――私は産まれた時から…両親や兄と違う姿で産まれてきた。
ムロに有る洞窟。その洞窟の中から外を眺める、一匹のフェアリー・岩タイプのポケモンが居た。
――でも…私は外が大好きだ。でも……。
そのポケモンは両親にメレシーを持つ。本来…ポケモンの子供は母親と同じ種族に成るという法則が有る。例えば、ピッピが父親で母親がピカチュウだとすると…産まれるのは進化前のピチューに成るのだ。
しかし、そのポケモンは両親であるメレシーとは異なる姿で産まれたのだ。
「おい!?本当に居るんだよな?」
「あぁ!間違いないさ!此処に…メレシーの突然変異であるディアンシーが居るらしいぞ!」
外から人間の声が聞こえる。風の噂で聞いた、白の英雄と本当の主に巡り逢う前の抜殻の英雄が戦ってから、この周囲には人間がやって来る。
――隠れなきゃ…
そのポケモンはディアンシー。極稀…本当に何万分の一という僅かな確率で、メレシーの雌が卵の段階から突然変異を起こして誕生するポケモンである。
メレシーの1頭身とは違い。顔と胴体が有り、メレシーと同じくピョンピョンと跳ねて移動する。
ディアンシーは出生の確率が物凄く低く、幻のポケモンと言われている。その上…ディアンシーは空気中の炭素を圧縮し…ダイヤモンドを量産できるのだ。
特に…最近はレイドバトルと称して伝説のポケモンや珍しいポケモンを集団で襲い、捕まえる事が流行っている。ディアンシーもその標的と成っており、ポケモンハンターや物好きのトレーナーに狙われるのだ。
ディアンシーがピョンピョンと跳ねて、洞窟の奥に向かうと…3人の男達が洞窟に入ってきた。
その男達はライボルト、ドククラゲ、ヘルガーを連れており…嘗てスイレンのカイオーガを捕まえるためにレイドバトルを挑んできた哀れな男たちである。
「おぅ!ダイヤモンド落ちてるじゃん」
その1人は洞窟の入口に落ちていたダイヤモンドを拾う。ダイヤモンドがこんな入口に落ちてるのは先ず有り得ない。その為か、男達は笑みを浮かべる。
「ディアンシーマジで居るんじゃね!?」
「ああ!カイオーガはあのクソガキがゲットしたが…ディアンシーはそんなに知られていない!これはチャンスだぞ!!」
「ディアンシーの力で荒稼ぎして、そんで裏ルートでマスターボールを購入して…伝説のポケモンで手持ちを固めるんだ!」
だが…男達は知らない。既に洞窟には……彼が居ることを。
「はーい!注目!此処が有名な古代人が描いた、壁画に成りまーす!」
ポケモンスクール組は現在、ムロタウンにやって来ているがグループを2つに分けていた。
リンドウ率いる洞窟探検組、そしてククイ博士率いる海辺での探索組だ。彼等はフィールドワークをしながらホウエンの事を学んでおり、リンドウ率いる洞窟探検組にはサトシ、セレナ、タケシ…だけである。
現在…リンドウ率いる4人は洞窟の奥に有る、古代人が描いた壁画の前に来ていた。その壁画には少し姿の異なるグラードン、カイオーガ、そしてメガシンカしたレックウザが戦っており、その戦いの余波から人間を守るために奮闘するレジギガス率いるレジ軍団の姿が有ったのだ。
「嘗て…ホウエンはカイオーガが海を広げ、グラードンが大地を広げたと有るが…それは最近の研究では古代人の創作話という結論が出た。
だが…グラードンとカイオーガは神話通りの力を発揮でき…この世界のホウエンに伝わる個体は各々の場所で眠りに着いている」
リンドウの言葉を聞くサトシ達。すると、何かが近付いて来る音が聞こえ、その方を見ると…そこにはディアンシーが居たのだ。
「へっ?ディアンシー?マジで?えっ!?」
「えっ?本物!?ウソ!?」
「マジか!?」
「ピカチュ!?」
幻のポケモン、ディアンシー。その姿を見たリンドウ達は驚くが…人間の姿を見たディアンシーは後ろに下がろうとする。
「メレシーーー!」
「メレ!!」
「メレメレメレ!!」
何やら、そんな声が聞こえると…ディアンシーを守るように3体のメレシーが出てきた。
メレシーは耐久力が高い岩・フェアリーのポケモンであり、DNA的にはディアンシーと同じポケモンである。恐らくだが、このディアンシーの両親と兄弟なのだろう。
そのメレシーを見た感じだが、間違いなく怒っている。まるで、リンドウ達がディアンシーを拐いに来た何かと勘違いしているのだろうか?
