ハードボイルド探偵 天羽 奏   作:ナイトメア・ゼロ

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依頼主

シュラウド→???→???

ターゲット

フィーネ→殺害対象→復讐対象→???

???→???→???

敵側

冴子→タブードーパント→???

黒服の男達→マスカレイドドーパント→組織のしたっぱ

探偵側

野原 信之介→野原探偵事務所所長兼私立探偵→仮面ライダースカル

天羽 奏→信之介の養子兼助手

風間 トオル→信之介の幼馴染→風間組組長


B 始まりの夜

黒服の男達の妨害を撃退しながらあたしと信之介さんは、あの女のもとに向かっていた。そしてあの女は妙な機械の中にいた。あたしと信之介さんはゆっくりと近づくと。

 

「帰ってくれないかしら?」

 

と、言った。

 

「私の読書の邪魔をしないでちょうだい」

 

「?読書何言ってるんだよこいつ?」

 

あたしは首を傾げた。

 

「彼女は今、地球(ほし)の本棚に入った。」

 

「本棚って・・・・・・・・信之介さんどういうとなんですか?」

 

「彼女は、この地球の記憶そのものと頭脳が直結してしまったんだ。脳内に地球が抱える全ての知識が『本』という形になって現れてそれを自在に検索することができる。・・・・・・・らしい」

 

・・・・・・・ちょっと待てよ。あたしこの話聞いたことがあるような気がする。そんなのまるで。

 

「が、ガイアメモリみたいだ」

 

「そうだ。地球の記憶を悪用し人間を怪物に変える装置として生まれたのがガイアメモリ。彼女はそれの生産のためだけに利用されているんだ」

 

こういうことだったんだ。あいつが運命の子って呼ばれてる理由はそう言うことだったんだ。

 

「因みに、地球の記憶の力はノイズの位相差障壁を無効化することができる」

 

「えっ?」

 

「奏ちゃんを助けた時もスカルの力で助けただろ?あの時もガイアメモリがノイズを倒したんじゃなくて地球の記憶の力が宿ったガイアメモリだからこそノイズを倒せたんだ。まぁ、その理由もなんでか分かってないけどな」

 

信之介さんはそう言ってスカルメモリを取り出した。

 

(彼女を装置から引き出すことはもう不可能。だけどもし彼女が自分の意思で出るならまだ可能性は残されている。スカルメモリに残されたエネルギーで彼女の世界に接触できれば・・・・・・)

 

「・・・・・・・いけるか?」

 

信之介さんはそう言うと。

 

「奏ちゃん。入口のあたりを見張っててくれ」

 

あたしにそう命令してきた。

 

「えっ?信之介さん。一体何を?」

 

「二度も言わすな」

 

「・・・・・・・・・・わかった」

 

あたしはそう言って入口に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・どういうことなの?」

 

私は混乱していた。こんなことは初めてだったから。

 

「分からない。不可解だわ。調べれば調べるほど・・・・・・・あの女が『ハードボイルド』なる人物像には程遠い・・・・・」

 

私が読書に集中していた時だった。

 

『SKULL』

 

「!?」

 

私の世界に大きなエネルギーが駆け巡った。そして私の前にあの男が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

信之介は、スカルの力で地球の本棚に入ると完全に壊れたスカルメモリを見た。

 

「・・・・・・・スカルメモリ。オラはお前の力をずっと憎んでいた。・・・・・・・・・だけど最後に・・・・・・・礼を言うぜ。ありがとう。スカル」

 

信之介がそう言うとスカルメモリは消滅してしまった。

 

信之介は彼女のもとに向かうと。

 

「・・・・・あの特殊なメモリの力ね。まさかこんな強引な方法で私の本棚に入ってくるなんて・・・・・」

 

彼女も少し驚いていた。

 

「さぁ、行こうか」

 

信之介は、そう言うが彼女は首を振った。

「私は・・・・・・ここにいろって言われた。『恐怖』と言う名の男に」

 

彼女がそう言うと少し震えていた。信之介ゆっくり歩み寄りそして彼女の隣に座った。

 

「なぁ、お前は今まで一つでも自分で決めて何かをしたことがあるのか?」

 

「自分で決める?」

 

彼女は少し考えたがすぐに首を横に振った。

 

