転生者を騙す転生者の物語   作:立井須 カンナ

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フォワード陣の初任務 その4

ジェイクの言っていたバリケードの隙間を通り、その先に有った階段から地下へと突入した俺達は早速待ち伏せしていた敵からの砲撃に晒された。

しかし……

 

「スバル!」

「分かってる!」

 

俺が呼びかけるよりも前から動いていたスバルが張った障壁により、放たれた複数の砲撃は全て弾かれた。

1階とは違い、ここには遮蔽物も多くない。恐らくは食糧等の保管庫だったのだろう、空の箱や袋がちらほら見える。

 

そして眼前には先程砲撃を撃って来た残党が5人……隠れている者の気配は無いし、恐らくこれで全員だろうか。

砲撃の威力や術式の構築の甘さを見るに、やはり実力は低いのだろう。表情は既に強張り、手に持った杖の先も震えているのが分かる。これなら……

 

「エリオとキャロは右を、スバルは左!」

「「はいっ!」」

「任せて!」

 

俺以外の3人を突っ込ませ、両手に握るクロスミラージュを構える。

俺の役割は全体のサポートと制圧。数では僅かに劣ってはいるが、実力差を考えれば余裕で勝てるだろう。

 

 

 

……なんて事を考えている間に戦闘は終わった。

 

いや、ホント思ってた以上に弱かったと言うか、呆気なかった。

距離を詰めたスバルが放った拳撃で一人墜ち、更にその流れで放ったディバインバスターでもう一人墜ちた。

その間にエリオは既に持ち前の高速戦闘で二人墜としており、呆然とする最後の一人に俺の放ったシュートバレットが命中……それぞれ一撃で戦闘時間は10秒未満。

 

「……えっと……? え、終わり?」

 

唖然とするスバルの気持ちも尤もだ。エリオとキャロもあまりの呆気なさに「まだ何かある筈」と警戒を解けていない。

 

「あたしはちょっとこの部屋を調べるわ。スバルも手伝って。

 エリオとキャロは、そいつらをこのロープで縛って置いてくれる?」

「「はい!」」

 

そう言って落ちていたロープを手渡すと、二人は元気な返事をして早速残党の拘束にはいった。

 

「調べるって、何を調べるの? ティア。」

「隠し通路よ。さっきの銀髪オッドアイ……ジェイクが言うには、緊急用の脱出口がある可能性が高いって話だし……現に一階のあのバリケードだって、侵入を防ぐ事よりも時間稼ぎ用って感じだったもの。

 今倒した連中も時間稼ぎか、本命の通路から目を背ける為の囮かもしれない。」

「なるほどね、じゃあ念入りに調べなきゃだね。」

「ええ、何もないならそれで良し。その場合は1階の皆の援護に行く予定よ。

 2階の方も気になるしね。」

 

そう言って手分けして部屋を探し始めて一分が経った頃だろうか、スバルが大きな声で呼びかけた。

 

「ティア! あったよ、ここ! 一度壁を剥がした後がある!」

「本当!?」

 

スバルの言う壁を見ると、確かに金属性のパネルが一枚、僅かにひしゃげているように見える。

散乱している空箱を見るに、最初はこの壁も隠されていたようだ。

ひしゃげていた部分にスバルが手をかけて力一杯引っぺがすと、案の定そこには抜け穴があった。

しかもこの抜け穴……恐らくアジトが埋め込まれている断崖に元々あった洞窟を利用したものだろう、かなり奥まで続いているようだ。

 

つまり、さっき倒した残党の役目は……

 

「囮役でありながら、この壁を隠す為にも残されたって訳ね。」

 

そう言って床に転がされた“元”壁を足で小突きつつ縛られている残党に目を遣ると、意識を取り戻していた一人が「チッ」と舌打ちをして顔を逸らす。

どうやら隠していた物がバレても口を開かない辺り、まだ何か隠している事がありそうだ。

 

「この先に逃げた奴は誰? どこに行ったの?」

「はっ、言う訳ねぇだろォ!! 隠していた通路がバレたってのによォッ!!!!」

「うるさっ……!!」

 

こちらの問いかけに、異様に大きな声で答える残党の男。そのあまりの声量に思わず耳を塞ぐスバルだが、そんなちっぽけな嫌がらせの為に声を張った訳はない。当然その目的は……!

