まさかのイベルタルの登場に唖然としてしまい、コップを落として飲み物を溢してしまったサトシとセレナ。2人は雑巾で溢してしまった飲み物を拭き終えて、ククイ博士と共にテレビを見守る。
「サトシにセレナ。あのイベルタルってポケモンを知ってるのか?」
ククイ博士はポケモンの博士とは言え、未だ年若く研究はポケモンの技だ。その為に知らないポケモンも居るのは居るし、研究者だとしてもイベルタルの名前は先ず知らない。知っていたとしても、資料や文献で名前を見た位しか無いだろう。
カロス地方の伝説のポケモンであり、破壊の伝説 イベルタル。目撃情報も殆んど皆無であり、文献に僅かな名前を残すぐらいだ。
「はい!俺達…カロスを旅していた時に、あのイベルタルと出会った事が有ったんです」
「その時に…眠りから覚めたイベルタルとNさん達が戦ったんですけど…」
イベルタルは破壊のポケモン。その力は未知数であり、文献には命をすいとる、枯らす、滅ぼすとも記されているのだ。
「イベルタルの攻撃を喰らうと……」
「なんだ!?まさか…石に成ったり、粒子レベルで粉々に成ったりするのか!?」
伝説のポケモンならば神に等しい力を持っていても可笑しくは無い。
「いえ…めちゃくちゃ空腹に成ります。生気を吸いとられて」
「空腹?」
セレナのまさかの答えを聞いてククイ博士は首を傾げる。
『おーーと!?ウォーグル戦闘不能!!これが伝説のポケモンの力か!?イベルタルが解き放った遠距離攻撃 デスウイングの一撃でウォーグルは倒されてしまった!』
テレビの実況が叫び、ククイ博士とサトシとセレナはテレビを見る。テレビの画面には…イベルタルが口から解き放ったビーム…デスウイングの直撃を受けて生気を奪われ…ガリガリに痩せ細ったウォーグルの姿が映し出された。
「なんじゃありゃー!?」
「あのビーム…植物に当たると、一気に枯れますよ」
植物は一瞬で枯れ果て、ポケモンや人間は生気をゴリゴリ奪われて一時的にだがガリガリに痩せ細る。
事実…サトシ達は自分達を庇い、ガリガリに痩せ細ったNとゼクロムを見てしまったのだから。とは言え、ポケモンや人間がガリガリに痩せ細るのは一時的であり、食事を取れば回復する。
「ありゃ…虫タイプの吸血、ギガドレイン等のすいとる技を過剰に受けた感じだな。まさか、只のビームがそんな力を持っているなんてな」
イベルタルのデスウイングの力を、他の技の特徴と照らし合わせて答えを導くククイ博士。流石は技の専門家であろう。
『ブラック選手どうする!?ウォーグルが手も足も出ずに倒された!!』
実況が響き、ブラックはウォーグルをボールに戻した。
「良し!頼んだぞ!ジバコイル!!」
ブラックはボールを投げて、次に選んだのはジバコイルだ。
確かに鋼・電気タイプのジバコイルなら、飛行タイプの技であるデスウイングのダメージを押さえる事が出来るだろう。
「ふむ…だったら、イベルタル!!あくのはどうだ!」
タクトの指示に従い、イベルタルは口から悪の波動を解き放つ。確かに悪タイプの攻撃は普通に鋼タイプに通用するので、ダメージを与えることは出来るだろう。
「ジバコイル!
