小山 むさえ(55歳)→フリーのカメラマン→護衛対象
ターゲット
セプレンヌ・C・数馬(28歳)→ある高校の修学旅行での同業者→犯人?
探偵側
野原 信之介→野原探偵事務所所長兼私立探偵→仮面ライダースカル
天羽 奏→信之介の養子兼助手
信之介さんは、セプレンヌ・C・数馬という男を詳しく調査し始めた。信之介さんは、むさえさんにしばらくこの事務所から出ないように言うと信之介さんは一人で事務所を出た。あたしはセプレンヌ・C・数馬という男がここに来たらむさえさんを守るように言われて事務所に待機していた。信之介さんは数日かけてセプレンヌ・C・数馬のことを調べた。しかしこの男は名探偵の信之介さんをかなり混乱させていたんだ。信之介さんが調査したところによるとこの男は特に怪しい行動はしておらず仕事も現場の行き帰りを続けているだけだった。
信之介さんは、盗聴魔としての方向で調査をしなおしたけど他の仕事仲間や同じ現場に居合わせたカメラマンに盗聴器を仕掛けるようなそぶりもなくまたカメラをすり替えるような行動もしていなかった。信之介さんはセプレンヌ・C・数馬が住んでいるアパートに友人として入った時も盗聴器は無く数台のカメラも調べても盗聴器は発見できなかった。ドーパントの可能性も考えガイアメモリを探したけどどこにもなくより謎に包まれていった。
「うーん。調べても怪しそうなところはなかったしイタズラだとしたらむさえちゃんのカメラに仕込まれていた盗聴器が説明できないし・・・・・・・・犯人は一体誰なんだ?むさえちゃんの何を黙っていてほしいんだ?」
信之介さんはそう言って信之介さんの大好物のチョコビを食べながらホワイトボードに貼ってある写真や行動の流れとにらめっこして考えていた。信之介さんは、難しい依頼が来るとチョコビを食べて糖分を摂取して頭を働かせているんだ。あたしとむさえさんは、信之介さんが作ってくれたサンドイッチを食べていたけどここのところ信之介さんはコーヒーとチョコビしか食べてないからあたしはかなり心配していた。
「・・・・・むさえさん。なにか他に心当たりないんですか?」
あたしがそう聞くとむさえさんも頭を悩ませた。
「そう言われても心当たりないしそもそもなんなの?写真を燃やさなかったら殺すって。しかもストーカーって。本当訳わかんない」
むさえさんがそう言うと信之介さんは、テーブルに置いてある写真をもう一度見始めた。
「どれもこれも普通にいい写真だし犯人につながるようなものなんて何一つなさそうだしどうなっているんだ?」
信之介さんはそういってコーヒーを飲んだ。あたしは何気なく新聞を読んでいた時に嫌な記事を見つけた。
「うわっ。バラバラ殺人事件の犯人がまだ見つかってないって書かれてる」
あたしが何気なくそう言った時だった。信之介さんは、凄い勢いでこっちを見た。
「・・・今なんて言った?」
「ん?」
「?どうしたんだ信之介さん」
「いや、今バラバラ殺人事件とか犯人とか言わなかった?」
信之介さんがあたしにそう聞いてきた。あたしは頷くとすぐに写真を見だした。そして一枚の写真を見ると。
「・・・・・・間違えた」
って言った。
「間違えた?どう言うことだよ信之介」
「オラはてっきりセプレンヌ・C・数馬が犯人だと思ったけど違ったんだ。今回のストーカー事件の犯人。それはこのバラバラ殺人事件の犯人だ!!」
あたしとむさえさんは驚いた。むさえさんは腰を抜かして震えていた。
「な、なんでそいつが犯人だって分かるんだ?」
「簡単だ。多分この写真だろ」
それはむさえさんが仕事で撮った修学旅行のクラス写真だった。その写真をあたし達に見せてきた。
「この写真がどうしたんだよ?」
むさえさんがそう聞くと。
「分からないのか?この写真の違和感に」
と、信之介さんが言った。あたしももう一度写真を見たけど分からなかった。特におかしいところなんてない普通の写真だった。
「オラも分からなかったけど今分かった。犯人はまだ分からないけどこの写真に写っている誰かが犯人だ」
それを聞いてあたし達は、驚いた。
「ヒントはこの写真の背景だ」
