5年前…未だリンドウが18歳の頃。
青年と少年の狭間な年頃のリンドウは多忙な激務から一時的に逃れ、恩人 センリ達の手で一人…アローラの慰安旅行に来ていたのだった。
「ここがアローラか…常夏だが、真夏のホウエンと比べると随分と過ごしやすいな」
「フィー!」
サングラスをかけ、青紫のコートの代わりにアロハシャツを纏った若きホウエンチャンピオンはアローラの大地に降り立った。
彼の側には初めてのポケモンであり、大事なパートナーであるリーフィアがボールから出て側に付いている。観光ブックを読んだが、アローラではボールからパートナーを出すトレーナーが多いようだ。その上、ライドポケモンと呼ばれる資格を持ったポケモン以外の騎乗は禁じられている…ホウエンと比べれば変わった所だろう。
「ヒガナもセンリさんに預けてきたし、今日は俺達だけで楽しむぞ!」
「フィー!!」
リンドウ、日頃の激務から解放されて常夏を謳歌。慰安旅行の日程は移動日を除いて1週間。この1週間をフルに使い、彼はアローラを満喫するつもりなのだ。勿論、それはリーフィアやボールに入った他のポケモン達も同様である。
それに…此処はホウエンやカントーではない。リンドウの事を知っている人は少ない。と言うのも、当時のアローラにはポケモンリーグは無く、他のリーグの試合も当時はBS等にしないと見れなかったのだ。
「ホウエンやカントーだと…忙しいのにサインを迫られる時が有るが…此処ではのんびり出来そうだ」
リンドウはそう言うと、リーフィアを連れてメレメレ島国際空港を出て探索に向かう。
先ず向かった先は観光地としても有名なハウオリシティである。そこはメレメレ島では一番大きな都市であり、大型のショッピングモールや地元の観光局も其処に有り、アローラの様々な情報を見ることが出来るのだ。
「ミナモシティとは違った雰囲気が有るな」
リーフィアと共にハウオリシティを満喫するリンドウ。すると、何やら大きな音が鳴り響く。爆発音も聞こえることから、誰かがバトルでもしてるのだろう。
だが、何処か可笑しい。ポケモンバトルの割には何やら悲鳴のような声も聞こえる。不審に思ったリンドウはリーフィアと共に現場に向かうと、そこには髑髏を模したコスチュームを纏ったチンピラ集団が町を荒らしていたのだ。
「なんだ?あのチンピラは?」
このチンピラこそ、5年後ではすっかりと更正されたスカル団なのだが…生憎とリンドウはチャンピオンと高専の勉強という激務で一時的に前世のゲーム知識の半分が無くなっており、スカル団という名前に気付かない。
「彼等はスカル団よ」
ふと、そんな声が聞こえ…リンドウは隣を見る。そこには……最近引退した筈の霊長類最強女子 ヨシダ・サオリが居たのだ。
――霊長類最強女子!?なんでアローラに居るの!?てか、アンタポケモンの力借りなくても大丈夫だろ!?本人が戦った方が強いだろ!
現実世界の霊長類最強女子と全く同じ外見のこの世界の霊長類最強女子。彼女もゲームで彼女のカイリキーが配布されたり、公式CMにも出てたから…ある意味公式のポケモンキャラと言えるだろう。
「スカル団?」
「そう。ロケット団よりはマシなチンピラ集団だけど、人のポケモンを盗んだり…野生のポケモンを虐めたりする人達よ」
――スカル団?どっかで聞いたような…
疑問が出てくるリンドウだったが、次の瞬間…唖然としてしまう。何故なら、そのスカル団の中に現実世界で大人気の芸能人 珍獣ハンターのイモトが居たのだ。
――珍獣ハンター居る!?てか、首の長いナッシー連れてんぞ!!
そう、未だスカル団だった珍獣ハンターもその場に居たのだ。それに、珍獣ハンターはアローラナッシーを連れており、カントーのナッシーと比べて物凄く首が長いのが特徴だ。長い…カントーのナッシーと比べて何倍も有る。
イモトを含めたスカル団の皆様は花壇を荒らしたり、壁に落書きをしていたのだ。ここがメインストリートでは無いとは言え、アローラは観光地。こんな事をすれば、今後…ハウオリシティの評判は下がってしまう。
すると、リンドウとイモトは目が合ってしまった。
「おいおい、目が合ったな?お前、よそもんか?良いポケモン持ってんじゃねぇか?お前達!コイツのポケモンを奪うぞ!」
イモトはリーフィアを気に入ったのか、リンドウに仲間でレイドバトル宜しくと勝負を仕掛ける。だが、相手が悪かった。
「いけ…ボス」
リンドウはモンスターボールからボスゴドラを繰り出した。
「グゥゥゥゴゴゴギャ!!」
辺りに響くボスゴドラの咆哮。対し、イモトと愉快な仲間達のポケモンは…イモトのナッシー、ズバット、ラッタ等である。
――えっ?何ですか?その化物は?
ボスゴドラの眼光は鋭く、イモトとその仲間、そしてポケモン達を睨み付ける。今まで何人と殺ってきたんですか?と問いたい程の眼光に、イモト達はガクガクと震える。
「こっこれは…武者震いだ!」
イモト達は恐怖を圧し殺すが…
「貴女達…いくら何でも無謀よ…」
サオリはリンドウがチャンピオンである事を知ってるし、リンドウの強さも知ってる。
「ボス、動いて良いぞ」
ボスゴドラがリンドウの言葉を受け、地面を蹴る。その3秒後…
「「「覚えてろ~!」」」
「ナッシー」
イモトとナッシー、そして愉快な仲間達は吹き飛んでいった。
「いや!見事なボスゴドラだ!やっぱり、ホウエンチャンピオンは凄いな!」
ふと、その声が聞こえてリンドウは声の方を見る。そこには年若い青年が立っていた。とは言え、二十歳は過ぎてるだろう。
「俺はククイ。ポケモンスクールの新人教師さ!」
これが…ククイ博士とリンドウのファーストコンタクトであった。
リンドウ、ククイ博士は勿論、霊長類最強女子と後の珍獣ハンターと出会ったのだった。
公式CMキャラ及びアニメキャラで活躍を見たい人
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元スカル団、珍獣ハンターのイモト
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ヒロキ、通称あばれる君
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短パン小僧だった、プロ選手のマー君
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霊長類最強女子サオリ先生
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元スカル団のボルト