ジュエルシードの危険性が原作に比べて全然書けて無い…
と言う事で延長戦です。
―最後のジュエルシードだからね…活躍させてあげないとね
by最後のジュエルシードにポエム構築させた奴
魔法使いが放った
魔法使いが今の砲撃で倒されたなら、ジュエルシードの宿主になっていた女の子は変身が解除された事で落ちて行ってしまうからだ。
だが、俺の眼が女の子の代わりに捉えたものは…
「…
煙の中で瞬いた、一筋の
雷が尾を引くように高速で移動するのはフェイトの飛翔魔法だが、この魔力光は蒼い…なら、この魔法を使ったのは…!
「なのはァッ!! 後ろだァッ!!」
神谷の声!? まさか!
振り向いた先には、既に至近距離まで近づいていた
≪
「レイジングハート…!」
プロテクション越しに感じる大きな衝撃。咄嗟にレイジングハートのプロテクションが間に合ったが…不味い事になったかもしれない。
「はぁ……はぁ……はっはは!…アハハハハハハッ!!」
…響き渡る
「なぁんだ! やっぱりまだ持ってるんじゃない、
本当にしつこい奴だ…そんなしつこい奴が、
「プロテクション!!」
声と同時に俺を包んでいた煙が晴れて行く。そこに居たのは案の定、俺のプロテクションを纏った『魔法使い』だった。
「そう言えば、あの映像にはちょっとだけフェイトちゃんが映ってたんだったね…」
「あの子の魔法のおかげで間一髪、助かったわ。そしてこれからはあなたの魔法が私を守ってくれる…」
「…あなたには、本当に自分の魔法が無いんだね。」
「…そうね、
そう、これが『魔法使い』の
コイツは自分で魔法を創れない。自分で考えて、それを世に生み出す事が出来ない。
…
「わたし、あなたの事を初めて
「…」
「自分の
「…同情しようとでもいう心算? それであなたが負けてくれるって言うの?」
「ううん、負けないよ。あなたは確かにかわいそうな子だけど、その願いを
…とは言っても、どうするかな。さっき防いだ奴の砲撃はディバインバスター…切り札を除けば俺の持つ中で最大の威力を持つ魔法だ。
それを俺のプロテクションが…
…ヒビの入ったプロテクションは砲撃後の煙の中でコッソリと
一見この状況はお互いに同じ状況にも見えるが、実は違う。
俺の魔力はプロテクションを張りなおすたびに少しずつ…本当に少しずつではあるが減っていくのに対して、奴の魔力量は正真正銘の底なしだ。ジュエルシードがそう言うものなのか、女の子の願いがそうさせたのかは分からないが…奴の魔力が減らない以上、このままでは最終的に負けてしまうだろう。
考えられる勝ち筋は一つ…プロテクションを破り、そのまま一撃で奴を倒す事が出来る魔法を…
スターライトブレイカーの構造は、『周囲の魔力を集めて』から『放つ』と言う至ってシンプルなプロセスで成り立っている。…そう、『魔力を集める』工程が必要なのだ。
そして俺がスターライトブレイカーをチャージしだしたら、奴も即座にスターライトブレイカーをコピーしてチャージを開始するだろう。
いくらスターライトブレイカーとは言え、同じスターライトブレイカーをぶつけられたら威力は著しく落ちるはずだ。本来のスターライトブレイカーならプロテクション毎『魔法使い』を呑み込めるだろうが、辛うじて突き抜けた砲撃がプロテクションを穿つとは思えない。
スターライトブレイカーと言う切り札が敵に渡れば、間違いなくこの辺り一帯はスターライトブレイカーが飛び交う地獄と化す。余波でユーノの守りは砕け、神谷も倒されるだろう。封時結界が消失すれば海鳴市だって無事か分からない。…威力が強すぎて使えないなんて、なんて皮肉だろう。
ではどうするか?
一応、一つだけスターライトブレイカーを撃ち込む
…バインドは魔法の構造上コピーされたとしても俺の脅威にはならず、
…
≪…って事なんだけど…レイジングハート、どうすれば良いと思う? 流石にヤバい気がするんだが…≫
≪まぁ、このままじゃジリ貧だろうな…最後に一か八かでSLBに賭ける光景が見えるようだ。≫
≪…因みにその光景で俺は勝ってるか?≫
≪敵に最後のプレゼントを贈っているだけの様に見えるな…≫
≪…どうするかなぁ、ホントに…≫
≪バインドさえかけられれば手が無い訳じゃないんだが、今は厳しいな…≫
≪何か案があるのか?≫
≪少なくともSLBを撃ち込むより遥かにリスクは少ないし、分も良い賭けがある。…ただ…≫
≪ただ?≫
≪アースラ次第だな。つまりだ…≫
≪…なるほど、確かに分の良い賭けだな。ただ、俺自身はそれまで何か出来る訳でもないのが厳しいところだが。≫
≪出来る事と言ったら、まあ倒されないようにするって事だけだな。あとは祈るのみだ。≫
≪アースラ…いや、リンディさんの判断次第だしな。≫
「どうしたの? 威勢ばかりで攻撃してくる気配が無いけど?」
「…」
「気付いているんでしょう? もう既に戦いの優劣はハッキリしたわ。…あなたの魔法でもあなたの護りを貫けなかった以上、あなたも私を倒せない。」
「…」
「そしてあなたと違って、私の魔力が尽きる事はない…あなたの負けよ!」
放たれるディバインバスター。それを俺は避ける事無く受けるが…煙が晴れた時に現れるのは、僅かな傷も付かないプロテクション。…もちろんこっそり張りなおしている。
「…本当に恐ろしい硬さね。あなたが今まで使わなかった訳だわ…」
「…」
今、奴はこちらの出方を窺っている…俺がプロテクションと言う盾を隠していたように、その盾を貫く
「…あなたは多分、このプロテクションを貫く魔法を持っている。それでも撃たないのは、その魔法が私の手に渡るのを恐れているから…でしょ?」
「最初に比べて、凄い慎重になったんだね。」
「あなたのおかげでね。…あなたからは本当に色々な物を貰ったわ。」
本当に色々と与え過ぎたかもしれない。プロテクション一つでも厄介なのに…
「…そう言えば、あなたからは
「っ!」
手と足にバインド…そう言えば最初に!
