カントー出身の俺氏、南国で教師をする。   作:静かなるモアイ

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モーン博士……復活?


65時限目

「リンドウさん。この方角で良いんですよね?」

「ああ…ホワイトとキュレムがモーン博士と出会った島はこの先だ。モーン博士が移動して無ければ、その島に居る筈だ。

仮に居なくても、間違いなく手懸かりは残されている。行く価値は必ず有る!!」

 

リンドウはレウスに乗り、Nはゼクロムに乗ってモーンが居る島に向かっていた。

しかし、そんなリンドウの後ろにはリーリエが乗っており、Nの後ろには一匹のゾロアークが乗っていた。このゾロアークはモーン博士のパートナーであり、モーン博士が行方不明に成ってからメレメレ島の森の中をさ迷っていたが…Nがその特殊能力を使って見つけ出し、モーンの為に同行させているのだ。

 

「リンドウ先生!Nさん!お父様は…見付かりますよね!」

「見付かるさ。ホワイトとキュレムが出会ったのは…大体2ヶ月前。それに…キュレムが言うには…モーン博士のポケモンは居らず、モーン博士はポケマメを栽培しながら自給自足の生活を送ってたらしい。多分、未だ島に居る筈だ」

 

モーンが移動してなかったら、モーンはその島に居る筈だ。そして仮に居なくても痕跡は必ず残っている。

レウスとゼクロムは翼をはためかせ、その島に急行するのだった。

 

 

 

一方、メレメレ島に有るリーリエの自宅…のバトルコートでは何やらギエピーが作業を行っていた。

 

「母さん…リラさん…あのしゃべるピッピは何をしてるんだ?」

「私に言われても分からないわ」

 

モーンが何時戻ってきても良いように、リーリエの兄でブラックと同世代のトレーナー グラジオは島巡りを中断して家に帰ってきた。

同じくリーリエの母であり、エーテル財団の代表であるルザミーネも自宅に帰っており、2人の側には国際警察兼Nの秘書を務めるリラが護衛に付いている。

 

だが、彼等の視線の先には馴れた手付きで何かを作るギエピーが居たのだ。

 

「彼は恐らくですが、記憶復元装置を作ってるのでしょう。記憶復元装置は犯罪者が意図的に消した記憶を蘇らせる為に国際警察が過去に開発した物ですが、設計図が流出したと聞いてます。

私もネットで流出した設計図を元に開発された記憶復元装置を前に見ましたが、彼が作ってるのと良く似てました」

 

リラの言う通り、ギエピーが作ってるのは記憶復元装置だ。このギエピー…実はムコニャと同じく様々な物を作る才能も持っており、今回は主に廃材だけで記憶復元装置を作っているのだ。

 

「リラさん…本当に大丈夫なのか?」

「カロスに有る国際警察本部までモーン博士を連れていくにしても、私の権限では出来ません。ですが…私でも大丈夫なのかは分かりません」

 

こんな記憶復元装置で大丈夫なのか?グラジオ、ルザミーネ、リラがそう思うが仕方がない。

何故なら…ギエピーは主に廃材だけで記憶復元装置を作ってるのだ。不安しか無いだろう。

 

「ふふふ…僕に任せろっピ!!」

 

ギエピーは半分ノリノリで記憶復元装置を作っていくのだった。

 

 

 

一方その頃、リンドウとN達はモーン博士が暮らしていると思われる島にやって来た。

 

「ここですよね?」

「ここの筈だ…座標は間違いなく此処を示してるし」

 

その島は…大きなポケマメの木が一本有り、たった1つの丸太で作られた家しかない寂しい所だった。本当にポケモンは愚か、人間は暮らしているのか?リンドウ達は疑問だった。だが、そこには1人の男性が畑仕事をしていたのだ。

 

その男性は…間違いなく、モーン博士だったのだ。

 

「お父様!」

「ゾロロ!!」

 

モーンの姿を見たリーリエとゾロアークは、駆け足でモーンに近付く。

 

すると、モーンも畑作業を止めて近付いてきたリーリエとゾロアークを見る。感動の親子とパートナーの再会。その様子を、リンドウとNは見守っていた。

 

「お父様!私です!リーリエです!」

「ゾロロ!!」

 