次の瞬間…ジバコイルはテレポートを使って消えた。
「「「なに!?」」」
これには観客も大驚きであり、驚く。確かにジバコイルはテレポートを覚える事は可能だ。しかし、今ではそれが厳しい現実に有る。
何故なら、ジバコイルがテレポートを覚える為には、今と成っては生産中止と成った…テレポートの技マシンを使う必要が有るためだ。このテレポートの技マシンだが、今から10年以上前…未だ技マシンが使い捨ての時代に作られた代物であり、今では入手不能。その骨董品であるテレポートの技マシンを使えばジバコイル…正確にはコイルとレアコイルにテレポートを覚えさせる事が出来るのだ(事実、初代赤では出来ました)。
「イベルタル!後ろだ!!」
タクトが叫ぶが、既に遅い。ジバコイルはイベルタルの背中に張り付き…U字磁石の腕をイベルタルの背中に張り付かせる。
「ゼロ距離で電磁砲を放て!!」
「コイルゥゥゥゥ!!」
解き放たれたゼロ距離の電磁砲。電磁砲は命中率に難が有るが、威力は高くその上…相手を確定で麻痺させる効果も有るのだ。
「ぐゅぅぅがが!!」
ゼロ距離で電磁砲の直撃を受けたイベルタルは背中にジバコイルを乗せたまま、バトルコートの中心地に落下する。
「良し!ジバコイル!十万ボルト!」
ブラックの指示を受けて…ジバコイルは全身に電気を迸る。しかし、十万ボルトを解き放つ前に……イベルタルは全身から熱風を解き放った。
ジバコイルは十万ボルトの準備でテレポートが行えず、全方位に向けて放たれた熱風を避けることが出来ず…ジバコイルは一撃で倒れてしまった。
『ジバコイル!!戦闘不能!!強い!強すぎるぞ!イベルタル!ブラック選手のウォーグル、ジバコイルを一撃で倒してしまった!』
ジバコイルをボールに戻したブラックは考える。
―残りはレシラム、ケン(ダイケンキ)、ウルガモスだけ。イベルタルのビームは多分…吸血と同じくすいとる系。イベルタルの見た目からして、多分…飛行タイプの技だと考えれば……ウルガモスは危険だ。
考えるブラック…彼が出したポケモンは
「頼んだぞ!ケン!」
レシラムに継ぐ実力者で、ブラック初めてのポケモン ダイケンキであった。
バトルコートに飛び出したダイケンキは足刀を抜刀し、二刀流で構えて二本足で立ち上がる。
「ふむ…次はダイケンキか。イベルタル!デスウイング」
タクトはイベルタルに指示を出し、デスウイングを使おうとする。確かにイベルタルのデスウイングならば、失った体力も回復してダイケンキを倒せる。しかし…
イベルタルは体が痺れて動けない。
「イベルタル!?」
「ケン!剣の舞だ!!」
イベルタルが動けない間を使い、ダイケンキは剣の舞を行って攻撃力を倍に引き上げる。
その上…麻痺状態は素早さが下がるのだ。
「アクアジェット!!」
「ダイケェェン!!」
ダイケンキはアクアジェットを用い、水を纏って高速で動けないイベルタルに突っ込む。アクアジェットの直撃を受けたイベルタルは…残り僅かな体力では耐えることが出来ず、力なく倒れてしまった。
『イベルタル!戦闘不能!!』
これでタクトは残り2体。対してブラックはダイケンキ、ウルガモス、レシラムの3体のポケモンが残っている。ダイケンキもダメージは受けておらず、状況はブラックが有利と言えるだろう。
「良し…行け!ライコウ!!」
タクトはボールを投げ、黄色い…虎のようなポケモンを繰り出した。5匹目なので、後のポケモンは恐らくはキュレムだろう。
このライコウというポケモンはジョウト地方の伝説のポケモンであるのだが、フリーザーやラティアスと同じくそこそこ生息しており…伝承や文献に名前を残してはいるがぶっちゃけるとフリーザーやラティアスと同じく珍しいポケモンだ。
「ライコウ!神速で駆け抜けろ!」
タクトの指示に従い、ライコウは神速でダイケンキを翻弄する。これではダイケンキの攻撃は当たりそうに無いだろう。
「早い!」
「十万ボルトだ!」
放たれた10万ボルト。勿論、効果は抜群であり…ダイケンキに絶大なダメージを与える。やはり…伝説のポケモンに相応しく、絶大な力を持っているようだ。
「止めだ。神速で近づき、喉元に雷の牙だ」
タクトの指示でライコウは駆け抜け、ダイケンキの喉元に噛み……つけれなかった。
「なに!?」
ダイケンキは守るを使い、バリアーを張ってライコウの攻撃を防いだのだ。
「アクアブレイク!!」
ダイケンキは激流を纏い、その流れでライコウに突撃する。
「こぅぅ!?」
剣の舞で攻撃力が倍に上がっており、その上…タイプ一致のアクアブレイク。確かに電気タイプは水タイプに強い、しかし電気タイプは普通に水タイプの技を受けるのでライコウに絶大なダメージを与えたのだ。
だが、ライコウは未だ倒れない。
「神速!」
「アクアジェット!」
両者は同時に攻撃を行い…攻撃はお互いに当たる。そして…両者は同時に倒れてしまった。
『おおーと!ライコウ、ダイケンキ!共にダウン!
