あたしは、信之介さんと家で対戦ゲームをしていた。あたしはネネさんの事件以来信之介さんにガイアメモリをねだるようなことをしなくなった。だけどあたしは信之介さんからガイアメモリについて詳しく聞いてないしそもそもガイアメモリは一体なんなのかも知らない。だからあたしは思い切って信之介さんにガイアメモリってなんなのか聞こうと思った。
「信之介さん」
「どうした奏ちゃん」
「ネネさんの事件の時から聞きたかったんだけどガイアメモリってなんなんだ?あれはノイズを殺すことができる力じゃないのか?」
あたしがそう聞くと信之介さんが少し悩むとゲームを中断してあたしの方に向いて信之介さんのスカルメモリをあたしの前に出した。
「ガイアメモリは、その名の通りだ。「Gaia」は、地球「Memory」は、記録という意味をもっている。オラも詳しくは分からないけど聞けば地球に記憶された現象・事象を再現するプログラムがこの中に封じ込められているんだ。これを「生体コネクタ」っていうメモリの挿入口を模した黒い模様に挿すとメモリに内包された「地球の記憶」を注入することで、生物をドーパント・・・・・・・奏ちゃんが見た化け物に姿を変えてしまうんだ」
「でも信之介さんもガイアメモリを使ってるけどあんな化け物に変身してないじゃないですか」
「オラは、ロストドライバーっていうベルトで変身してるんだ。だからオラはドーパントとはまた違った存在、仮面ライダーに変身するんだ」
「仮面ライダー?」
「そう。仮面ライダーだ。まぁ、オラが勝手に名付けてるだけだけど」
「じゃぁ、あたしもそのロストドライバーを使えば「ガイアメモリを舐めるなよ?」えっ?」
「オラはロストドライバーのおかげでなんとかなっているだけだ。いくらベルトをつけても普通の人間がガイアメモリを使った場合、その力の強さに負けて地球の記憶に飲み込まれたり毒素に精神と肉体を蝕まれたりして、暴走したり依存症になったりするケースもあるんだぞ」
「!!なんですかそれ!?じゃぁ、ガイアメモリって麻薬なんですか!?」
あたしがそうきくと信之介さんは首を縦に振った。
「ガイアメモリは、生体コネクタ手術をして初めて効力が発揮する。もしこの手術しないで使用したらどうなるかはオラでも分からない。でも相当ヤバイことになると予想できる。しかも各メモリには使用者との相性があるんだ。入っている記憶に使用者の性質や願望などが近ければ近いほどメモリの力を強く引き出せる。でもオラの経験では中には相性が良すぎてメモリの力を過剰に引き出してしまう「過剰適合者」と言うものも存在しているんだぞ」
信之介さんの説明を聞いたあたしは背筋が凍った。あたしの願望に近いガイアメモリと出会ってもしそれを使ったらあたしは・・・・。
「すいませーん」
「ん?依頼人か?」
事務所に依頼人が来た。あたしと信之介さんは、ゲームをやめて依頼人会いに行った。
「浮気調査ですか?」
依頼人からの話をメモしている信之介さんと今回の依頼人は、専業主婦の東 花子(あずま はなこ)さんにコーヒーを置いた。
「はい。この頃主人の帰りが遅く出張も多く・・・・・その夜の行為も最近相手にしてくれないので少し怪しくなって・・・・・・」
「それで主人の東 和樹(あずま かずき)さんが怪しくなって調査し報告してほしいということですね」
「・・・・・・はい。もちろん私は主人を信じています。主人は浮気をするような人じゃないと。・・・・・・・・・・でも不安になってしまって・・・・・」
「分かりました。その依頼、お受けいたしましょう。まず前金として30万お願いします。成功報酬としては50万を。また失敗した時は前金をご返却致します」
信之介さんがそう説明するとあたしは書類とペンを花子さんの前に置いた。
「こちらは同意書です。サインをお願いします」
花子さんはサインをするとそのまま事務所を出て行った。
翌日。花子さんは代金を振り込んだことを確認した信之介さんは、白いスーツを着直し白い帽子を被った。あたしも動きやすい服装に着替えると信之介さんについて行った。
「あれが浮気をしているクソ野郎だな」
花子さんが東 和樹を見送った後あたしは信之介さんのバイク「スカルボイルダー」の後ろに乗って東 和樹の後を追った。
「東 和樹、50歳。職業は普通のサラリーマンか」
「そしてあれが浮気相手の女か」
あたしはそう言って信之介さんの隣に隠れて出張のフリをして浮気相手と一緒にいる東 和樹を覗いていた。
「それにしてもいい年したおっさんが浮気なんて情けない」
信之介さんがそう言うとあたしはジト目で信之介さんを見た。
「な、なんだよ奏ちゃん」
「・・・・・・・信之介さんが東 和樹を尾行中に何回ナンパしてたと思う?あたしが数え間違ってなかったら10回はしてたよな?」
「・・・・・・・・あれは隠れ蓑のために」
「何人か本気になってましたけど?」
「・・・・・・・」
「それにあたしは何回信之介さんの耳を引っ張って連れて着ましたか?」
「すいませんでした」
信之介さんはこう言う反面教師なところもあるけどこの人にあたしは命を救われたんだと思いながら尾行を続けた。あたし達は様々な浮気の証拠を写真に収めながら追跡した。そして夜の22時。東 和樹と浮気相手はラブホテルに入っていった。そこも写真に収めるとあたし達はアンパンと牛乳を食べながら出てくるのを待った。
「暇だなぁ」
「我慢しろ奏ちゃん。探偵に必要なものは根気だ。どんな仕事でもイベントでも我慢はつきものだぞ」
信之介さんがそう言ったその時だった。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!」
「えっ?」
「ブッ!」
突然の悲鳴にあたしは驚き信之介さんは牛乳を吹き出した。
「な、なんだ!?」
「突入するぞ奏ちゃん!!」
走りだした信之介さんを追うようにあたしも走った。途中ラブホテルのスタッフに何か言われたけどあたし達は無視して走った。すると人だかりができてる扉があった。
「どいてください!!」
信之介さんは扉の前に行き扉を蹴破って中に入った。するとそこにはベランダに裸で返り血を見て震えながら座り込んでいる浮気女と裸で口から血を流している東 和樹がいた。
信之介さんは、上着を羽織らせるとすぐに東 和樹の脈を測った。
「!!死んでる」
東 和樹は死んでいた。