娘とゾロアークは父親に訴えるが…父親であるモーンは

 

「すまない…確かに君は私と良く似ているが…私は過去の思い出が無いんだ」

 

しかし、モーンは記憶喪失。過去の事を一切覚えてなかったのだ。恐らく、モーンが覚えている事は自分の名前…だけなのだろう。僅かでもリーリエ達の事や、自分の事を理解していれば何としてもメレメレ島に帰ろうとする筈なのだから。

 

「それじゃあ……どうしてお父様は泣いてるのですか!?」

 

だが、モーンはリーリエとゾロアークを見てからドバドバと涙を流し出したのだ。リーリエに言われて、初めて涙を流してる事に気付いたのだろう。

モーンは涙を拭う。彼の記憶からは家族やパートナーの事は消えてしまったが、彼の心と身体は家族とゾロアークの事を覚えているのだ。

 

「あれ…可笑しいな…どうして…どうして…私は…私は…」

 

希望は有る。モーンは完全に記憶を失ってしまった訳では無いようだ。

 

 

 

 

 

 

リンドウ達はリーリエの自宅にモーンを連れて帰り、モーンはギエピーが製造した記憶復元装置の椅子に座らされた。

 

「おい、ギエピー…本当に大丈夫か?」

「大丈夫!大丈夫!任せろっピ!」

 

――不安しかねぇぇえええよ!!

 

その場に居る、ギエピー以外の全員の思いが1つに成ったのだった。

 

「それじゃ!始めるっピ!」

 

ギエピーはスイッチを押して、記憶復元装置を始動させる。すると、モーンの座った椅子は高速で回転し始める。

 

「うぉぉおおお!?」

「おい…ちょっと待て…これは本気で大丈夫なのか?」

 

物凄い遠心力を受けて回るモーンを見て、リンドウが心配そうに言う。

 

やがて、椅子はタイムショックのように様々な方向にも回り始める。

 

「お父様!?」

「父さん!?」

 

回転する速度はドンドンと早くなり…モーンの座った椅子は記憶復元装置から遠心力で飛んで、リンドウ達の前に不時着する。

すると、記憶復元装置は見事な大爆発を起こして、木っ端微塵に成ってしまった。

 

「うぅ…私は……思い出せない!!」

 

だが、モーンの記憶は戻らない。

 

「ゼクロム」

『オラオラオラオラオラオラオラオラ!!』

「ギエピー!!」

 

ゼクロムのオラオララッシュを受けて、ギエピーは倒れ伏す。

 

しかし、その時…空から黒い光線が飛んできたのだ。

 

「なっ!?」

「ゼクロム!!」

『チッ!!やれやれだぜ!!』

 

ゼクロムはNの指示に従い、飛んできた光線を龍の波動で消し飛ばす。すると、空から色違いのイベルタルに乗った男が現れた。だが、その男は………死んだはずの男である。

 

「バカな…フラダリだと!?お前は…死んだはずじゃ」

 

カロスでの事件、その際に死んだはずのフラダリ。だが、リンドウ達の目の前に色違いのイベルタルを連れてフラダリは現れたのだ。

 

「リンドウさん…彼はこの世界のフラダリじゃ有りませんよ。勿論、あのイベルタルも」

「という事は…」

 

そう、Nの言う通りで、このフラダリはこの世界のフラダリではなく虹ロケット団のフラダリなのだ。

 

「始めまして。私はレインボーロケット団の幹部 フラダリ。

悪いが、君達は全員…ここで死んでもらう。そして…此処に有るマギアナとコスモッグは回収させて貰おう」

 

フラダリはイベルタルの背中から降りてそう言った。彼の視線にはリーリエ、いや…リーリエのボールの中に入ったほしぐもを見ていた。

 

「マギアナ……コスモッグ?」

 

その単語を聞いたモーンは頭を抑えた。

 

「イベルタル!デスウィングだ!!」

『遅い!鈍間か!!』

 

だが、イベルタルが技を使う前に…ゼクロムがイベルタルの懐に入り、雷パンチの一撃でダメージを与える。そして、トドメのクロスサンダーでイベルタルは倒れた。

 

「ほう…お前がゲーチスの言っていた、理想の英雄か。ならば…ドラゴンにはフェアリーだ!!ゼルネアス!」

 

