カントー出身の俺氏、南国で教師をする。   作:静かなるモアイ

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ルガルガン…遂に進化!!


52時限目

リンドウはサトシと共にイワンコを探す事にした。現在の時刻は深夜3時。子供は勿論…大人も余程な事情が無い限りは森や山を探索してはいけない時間帯だ。

 

「取り合えずサトシ、準備は良いか?」

「勿論です!」

 

深夜3時、太陽が登り始め、明るく成るまで時間も少ない。出来れば太陽が登り…明るく成る前にはポケモンセンターに戻りたい物だ。

とは言え、ククイ博士やブルーも起きて何らかのアクションを起こすかも知れない。そこで、リンドウはポケモンセンターに待機するポケモンと探索に参加するポケモンとチームを分けている。

 

探索組がリンドウの手持ち。サトシの手持ちからはピカチュウ、モクロー、リザードン、ゲッコウガ、ギラティナだ。

待機組がラティアスとニャビーであり、側に最近…更に影が薄くなってきたロトムを側に付けてる。ロトムは図鑑としての機能は勿論…様々なアプリケーションが内蔵されており、スマホでの連絡アプリも入っている。その連絡アプリを操作して、ラティアスとリンドウ達…捜索隊で連絡を取り合うのだ。

 

「最低目標は当然、イワンコの発見。最高目標は最短で見付けて帰り、明日…いやもう今日か。今日に備えて寝ることだ!」

「はい!行きましょう!」

 

サトシはリンドウの言葉に頷き、サトシの肩に夜は元気なモクローが乗る。

リンドウの隣には波動が使えるルカリオのルカが立ち、サトシの側には気配を探知出来るゲッコウガが立つ。空にはサトシのリザードンとリンドウのリザードンことレウスが旋回しており、彼等と共にギラティナも飛んで居る。

 

「空からはレウスやリザードン、ギラティナが見てくれる。

気配ではゲッコウガが、波動でルカが見てる。大丈夫…イワンコは直ぐに見付かるさ」

「はい…」

 

そして…深夜3時から始まるイワンコの捜索は始まったのだった。

 

だが、探索を始めて森の中を歩くがイワンコは見付かる気配はしない。それどころか…

 

「コウガッッ」

「ゲッコウガ?」

 

ゲッコウガが良からぬ気配でも感じたのか…一層警戒を強めたのだ。アーカラ島も自然豊かで多くのポケモンが生息している。しかし、他の地方で言えばシロガネ山やチャンピオンロードと言ったように危険なポケモンはあまり生息していない。生息してると言えば、群れたヨワシ位だろう。

だが、ここは森の中。川や池では有るまいし…ヨワシの群は襲ってこない。だとすると…何か予想外の気配を感じようだ。

 

「ルカ…見えるか?」

『親方様、悪い知らせです。半径500メートルの範囲に複数の人影を探知。それに…何かが高速で近付いてきます…これは!!』

 

ルカリオがテレパシーを用いて、リンドウとサトシ達に知らせる。

 

『スイクンです!』

「「見たら分かる!!」」

「ピカピカッッ!!」

 

スイクン。ジョウト地方では文献に名前を残すほどのポケモンであり、それをパートナーに出来たのはウツギ博士の研究所に良く出入りするトレーナー コトネだけである。

清く、どんなに汚い水さえも綺麗にする事が可能なポケモンであり、水タイプなのだが氷タイプの技も自在に使えるほどだ。その強さ、見た目の美しさ、そしてラティオスやラティアスと同じ様に数の少なさから目当てに追い掛けるポケモンハンターも多いのだ。

 

そのスイクンが森の中を疾走し、あろうことかリンドウ達の目の前に現れたのだ。

 

「可笑しい…様子が変だ」

 

オーキド研究所在住のレッドのスイクン、コトネのスイクン…その2体を良く知るリンドウは現れたスイクンを見る。

スイクンは大人しいポケモンであり、余程の事が無い限りは人間に危害を加えない。しかし、目の前のスイクンはリンドウ達を視界に入れるや否や…威嚇し…臨戦態勢に移行したのだ。その上…不自然な事に眼が紅く発光している。

 

「グゥオオオ!!」

 

そのスイクンは大変狂暴であり、叫ぶやいなや…ハイドロポンプを最大出力でリンドウ達目掛けて放ったのだ。

御存知、スイクンは伝説のポケモンなのだが…文献に名前を残すほどで巷で噂の600族に匹敵する程の絶大な力を発揮する。

そんなスイクンのハイドロポンプ…それも最大出力で受けたならば、生身の人間は一溜りもないだろう。間違いなく骨は砕けるし、最悪だが内臓が破裂する可能性だって充分に有り得るのだ。

 

だが…それがリンドウ達に直撃する事は無かった。

 

「ルカ!ジャイロボール!」

『御意!!』

 

