転生者を騙す転生者の物語   作:立井須 カンナ

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今回は割と勢いで書いちゃったところはありますが、プロットは守っているのでセーフ…!

本来は2分割した方が読みやすくはなると思うのですが、あまり時間が取れず粗削りな出来になってしまっているかも…読み難かったら直します!<(_ _)>


疑惑の騎士甲冑

「…と、言う訳で…今度こそ皆一緒にお出かけや!」

 

お昼ご飯の冷やし中華を食べ終わり、いよいよもって騎士甲冑の為の資料探しだ。

一応自分で考えると言う事も出来るんだけど、正直私はそう言ったおしゃれのセンスに自信が無いので原作に合わせようと決めていた。

騎士甲冑に関しては原作のデザインもバッチリ覚えているし、何も見なくても再現は可能だとは思うし…それに本音を言えば折角のお出かけの機会なんだし、一緒にお出かけがしたいと言う思いが強いんだよね。

 

「でもヴィータちゃんの言う『監視者』も気になるわ。聞いた感じだとこの家までついて来たって話だし、誰か一人は番をしていた方が…」

「…シャマルの言う通りです。我々守護騎士の内、最低でも一人…集団戦を想定するのであれば二人は残しておきたいところです。」

 

シグナムとシャマルが言う事はなにもおかしな事ではない。確かに家までついて来られてしまった以上、この家を空ける事に一抹の不安はある。

…やっぱり全員でお出かけはしばらくお預けかなぁ…

 

「…であれば私が残ろう。」

「…ザフィーラ、お前一人でか?」

「先程の外出で奴らの魔力と気配は覚えたし、狼としての嗅覚もある。

 適任は私だろう。」

「…お前さっきの買い物帰りに近所の子供に囲まれて撫で回されたの気にしてるんだろ。」

「ヴィータァ!」

「…………ふふっ

「シグナム!?」

 

あぁ…あれは悲しい事件だったね…

無邪気に走ってきた子供達にあっと言う間に囲まれて「ワンちゃんだー!」「大っきー!」と前身を撫で回されて、でも無邪気な子供相手に強く言う訳にもいかず…

やがて満足した子供達が嵐のように走り去った後の≪主、ヴィータ…私は狼だ。誰が何と言おうと、狼なんだ…≫と言う思念通話に込められた哀愁はそれはもう深いものだった。

 

その後の話し合いで結局ザフィーラと美香さんは残る事になってしまい、外出はそれ以外の三人と一緒にと言う事になったのだった。

 

 

 

…まぁ、そんな事がありましたが…

 

やって来ました『といざるす』! 原作においてもはやてが騎士()のデザインを考える際に立ち寄ったおもちゃ専門店だ。

 

「とりあえずここで参考になるもんでも見つかるとええねんけどな~」

 

実際にはやてが何を参考にしてあの騎士服をデザインしたのかは分からないけど、一通り見て回れば元になったものも見つかるだろう。たとえ見つからなかったとしても店の何処かにはあるんだから見かけたという事にすれば問題無いはずだ。

 

…そう思いつつ店を見て回る事数分後、見つけました。いや、()()()()()()()()()()

 

「騎士甲冑のデザインを考えるなら間違いなくこの店には来る。特にこの棚は間違いなく通るはず…」

「って言ってもよぉ、それが今日かどうかは分からないだろ?」

「だが話題に出たのなら近いうちに見に来る可能性は高いよなぁ…」

 

…いや、何やってんねんあいつら(銀髪オッドアイ)

 

…いぃっ!?

 

小さく上がった悲鳴の方向を見ると、目を見開き口を両手で抑えるヴィータの姿が…

何があったのかは分からないけど、原因は間違いなく彼等と見て間違いなさそうだ。

よく見ればシグナムとシャマルの様子もおかしい。シグナムは待機状態のレヴァンティンに手を添えているし、シャマルに至っては既にその指にクラールヴィントが嵌まっている…いや、本当にどうしたの!?

