――夢を見ていた。旅立の時だった。
「リンドウ、ブルー!悪いが、俺は一足先にポケモンを選んだぞ」
もう、10年以上前の事だ。10年以上前、未だリンドウやブルーがサトシ達と同じ年だった時だ。
オーキド研究所にウキウキルンルンな気分でやって来たリンドウとブルーだったが、彼等を待っていたのはフシギダネを抱いたレッドとヒトカゲを抱っこしたグリーン、そして2人を待っていたオーキド博士であった。
「………」
レッドは相変わらずの無言であり、オーキド博士はゴホンっと咳払いを行う。オーキド博士の側にはモンスターボールが2つ置かれており、リンドウの前世からの知識からすれば1つはゼニガメで間違いない。
「リンドウ、ブルー。この2匹はどちらも、ワシが選んだ初心者向けのポケモンだ」
「流石は博士!良し、リンドウ!いっせーのーで、選びましょう!」
ブルーはそう言うと、1つのモンスターボールを選ぶ。いっせーのーでと言いながら、先に取るのだからいっせーのーでなど関係がなかった。
「残り物には福が有るって言うしな」
リンドウはそう言うと、残された1つのモンスターボールを取ろうとする。しかし、リンドウが手にする前にボールは勝手に開き、そのポケモンは飛び出してリンドウの胸元に飛び込んだ。
「イーブイブイブイ!!」
「おわ!?」
咄嗟の事で驚くリンドウであったが、なんとか飛び出してきたポケモン…イーブイを落とさずに抱くことが出来た。
これが…イーブイ、後のリーフィアとリンドウの出会いであったのだ。
「朝か…」
昨日のサプライズを終えて、昨日は早めに就寝したリンドウは目覚めた。
しかし、酔い潰れたブルーの介護やサプライズの小道具等の準備を行った結果…昨日は殆んど寝ていないリンドウは随分と寝てしまったようだ。
ふと、時計をみると…時間は6時半。普段よりも30分も寝過ごしたが、全然問題はない時間だ。
「しかし、良く寝たな。さてと、ポケモン達やブルーの為に朝食を作って………なんだこの臭いは?」
やけに鼻腔を刺激する焦げ臭い臭い、更にリンドウの寝室で共に寝ている筈のリーフィアの姿が無い。良く見ると、寝室の扉が開いており…リーフィアが出た痕跡が有る。だが、当たり前のようにリーフィアはガスコンロを使える訳が無い、だとすると…ガスコンロを使う人物はリンドウを除いて一人しか存在しない。
「まさか…」
恐る恐る、起きた悲劇を大体察したリンドウはベッドから降りて寝室を出る。その足でキッチンに向かうと…キッチンでは半泣きのブルーがフライパンを持って立っていたのだ。
「うぅ…ごめんなさいぃぃ!」
フライパンには焦げ付いた何かが有り、間違いなくブルーは料理しようとして大失敗したのだろう。
「大体の事は理解できた。それで…何を作ろうとしたんだ?」
「卵焼き…卵を焼いたら、大体出来ると思って」
確かに卵焼きは卵を焼く料理だが、焼いたからと言って卵焼きではない。卵を焼いたら目玉焼きやオムレツなど、他の料理も卵焼きと成ってしまうのだ。
いや、話がそれた。ブルーの作った卵焼きは何処から見ても卵焼きは愚か…オムレツでもスクランブルエッグでも、ましてや目玉焼きでも無い。漆黒のダークマターと成ってしまったのだ。
なんと言う事でしょう、ブルーは卵焼きを作ろうとしてダークマターを創造してしまったのだ。恐らく、そのダークマターを食べれば…どんなポケモンの体力も一撃で瀕死まで持っていく事が出来るだろう。それほどの出来であった。
ブルーの足元にはブルーがダークマターを作るのを阻止しようとしていたリーフィアが居ており、彼は阻止できなかった為か…申し訳無さそうな顔をしていた。
「フィ…」