ルカリオはリンドウの指示に従い、ジャイロボールを使う。しかし、そのジャイロボールは普通のジャイロボールでは無かった。

本来…ジャイロボールとは鋼タイプの技であり、身体を弾丸のように回転させて相手に突撃してダメージを与える技である。威力だが、自分が相手よりも遅ければ遅いほどにダメージが上がっていく技であり…遅いハガネール等が使えば中々のダメージを与えることが出来る技である。

 

しかし、リンドウのルカリオであるルカは違った。先ず、足を支点にしてベイゴマのように高速回転する。その際に…身体から波動を放ち…波動と回転の力で相手の攻撃を防ぐのだ。早い話、忍術という名前の魔法が活躍するジャンプ漫画の八卦掌回天である。

 

ジャイロボールでスイクンのハイドロポンプを無効化させたルカ。その事にスイクンは驚くが、既に遅い。

ルカリオはスイクンの腹部に発勁を放つ。発勁は格闘タイプの技だが……使い方を極めれば相手の内臓にダメージを与えられる防御不可の攻撃に成るのだ。

 

「ぐぅぅほ!?」

 

ルカの発勁を受けて、内臓が高速で揺さぶられて倒れるスイクン。すると、リンドウはスマホを取り出してスイクンをスキャンする。だが、その直後…複雑そうな顔をして舌打ちを行った。

 

「サトシ!直ぐにギラティナとリザードンをボールに戻せ!不味い事に成ったぞ。

おい、レウス!ギラティナとリザードンを連れて降りてこい!」

 

リンドウの声を聞いて、レウスがリザードンとギラティナを連れて降りてくる。ボールの収納の光が届く範囲まで彼等が降りてくると、リンドウとサトシは2体のリザードンとギラティナをボールに戻した。

 

「先生?」

「直ぐにこの場を離れるぞ。離れ、早急にイワンコを探す……非常に不味い事態に成った」

 

リンドウ達は直ぐにその場から離れ、イワンコの捜索を再開する。だが、リンドウ達が離れて10分後位してからだろうか?3人の男達がその場にやって来た。

その男達は統一された制服を着ており、胸の部分には虹色で大きくRと書かれていた。彼等はレインボーロケット団の下っ端構成員であり、このスイクンを差し向けたのも彼等だ。

 

「まさか…スイクンを倒すなんてな」

「だが…未だ此方の手札は有る。必ずや、カプ・テテフを捕らえるぞ」

 

男達はスイクンをボールに戻した。だが、そのボールはマスターボールだったのである。

 

「だが…サカキ様が異世界で捕まえたスイクンは想定内だな!」

「ああ!理性を奪えて兵器としての実験は成功だな!」

 

スイクンは理性を奪われており、兵器のようにリンドウとサトシを襲ったのだ。

 

「ピカピ…」

 

しかし…そんな声が聞こえると、その下っ端構成員は丸焦げになり…瀕死である重度の感電火傷を負った。ロケット団スレイヤーからは逃げられない。

 

 

 

捜索開始から一時間。午前4時

 

「さてと…俺がさっき、離れるぞと言った訳だが…」

 

リンドウ達は場所を変え、ゲッコウガとルカリオが索敵とイワンコの捜索を行っているが…リンドウはサトシに言う。

 

「さっきのスイクンは誰かにゲットされたスイクンだった。図鑑アプリでスキャンすると、ボールに登録されたポケモンかどうか分かる。

俺はそれで見たが、スイクンは確かに誰かにゲットされたポケモンだった。だが、何かをされたんだろう。スイクンの理性は間違いなくなかった」

「そっそれじゃあ……」

「ロケット団よりも恐ろしい悪の手先に捕らわれたポケモンかもな。

さっき、ルカは人影も探知していた。それも複数な…敵は間違いなく数人は居る。スイクンをあのように使い潰すように使うんだ…スイクンと匹敵、或いはそれ以上のポケモンも持っているかもしれない」

「そっそんな…」

 

ポケモンを道具のように使う。そんな外道のトレーナー。そんな奴等にスイクンが良いように使われた為か、サトシは悲しそうな顔をする。

 

「コウガ!!」

『親方様!!イワンコ殿ですぞ!!』

 

ゲッコウガとルカがサトシのイワンコを見つけた。2匹の言葉を合図にサトシとリンドウは走り出す。

森を抜けたそこは海が見える崖と成っており、そこには倒れたイワンコと同じく傷だらけのポケモン…カプ・テテフ。そして地面に倒れ付したサンダーの姿だった。

 

「イワンコ!!」

「コウガ!」

「ピカチュ!!」

「クルー!!」

 

サトシはピカチュウ達と共に倒れたイワンコに駆け寄る。だが、リンドウは周囲を警戒しながら倒れ付したサンダーとカプ・テテフに近付く。

 

イワンコの外傷には電撃の跡はなく、カプ・テテフがサンダーを倒したのだろう。

 

「イワンコを守ってくれたのか?」

 

