カントー出身の俺氏、南国で教師をする。   作:静かなるモアイ

71 / 242
タケシ対カキ!


62時限目

ハガネール。原種は野生やタケシが持っているように、鋼と地面の複合タイプである。

イワークを上回る攻撃力と防御力を誇り、その強さは進化前のイワークと比べて遥かに強い。当然だが、イワークの攻撃力はどういう訳か……ゲームではポッポと変わらない程に弱く、耐久向きのポケモンだ。

 

しかし、この世界では現実。イワークは耐久と巨体を用いたパワフルな戦い方を行い、ハガネールに進化すればそれは更に磨きが掛かるのだ。

 

「使用ポケモンは御互いに一体のみ。フィールドはジムトレーナーとの試合を考慮し、ジムトレーナーに有利な岩山のフィールドで行います!」

 

審判を務めるのはグリーンの一番弟子であるカスミだ。彼女は日頃からグリーンと戦うチャレンジャーのジムバトルで審判を務めており、非常に馴れている。

 

「うわ…ハガネール大きい。カイオーガよりも大きいな」

「高さだけなら、サトシのギラティナよりも大きいんじゃない?」

 

タケシのハガネールを見て、スイレンとマオがそう言う。2人の言う通り、タケシのハガネールは大きい。当然だが、タケシとハガネールは5年の付き合いであり、その間で随分と逞しく成長したのだ。

 

「ハガネールは鋼タイプだから、バクガメスの圧倒的有利だね!」

 

マーマネはスマホのアプリを用いて、ハガネールのタイプを見てそう言った。確かにバクガメスの有利だろうが、それはどうだろうか?何故なら、ハガネールには地面タイプも有り、進化前が岩タイプだった為か岩タイプの技も豊富に覚えるのだ。

 

「さて…それはどうかな?ハガネールには地面タイプも有るし、進化前は岩タイプだ。地面タイプと岩タイプの技は炎に抜群で、その上…ハガネールはロックカット等の優秀な変化技も覚える。

ロックカットで素早さを上げ、重さと固さを利用した攻撃は強いぞ?それに…ジムリーダー及びジムトレーナーは苦手なタイプとの戦いも想定している。お前達、良く見ておけ…今から元とは言え、カントーのジムリーダーの本気が見れるぞ」

 

ニヤリと笑みを浮かべながら、リンドウはそう言った。

 

「ししょーはどっちが勝つと思う?」

「そうだな…間違いなくタケシだ。断言してやる。カキの素質も高いが…現時点ではタケシに勝てない。バクガメスは勿論、ガラガラの2体を使ってもな」

 

リンドウはそう言った。まるで負けて当然と言ったような感じであった。

 

「先生…」

「あのな…現時点って言っただろ?カキの素質は高いが、未だタケシには勝てない。未だだ…だが、近い内にタケシには勝てるように成るだろうな」

 

そう、現時点ではカキはタケシには勝てない。だが、カキは何れはタケシに追い付き、そして越える事が出来るとリンドウは確信している。

 

「そして、見ておけ。お前達もジムリーダーを目指すなら覚えておくんだ。苦手なタイプ相手にどう立ち回り、どうやって倒すかをだ。俺の知り合いのジムリーダー経験者は全員それを行えるし、ミクリに至っては水タイプだけでチャンピオンに成ったからな」

 

リンドウの言葉を受けて、スイレン、マオ、アセロラ、マーマネはバトルフィールドでお互いを睨むバクガメスとハガネールを見る。

 

先ず…動いたのはカキのバクガメスだった。

 

「バクガメス!鋼には炎だ!火炎放射!!」

「ガメッス!!」

 

バクガメスは口から火炎放射を放ち、炎は真っ直ぐにハガネールに向かっていく。だが、タケシはハガネールに指示を出した。

 

「ハガネール!ジャイロボールだ!」

「ハガネーール!!」

 

