうか。先ずはマリサから」
リンドウが手を叩き、注目を集める。自分なりのアドバイスを言う前に生徒達自らの意見を聞くのだ。
「糸を受けてからドロバンコの動きが鈍った」
「そう…ポケモンの技には変化技と言うのが有る。マリサ、お前のムウマも覚える事が出来るが…自分の能力を上げたり、逆に相手の能力を下げる事が出来る技だ。
ダメージを与えれないが、此方に有利な状況を作り、逆転や圧勝の勝機を産み出せる。とは言え、ポケモンの技には応用が存在する。先ほど、レイムとメラルバが見せてくれたように…糸を吐くを移動にも利用できる。
これとは少し違うが、先生もリーフィアと一緒にマジカルリーフを目眩ましに使ったり、移動の足場に用いる事も有る」
そう…ポケモンの技には各々の応用が効くのだ。それを使い、持ち味を活かすも殺すもトレーナーの采配しだい。
「良く覚えてほしい。ポケモンは愛情をもって育てれば、必ずトレーナーの力に成るために力を発揮する。そして、発揮されたポケモンの力を全開に引き出せるのは俺達トレーナーだ。
世の中には強いポケモン、弱いポケモンが居る。でもな、使い方しだいでどんなポケモンも必ず勝機を手にして、チームを勝利に導ける。本当に強いトレーナーなら好きなポケモンで苦楽を共にする。そして、ヒロキ」
リンドウはレイムに負けて少し気分が落ち込んでいるあばれる君ことヒロキを見る。
「トレーナーは敗北から学ぶ事の方が大事だ。俺も子供の頃は良く負けたよ。
最初に挑んだニビジムなんて、酷い有り様さ。同期の友人の中で唯一の黒星スタートだったよ。でも、お陰で俺はホウエンのチャンピオンに成れた。
良いか?泣いたって良いんだ、負けても良いんだ。その涙と敗北を明日の笑顔と勝利に変えれば良いんだよ」
そう…トレーナーは負けてから学ぶ事の方が多い。負けることでポケモンの特性、技の応用、相手の戦法、等々…格上の戦い方を直接肌で学べるのだ。
「ヒロキだけじゃない、お前達もだぞ?」
「「「はい!」」」
元気に返事をするレイム達。ふと、レイムが気になる事が有ったのか…手を上げた。
「あっ…そう言えばリンドウ先生とブルーお姉さんって子供の頃、旅をしていたのよね?その旅費ってどうしたの?
やっぱり、トレーナーにポケモン勝負をして勝って賞金を集ったの?」
「いや、そんな事はしないさ。と言うか、それはおもいっきり強盗に入るからな?」
リンドウ達はトレーナーと戦い勝っても賞金を受け取らない。それはゲームの世界だけだ。
では…リンドウ達はどうやって金を集めていたか?単純である。
「旅先でバイトしてた。ナマコブシ投げたり、コイキングの世話したり、ポケセンの手伝いしたり」
「「「バイト!?」」」
そう…バイトである。
次回!サトシの大試練……サトシとハラさんの勝負。
ハラ「最初の2匹は島巡り初心者が初めて行う大試練用のパートナーですが、あとの2匹は本気のバトルですぞ?サトシ君!!」
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