「アローラは暑いですね。母さんに勝ったオリヴィエ君の故郷とは言え、随分と暑い」
アローラの平均気温は25度程だが、常夏の国と言われるように日差しが強く湿度はスコールが降る時以外は低く過ごしやすい。
だが、この男は違った。つい先日、リンドウとブルーが卒業生の3人と共に訪れた喫茶店。そこの1つの席に座るサングラスを掛けてふくよかな体型の若者にとっては非常に暑かった。
この若者が今まで過ごしていた地域はガラル地方。アローラと比べて非常に寒い。とにかく寒く、家には暖房の器具が常備されている程だ。
しかし、この若者はアローラでの気温の事を考えなかったのだろうか?服装はジャケットに長袖、間違いなくアローラでは熱中症に成ってしまいそうな服装だ。
彼の名前はマクワ。ガラル地方のジムリーダーの一人 メロンの長男であり、母親からジムリーダーの座を継ぐように言われたが…専門タイプの違いと岩タイプの道を極めたいマクワは反対して、こうして家を飛び出してきたのだ。
家を飛び出して修行中と言い訳を作れば、十二分に岩タイプを極める事も出来るだろう。
「一先ず…資金には余裕が有るので、アイスコーヒーを飲みながら今後の予定を立てましょう」
ガラルのポケモントレーナーはジムスタジアム等で試合を行い、ファイトマネーが懐に入るのだ。ガラル地方ではポケモン勝負はサッカーと同程度の人気が有り、スポーツ選手としての側面も有る。ガラルの首都 シュートシティで行われるトーナメントに参加すれば、中々のお金が入るのだ。
その為か、マクワの軍資金にはかなりの余裕が有る。
「ふむ…パンケーキも名物ですか…これも頂きましょう。む?」
ふと、マクワは何かに気付いて壁を見る。壁には写真が飾られており、昨年行われたパンケーキレースの写真だった。
その1つの写真にマクワは惹かれる。その写真にはカーゴに乗せたバンギラスを引きながら爆走するリンドウの姿が写っていた。
「バンギラス…良いセンスです。この人はホウエンチャンピオンですか。だとすると、オリヴィエ君の先生ですね。
次の目的地はオリヴィエ君の母校で決まりですね」
その後、マクワは目的地をポケモンスクールと定め、パンケーキとアイスコーヒーを注文するのだった。
だが、彼は知らない。ガラルからアローラにやって来たのはマクワだけでは無いことを。
その頃、サトシは同居人であるセレナ、ククイ博士、ラティアス(人モード)、ピカチュウとイワンコと共に買い物帰りの帰路に着いていた。
随分と沢山の食品を購入したサトシ達。と言うのも、セレナとラティアス(人間と同じものを食べる)は普通位の食事なのだが…育ち盛りのサトシと身体を鍛えているククイ博士は良く食べる。その上、イワンコやピカチュウ、モクローも良く食べる。その為か、ククイ博士一家の食事の買い出しの量は随分と多いのだ。
「こんなに買っちゃって大丈夫なの?」
「大食らいの居候が居てね」
「誰だろうね」
「くーん」
大食らいの居候とククイ博士に言われて、サトシは首を傾げる。勿論、大食らいの正体を知ってるセレナとラティアスは笑みを浮かべてサトシを見るのだった。
「えっ?」
しかし、当のサトシは気付いていない。まあ、彼は幾度も様々な人からの好意(異性)に関して気付かなかったほどのにぶちゃんなので、仕方がないだろう。
ふと、ククイ博士はとある喫茶店の前で止まる。そこは先日にリンドウとブルーが訪れ、現在はマクワが休憩している喫茶店だった。
「ここのパンケーキは旨いぞ。それに、ここの喫茶店にポケモンパンケーキレースの優勝者が働いているんだ。俺の奢りだ、食べていくか?」
「「はい!」」
「くーん!」
「ピカチュウ!」
ククイ博士のご好意に甘え、サトシ達は喫茶店でパンケーキを食べることにした。
「いらっしゃいませ!」