ハガネールは体の軸としての間接を高速で回転させ、バクガメスの放った火炎放射を受け流す。効果抜群の炎技とは言え、受け流した為かハガネールは一切のダメージを受けてなかったのだ。

 

どや顔を決めるハガネールとタケシ。

 

「火炎放射が効かない!?」

「ジャイロボールは元々、攻撃技だ。だが、応用する事で相手の攻撃も防げる。リンドウさんの試合をテレビで見たことは有るだろ?彼のルカリオがやっている事と基本は同じさ。向こうは波動も合わせて、殆どの攻撃を防ぐが……俺のハガネールでも火炎放射や水程度なら受け流せるさ!」

 

そう、タケシのハガネールが行った事は基本的にリンドウのルカリオが行っている事と同じだ。とは言え、此方は波動を放っていない分…全ての攻撃を防げるという訳ではない。だが、それでも火炎放射や熱湯、冷凍ビーム程度なら受け流す事が出来るのだ。

 

「今度は此方から行くぞ!ハガネール!ロックカットだ!!」

「ネーーール!!」

 

ハガネールの体に一瞬、線が入る。ロックカットは自身の素早さを2倍に引き上げる技だが…これを使う事で遅いハガネールが高速で動けるように成るのだ。

重く、その上で大きく、速く動けるように成ったハガネール。この時点で最早、驚異だろう。

 

「なっ!?」

「ガメッス!?」

 

ハガネールは目にも止まらない速度でバクガメスの前に移動する。

 

「締め付ける攻撃だ!!」

 

タケシの指示に従い、蛇のような長い体を用いてバクガメスを絞め上げるハガネール。万力のような力で、締め上げられるバクガメスにはかなりの負荷が掛かっている事間違いなしだ。普通ならば逃げられず、そのままダメージを受け続けて敗北してしまう。そう、普通ならば。

 

だが…カキのパートナーはバクガメス。バクガメスの背中は触れると爆発し、それを用いた技も有るのだ。

 

「バクガメス!!トラップシェル!!」

 

トラップシェル。御存知、バクガメスの必殺技。背中のトゲが爆発し、カウンターで相手に大ダメージを与えるバクガメスの必殺技だ。

 

「ガメシュ!!」

 

バクガメスの甲羅が輝き、バクガメスはトラップシェルを解き放つ。しかし、その刹那…

 

「ハガネール!!鉄壁だ!!」

 

ハガネールは鉄壁を用いて、唯でさえ高い防御力を倍に上げてトラップシェルのダメージを最大限に抑える。だが、トラップシェルの爆発と爆風で締め付ける攻撃は中断されてしまい、バクガメスはハガネールの締め付けるから解放された。

 

「ほーう、やるじゃないか。流石はリンドウさんの教え子だな」

 

タケシが余裕そうにそう言う。事実、トラップシェルの直撃を受けたハガネールは一切のダメージを受けておらず、ハガネールも余裕だ。

 

(これが…本気のジムリーダーか。今の俺とバクガメスじゃ…正攻法でも勝てないな)

 

しかし、カキは冷静に今の状況を理解する。そして同時に理解した。今の自分達ではタケシには勝てないと。

 

「それじゃあ…これはどう防ぐ?ハガネール!穴を掘るだ!!」

 

ハガネールは地面に潜り、地面からの奇襲を狙う。

 

「バクガメス!!甲羅を下に向けろ!!」

「それは早すぎたな…カキ!!ハガネール!!斜めから飛び出して、攻撃しろ!!」

 

本来、穴を掘るは真下から奇襲したり、相手を地面の中に引摺りこんだりする技だ。だからバクガメスは甲羅を下に向けてしまった。

 

だが、ハガネールは斜めから飛び出し、さらけ出されたバクガメスの腹部に向けて飛び掛かる。

 

「しまっ!?」

「ガメシュ!?」

 

もう…誰もがバクガメスの敗けを覚悟した。しかし…

 

「バクガメス!トラップシェルの爆風を使って飛べ!!」

「ガメシュ!!」

 