 

≪は、はやて…ここは後回しにして別のところ見て回ろうぜ…なっ?≫

≪うん…ヴィータ顔色悪いけど大丈夫か? 体調が悪いんやったらまた別の日に…≫

≪だ、大丈夫…こんなのなんて事ねぇよ。でも、ここの棚はやめておこうぜ。

 ここ以外ならどこでも良いからさ…≫

≪…うん、分かった。じゃあ向こうの方見て回ろか。シャマル、お願いや。≫

≪は、はい…≫

 

幸か不幸か彼らは今、()()()()を見ていてこちらには気づいていない…シャマルに頼んで車椅子を押してもらい、急いでこの場を離れる事にした。

 

 

 


 

 

 

「ぷはぁっ…! はぁ…はぁ…」

 

あの銀髪オッドアイの連中から距離を取って、漸く自分が息を止めていたことに気付いた。

はやてが心配するほど顔色が悪くなる訳だ。

 

≪シグナム、シャマル…お前らも見たよな? 今の奴等の顔って…≫

 

とにかく今は情報共有だ。シグナムは敵の立ち振る舞いから実力を測る事が得意だし、シャマルはあたしより魔力の感知や観察力に長けている。

あたしの感じた事よりもそっちの方が重要だ。

 

≪確かに()()()()。今も脳裏に焼き付いている奴の顔に…≫

≪えぇ、でも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。≫

≪…もしや、()の子孫か? いや、その割には…≫

 

シグナムの考えている事はなんとなく分かる。それはあたしもザフィーラも既に感じた事だからだ。

 

≪そうね…こう言っては何だけれど、あまり強いとは感じなかったわ。

 ()からはまるで突き刺すような魔力の波動を感じたけれど、彼等は何と言うか…≫

≪…そもそも彼等からは()()()()()()を感じ取れなかった。恐らく実戦経験も数える程度だろう。

 彼等が()の子孫と言うのであれば、竜の子孫が蜥蜴にまで身を堕とした様な物…これでは()も浮かばれんな…≫

≪シグナムの目からしてもあいつ等が実力を隠している気配はなかったか?≫

≪無いな。断言できるが、彼等はそもそもそれが出来る程の魔力コントロール技術は持っていないだろう。

 魔力量こそ人並外れた物を感じるが、立ち振る舞いも隙だらけで素人同然…肝心の使い手があれでは、稀代の名刀も鈍らとなろう。≫

 

その後もシグナムとシャマルがそれぞれ感じた事を挙げていくが、やっぱりあいつ等に対して脅威を感じないと言うのが二人の総評だった。

 

 

 

「なぁなぁシグナム、こういう服に興味とかあらへんか?」

「…すみません、私としてはもう少し落ち着いた物の方が…」

 

当然だが思念通話をしながらも、騎士服のイメージに関する話題ははやてから引っ切りなしに飛んできている。

今もシグナムに『ふりっふりのドレスを着たお嬢様キャラのフィギュア』を見せて、やんわりと拒否されたところだ。

 

「そうか? そんなら、コレとかどうや?」

「…そうですね…悪くないかも知れません。」

「じゃあシグナムの服はこれをベースに考えてみよか~」

 

…はやての手には何かのゲームかアニメのキャラクターだろうか。確かにどことなく『シグナムっぽい服』を纏った女剣士のフィギュアがあった。

なるほど、原作ではこう言うものをベースにしていたらしいな。この感じならあたし達の服もそう変化は無いだろう。

 

 

 

「シャマルとザフィーラの服も決まったし、後はヴィータやな。」

 

二人の分も「あーでもないこーでもない」と迷った結果、『ナース服』『格闘家』のキャラからそれぞれイメージを貰う事になった。後はあたしの分で一先ずは終わりだ。

…しかし、ここは本当におもちゃ屋なのかってくらい色々と揃ってんな。普通子供のおもちゃを扱う店にコスプレ服なんて置くか?

 

「…まぁ、コレやろ。」

 

そう言ってはやてが迷いなく掴んだのもそんな服の一つ…ゴスロリだった。

…いや、間違ってねぇ。原作の騎士服のイメージはここから来たんだなって納得できるところはある。

でももうちょっと迷うとか無かったのかなって…

 

「…まぁ、ソレで良いよ。」

 

…こう言うしか無いんだけどさ。

 

しっかし、何か忘れてる気がすんだよなぁ…ここであたしが何かしておかないと拙いんじゃないかってモヤモヤがずっと付きまとってる。

何だろう…『やっておかないと後々詰む』って感じじゃないんだよな。でもやっておかないと拙いんだよ…んー、なんだっけ?