「分からない。私は・・・・・何も覚えてないの」

 

「・・・・・・そうか。じゃぁ今日が最初だ」

 

信之介はそう言って立ち上がった。

 

「自分自身の決断でこの暗闇の牢獄を出るんだ。そして自由になったら・・・・・・・・・・お前の罪を数えろ」

 

「・・・・・・私の・・・・・・罪?」

 

『お前の!!お前達が作ったメモリのせいでいったいどれだけの人が泣いたと思ってんだよ!!どれだけの人が悲しんでるのか分かってるのかよ!!』

 

「なんで、なんであの女の言ったことが頭に響くの?」

 

彼女は自分の頭を抑えた。

 

「・・・・・・・名前はなんだ?」

 

「・・・・・・・・マリア。私の名前はマリア。でも、それ以外のことは何も思い出せない」

 

「・・・・・・・そうか。マリア、オラは『アクション仮面』って言うヒーローが大好きなんだ」

 

「?」

 

「昔流行った特撮アニメでオラみたいな偽物のヒーローじゃなくて彼は本物のヒーローだった。彼は・・・・・・自分の決断で全てを解決していたんだ」

 

「・・・・・・・・決断・・・・・・・」

 

その時だった。彼女の目に・・・・・・マリアの目に光が宿った。

 

「人形のような目だったけど・・・・・・・・・女になったな・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パリィィィン!!!

 

何かが割れる音が聞こえた。あたしはそっちを見るとそこにはあの女に肩を貸している信之介さんがいた。

 

「信之介さん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は肩を借りてなんとか歩いていた。

 

「・・・・・・問題はこれからよ。はっきり言うわ。この島から逃亡するのは不可能に近いわよ?」

 

「なんとかするさ。オラの助手もいる」

 

私は顔を上げて彼女を見た。

 

「・・・・・・彼女はあまりに不完全すぎるわ」

 

「確かに奏ちゃんは、半人前だ。だけど奏ちゃんはマリアちゃんが持ってないものを持ってる。オラの大切な愛娘だ。仲良くしろよ」

 

・・・・・・・この男が私にそう言うと彼女は私の腰を持ってそして。「変わります。信之介さん」と言って私に肩を貸してくれた。

 

「・・・・・・あたしはやっぱりお前が大嫌いだ。これからもあたしとお前とは合わないと思う」

 

「・・・・・・」

 

「でも、お前の事情を知らないくせに一方的に言ったことは謝る。ごめん」

 

「・・・・・・・」

 

「あたしは、天羽 奏。名探偵、野原 信之介の娘で助手で一番弟子だ。お前は?」

 

「・・・・・・・・マリア。それ以外は覚えていないわ」

 

「そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(どうするか。もうスカルに変身することはできない。脱出するにはこのトランクケースにあるダブルドライバーをたよるしか道がない。だけどこいつを使うってことはマリアちゃんを戦いに利用することになる。それだとオラのやる事はフィーネ達と同じじゃないのか?)

 

信之介はトランクケースを奏に渡した瞬間だった。

 

ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!

 

「!!!!」

 

「えっ?」

 

信之介は撃たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「信之介・・・・・さん?」

 

あたしは信じられなかった。突然、信之介さんが倒れた。なんで信之介さんは背中から血を流しているんだ?なんで床に血の水たまりができてるんだよ?

 

「し、信之介さん!!信之介さぁん!!!!」

 

あたしは急いで信之介さんの隣に行った。

 

「・・・・・ガッ!い、一瞬判断が鈍った・・・・・・・・・・・オラも探偵としてまだまだ甘かったか」

 

「信之介さん!!喋ったらダメだ。すぐに手当てすればなんとか「奏ちゃん」!?」

 

「この依頼・・・・・・・・・お前が引き継いでくれ」

 

信之介さんはそう言ってあたしに信之介さんのお気に入りの帽子を被せてくれた。

 

「奏・・・・・・・・・あの子を・・・・・・・・マリアを頼んだぞ」

 

「な、何、冗談言ってるんだよ信之介さん!!あたしにはまだ帽子は早いんだろ!?そんな遺言みたいな事言わないでよ!!信之介さん!!」

 

「・・・・・・・似合う女になれ・・・・・・・・か・・・・・な・・・・・・・で」

 

・・・・・・・・うそだ。

 

「し、信之介さん?」

 

うそだうそだ。

 

「あ、ああ」

 

「しんのすけさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の前であの子が泣いてる。私の前であの男が死んだ?私の罪・・・・・・・・・・私の?