「お前は悪くないさ。所でブルー…料理の経験は?」
「カップ麺なら」
「ですよねー。分かった、今から適当に作るから…お前はポケモン達のご飯の段取りをしてくれ」
こうして、リンドウ宅の料理当番は必然的にリンドウに成ったのだった。
因みに…リンドウは知っている。ブルー以上に料理が出来ず…ダークマターを通り越してネオ・ダークマターを創世させるシンオウチャンピオンのダメナさんを。
午前8時。
何はともあれ、無事にポケモンスクールに到着したリンドウとブルー。2人は職員室に荷物を置いた後、その足で教室にやって来た。
だが、そこにはリンドウの生徒達の他に浮遊する赤い何かが浮いていたのだ。一見するとポケモンのようだが、事実その様だ。
「「アローラ!」」
「「「先生!ブルーお姉さんアローラ!」」」
『アローラ!僕はロトム図鑑!元ホウエンチャンピオン リンドウ!それに、ポケモントレーナー ブルー!ヨロトしく!』
そう、この赤い浮遊する図鑑はロトム図鑑。最新式のポケモン図鑑に、ゴースト・電気タイプのポケモン ロトムを入れる事で完成する最新式の図鑑なのだ。
ロトム自身が内蔵された知識と共に学習していく最新型図鑑であり、今後は一般家的に普及すると言われている。
「おっ!?喋った!?」
「ロトム図鑑か…これは珍しいな。今はスマホのアプリがポケモン図鑑に成る時代だが、これはアリだな」
そう、今はスマホが図鑑に成る時代なのだ。リンドウもブルーもスマホのアプリを図鑑として使っているが、ロトム図鑑のように自立して動く図鑑もありだろう。
「そうだ…それじゃあ、今日の授業はフィールドワークにするか!
アローラには面白いポケモンが沢山だ。サトシ、このアローラでの初ゲット、頑張れよ!」
「はい!」
こうして、今日の授業はフィールドワークに決まった。フィールドワークでは実際にポケモンが生息している所に向かい、そこで調査したり学んだり、ポケモンを捕まえてみたりするのだ。
その頃のムコニャ
ロケット団の生残り、ムサシとコジロウそして喋るニャース、ロケット団壊滅後に仲間に成ったソーナンスはポケモンスクールの裏手に有る森を歩いていた。
彼等は主にレッドとピカチュウ様そしてギエピー達の手で、帰る場所だったロケット団を潰されてからは世界をさ迷っているのだ。
そんな彼等は色々あって、このアローラ地方のメレメレ島に流れ着いたのである。
「もう…此処は何処なのよ」
「ニャーも分からないにゃ…もう、お腹がペコペコにゃ」
「全くだよ…」
「ソーナンス!!」
しかも、ムコニャ達はニャースとソーナンス以外のポケモンを、研究所以外で預かりサービスを行っているポケモンマニアのマサキに預けてきた。
「てか、あのポケモンマニアに大事なポケモンを預けて良かったの?」
「アローラに入れば、アローラに従えってね」
すると、木々がガサガサと揺れて…ムコニャの前に着ぐるみのような熊のポケモンが現れた。そのポケモンの名称はキテルグマ、ノーマル・格闘タイプのポケモンである。
「キー!」
その瞬間、ムコニャは運命に出会った。
次回!ロケット団とサトシ達、遭遇する…
リンドウ「カラカラのお母さんを覚えているか?シオンタウンでの…カラカラのお母さんの事だ…お前達は絶対に赦さん…レウス!!ブラストバーン!!」
ブルー「同感ね…蹂躙なさい…カメちゃん!!ハイドロカノン!!」
メガリザードンX「メガフレア!」
メガカメックス「波動砲!!」
ニャース「それ…ニャー達じゃない!ウンギャーー!?」
カラカラのお母さんの件は…子供には刺激が強すぎた
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