これで、ブラック選手は残り2体…タクト選手は残り1体と成ります』
恐らく、タクトはキュレムを繰り出して来るだろう。ブラックとタクトは倒れたパートナーをボールに戻し、次のポケモンを繰り出した。
「いけ!ウルガモス!!」
ブラックは色違いのウルガモスを繰り出す。それに対し、タクトはハイパーボールを投げて最後のポケモンを繰り出した。
「キュレム!誰が頂点に立つべきなのかを証明してくれ!」
ゼクロム、レシラムを精神とするなら肉体とも言えるポケモン キュレム。イッシュ地方が誇る伝説のドラゴン、その1体がバトルステージに降臨した。
「ウルガモス!炎の舞!」
ウルガモスは炎の舞を使い…炎の熱波がキュレムに向かっていく。しかし、キュレムは吐息を吐くような氷の力でそれを防いだ。しかし、一気に高温と低温が混ざった為か…キュレムの周辺は水蒸気で見えにくくなる。
「なんだ?」
バチリ…バチリと電気の音が聞こえる。すると、水蒸気の煙からなにかが高速で飛び出し、強靭な腕でウルガモスを鷲掴みにしてしまった。
「モフ!?モフモフル!?」
短い手足と羽を動かし、何とか逃げ出そうとするウルガモス。しかし、逃げ出せない。
『バカな…何でお前がその姿に成れる?』
そう言ったのはブラックの後ろに控えるレシラムだった。
ウルガモスを鷲掴みにした何かは…ゼクロムのような姿に変身したキュレムだった。
「キュレム!絶対零度だ!」
キュレムを始点に全てを凍らせる冷気がバトルステージ全体に広がり…ウルガモスの身体は一瞬で凍り付く。
「モフモキュュュュュ!?」
ウルガモスの悲鳴が響き…ウルガモスは絶対零度の一撃を受けて倒れてしまった。無理も無いだろう…絶対零度は一撃必殺。頑丈等の特性を持っていないポケモンが受ければ…一溜りも無いのだ。
『ウルガモスダウン!!これで…ブラック選手もポケモンがレシラムだけに成ってしまったぞ!』
実況が響き…ブラックはウルガモスをボールに戻した。
「レシラム…」
『分かってる。任せておけ』
ブラックレシラムがブラックの前に出て、バトルステージに降臨した。
『久しいな…脱け殻よ。今はキュレムと言うのだったな』
『久しぶりだな…真実を求める女心。いや、今はレシラムだったな』
挨拶を交わすレシラムとキュレム。テレパシーを使い、あえて周囲に聞こえるように話した両者に、観客は勿論、撮影するメディアも喉を成らして注目する。
『我らを繋ぎ止めていた楔を使い、メガシンカか?いや、性質的にはゲンシカイキに近いな』
『ゲンシカイキとやらは知らんぞキュレム。言葉はもう不要だな』
ブラックレシラムの尻尾の発動機が赤く熱を帯び、ブラックレシラムは火炎放射を解き放つ。
だが、瞬時にキュレムはレシラムに似た姿に変化し、同じく火炎放射を放って相殺した。
「なんで?今度はレシラムみたいに…」
瞬時に変身するキュレムの能力にブラックは唖然とする。
「それもそうさ。キュレムはレシラムとゼクロムの嘗ての肉体。だからこそ、両者の遺伝子と力を脱け殻だとしても持っているのさ」
そう説明するのはタクトだ。
「キュレムのタイプは氷・ドラゴン。だけど…実質的に氷・ドラゴン・炎・電気、4つのタイプを持つ最強のドラゴンだよ!