喫茶店に入ったサトシ達。彼等を出迎えたのはリンドウから貰ったチラシに堂々と写っていたウェイトレスとそのパートナーであるアローラのライチュウである。
「やあ、ノアさん。空いている席は有ります?」
「はい、ククイ博士。勿論、有りますよ。ファミリー席で宜しいですね」
ウェイトレスはノア。アローラの名物 メレメレ島パンケーキレースで、超人であるリンドウやサオリ等の超人教師を差し置いて優勝したパンケーキチャンピオンである。
サトシ達はノアとライチュウの手で、ファミリー席に案内される。その席は偶然にもマクワが座っている席と隣通しであり、マクワとククイ博士は背中合わせに座っている。
「ご注文はタブレットからお願いしますね」
「勿論だ。サトシ、ノアさんとライチュウは凄いぞ?リンドウとサオリ先生を差し置いて優勝したんだ」
「マジですか!?」
「そうよ。でもね、トレーナーが走るところでは流石にリンドウ先生とサオリ先生に負けちゃったわ。ポケレスリングの世界王者だったサオリ先生は兎も角、バンギラスを引いてたリンドウ先生もすごかったの。そこに写真が有るわ」
ノアが指差した所には多くの写真が貼られており、どれもパンケーキレースに関するものだ。ぶっちぎりで優勝したノアとライチュウ、カイリキーを引きながらトップで走る霊長類最強女子、バンギラスを引っ張るリンドウ、サイドチェスト(ボディービルのボーズ)を行う半裸のローラン等が写っていた。
「……安定のローランだな」
ローラン、彼は歴代最強の問題児としてポケモンスクールの殿堂入りを果たすのだった。
「ククイ博士、ローランってどんな人ですか?」
ふと、セレナが問う。
「ポケモンスクールを飛び級で卒業する程の実力を持っているだが、裸族だ。俺やカキ以上の裸族だ。何処でも脱ぐし、とにかく裸族だった。
だけど…本当にポケモンが大好きで、愛情をもってポケモンを育ててた。そんな奴さ。
だが、俺とイリマとオリヴィエはローランの問題行動で胃痛に成った」
ククイ博士の暴露により、サトシとセレナは苦笑いを浮かべる。
すると、オリヴィエやローランの名前を聞いた為か、ふと若者ことマクワが振り向く。
「む?ローラン……ククイ博士?もしかして、オリヴィエ君の恩師であるククイ博士ですか?」
ふと、マクワがそう言うとククイ博士はマクワの方を見る。
「そうだが…君は?」
「これは失礼しました」
マクワはサングラスを取る。サングラスの下はくりくりとした、可愛らしい瞳が有ったのだ。肉体とのギャップが凄く、普段から彼はサングラスをかけているのだろう。
「僕はマクワ。ガラル地方のトレーナーで、岩タイプの使い手です。
貴方の事はオリヴィエ君から聞いてますよ。技の研究家で、学生時代の恩師だと」
「えっ!?オリヴィエの友人かい!?折角だ、一緒に食べようじゃないか!!」
マクワ、友人の恩師と邂逅する。
一方その頃、リンドウは言うと…
「…結婚式には呼べよ?」
「いや…その前に先生方の方が早く結婚しそうですけど」
オリヴィエ君。デート現場をリンドウとブルーに見られる。
因みにオリヴィエ君の彼女は灰色の髪にリボンのようなカチューシャを付けた同年代の少女だ。因みに手持ちは格闘タイプがメインらしい。
次回!パンケーキレース開始!!
リンドウがブルーが、サトシがマオが、カキがスイレンが、マーマネがリーリエが、霊長類最強女子とけーね先生が、そしてククイ博士とオーキド校長も爆走する。
勿論、卒業生や色んな人が参戦する!!
リンドウ「パンケーキは俺の物だ!!」
ブルー「私の物だ!!」
ククイ博士「いや!!俺だ!!」
サオリ「違うわ…私よ!!」
サトシ「大人が…本気を出した」
パンケーキレースは合計3話の予定です。
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