カントー出身の俺氏、南国で教師をする。   作:静かなるモアイ

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ライチさんが試練と伝えなかった結果(笑)


49時限目

翌日。

 

アーカラ島での校外学習二日目。サトシ達は早朝からポケモンセンターの前に整列しており、サトシ達の前には教員であるリンドウにブルー、ククイ博士とサトシ達が知らぬ褐色美女ことライチさんが立っていた。

 

「ライチさん!」

「あら、カキ!随分と逞しく成ったじゃない?」

 

当然、アーカラ島の大試練をバクガメスで突破したカキは島クイーンであるライチさんと顔見知りである。いや、カキの祖父は島キングだった為に…もしかすれば幼少期から知人だったかも知れない。

 

「さてと、紹介しよう。この人はライチさん。アーカラ島の島クイーンであり、岩のスペシャリストだ。

今日の特別講師であり、今日のスペシャル授業はライチさんが考えたペアで行動するカレー材料探しだ」

 

今日の授業はカレーの材料探し。とは言え、このアーカラ島をペアで行動し、指定された材料を見付けるという試みなのだ。

全員が無事に達成できれば、今日のお昼ご飯は美味しいカレーライスが出来るという事なのだ。

 

「ライチよ宜しくね!」

「「「宜しくお願いします!」」」

「良い返事ね。それじゃあ、ペアは事前に私が直感で選んでるから…このペアで行動してね!」

 

スッとライチは数枚のカードを取り出した。そのカードにはペアの名前と探しだす食材の名前が書かれているのだ。

カキ、スイレンのペアはカゴの実と木炭。マーマネ、アセロラは水辺のハーブとおいしい水。リーリエとセレナはオレンの実とヒメリの実。サトシとマオはナナの実と奇跡の種である。

 

ライチはペアの名前が書かれたカードと各々のペアに手渡す。勿論、ペアの組み合わせはライチさんが直感で選んだ構成であり…全くの予備知識無しで選んだのだ(サトシ以外)。

 

「じゃあ!頑張ってね!」

「「「はい!」」」

 

こうして、サトシ達はライチさんから指定された材料を探すためにアーカラ島を冒険し始めたのだ。

 

サトシ達が見えなくなってから、ククイ博士は笑みを浮かべてライチを見て告げる。

 

「アーカラ島は火山の恩恵を受けて、メレメレ島とは違った環境ですからね。あの子達も良い刺激を受けますよ!」

「ふふふ、そうよね。それじゃあ、私も行くわ!」

 

ライチは何処かに向かうのだろう。彼女はサトシとマオ、ラティアスが向かった先を眺める。どうやら、この材料探しは訳有りなのだろう。

事実、ライチはサトシだけは直感で選んでおらず…彼だけは真っ先にナナの実と奇跡の種探しと決めていたのだ。

 

「サトシ君の試練を影から見守らなくちゃね!」

 

そう、この材料探しはサトシが大試練を受けて良いかどうかを確める試練を兼ねていたのだ。

 

「「「えっ?試練?」」」

「そうよ?サプライズだけど…私の試練はこうして、サプライズ形式で行うの。試練だよって告げても緊張して本来の実力が発揮できない人も多いでしょ?だから、サプライズで行って終わったあとで試練だよって告げるの。

サトシ君とマオが受けた材料探しには奇跡の種が有ってね。奇跡の種は森に住まう、主ポケモンが守ってるの」

 

サトシが受けた材料探しの材料、その中の奇跡の種は主ポケモンが守っており…サトシはその主ポケモンを倒して奇跡の種をゲットしないといけないのだ。

しかも、ライチはこの事を事前にマオに伝えており、主ポケモンとの戦闘にはマオは参加しないようにと釘を刺してる。

 

「えっ?俺達初耳なんですけど?ククイ博士、ブルー知ってた?」

「いや、俺も初めて聞いた」

「私も」

 

だが、リンドウ達は初めて試練が行われる事を知ったのだ。その為か、リンドウ達の表情から血の色がみるみる消えていく。

サトシの身が危ないという理由ではない。彼等はサトシと戦う主ポケモンの安全を案じたのだ。サトシは優しい少年だから…オーバーキルにはしないだろう。だが、サトシのガチメンバーの戦力が強すぎるのだ。リザードンしかり、ギラティナしかり、そしてエースであるゲッコウガしかりだ。