ゼクロムに似た姿はブラックキュレム。レシラムに似た姿はホワイトキュレム…僕はそう呼んでる」
そう…キュレムは姿を瞬時に変えることで、属性を変える事が出来る唯一のドラゴンなのだ。
タクトの言葉にテレビ越しで見ていた世界中のポケモン学者はテレビにしがみつくように見る。
『ほう…聞いたかブラック?』
「勿論…それじゃ行こうか!」
ブラックレシラムは背中の翼で羽ばたき、それを追うようにキュレムもブラックキュレムに変化して飛び上がる。
そこからは…正に神話の再現と言える戦いであった。メガ進化?で昇華した力を振るうブラックレシラム…そして瞬時に力を使い分け、力を振るうキュレム。
その戦いに観客は唖然とし、取材陣は伝説のポケモン同士の戦いを未来に残すため…カメラを回す。2年前のNのゼクロム、ブラックのレシラムの戦いの反省も活かしてより頑丈なカメラを用意した。お陰さまで未だ撮影は出来る。
「こんな機会…2度と無いぞ!」
「わかってますよ!2年前のイッシュリーグ決勝戦を思い出しますね!」
爆炎が冷気が雷光が龍のオーラが周囲を巡り、イッシュが誇る伝説の三龍の内2体が戦っている。
『キュレム…お前は忘れたのか?その肉体から氷は消えない』
『ぐぁぁ!?』
ブラックレシラムのクロスフレイムがホワイトキュレムに直撃する。
ホワイトキュレムの時は炎を使えるはずだが、かなりのダメージを与えた。
『私達が1つだった頃から、氷は消えない』
そう…キュレムは姿を変えても耐性は氷・ドラゴンの頃と変わらないのだ。
その為か…ドラゴンでありながら、普通に炎タイプの攻撃は通るのだ。
ホワイトキュレムは普通のキュレムの姿に戻り、地面に逃げる。
『そろそろ…終わらせるぞ』
『そうだな…』
上空のブラックレシラムと地上のキュレムはお互いを睨み、大きく口を開ける。
「青い炎!!」
「絶対零度!!」
全てを凍らせる冷気の光線と全てを焼き尽くす青い爆光がぶつかり合い…空間が震える。
衝撃が収まった時…バトルステージに立っていたのは…白き英雄だけだった。
『キュレム!戦闘不能!!よってイッシュチャンピオン決定戦はブラック選手の勝利!!
此処に新たなイッシュチャンピオンが誕生しました!』
ブラック…イッシュチャンピオンに就任する。
ブラックがチャンピオンに就任してから翌日。
大きな宮殿を模したようなイッシュリーグ本部の広場に、タクトのポケモンである筈のキュレムがやって来ていた。
「あれ?キュレム?」
引き継ぎの書類を仕上げ、休憩時間を使って散歩していたブラックはキュレムを見つける。
「タクトさんと一緒じゃ」
『もう…俺はタクトのポケモンではない。奴を脅…話し合いをして自由の身に成った』
「今…脅しって言わなかった!?」
どうやら、キュレムはタクトと話し合い…逃がしてもらって自由の身に成ったようだ。
『俺は暫く…ゴッドストーン…平たく言えば、俺のライトストーンのような形だな。それに成って眠りにつく。
お前がレシラムと出会ったように、Nとやらがゼクロムと出会ったように……俺の氷を真実と理想の心で溶かしてくれる英雄を待つことにした。
ゴッドストーンはお前が適当にイッシュの何処かに隠してくれ。レシラムに認めれた真実の男よ』
キュレムはそう言い残すと、眩い光を放ちながら…野球ボール程のボールに変化してしまった。恐らく、それがゴッドストーンなのだろう。
「仕方がないな。でも…引き継ぎが終ってからだぞ」
その後のキュレム。
ブラックが正式にチャンピオンに成り、引き継ぎ作業を終え、メディアに引っ張りだこ状態でアローラに帰る準備をしてる頃。
『どうしてこうなった?』
「キュレム~ここどこ?」
何故かキュレムは復活して1人の少年のポケモンに成っていた。
少年の名前はホワイト。ブラックが殿堂入りを果たした2年後に旅立った新米トレーナーであり、トレーナー歴としてはサトシよりも新米だ。
そんな彼はまさかの初めての冒険の地として、ジョウト地方を選んだのだ。イッシュ出身で有りながら、ジョウトを冒険するという選択を選んだ彼は…なんの気紛れかキュレムを復活させ…アララギ博士の助手のベルからイーブイを貰い、ジョウトでウツギ博士からチコリータを貰ってジョウトを旅してる。
「あっ!彼処にポッチャマ連れてる女の子居るよ!道を聞こうよ!」
『ホワイト…言い忘れたが、序盤のジム戦で俺は使うなよ?』
「えっ?なんで?」
『当たり前だろ!!良いか?確かに俺は強い…けどな、お前のトレーナーとしての腕前とチコリータやイーブイも育たんだろ!!』
キュレム…完全に保護者となる。
ルビサファ主人公「俺は!?」
ダイパ主人公「俺は!?」
XY主人公「俺は!?」
いや…だってね…君達、ヒカリやハルカ、セレナが出てるじゃん(笑)
ホワイト君はブラック2の主人公ことキョウヘイ君です。
因みに……ゴールドも後々に出てきますよ。ゴールドは大体、20歳位です。
ほしぐもちゃんの進路アンケート
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ルナアーラに成って飛ぼう!
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ソルガレオに成って駆け抜けよう!