フラダリは続いて、ゼルネアスを出そうとしたが…

 

「ピカッ!!」

 

突如として現れたレッドのバグチュウが、アイアンテールでそのマスターボールを破壊する。すると、中からゼルネアスが出てきたが……ゼルネアスは右足でフラダリの右足を踏み潰した。

 

「ギャァァァァア!!」

 

当然だろう。ゼルネアスは今まで、イベルタルと共に虹フラダリに道具のように使われてきた。反乱を起こすのは当然だろう。

 

「マギアナ……ゾロアーク……」

 

すると、モーンは立ち上がった。

 

「そうか…君がレッド君の言っていたリンドウ君か。有り難う、家族の事を思い出させてくれて。

ゾロアーク!!悪の波動!!」

「ゾロロロ!!」

 

記憶が戻ったのだろう。モーンはゾロアークに指示を出して、ゾロアークは口から悪の波動を解き放つ。

 

「ちょっ!?待って!?ァァァァア!!」

 

虹フラダリ…ゾロアークの悪の波動を受けて、リタイア。

 

「ただいま…ルザミーネ、グラジオ、リーリエ」

「アナタ!!」

「父さん!」

「お父様!!」

 

モーンは10年ぶりに家族の所に戻り、家族と熱い抱擁を交わしていた。その様子をリンドウ達、そして自由に成ったゼルネアスとイベルタルが見守っていた。

 

 

 

「記憶戻ったの…僕のお陰だっピよね!?」

 

ギエピー…結果的に無慈悲なオラオララッシュを受けて、大損するのだった。

 

 

 

翌日。

 

「リンドウ先生!!」

 

その声が聞こえ、リンドウは後ろを振り向く。そこにはシロンとほしぐもを腕に抱えたリーリエが、ロボットを可愛らしくしたようなポケモンと共に……イベルタル(色違い)の背中に乗って飛んできたのだ。

 

「ふぁぁぁぁ!?イベルタル!?いや…ちょっとまて、イベルタルは兎も角……まさか、そのポケモン」

「はいマギアナです!!」

 

リーリエの現在の手持ち シロン(氷ロコン)、ほしぐも(コスモッグ)、マギアナ…そしてイベルタル。

 

 

 

一方、リーリエの兄のグラジオはゼルネアスを連れていた。

 

「おい…本当に俺達のポケモンに成って良かったのか?」

『私達、伝説のポケモンには各々の役割が存在する。

イッシュ三龍は各々が定めた英雄に寄り添うこと。

カイオーガは海の化身として雨を降らし、干魃を止めること。

グラードンは洪水を止め、人々を水害から救うこと。

レックウザはやり過ぎたカイオーガとグラードンを停める事。

イベルタルは破滅をもたらし、生命のバランスを整えること。私は荒れた世界を再生させ、バランスを整えること。

だが、一部のポケモン…私達のように異世界から来た居場所の無いポケモンは自分が定めたトレーナーに寄り添う事も出来る。ですがグラジオ……私は貴方達の為にも、島巡りの戦いには参加しません』

「ああ…それで良いさ」

 

 

「モーン…良かったの?」

「イベルタルとゼルネアスが選んだ道だ。私は止めないさ…」

 

自宅でモーンとルザミーネはそう言った。しかし、夫婦は知らない…今頃、エーテルパラダイスは………

 

 

「クックク…サカキ様!」

「良く此方側に着いたな、ザオボー。ではコスモッグを奪還しろ…この世界を制服する為にな!」

 

虹ロケット団の手で制圧されてしまっていた。

 

「マブシ…muscle!!」

 

だが、一匹のmuscleが動こうとしていた。

 

 




リーリエ「えぇ!?私の手持ち、炎に弱すぎ!!」

シロン、マギアナ、ソルガレオ…炎が苦手!!イベルタルが倒された瞬間、リーリエはカキに負ける!!

次回!裏切りのザオボー…ほしぐもを誘拐!!

そして…青紫、青、赤、緑、金、銀、黒、白…色彩が集う

もし、番外編を書くとしたら?

  • 過去リンドウ
  • ミヅキちゃんと未来のジムリーダー
  • 過去ブルー
  • レッド様
  • ホワイトくん
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