 

「アンタ……ッ!!」

「へへっ、俺が残されたのはこの声量も理由だったって訳だ。結構自慢なんだよな、()()()()()()()()()()()()()って評判だったんだぜ?」

 

逃げた仲間に状況を知らせやがった!

 

「くっ……!」

「おぐぉ……ッ!!」

 

苛立ち交じりに威力を高めに設定したシュートバレットで意識を奪い、落ちていた食料を入れていた物らしい袋を頭からかぶせておく。これで多少はあの声も防げるだろうが……

 

「拙いよ、ティア! 今の声が逃げた残党達に届いてたら……!」

「そうね……距離にもよるけど、あまりのんびりもしていられないわ。」

 

もう考える時間も無い。奴らに時間的猶予を与えてしまえば、罠を張るなり逃げるなりされてしまう。

最悪持ち出したと言うロストロギアを使って、イチかバチかの賭けに出るかも知れない。

安定した物だと聞いてはいたが、兵器転用されれば元のロストロギアが何であれ危険極まりないものである事に変わりは無いのだ。

 

どうする? ここはもう、なのはさんの力を借りてでも残党を逃がさない様にするべきじゃないのか……?

いや、だけど戦った限りだと今回の敵はかなり弱い。実力で言えば間違いなくこちらが上だ。今更罠や待ち伏せの一つや二つあったところで問題は無い。寧ろ、この程度の奴等相手になのはさんを頼るって言う方が、頼り癖が付くなどの意味で問題なのでは……?

 

3人は俺の答えを待つように黙ったままこちらを見ている。しかしその眼は何よりも雄弁に語りかけて来た。

 

「……一階にいる4課のジェイクにも念話で知らせて、あたし達だけでも逃げた残党を追いましょう。

 まだ1階の戦闘は終わっていないみたいだけど、終わり次第駆けつけてくれる筈よ。」

 

俺がそう答えを出すと、3人は一度力強く頷きを返す。

……大丈夫、きっと間違った判断では無い筈だ。最善ではないかも知れないが、最悪でもない……この場に於いてはその筈だ。

 

自分にそう言い聞かせ、ジェイクに念話を繋ぐ。

 

≪ジェイク、ティアナよ。≫

≪ティアナか! さっきの大声からして、やっぱり逃走用の通路があったんだな!?≫

≪ええ、あの声がそっちにも届いてたって言うなら、やっぱり逃げた連中にも聞こえていると考えて良さそうね。

 ……あたし達はこのまま残党を追うわ。そっちの戦闘が一段落したら、こっちに何人か送って頂戴。≫

≪ああ! こっちももうすぐ終わるから、それまで耐える事を優先しろ!≫

≪ええ。じゃあ、先に行ってるから。≫

 

最後にそう締めくくり念話を終えると、3人の方を見て告げる。

 

「ふぅ……それじゃ、行くわよ!」

 

最後の正念場の始まりだ。

 

 

 


 

 

 

ティアナからの念話が途切れた。恐らくはもう残党共を追って隠し通路に入ったのだろう。

彼女達に逸早く追いつき、力になる為にもこの戦闘はさっさと終わらせなければ!

 

「背後ががら空きだ!」

 

砲塔の一つから放たれた投網のようなバインドが、4課局員を壁際に追いやっていた残党に被さり動きを封じる。

 

「ジェイク! 助かった!」

 

追い込まれていた局員は直ぐに状況を把握し、動けない残党を魔力弾で気絶させた。

 

「礼は良いから、さっさとこいつ等を黙らせるぞ! 地下に逃走用の通路が見つかった!