 

「ほんなら皆の服のイメージも固まったし、そろそろ帰ろか?」

「そうですね、長居は不要です。」

 

シグナムが急かす理由は分かる。この店に銀髪オッドアイ達がいる以上、見つかって面倒な事になる前に立ち去るのがベターだ。

…うーん…まぁ、大丈夫だろ。それほど重要な事でもない気がするし…

 

 

 

…それは、出口に向かう途中の事だった。

ふと銀髪オッドアイ達のいた棚が気になって、通り過ぎ様にちらりと見たのだ。

 

…うわ、あいつ等まだあそこに居たのか。どうりで遭遇しなかったはずだ。

 

あいつ等は最初に見た時と同じ棚の前で話し合っていた。

まぁそのおかげで出会わずに済んだんだし、別にいいか…そう思ったんだ。

だがそうなるとまたひょっこりと好奇心が顔を出す。

 

…あいつ等がずっと見ている商品って何なんだ? って。

 

そこそこ距離もあるし詳しい情報は得られないとは思うけど、こういう店は似たジャンルの商品を纏めて置いている。だから周りの商品で大体どんな商品か予想が付くと思いついた…思いついてしまったからこその好奇心だった。

 

…なんだ? ()()()()()()()()か…あれ? 随分と()()()()()()()()()()()()()()()()に興味がある…ん、だ…な…?

 

そして脳裏にフラッシュバックするあいつ等の会話。

 

『騎士甲冑のデザインを考えるなら間違いなくこの店には来る。()()()()()()()()()()()()()()()…』

 

なんであいつ等にそんな事が分かったんだ…? 『間違いなく通る』ってそんな事原作で細かく描写でもしてないと…

 

…そこで、あたしは思い出した。

ヴィータが興味を惹かれて見つめていた『のろいうさぎのぬいぐるみ』をはやてに買って貰った事を。

…そして、それは『ヴィータの騎士服のイメージに反映される事』を…

 

≪ああああぁぁぁぁああぁぁあぁああ!!≫

≪ぐっ…! 何事だヴィータ!≫

≪ヴィータちゃん!? どうしたの!?≫

 

あいつ等…! よりにもよって()()()()()()()()…!! だから店を探し回らずにずっとあそこで集まって…!!!

 

≪あの卑怯者どもがあぁぁッ!!≫

≪ヴィータ!? あいつ等に何かされたのか!?≫

≪落ち着いて、ヴィータちゃん! 先ずは何があったのか、冷静に…≫

≪あいつ等…! あいつ等!≫

 

許せねぇ…! のろいうさぎが買えるかどうかってのは別に重要じゃねぇ!

あたし自身、あのぬいぐるみにそこまで執着がある訳じゃねぇ!

だが、()()()()()()()()()()()()()()()()のは許せねぇ!!

 

()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!≫

≪…! なるほど、そう言う事だったか! シャマル、急いで帰るぞ!≫

≪え、えぇ!≫

≪離せ、シグナム! あいつ等…目にもの見せてやる!≫

≪冷静になれ、ヴィータ! 今飛び出せば結局奴らの目的の手助けにしかならん!

 それに…お前も私も、()()()()()()()()()()()! 一刻も早く美香殿の元へ戻るぞ!≫

 

…ぐっ、シグナムの言う通りか…! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()、ここは退き下がるしかねぇ…

 

≪…分かった。≫

≪よし、今はそれで良い。…しかし、やはり()()()()()()()…これではこの先が思いやられるな…≫

 

 

 


 

 

 

「さっき何かシグナムとヴィータの様子おかしなかったか?」

「あ、何でもないんですよ。ちょっとヴィータちゃん、気になってる事があったみたいで…」

「…そうか? 何か相談があったら言ってや?」

「えぇ、勿論。」

 

…正直、絶対に何か隠してると思う。車椅子の形状の関係で後ろの様子はあまり伺えず、多少もめている様な気配があっただけなので私も深くは追及できない。

シャマルの事だから私に心配させまいとしての事だとは思うけど、こうして隠されると寂しいものがあるなぁ…

 

「主はやて、申し訳ありません。少し遅れてしまいました…」

「…」

 