 

「「ぬぉぉおおお!?これはヤバイぞ!!」」

「ヤバイ…ヤバイわよ!!このままじゃ…」

 

試練の際、サトシはリンドウとククイ博士からリザードンとゲッコウガ、ギラティナの使用は禁止されている。当然だ、伝説のギラティナは勿論…数多の激闘を繰り広げ…素の状態で伝説のポケモンやメガシンカポケモンと渡り合うゲッコウガとリザードンという絶対的エースを出せば…主ポケモンと言えど瞬殺されてしまう。

 

主ポケモン…オーバキルの危険である。このままでは主ポケモンがポケモンセンター送りに成ってしまう。

 

「ヤバイ?サトシ君の実力なら大丈夫なんでしょ?」

「サトシじゃなくて、危険なのは主ポケモンなんですよ!」

 

リンドウの言葉を聞いて、ライチはえっ?と驚いた顔をする。

 

「あー…ライチさんは知らなかったが…俺とリンドウはサトシが試練を受ける際のポケモンに制限をかけてるんだ。

サトシのリザードンとゲッコウガは他方のチャンピオンや四天王が使うポケモンに匹敵する程に強くて、何万と生きたギラティナも同じだ。そんなリザードンとゲッコウガを使えば、簡単に試練は突破出来るけど…サトシの他のポケモンが育たない。

だから、俺達は制限をかけてる。でも、今回…サトシは試練とは聞いていない。主ポケモンが突如として襲ってきたと思うだろう。サトシはマオを守るため、本気を出すだろうしな」

 

ククイ博士の言葉を聞いて、ライチもようやくリンドウ達が想像してる事を理解したのか顔を青ざめていく。

ライチはアーカラ島の主ポケモンとは友達だ。その友達が試練の為とは言え、子供達の試練としてサトシに襲い掛かる。

だが…サトシのリザードンとゲッコウガは理不尽の塊であり、その上…ギラティナまで降臨する。サトシの絶対的な力を持つ二大エース、そして友達である神が降臨するのだ。

 

「えっ?」

「サトシのゲッコウガとリザードン、ギラティナが相手ならリンドウも本気を出す必要が有るほどよ?」

「というか…サトシのリザードンはハラさんのケケンカニをあっという間に倒す程の強さだしな」

 

ブルーとククイ博士の言葉を聞いて、ライチは冷や汗も流し始める。

ライチもハラと同じく島クイーンと言えど、その実力はハラと比べれば劣る。そんな先輩であるハラのケケンカニがサトシのリザードンにあっという間に倒された。そんなリザードンの力が有れば、主ポケモンは直ぐに倒されてしまうに違いない。

 

「えっ…本当に?ハラさんのケケンカニが瞬殺?サトシ君、そんなに強いの?」

「間違いなくカキよりも強いな」

 

――リンドウ先生!!ククイ博士!!

 

何やら、遠方からサトシの声が聞こえてきた。声の方を向くと、空を飛ぶギラティナの背に乗ったサトシ達が此方に向かってきたのだ。

サトシの後ろにはグロッキーに成った主ポケモン ラランテスを支えるゲッコウガとリザードンが居り、想定内の結果で試練は終ってしまったのだろう。

 

「先生!このポケモンが!」

「OK、何が起きたのかはもう分かったから。取り合えず、俺はストレッチャーを持ってくるわ」

 

リンドウはラランテスをポケモンセンターの中に運ぶために、ストレッチャーを取りに向かった。

一方、ギラティナの背から降りたマオは苦笑いを浮かべてライチに言う。

 

「ライチさん…サトシの本気って凄いですね…」

「ごめんなさいね…私もサトシ君がこんなに強いなんて思わなかったの。あれ…大試練、私達…大丈夫?いきなりゲッコウガとか出してこないわよね?」

 

サトシ、気付かずとは言え…試練を突破する。何がラランテスの身に起きたのは…想像通りである。




次回!ラティアス…メガシンカの特訓!?一方、カキは一匹のガラガラと出会った。

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  • ルナアーラに成って飛ぼう!
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