だが…カプ・テテフから返事は無い。それほどにカプ・テテフは消耗してるのだろう。

リンドウは念の為に、サンダーもスマホのアプリでスキャンする。結果は黒で、サンダーも誰かのポケモンだった。当然だ。サンダーはアローラでは野生化で生息していない。誰かが持ち込むしかないのだ。

 

『親方様…誰かが近付いてきます』

 

すると…レインボーロケット団の制服を纏った男達が数人やって来た。

 

「サンダーではダメだったか…」

 

レインボーロケット団の下っ腹はマスターボールの中にサンダーを戻した。

だが…その男が纏っている制服がロケット団の制服とほぼ同じだった為か、リンドウとサトシのヤル気スイッチを刺激してしまう。

 

「サトシ、イワンコ見つけたし、帰ろうぜ。コイツらを吹き飛ばした後でな」

「ですね。俺…先生とブルーさんの話を聞いて、ムサシとコジロウ達以外のロケット団は許さないって決めてるんで」

 

次の瞬間…サトシとリンドウのボールからレウス、リザードン、ギラティナが降臨した。その上、レウスはメガリザードンに…ゲッコウガはサトシゲッコウガにメガシンカしたのだ。

 

「「「「ふぁ!?」」」」

「リザードン、火炎放射!!ギラティナ、波動弾!ゲッコウガ、水手裏剣!!、ピカチュウ、10万ボルト!!」

「レウス、ブラストバーン!!ルカ、波動弾!!」

 

一斉に放たれる爆光、爆炎、爆雷、激流、波動の砲撃。それを受けたレインボーロケット団の構成員達は…星の彼方に消えていった。

 

「「「「グゥゥゥワァァァァ!!」」」」

 

二度と悪事を出来ない、再起不能のダメージを受けて。

 

星の彼方に消えてったレインボーロケット団。すると…朝日が登り始めたのか…朝焼けが空を紅く染め…地平線から太陽が上がっていく。だが、太陽が緑色に光ったのだ。

 

「グリーンフラッシュ……珍しいな」

 

グリーンフラッシュ…夕焼けや朝焼け…太陽が沈む時と登る時に現れる珍しい自然現象だ。

 

「くぅぅぅわん!!」

 

そのグリーンフラッシュを見るサトシのイワンコ。彼はリンドウとサトシ達がロケット団を吹き飛ばした時に、なんとか目覚めたようだ。

 

だが…そのグリーンフラッシュを見て、イワンコの体に変化が起きる。イワンコは眩い光に包まれ、進化を始めたのだ。

 

「進化!?」

「ピカピ!?」

 

朝日に…日の出に祝福されるように…イワンコはルガルガンに進化した。しかし、その姿は真昼の姿に似ているが…違った。色は朝日のように鮮やかで、瞳はグリーンフラッシュのように緑色だったのだ。

 

「嘘だろ……新種なのか?」

 

リンドウはスマホでサトシのルガルガンをスキャンするが、出てきた詳細はデータ無し。完全に未発見の新種として登録されたのだ。

 

「クォォオオオオン!!」

 

この姿は後に、ルガルガン黄昏の姿として発表され…リンドウが学会で発表する事に成る。

 

 

午前5時半。すっかりと明るくなり、サトシとリンドウ達はポケモンセンターに戻ってきた。ポケモンセンターの前にはリンドウ達を心配してか、ブルー達が前に出ていたのだが…

 

「遅かったなサトシとリンドウ。だが、サトシのイワンコも無事にルガルガンに成って良かったよ」

 

そこにはレッドがおり、レッドは何故かカイオーガとスイクンと共におり…レッドの側には半殺しにされてギエピーにキャラメルクラッチを固められている虹アオギリが居たのだ。

 

「おい…カイオーガとスイクンが何で居るんだ?てか、そのアオギリをヒョロガリにした男は?」

「自称アオギリだな。この男はカイオーガを使ってきたが、ピカチュウがマスターボールを破壊して自由にした。このスイクンも同じだな」

 

虹アオギリ…レッドに瞬殺された模様。その後、カイオーガは空を飛び…海に向かっていった。因みに虹アオギリはその後、精神病院に収監された。

 

 

翌日…

 

「覚悟は良いですね?ライチさん」

「さっサトシ君、御手柔らかにね?」

 

この日は大試練の日。しかし、ライチさんのドジで地獄を経験した主ラランテスの希望により、サトシは本気でライチさんと戦う事にしたのだ。

 

サトシの後ろにはメガラティアス、ピカチュウ、ルガルガン、リザードン、ギラティナ、そしてサトシゲッコウガが仁王立ちしている。

 

――あっ詰んだ

 

――勝てる気がしない

 

ライチのルガルガンと相方のダイノーズは諦めモードに突入した。

 

結果は言わないが……サトシは岩のZクリスタルを手に入れた。つまり、そう言う事である。




次回!スイレンパート。スイレン…彼をゲットする!?

因みにカイオーガは映画の如く、飛べます。

ほしぐもちゃんの進路アンケート

  • ルナアーラに成って飛ぼう!
  • ソルガレオに成って駆け抜けよう!
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