 

そうか。これがそうなんだ。人を泣かせると言うのはこう言う事だったんだ。

 

これが・・・・・・私の罪だ!!

 

 

ドガァァァン!!

 

「うわっ!!」

 

「きゃぁ!!」

 

あの男はビルの下に落ちた。私と彼女は・・・・・・奏はただ見ていることしかできなかった。

 

「ふふふっ。死んだのね、スカルの男。安心したわ」

 

「タブートーパント!!」

 

「残るはネズミ一匹!!」

 

タブートーパントは、エネルギーの球を放って来た。私は奏の手を掴んで逃げようとした。だけど。

 

「なっ!!」

 

私たちの前にカラフルな化け物が現れた。こいつらは。

 

「!!ノイズ!!こんな時に!!」

 

「あれは!!くっ!!フィーネの仕業ね」

 

「くそっ!!こっちだマリア!!」

 

今度は奏が私の手を引いてくれた。だけど私達はノイズに包囲されていた。宙にはタブートーパント、周りにはノイズ。最悪の状況だった。

 

「・・・・・・あたしの・・・・・・・・あたしのせいだ。あたしが最初に信之介さんとの約束を守っていればこんな事には」

 

奏が泣いてる中私はトランクケースを持ち直して開いた。それに気づいた奏は私を見た。

 

「・・・・・・・・ねぇ、奏。あなたはさっき私を『悪魔』ってののしったわよね?」

 

「・・・・・・・こんな時になんだよ?ノイズに囲まれてるしドーパントまでいるし・・・・・・そうだよ。お前さえ・・・・お前さえいなければ信之介さんは死ななかった!!」

 

「奇遇ね。私もあなたがあの男の言うことを聞いていればあの男は死ななかったと思ってるわ」

 

私がそう言うと奏は、歯ぎしりをした。私にそんなこと言えるのだからまだ闘志は残ってるようね。

 

「殴り合いでも口喧嘩でも後でいくらでも付き合ってあげるわ。でも今は生き延びなきゃいけないでしょ?」

 

「ぐっ」

 

「そこであなたに提案があるわ」

 

「提案?」

 

「あなたは悪魔と相乗りする勇気、あるかしら?」

 

私はそう言ってガイアメモリとドライバーを見せた。奏がガイアメモリを取ると私もガイアメモリを取った。そしてドライバーを奏の腰につけた。

 

「いくわよ奏!!」

 

「うっ・・・・・・・・・うあああああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『CYCLONE』/『JOKER』

 

私と奏は、一つになった。















ビルの1番下。そこで信之介は、目を覚ました。

「オラはどうなったっけ」

信之介はそう言って目を瞑ると撃たれたことを思い出した。

「そうだった」

信之介はそう言って奏の前では我慢していた葉巻を取り出し口に咥えた。

「よぉ。信之介」

呼ばれた方を見るとそこには血まみれで義手である右腕がもげた風間組組長、風間 トオルがいた。

「風間君」

「あんなところから落ちて来たのに生きてるってお前の生命力は凄いな」

「それほどでも」

信之介はライターで葉巻に火をつけ煙を吸って吐いた。

「動けるか?」

「無理だ。下半身の感覚がない。痛みも感じなくなってる。オラはもうすぐ死ぬんだな」

「俺もだ。血を流しすぎた。すっごく寒いんだよ。幹部たちも全滅した。俺ももうすぐ死ぬ。ハハッ。風間組も解散だな」

2人がそう話していると信之介は胸ポケットから1枚の写真を取り出した。

「それは?」

「奏との写真だ」

信之介がそう言うと加えていた葉巻を落とした。

「娘の方は大丈夫なのか?」

「大丈夫だ。奏にはオラからの最後のプレゼントを贈った。マリアっていうオラにはなかった大切な相棒という存在を奏に贈った。きっと大丈夫だ。オラは何も心配していない」

「そうか・・・・・・・それは・・・・・・よか・・・・っ・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・ひまわり」

「そうか。迎えに来たのか。奏。愛し・・・・てる・・・・・ぞ」
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