「うぇぇぇん!スイレンさんが倒せないよ!」
此処はアイナ食堂。アローラ草ジムの隣に建てられたジムリーダー マオの実家であり、彼女の兄と父親が切盛りする食堂である。
時刻は午後7時。今日もアローラの未来のチャンピオンを目指すミヅキちゃんは学業に励みながら、ジムチャレンジに挑む。しかし、中々…手加減してジム用のポケモンを使ってるとは言え、スイレンを倒せないのだ。
マオは何とか倒し、草バッジを手に入れたミヅキ。彼女は捕まえたヤヤコマをヒノヤコマに進化させて、草と飛行の力を持つモクローと共にマオを倒すことが出来た。
だが…ジムリーダーは相手の持っているジムバッジの数で使うポケモンを変える。その結果、スイレンの使うポケモンはキャモメとカジリガメに変わり…ミヅキのヒノヤコマとモクローを瞬殺。見事にミヅキはボコボコに倒され、担任であるリーリエと共にご飯を食べに来たのだ。
幸いにもミヅキの母親は仕事で遅くなり、リーリエも今日はエーテル財団代表の兄と研究者の両親は遅く成るのでリーリエの奢りでアイナ食堂のご飯を楽しんでいるのだ。
「仕方が有りませんよ?ジムリーダー(アローラ限定)はポケモンを使う腕前は世界的に見れば四天王クラス(一部チャンピオン級)。普段は格下のポケモンを使うとは言え、普通にルーキーを返り討ちに出来ます。
先生が短大に通うためにカントーに留学してた頃ですが、カントーのニビジムのリーダーはイシツブテだけでルーキーのポケモン6匹を完封出来ますからね」
リーリエの口から語られる、ニビジムリーダーのジロウの恐ろしさ。そう…アローラも充分に魔境であったが、カントーも同じく魔境だったのだ。
「まぁ!カントーと違って、アローラのジムリーダーはジム戦ではメガシンカをしてこないので大丈夫ですよ」
「…先生、それ…慰めに成らないんですけど」
アローラのジムリーダーは全員がメガシンカを行える。マオはメガジュカインを使うし、スイレンはゲンシカイオーガを降臨させる。勿論、ジムリーダーでは無いがリーリエもメガシンカを行う事が出来るのだ。
「はいよ!お待たせ!リーリエがお任せプレートで、ミヅキが日替わりディナーだね!サービスで、アヒージョも置いておくよ!」
すると、料理が出来たのか…エプロン姿の美女である18歳程に成長したマオが、ウェイターでもあるジュカインとアマージョと共に料理を持ってきてくれた。
このアイナ食堂ではディナー限定で、マオや彼女のポケモン達も店を手伝っているのである。
「ありがとうございます!」
「ありがとうマオ」
「いーのいーの!何時もアイナ食堂を贔屓して頂き有り難うね!」
アイナ食堂はメレメレ島でも人気の食堂だ。とは言え、殆どの観光客はハウオリシティやホテルの高級レストランを利用するために、アイナ食堂は殆ど現地の人しか利用しないのである。
その為か、予約の電話を入れなくても混雑時でも少し我慢すれば普通に入ることが出来るのだ。
そんなアイナ食堂でリーリエが頼んだのはお任せプレート。海外でお馴染みのプレート料理だが、何をオカズなのかは完全に店主達の気分で変わるのだ。今日はロコモコや新鮮な野菜、そして魚が盛られている。
一方、ミヅキが頼んだのは日替わりディナーであり、毎日日替りでメニューが変わる物だ。今日は火曜日の為か、肉がメインである。
「今日はお兄ちゃんが作ってくれました!」
マオがそう言うと、店の奥でベロリンガと共にどや顔でサムズアップする20代半ば程の男性が居た。前世の知識があるミヅキは、彼がマオの兄であるウルと理解した。過去では料理修行の真っ最中でアローラに滞在してなかったウルだが、未来では帰ってきていた。
「実はマオのお兄さんも第一回のアローラリーグに出てるんですよ」
「本当ですか!?」
そう…アニメでは出ていなかったが、この世界ではマオ兄はアローラリーグに出場していたのだ。
「うん…見事な予選落ちだけどね」
マオから語られる真実。マオ兄は見事に予選敗退していたのだ。
「予選落ち?」
「確か…サオリ先生のカイリキーが放った気合いパンチの一撃で…」
――お前は未だ、本当の気合いパンチを知らない。
霊長類最強女子の言葉と共に、あっという間に溜められた渾身の気合いパンチ。それはマオ兄のベロリンガを一撃で粉砕したのだった。
「でも…未だ伝説のポケモンやメガシンカポケモンに粉砕されなかっただけ、未だマシじゃない?」
「ですよね。確か…ベテラントレーナーの大半はNさんのゼクロムが放つオラオラオララッシュで倒され、お父様のマッシブーンとゼクロムの戦いの余波で吹き飛んでましたもん」
結論、第一回からのアローラリーグから既に魔境。
muscle補正のマッシブーンとゼクロムがオラオラオラ合戦を行い、その余波で多くの参加者がリタイアしてしまったのだ。
なお、ゼクロムとマッシブーンは何事もなく生き残り決勝トーナメントに出ている。
「あと…スイレンのカイオーガやホワイトのキュレムに巻き添えを喰らった人とかね。ねっ?リーリエ」
「それに関しては私も人の事は言えませんからね」
初代アローラリーグは様々な伝説のポケモンが参戦したのだ。
「マオー!料理できたから運んでくれ!」
「はいはーい!それじゃ、またね!」
父親であるマオパパに言われ、マオは仕事に戻っていった。
「折角ですし、食べましょう」
「はい!頂きます!」
マオは行ってしまったが、リーリエとミヅキは料理を食べる。味は物凄く美味しく、ミヅキは頬っぺたが落ちそうに成る。
「おいひー!!」
「ですよね」
半分ほどを物凄い勢いで食べ進めるミヅキ。ふと、テレビを見ると…テレビにはホウエンチャンピオンの防衛戦が放送されていた。
『ボス!諸刃の頭突き!!』
ボスゴドラの一撃で粉砕されるチャレンジャーのポケモン達。
『強い…父親に成っても強すぎるぞ!勝者 チャンピオン リンドウ!!』
テレビにはボスゴドラの圧倒的な暴力で勝った、ホウエンチャンピオン リンドウが映っていた。数年前と変わらず若々しい外見をしており、無事に防衛戦を征したようだ。
「リンドウ先生。もうすぐアローラに帰ってきますね。
ミヅキ…あの人もポケモンスクールの先生ですよ」
「物凄く…強そうですね」
――この人か!アローラを魔境に変えちゃった人って!