 既に数人逃げているらしい!」

「!? わ、分かった!」

 

そう言って局員は再び戦場にかけていった。

俺も後を追おうとして……視界の端に妙な物を捕らえた。

 

「なんだ、アレ……何か違和感があるな……」

 

目に入ったのは床に散乱する無数のコード類だ。それだけならこの部屋内にもいくつか落ちているのだが、そのコードには何か第六感とも言える何かが働いた。

 

「このコード、あの計器から伸びているな。

 こっちのコードはあの端末か……」

 

それぞれのコードは全て片方だけが計器類と繋がっており、その反対側の端子は床に転がっている。

これは戦闘のいざこざで外れたと言うより……

 

――ここに繋げられていた『何か』が無い……!

 

コードの長さや機材の配置から、その『何か』は少なくとも持ち運べない大きさではない事が分かる。

そして戦闘中にそれらしい物を持っている奴はいなかった!

 

持ち出した奴が居るとしたら、そこは……!

 

「……マジかよ、クソッ!!」

 

アイツ等……もう碌にメカニックがいないって状態で、何を作ってやがったんだ!?

 

とにかく、ティアナに念話で知らせねぇと!

そう思い術式を起動しようとしたその瞬間……

 

「っ!? う、おぉ……!!?」

 

地面が大きく揺れた。

 

 

 


 

 

 

残党を追って洞窟に入ると、緩やかな下り坂になっている事が分かった。どうやらこの洞窟は地下に向かって伸びているらしい。そして、光源を確保する為だろうか、ランプが一定の間隔で置かれ、その光の線は奥へと伸びていた。

 

「……このランプを辿れば、追いつけそうね。スバル。」

「うん、ウイングロード!」

 

スバルが叩いた地面から、光の線と平行になるように道が伸びる。普通に歩いても良いとは思うが、地面に罠があるかも知れないし、妙に滑らかな地面の感触から滑る箇所もあると考えられたからだ。

 

「この洞窟……多分、元々は地下水脈か何かだったのね。地面だけじゃなくて壁も滑らかだわ。」

「枯れた地下水脈を利用して、避難経路にしてるって事?」

「ええ、きっとね。」

 

そして水脈が枯れている以上、水が流れて行った出口がこの先に有るのは確実だ。

この緩やかな傾斜を利用すれば、場所によってはわざと地面を滑る事で逃げやすくする工夫もされているかもしれない。

 

待ち伏せ警戒の為にも周囲を観察しながらしばらく進むと、広い空間に出た。恐らくは昔、水が溜まっていた場所だろう。ここは先程までの通路とは違い、傾斜もあまり無いようだ。

 

 

 

「――ッ! 回避!!」

「「「!」」」

 

薄暗い通路の奥で光が瞬いたと思った次の瞬間、ウイングロードを逆走してきた巨大な砲撃が洞窟の天井に当たり、激しい爆発を巻き起こした。

洞窟全体が揺れるほどの衝撃に加え、続く爆風によって地面を転がされた俺達は互いの姿を見失ってしまう。

 

「けほっ……! けほっ……! ……皆、無事!?」

「うん、あたしは平気! エリオとキャロは!?」

「僕達も大丈夫です。」

「でも、今の砲撃……」

 

3人の無事が分かり、一先ずその事には安心できたが……問題はキャロが言ったように、先程の砲撃の威力が他の残党の比ではない事だ。

これほどの魔法が放てる者がいるのであれば、予め注意事項として聞かされているべきだと思うが……

 

その時、俺の頭上から落ちて来た石がクロスミラージュに当たった。

 

「――ッ!」

 

薄暗く岩に囲まれた環境、そしてデバイスから伝わる衝撃に過去の記憶が一瞬過る。

 

「ティアッ!!」

「!?」

 

咄嗟に身を翻し、襲って来た男の攻撃を回避。ゼロ距離で放ったシュートバレットで意識を奪う。

倒れた男を見て、どうやら逃げていた残党の一人らしいと結論付け……ハッとしてスバル達の方を見ると、どうやら彼女達も問題無く残党を返り討ちに出来たらしい。

 

その様子に安心する一方で……

 

――くそ、情けない! こんな時にあの時の記憶が過るなんて!