直ぐにシグナムとヴィータが追い付いてきたけど、ヴィータの様子は明らかに不機嫌だ。

 

「…何かあったん?」

「…何でも無い。」

「…そうか。…話せる時になったら話してな?」

「…おう。」

 

帰り道、私達の会話は少なかった。

 

 

 

「美香さん、ザフィーラ! 帰ったでー!」

「はやてちゃん、お帰りなさい!」

「主はやて、お疲れ様です。」

「ザフィーラ固いなぁ…こういう時は美香さんみたいに『おかえり』でええんやで?」

「承知しました。」

 

うん、何か凄い疲れた…

でも銀髪オッドアイ達とヴォルケンリッター達ってなんかあったのかな…?

昨日の今日でそんないがみ合う事も無いと思うんだけど…

 

「美香殿、ちょっとこちらに…」

「シグナムさん? はい…」

「シャマル、ザフィーラ、ヴィータも来てくれ。」

「ん? なんかあったん?」

「いえ…少々話し合いがありまして…」

 

…また隠し事。

どう考えても少々どころではなさそうだけど…

 

「…そか。それなら私はイメージ固めておくから、話し終わったら一緒に考えよな?」

「はい、お時間は取らせませんので。」

 

そう言って皆は廊下の角を曲がって見えなくなった。

 

…はぁ、中々打ち解けられてないのかな。

そう思って車椅子を動かそうとしたところで皆が戻ってきた。…ん?

 

「あれ、何か忘れもんしたん?」

「いえ、話し合いが終わっただけですが…」

「早ない!?」

 

ちょっと曲がって戻って来ただけじゃん! 朝の挨拶でももうちょっと時間かけるよ!?

 

「あー…ホント最悪…」

「ヴィータ? 機嫌直ったん?」

「あー…うん、そんなところ。」

「…んー?」

「なんでもねーよ。いや、ホントに。」

 

そういうヴィータの表情は確かに怒っている感じではない。何と言うか、呆れていると言う方が近いかも…?

…いや、あの数秒で何があったのさ!?

 

「そ、それよりもはやてちゃん! 服のデザインを考えましょう!?」

「う、うん…そやな!」

 

何か話しても教えてくれなさそうなので、ここは開き直っておこう!

なんか私よりも美香さんとの方が仲良さそうなのは気になるけど…

 

「あ、そうだ! はやてちゃん、その前に冷蔵庫を開けてみてください!」

「えっ、何か足りひん食材とかあったかな?」

 

美香さんに勧められるままに冷蔵庫を開けると、そこには…

 

「あっ、誕生日ケーキ…!」

「ふふっ、昨日言っていたでしょう? 後で皆で食べましょうね?」

「う、うん! ありがとな、美香さん!」

 

色々あって今日が誕生日だと言う事をすっかり忘れてた…

皆と一緒に過ごせる最初の誕生日、暗い気持ちで過ごすのは勿体ないよね…うん!

 

「よっしゃ! 今日の晩御飯はいつも以上に腕によりをかけるでぇ!

 皆楽しみにしとってや!」

「おー!」

 

…うん、ヴィータもすっかり元通りになったみたいで一安心だよ!

 

 

 

「…よし、こんな感じでええんやな?」

「はい、そのままイメージを続けていてください…」

 

今私達が何をやっているかと言うと、皆の騎士服の授与式みたいなものだ。

既にご飯も済ませ、ケーキも食べて…誕生日のめでたい空気のまま授与式をしようと、つまりはそう言う事なのである。

 

「レヴァンティン!」

Jawohl(了解).≫

 

シグナムが待機状態のレヴァンティンに合図した瞬間、シグナムが炎に包まれるようにして変身(セットアップ)する。

その姿はまさに騎士と言った感じで、アニメで見たシグナムそのものだ。ちょっと気になったのはレヴァンティンって思ってたより刀っぽいんだなぁ…ちゃんと反ってる。

 

「おぉ! 今のカッコえぇなぁ!」

「恐れ入ります。」

「それじゃあ次は…シャマル!」

「はい、お願いしますね。」

 

 

 

 

 

 

「最後はヴィータや!」

「ん。」

「…なんや、反応薄いなぁ。」

「いや、あまりはしゃぐもんじゃないしな。」

「おぉ…下手したらこの中の誰よりもクールやな…いくで!」

「アイゼン!」

Jawohl(了解).≫

 