当たりである。このリンドウの教えを受けたことで、リーリエ達は魔改造されたのだ。
「そういや…もうすぐパンケーキ祭りですね」
「パンケーキ祭り?」
パンケーキ祭り。ミヅキの記憶が正しければ、アニメからだが…メレメレ島にはポケモンと共にレースを行うパンケーキレースが有った筈なのだ。
「確か…パンケーキのレースですよね?」
「そうです!元々は町興しで行われた物でしたが、色々と盛られて…大食い対決等も増えたんです」
リーリエはそう言うと壁を指差す。壁には昨年度…いや、書かれた年代からすれば一昨年のパンケーキ祭りの写真が貼られており、そこには……赤い髪でナイスバディ、髪には星形のアクセサリーを着けた少女が写っていた。
――五等分の花嫁じゃないですか!!
ミヅキは前世の知識から、その少女を知っている。彼女の前世での友人が読んでいた漫画 五等分の花嫁のヒロインの一人 中野五月だったのだ。
「この子はサオリ先生の教え子です」
なんという事でしょう。写真の少女は霊長類最強女子 ヨシダ・サオリの教え子だったのだ。
現在、サオリ先生はハイスクールクラスの担任を受け持っているのだ。
「ほら…噂をすればですよ」
すると、アイナ食堂の扉が開いて数名の人が入ってきた。
「今から8名と大型ポケモン一匹、大丈夫かしら?」
先頭に霊長類最強女子 サオリ先生が立っており、彼女の後ろには顔立ちが良く似てるが髪型等の個性が異なる五つ子の十代半ばの少女、平たい顔族の少年、そして…伝説のポケモンキュレムとイーブイを連れた灰色のコートを羽織った十代半ばの少年が入ってきた。
「キュレムだぁぁぁぁあ!?」
ミヅキちゃん…カイオーガ、ソルガレオ、イベルタルに続き…遂にキュレムに遭遇する。なお、キュレムは常時トゥルーキュレムと成っていた。
――いや…なんで中野さん家の五つ子居るの?この世界はポケモンだよね?てか、この灰色コートを着た人ってホワイトだよね!?成長した黒白2の主人公だよね!?
「サオリ先生!それにホワイト達!テラス席が空いてますよ」
マオに言われ、サオリ率いる御一行は外に有るテラス席に向かっていった。
オマケ
未来キュレム
相変わらず、ホワイトの保護者。だが、ククイ夫妻やリンドウ夫妻の子供達からはジジイやマダオ呼ばわりされる。
未来ククイ博士
アラフォー。だが、相変わらずムキムキの肉体は維持しており、ビーレジェンドは欠かせない。二児(サトシとセレナ含めば4人)の父親である。実は過去に起きたとある事件で、ロイヤルマスクだという事がアローラ全域にバレている。
最近…悲しいことはサトシにもビーレジェンドを勧めたが、サトシがはまってくれなかった事だ。そして…アローラリーグのリーグ委員長である。
未来リンドウ
30の領域に突入した我らが主人公。ブルーとの間に子宝を一人授かっている。相変わらず、アローラ在住。
未来ブラック
普段はイッシュに居ており、アローラにはたまにしかやってこない。だが、それでも月一ペースでアローラに帰ってくる。
未来セレナ
カロスクイーン…ではなく、アローラクイーン。世界を飛び回りながら、アローラを拠点にしている。最近、バーネット博士とブルーに「逆プロポーズってありですよね?」と相談してる。
未来サオリ
霊長類最強女子。生身最強の女性キャラ。アローラリーグには毎年参加しており、その際に相棒のカイリキーと共に本選に毎度の如く出場し、捨て身タックルと気合いパンチが炸裂する。噂では、カイリキーよりも本人の方が強いとか。
霊長類最強女子の教え子
イチカ、ニノ、ミク、ヨツバ、イツキ。なにやら何処かで見たような五つ子。とその家庭教師なフウタロウ。彼女達と彼がサオリ先生の教え子でホワイトのクラスメートである。因みに…この6人とホワイト、2年前の中学3年生の時にバッジを集めきり、アローラリーグに出場している。
実は数年前、五つ子はポケモンを持つ前にブラックの家庭教師指導を受けている。
次回こそ…大誤算!!
大誤算「君達に…プレゼントが有るんだ!これは宝石としての価値は無いが、是非とも受け取ってくれ」
リンドウ「正に大誤算!!」
もし、番外編を書くとしたら?
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過去リンドウ
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ミヅキちゃんと未来のジムリーダー
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過去ブルー
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レッド様
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ホワイトくん