 

自らの頬を叩き、意識を切り替える事で嫌な記憶に蓋をした時、声が聞こえた。

 

≪ティアナ、俺だ! ジェイクだ!

 気を付けろ、奴等どうやらロストロギアを使ってなんか作ってたみたいだ!≫

≪……なるほどね、そう言う訳。≫

 

魔力で風を起こして土煙を晴らすと、砲撃が放たれたと思しき地点に何らかの装置が発する青白い光が灯っているのが見えた。

大きさは手の平サイズだろうが、そんな小さな光源でも近くにいる人物の姿を照らし出すには十分だった。

 

「チッ、今のを躱すかよ。完全に不意打ちできたと思ったのによォ……」

 

身長は180㎝前後、筋骨隆々のスキンヘッドの男はそうぼやくと、肩に担いだ大砲のような装置のレバーを引く。

 

ブゥゥン……と、小さな振動音が耳に届き、装置が何らかの動作を始めた事を物語る。

 

≪! まさか、もう会ったのか!? 今の揺れがそうなのか!? 全員無事なんだろうな!?≫

≪攻撃されたけど、全員対処して無事よ。そっちの様子はどうなの?≫

≪こっちはもう抵抗しているのも数人だが、捕縛が済んでいない奴や捕縛済みだが暴れる奴もして予想以上に手間がかかってる!

 こっちに負傷者もいるから、あと少しだけ待っててくれ!≫

≪了解。≫

 

ちらりとエリオとキャロに目を遣ると、既に倒した残党達にバインドをかけて拘束しているようだ。近くにはスバルも監視としているし、向こうは問題無いだろう。

あと少しでこっちに増援が来る……なら、今俺がするべき事は時間稼ぎか。

 

「時空管理局、ティアナ・ランスターよ。

 降伏して大人しく捕まるのなら、今の攻撃の事も水に流してあげるけど?」

「降伏? バカ言え、誰がガキ4人相手にそんな真似するかよ。

 こっちにはコイツがあるってのによ。」

 

そう言って男は肩に担いだ大砲のような装置を掲げる。

 

「そんなオモチャで正式に訓練を積んだ局員4人に勝てると思う?

 魔導士を年齢で測るなんて、アンタも大した使い手じゃなさそうだけど?」

「へっ、そんなんで挑発のつもりか? いや、それとも時間稼ぎだったか?」

 

どうやら、こっちの目的はバレていたらしい。ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべ、男は俺に大砲の照準を向ける。

 

「まぁ、俺としちゃどっちでも良いんだ。()()()()()()()()()()()()()()。」

「ッ!」

 

再び放たれた砲撃を横に飛ぶ事で回避する。

流石にあの威力を咄嗟に相殺出来る程、俺の魔力発揮値は高くない。あの砲撃に対して俺が出来るのは回避だけ。そしてさっきの奴の言葉から、あの砲撃にはチャージが必要……ならば!

 

「クロスファイアー、シュート!」

 

チャージの時間は与えない! 増援までの時間稼ぎも考えない! コイツにもう攻撃させない為にも、一気に片を付ける!

 

「おっと……! 随分と派手に撃って来るじゃねぇか……!」

 

男は見るからに重そうな装置を担いでいるにもかかわらず、身軽な動きで魔力弾を躱す。

……ならば!

 

≪Dagger Mode≫

 

魔力弾の制圧射撃と、近接戦闘の合わせ技で一気に決める!

 

「そう言うところがやっぱりガキだな。」

 

距離を詰め、攻撃に移るその瞬間、男は懐から改造銃を取り出してこちらに向けた。

だがあの銃は見た事がある。一回の乱戦でも敵が好んで使用していた、電気で相手を痺れさせるタイプの物だ。殺傷力、弾速共に低く、冷静に対処すれば……

 

「――ッ!??」

 

だが、次の瞬間その改造銃から放たれたのは、無数の光弾だった。

それはまるで散弾銃のように拡散し、壁の様な弾幕となって襲い掛かって来る。

俺はその魔力弾の軌道を確認し、即座に決断する。

 

――回避するしかない。

 

咄嗟に地を蹴り横に飛ぶ。妙に力が籠もり、思ったよりも大きく飛んでしまったが、回避できたのだから問題ない。

直ぐにもう一度接近して……!