「落ち着け…俺達はその子に手を出さないさ。安心してくれ」
だが…リンドウ達に危害を加える気は皆無であり、リンドウはメレシー達を宥める。
メレシー達は信じられないのか、疑いの目でリンドウを睨むが…ディアンシーはリンドウ達を信じたいのか、ピョンピョンと跳ねてリンドウ達の前にやって来る。
「おっ?信じてくれるのか?お菓子をあげたいが…今は切らしてるんだよな?」
しかし、リンドウは現在…ポケモン用のお菓子が手元には無い。
すると…セレナがポケットから何かを取り出した。それはポロックケースであり、彼女はピンク色のポロックを取り出してディアンシーに手渡す。
「はい!ポロック。これはポケモンのお菓子だよ」
手渡されたポロックを持ち…興味深そうに首を傾げるディアンシー。匂いを嗅いで、食べ物だと判断したのか…そのポロックを口に運ぶ。
すると…甘い味がディアンシーの口の中で広がり、ディアンシーは美味しさで跳び跳ねる。
――なにゅこれ!?頂戴!頂戴!
「まだ有るよ。安心して」
だが…
「居たぞ!!」
その声が洞窟に響き、ディアンシーとメレシー達目掛けて火炎と雷撃、そして激流が飛んで来る。
「ルカ…防げ」
『御意』
だが…その攻撃はリンドウのボールから飛び出したルカがジャイロボールの回天で防いだ。
「まだだ!ディアンシーを捕まえて…えっ?」
「これで一攫千金…て?」
「ウソだろ…あれって…」
攻撃したのは勿論、件のトレーナー達だ。だが、彼等は同時に見てはいけない人物を見る。
「「「ホウエンチャンピオン!?」」」
「YES。ルカ…やれ」
『御意。そう言えば君達は…スイレン殿のカイオーガを虐めてた輩ですな?手加減はしませんぞ?』
数秒後……ポケモンハンター達はピンポンダマのように弾け…洞窟の外に吹き飛んでいった。
「「「あんまりだーーー!!」」」
ポケモンハンター…リタイア?
その後…無事にメレシー達とも打ち解けたリンドウ達だったが、別れの時が近付いてきた。
「それじゃ、俺達は行くわ。またな…」
洞窟から去り、ブルーやククイ博士と合流しようとするリンドウ達であったが…ふと、後ろを振り向く。そこにはあのディアンシーが着いてきていたのだ。
「どうした?俺達と来たいのか?」
リンドウの問いに答えるようにディアンシーは頷く。
「だっ…そうだセレナ」
「えっ!?私ですか!?」
「俺は既に6匹オーバーしてるし、それはサトシもだ」
「岩タイプだから…俺といきたいが…譲ろう!」
リンドウ、サトシ、タケシがセレナを見て…セレナはディアンシーの視線の高さまでしゃがむ。
「本当に私で良いの?」
『勿論!ですわ!』
「「「しゃべったー!?」」」
その後…無事にディアンシーはセレナにゲットされましたとさ
次回!突撃のデボン!まさに大誤算!!
もし、番外編を書くとしたら?
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