信之介さんは、4枚の写真を並べた。そして右端の写真を指差すと言った。
「この写真。やたらと多くないか?カラスが」
「カラスが?そんなこともあるでしょ?カラスが多いなんて別に珍しく「奏ちゃん」・・・?」
「カラスの集まる理由ってなんだと思う?」
「そ、それは確か生ゴミを食べる為とか・・・・・・あっ!!」
あたしは気づいた。そう考えれば確かにこの写真はおかしかった。
「?なに?どういうこと?」
むさえさんはあたし達に聞いてきた。
「カラスは生ゴミや動物の死体を食べる習性がある。またカラスは、夜に集団で眠る習性があって一度どこかに集まってから巣に戻るらしい。この写真は午後1時に撮ったもの。それを考えたら朝の方で考えたら遅いし夜の方では早すぎる。この写真に写っている大量のカラスはもしかしたらここら辺周辺にカラスが大量に集まるほどの生ゴミがあったか或いはなにかの死体があったかだ。そしてそのバラバラ殺人事件の現場は偶然にも写真が写っている場所だったんだ」
信之介さんは、そう言ってあたし達を見た。
「・・・・・偶然にしてはできすぎてないか?」
信之介さんはそう言うとすぐにその写真を持って事務所から出た。そして1時間で帰ってきた。信之介さんは「後は警察の仕事だから警察が真犯人を逮捕するまで待っていよう」って言った。
そして3日後。テレビで4人の生徒がバラバラ殺人事件の犯人として逮捕された。殺害した犯人のリーダーは、直江 純(なおえ じゅん)17歳。そして取り巻きの石川 大輝(いしかわ だいき)17歳、高雄 竜太(たかお りゅうた)17歳、如月 晃(きさらぎ あきら)17歳だった。4人の顔と出身高校がモザイクで隠されて報道されていた。もともと4人は犯行は行なっていなかったが修学旅行でも隠れてある1人の男子生徒をいじめ続け自殺に追い込んだ。そしてその現場を見た4人は怖くなりノコギリで体をバラバラにして修学旅行クラス写真で撮った山の中に死体をあちこちに隠したらしい。そしてその写真をむさえさんが撮っていたこととカラスの習性を知り慌てて行動を起こした様だ。
4人は脅迫罪と死体損壊・遺棄罪で捕まったことでむさえさんのストーカー事件は解決した。夜は事件解決パーティーが行われて信之介さんの得意な中華料理だどんどん出てきた。むさえさんは、楽しそうにビールを飲んでいてあたしはオレンジジュースを飲んでいた。信之介さんもむさえさんと一緒にビールを飲んでいた。そしてあたしは眠くなると先に寝室に行って眠った。
午前3時。あたしは喉が渇いたから水を飲みに行こうとした。すると信之介さん達がまだむさえさんと飲んでいた。そしてあたしはこっそりと盗み聞きした時だった。あたしは信じられないことを聞いた。
「信之介。たまには姉ちゃんと義兄さんに会いに行ったらどうだ?」
「無理だ。オラはすでに絶縁されてるんだ。今更会えない」
「確かに姉ちゃんは信之介を恨んでるけど仕方なかったんだろ?ひまわりのことだってあれは事故だったんだろ?」
「違う。あれはオラが殺したんだ。ひまわりを殺したのはオラだ。だからオラはひまわりの仇を取るために探偵になった」
「・・・・・・・義兄さんはそんなの望んでない。義兄さんは、信之介が幸せに暮らせるように大学に入らせたんだ。今も義兄さんは信之介のことを気にしてるし・・・・・それに・・・・・」
あたしは寝室に戻った。信じられなかった。あたしは信之介さんに妹のひまわりさんのことを聞いていた。ある事件に巻き込まれて死んだって。けどひまわりさんを殺したのは信之介さんだった?そして仇を取る?それって復讐ってことか?あの時の信之介さんはあたしの知っている信之介さんじゃなかった。
「・・・・・・・復讐をしても家族は帰ってこないぞ?・・・・フザケンナよ。信之介さんだって復讐しようとしてるんじゃないか。だったらあたしだってノイズどもに復讐してもいいじゃねぇか」
あたしは泣きながらそう言った。
この時あたしは少し信之介さんを信じられなくなった。だけどこの暗い感情があの悲劇を起こすなんてあたしは夢にも思っていなかった。