「その状態でディバインバスターを防ぐ事が出来る?」
こちらに向けられた指に光が灯る。流石にこの状態でディバインバスターを食らう訳には…やむを得ないか。
「はっ!」
魔力を流し込み、即座にバインドを解除する。
「…おかしいわね? 私がその魔法を受けた時はそんなに簡単に破られる魔法じゃ無かったはずだけど…?」
バインドで動きを封じて、必殺の一撃を撃ち込む…俺が今考えていたプランであり、そしてそれは原作でなのはも良く使っていた戦法だ。
本来それは必殺コンボと呼んでも問題ない程有効な手段だが、『魔法使い』の場合は
バインドの解き方は先ず『バインドの式の解析』から始まる。それさえ出来れば実は簡単に外せてしまう為、普通ならば毎回少しずつ『式』を変えるのだ。だが、奴のバインドは全て一律、俺の組んだ『式』のコピー。だから俺には『魔法使い』のバインドが即座に解除できる。
「残念だけど、魔法の解析が出来ればその魔法は『簡単に外せちゃうんだ』。…
コレは半分本当、半分嘘だ。解析が出来れば簡単に外せると言うのは本当だが、そもそも他人が使った魔法の式を戦闘中に解析する事自体が相当な難易度だ。
…だが、敢えてこう言っておく事で奴のバインドに対する信用を落としておけば…きっと
「そう…じゃあ私はその魔法を警戒しなくちゃね。折角のプロテクションも張れなくちゃ意味が無いもの。」
…もっとも、代償として警戒心は抱かせてしまったようだ。
「…仕方ないわね。あなたのプロテクションを破れるかどうか、色々試してみるわ。」
「!」
そう言って先ず使ったのは…フェイトの飛翔魔法か。どうやら使い慣れていないようで暫くは速度に振り回されていたが、やがて俺を中心に時計回りに移動するようになった。対して俺は向きを変える事もせず、不動のままプロテクションを維持し続ける。
見た感じ『魔法使い』はフェイト程の速度は出せていないし、回っている円の直径が大きい為視認も容易い。…これでは奇襲も出来そうにないが…?
「先ずはコレでもくらいなさい!」
そんな声が俺の背後で聞こえた直後、途端に視界が賑やかになる。大量のディバインスフィアが一帯を埋め尽くすように現れたのだ。
「ディバインシューター…一体どれだけ…」
「合計132個のディバインシューター…味わいなさい!」
一気に俺に殺到する大量の光弾。当然同時に当たるのは4、5個と言ったところだが、これだけの数を受け続けるとなると流石に不安になってくるな…!
数秒後…やはり何事も無かったように存在し続けるプロテクションに対して、今度は炎や雷を帯びた魔力弾をマシンガンの様に撃ち続け、それが終われば魔力で作られた剣、魔力を纏った徒手空拳、フェイトの魔法で速度を付けてプロテクション同士での正面衝突…一向に傷も付かないプロテクションに対して心も折れず、今の自分が持つ可能性をあれやこれやと試し続ける姿勢には感銘すら受ける。
…寧ろ俺の方が心折られそうだ。これからこの硬さのプロテクション破らないといけないんだぜ? 俺。
…しかし
『なのはちゃん! 大丈夫!?』
「リンディさん!」
攻撃をひたすら耐え続ける俺にアースラからの通信が入る。
『今、そちらに救援が一人向かったわ! なのはちゃんが辛いようなら交代にあなたをアースラに退避させてあげられるけれど…』
「大丈夫です、このままで! それと、救援に来れる子ってもしかして…」
『ええ、
「…バルディッシュ」
≪Yes, sir≫
轟いたのは聞き慣れた雷鳴。辛うじて見えたのは、高速で動く『魔法使い』にあっさりと追い付き、
「…お待たせ。」
攻撃はプロテクションで防がれたが、『魔法使い』が怯んだ隙を突いて即座に俺の隣に並び立つ救援。
「待ち合わせ、ちょっと遅刻したでしょ? フェイトちゃん。」
「…ゴメン。」
少し気まずそうに目線を逸らした魔導士、フェイト・テスタロッサが参戦した。
今回内容が伝わりにくくなってそうなので捕捉。
Q.何故なのはがディバインバスターを受けるたびに新しくプロテクションを張りなおすのか。
A.プロテクションの防御力を過大評価させることで、なのはの攻撃を回避すると言う選択肢を選びにくくしようと言う魂胆です。
Q.何で魔法使いは最初からフェイトの魔法を使わなかったのか。
A.速過ぎて制御できていないからです。現状も同じ動きを続ける事は出来るが臨機応変な軌道制御は出来ていないです。
Q.なのはのプロテクションが固い理由は魔力が高いからだけど、魔法使いのプロテクションの強度も同じなのか。
A.同じです。お互いに魔法の出力の上限値に達しているので、双方ともカンストですね。
他に伝わっていない部分があれば感想欄で答えます。
最近少し時間が取りにくく、文章が雑になっていないか不安…後で伝わりやすいように修正しなくては…