 

「……あん? く、くくっ……! 何だてめぇ、ガキだガキだと思ってたが……そこまでとはな!!」

「な、何が可笑しいのよ!」

 

不意打ちで一度回避させた程度で図に乗るんじゃ……!

 

「だってよぉ……ヒヒッ! 脚ィガックガクじゃねぇか!! ッハッハッハッハ!!!」

「……は?」

 

言われて気付く。気付いてしまう。俺の脚が……()()が震えている事に。

 

「――ッ!!」

「怖えんだったら大人しく家に帰ってりゃ良いのによ! こんなとこまで追って来て、ビビり散らしてたら世話ねぇよなぁ!」

「ち、違う……! これは……」

 

そして思い出す。さっきの俺の判断……回避の判断を決定づけた要素。俺は潜り抜ける隙間が無いから回避を選んだ……そう思っていたが、そうじゃなかった事に気付く。

散弾の一つが俺の左脚に向かっていたからだ。判断が早い筈だ。あの時俺は、迎撃を考えずに反射的に回避を選んだのだ。……恐怖から逃げたが為の判断だったのだ。

 

「違わねぇよ、お前は見たところこう言う実戦は初めてだろォ?

 向けられる敵意に慣れてねぇんだ。いざ本気で自分が害されると分かった時の新兵って奴は、案外脆いんだぜ?」

「違う! あたしは、アンタ程度の奴に……」

「へへっ、じゃあもう一度受けてみるか?」

 

そう言って奴は再び改造銃を俺に向けた。

 

 

 


 

 

 

「――ああああああああっっ!!!」

 

エリオとキャロが気絶させた残党達を縛り終える間、二人の身を守る為にそばで見張っていた俺は、唐突にそんな絶叫を聞いた。

 

「ティア!?」

 

ティアは確か、離れた場所で敵のリーダーと戦っていた筈だ。リーダーとは言っても、あの連中の中で一番マシ程度の実力の筈。

拘束中に流れ弾がなるべく来ない様に距離は取ったけど、それだってアイツの実力がティアナには遠く及ばない事を分かったうえでの判断だった。

そんな相手にティアナがここまで取り乱すなんて……何かがあったに違いない!

 

「エリオ、キャロ、後は任せられる?」

「うん、スバルさんは早くティアナさんの所へ!」

「私達は大丈夫ですから!」

「ありがと! 直ぐに戻るから!」

 

そしてティアナの下に駆けつけた俺が見たのは……

 

「あああああぁぁぁぁっ!!」

 

大量に打ち出される散弾に対し、過剰とも言える量の魔力を込めた魔力弾を乱射するティアナの姿だった。

 

「ティアッ! 駄目だ、そんなに魔力をつぎ込んだら……!」

 

そう呼びかけるも、半狂乱状態のティアナにはこちらの声が聞こえていないらしく、魔力弾の乱射を止める気配が無い。

 

――まさか、トラウマのフラッシュバック!?

 

可能性はある。あんな数の散弾だ、相手がティアナのトラウマを知らなかったとしても、偶々魔力弾の一つが左脚を狙う事だってあるだろう。

でも、そうならない為になのはさん達は訓練してきたはず……!

 

――いや、今はそんな事よりも、ティアナを助けないと!

 

そう思い、踏み出そうとする瞬間……残党のリーダーが肩に担いだ装置をティアナに向けるのが見えた。

 

「ッ!!」

 

考える前に体が動くって言うのはこう言うものなんだろうと理解したのは、ティアナに迫る砲撃の前に体を晒した後の事で……

 

「プロテクション!!」

 

俺は迫る砲撃の光に備える事しか出来なかった。




多分こうなる予想をしていた人も居たと思います。
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