そして変身(セットアップ)したヴィータの騎士服もちゃんとイメージ通りの出来になった。

ちゃんと()()()()()()()()()()()()()()()

 

「うん、上手く行ったな! 皆ようにおてるで!」

「…え?」

 

鏡を見たヴィータが唖然とした声を出す。…いったいどうしたんだろう。

 

「…どうしたん? もしかして気に入らんかったか…?」

「い、いや…はやて、コレ…」

「まさか…」

「はやてちゃんも…?」

「…むぅ…」

 

え…みんなどうしたの? そんな難しそうな顔して…

 

 

 

 

 

 

「…なるほど、そうやったんかぁ。」

「えぇ、我々の事情ですのでそれで迷惑をかける訳にもいかず…」

 

皆転生者かぁ…全然気づかんかったわぁ…

 

はい、私がうかつにも買ってもいない『のろいうさぎ』をヴィータの騎士服に付けてしまった事で転生者である事がバレました。

 

「なんて言うか…皆も大変やったんやなぁ。」

「そうですね、『闇の書』の影響がここまで大きいとは予想外でした。」

 

先程の曲がり角の一件は『闇の書』からの影響をリセットする為の物だったらしい。そして、聞くところによると『記憶が持つのは長くて1日。ただし、リセット後12時間で精神に影響が及ぶ』という事だった。

 

「正直ちょっと凹んでたんやで…皆折角家族になれた思うたのに色々と隠し事されて…」

「申し訳ありません…」

「いや、もうそんなに堅苦しくする事も無いやろ!? 皆も私も事情は知ってる訳やし…!」

「あ、これは癖のようなものなので…」

 

う、うーん…何百年とシグナムとして生きて今更砕けた口調には出来ないと言う奴かな…

 

「って言うか、はやてはあたし達に抵抗とか無いのか? 『はやてみたいな家族が欲しい』って言って転生した結果、その家族が皆転生者な訳だけど…」

「いや、全然。元々『ヴォルケンリッターと家族になりたい』って願いじゃなかったし、それに同じ境遇の方が何も隠さずに接せられるやろ?

 寧ろ隠しごとが無くなる分嬉しいくらいや。」

「…ふーん。」

 

ヴィータは興味なさげに振舞っているが、ちょっと顔が赤い辺り満更でもなさそうだ。

…なんか皆微妙に性格似てきてない?

 

「…それよりも私、『天使様』を『ヘルパー』にして罰とか当たらへんかの方が心配や。

 もしかして私も『美香様』とか呼んだ方がええんかな?」

「そんな! 今まで通りで居て下さいよ!」

「そ、そうか? ならこれからもよろしくな? 美香さん。」

「ええ! はやてちゃん!」

 

…この人なんか滅茶苦茶可愛いんだけど天使か? 天使だったわ。

 

「…まぁ、とにかくコレで私達の間に隠し事はいらなくなった訳やな!

 後は『闇の書』の事件をどう乗り切るかやけど…それは明日考える事にして、今日は皆で遊ばへんか?」

 

正直隠し事が無くなった嬉しさに頭がいっぱいで全然思いつかない!

それにもう私は自分の誕生日である事を自覚した以上、今日は暗い話題に切り替えたくないのだ。

今日はもう楽しく過ごすって決めたのだ!

 

「あたしは別に良いけど、遊ぶって言っても何で遊ぶんだ?」

「ふっふっふ…実はヴォルケンリッターが家に来たら遊ぼうと思って、色々置いてあるんよ…!」

「おぉー!」

「…私達はこんな調子で大丈夫だろうか?」

「まぁまぁ、折角の誕生日だもの。今日はお祝いする日…ね?」

「…それもそうだな。」

 

さぁ、私達の誕生日はこれからだ!




ヴォルケンリッターの精神が約12時間で『闇の書』の影響を受け始めるのと、
はやてさんとヴォルケンリッターが互いに転生者と理解するのはプロット通りです。

正直どこかではやてさんの正体がヴォルケンズに明かされないと、本当に最後の瞬間まで活躍の場がなくなってしまうので…

次回は時間が飛んで12月に入ります。なのはさん視点です。
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