バクガメスはトラップシェルの爆風を利用し、飛んだ。

 

「「飛んだ!?」」

「ネール!?」

 

なんという事でしょう。バクガメスはトラップシェルの爆風で飛んで、ハガネールの攻撃を回避したのだ。

 

「ほー!まさか、トラップシェルをそう使うなんてな!」

 

これにはタケシも誉めた。

 

「ならば…そんなカキとバクガメスには改めて本気で行かしてもらおう!!」

 

すると…タケシは上半身の服を脱ぎ捨てる。タケシの首にはキーストーンのネックレスが提げられており、タケシはキーストーンに触れる。

 

「行くぞ!!ハガネール!!メガシンカだ!!」

「グゥオオオオ!!」

 

キーストーンから放たれた光と、ハガネールから出た光が繋がり…ハガネールはメガハガネールへとメガシンカを行い、大きい姿が更に大きくなったのだ。

 

「メガシンカだと!?先生やブラック、サトシと同じでメガシンカが使えるのか!?」

「あぁ!言い忘れたが、カントーのジムリーダー達は俺の弟を含め、カスミの姉以外は全員メガシンカを使えるぞ!」

 

なんという事でしょう。ハナダジムのジムリーダー以外のカントーのジムリーダーは全員、メガシンカを行えるのだ。間違いなく、グリーンブートキャンプの影響だろう。

 

「くそ…長期戦は不利だ!!バクガメス!Z技を使うぞ!」

「ガメシュ!!」

 

メガハガネールを前にして、カキとバクガメスはZ技を決意する。

炎ZクリスタルをZリングにセットし、カキは炎のZ技を解き放つ舞を踊る。

 

「アーカラのヴェラの如く、俺の炎の闘志よ燃え上がれ!行くぞ!!ダイナミックフルフレイム!!」

「ガメシュ!!」

 

解き放たれたZ技。あろうことか…メガハガネールは真正面から受け止める。

 

Z技の衝撃で…爆炎がメガハガネールを包み込み、辺りは煙で覆われた。

 

――あれ?これひょっとして、カキが勝ったんじゃね?

 

とサトシ達は思った。だが…

 

「ほーやるね!これが噂のZ技か!」

 

煙が晴れると、そこにはピンピンしたメガハガネールが居たのだ。

 

「なっ!?」

「だが、詰めが弱かったな!ハガネール!!ストーンエッジ!!」

 

ハガネールはストーンエッジを解き放ち、その一撃を受けたバクガメスは倒れてしまった。

 

「バクガメス戦闘不能!この勝負、タケシとハガネールの勝ち!」

 

カスミの判定が降され、この勝負はタケシの勝ちに終わった。

 

「流石だな…タケシは」

 

グリーンがそう言うと、腰に提げられたボールが勝手に開き…中から破壊神ことバンギラスが出てきた。

 

「バンギラス?なんだ、ハガネールとバクガメスの勝負に刺激を受けたのか?」

「グルル」

 

どうやら、バンギラスは先程の勝負に刺激を受けて速くバトルがしたいようだ。

 

「カスミ!俺が先に初めて良いか?」

「だったらグリーンさん、折角だしマルチでやらない?」

「それは良いな!構わんな、リンドウとサトシ」

 

グリーンはリンドウとサトシを見る。

 

2人の答えは…

 

「おう!俺は良いぞ。行くぞ、サトシ」

「はい!」

「ピカチュウ!!」

 

こうして、まさかのマルチバトルが実現した。

 

 

 

 

「プリリ?」

 

可愛らしい侵入者が破壊神(ポケモン界のGODZILLA)の逆鱗に触れるまで、残り10分。




次回!グリーンの破壊神(GODZILLA)……降臨!!

そして…可愛らしい侵入者の運命は!?

ほしぐもちゃんの進路アンケート

  • ルナアーラに成って飛ぼう!
  • ソルガレオに成って駆け抜けよう!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。