転生者を騙す転生者の物語   作:立井須 カンナ

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今回は賛否分かれるかも…?

現状一番の難産回です。


得たものは協力者

あの後ユーノから念話の方法を教えてもらい、夜になった。

 

≪なのは、お願いがあるんだ。≫

 

ユーノが念話で話を切り出してきた。

おそらく例の怪物の事だろう。

 

≪うん、私もユーノ君に話があるんだ。≫

 

そう、俺はユーノに正体を明かす決心をしていた。

今まで俺の部屋は俺の数少ない癒しの場でもあった。

 

この中ではなのはの行動をいちいち考えなくても良いし、

これからの行動を考える場所でもあったのだ。

 

だからこそ、この部屋でユーノを欺き続けるのは不可能だ。

この部屋ではふとした時に俺の素が出る。

 

流石に口調や言動にもろに出たりはしないが、

原作の知識が口からぽろっと出る事くらいはあるかもしれない。

 

だから、明かす。

 

決めた。ここで明かす。

 

そんな不安が顔に出ていたのだろう。

 

≪落ち着いて、なのは。ゆっくり話してくれていいから。≫

 

ユーノがなだめてくれる。

多分俺の態度で察してくれたのだろうか。

念話の口調から優しさが伝わる。

 

≪うん…≫

 

八年間ずっと隠し続けていた()()を出す。

緊張と期待、躊躇と焦り。俺はこの時をずっと待っていた。

 

≪私は…俺は、転生者だ≫

≪うん、…えっ、『俺』ぇ!?≫

 

あ、そういえばそっちの問題もあったなぁ…

 

 

 

≪そう、この八年間ずっと…≫

≪あぁ、話せる相手が居なかった。≫

 

自分の素の言葉で話すのも久しぶりだと伝えると、同意が返ってきた。

 

≪あたしもユーノ(男の子)になってからはずっと男の子の口調で話してた。

 素の話し方なんて今朝久しぶりにしたけど、少し違和感を感じるレベルだったわ。≫

≪それは分かる。話し方は自分の物でも声の性別が違うからなぁ…

 今でも違和感凄いわ。≫

 

他愛もないやり取りを続ける事数分。

 

≪そうだ、あの変身の時に気付いたと思うけどレイジングハートも転生者よ。≫

≪しってる≫

≪あ、うん。一応彼は『安全』よ。あなたの敵にはならないと思う。少し頼み事があるようだけど…≫

≪頼み事?≫

 

何だろう…リインフォースみたいに身体を作ってくれとか言われても俺にはどうしようもないぞ…

 

≪えっと、レイジングハート…ユーノ君から聞いたんだけど、頼みごとって?≫

≪ん?あぁ、なのはのフリはもういいぞ。念話内容は筒抜けだったし。≫

 

!?あっ、そう言えば、なのはの場合デバイスを通して念話してるみたいな描写があったような…

ちょっと気が抜けてたと言うか、不注意だったかな…

 

≪…なんかごめんな?騙すような感じになっちまって…≫

≪いや、むしろ今朝の状況見れば隠すことには納得しかないわ。

 それで願いって言うのもさ、朝の一件が関係するんだけど…≫

 

随分口ごもってるな…頼みにくい事なのだろうか…?

 

≪スピードラーニング、貸して欲しいんだよね≫

 

あ、発音気にしてたのね。

まぁ、あの発音じゃRPもできないしなぁ…

 

≪いや、デバイスになったら英語ペラペラになると思ってたんだけどさぁ?≫

≪え、もしかしてデバイスになったのって自分の意思なのか?≫

≪え、流石にそれは初耳なんだけど…≫

 

てっきり俺やユーノみたいな転生事故(?)みたいなものかと…

 

≪まぁ、願い言ったとき神様も唖然としてたけど、

 『仕事しなくて良い』『魔法が使える』『美少女に道具の様に使って貰える』の3拍子揃ってるからな。

 俺の理想の職場です。≫

 

えぇ…その場合、俺は美少女枠として大丈夫なのか…?

 

≪なんかごめんな、転生者で…≫

≪いや、転生者でも見た目美少女だし無問題よ。

 むしろ原作のなのはだったら『相棒』って感じだと思うし、

 ちょっと物足りなかったかも?≫

 

あっ、ただのマゾだこいつ。

 

≪いや、俺も人前ではなのはとして振舞うからな?≫

≪マジか。いや、それもそうか。ユーノの事もあるしなぁ…≫

 

まぁ、そういう事だ。納得してくれたようで良かった…

 

≪…一回だけ『このポンコツデバイス!!』って呼んでくれない?

 それで一年は頑張れるから。≫

 

諦めてなかったのか…

 

≪えぇ…≫

 

ユーノもドン引いてるわ…

でもなぁ…こういうのって一度応えると次から次へ要求が来そうな気が…

何よりRPする身としてそれってどうなんだろうか…

 

≪えっと、私ユーノ君のお願いまだ聞いてないから、また今度ね?≫

≪ここでRP!?≫

 

思いのほか変態なデバイスだったのには驚いたけど、なんだろう。

…今が楽しい。

ずっと押さえつけられていた自分が解放されて、今一番生きてるって感じる。

 

≪って、そうだ!ユーノ、さっき言おうとしたのってジュエルシードだよな!?

 今時間は大丈夫か!?≫

≪!そうね、多分まだ大丈夫…かな?

 あのジュエルシードがどこに出るか分からないから早く探しましょう!≫

≪あ、そうか。ユーノがここに居るから動物病院に出るかどうかも分からないのか。≫

 

そうだ、あのジュエルシードが動物病院に現れたのはユーノに対する復讐の可能性が高い。

原作と言うレールから逸れてしまった今、あいつが何を考えてどこに現れるか予想がつかない。

 

とりあえずは、

 

≪レイジングハート、Set up!≫

セタップ(Set up)!!≫

 

…やっぱり発音は何とかしてもらった方が良いなコレ。

 

≪フライアーフィン!!≫

 

飛翔魔法を使用して夜の空へ飛び出す。

原作では飛翔魔法はまだ使っていなかったが、朝の騒動のおかげで最初から使えるのはありがたい。

 

さて、問題はどこから探すかだけど…

 

「とりあえず、『槙原動物病院』に行ってみよう!

 あの近くに出る可能性だってまだ0じゃない!」

「うん!」

 

再びRPに切り替える。

あの部屋を一歩出たらどこに目や耳があるか分からないからな…

さっきのやり取りの影響で素が出やすくなってるかもしれない。一層気を付けよう。

 

「なのは、奇遇だな!」

 

ユーノの提案に従って動物病院へ向かう途中、

やはりと言うかなんというか銀髪オッドアイ達が合流してきた。

いや、一直線にこっちに飛んできておいて奇遇も無いもないだろう。

 

…しかし、そうか。

ジュエルシードを探すって事は毎回こいつらが付いてくるんだよなぁ…

身の安全は確保されているようなものだけど、複雑な気分だ。

 

「えっと、神崎くん!」

「…(すめらぎ) 刀魔(とうま)だ。

 そう言えば自己紹介してなかったな。」

 

新手の銀髪オッドアイ…!

それも神の字が入ってない希少なタイプか。

 

「ゴメンね…よろしくね!皇くん!」

「あぁ、名前を呼び合ったなら俺達はもう友達だ!」

 

…もしかしたらあまり名前を呼ばない方が良いのかもしれない。

 

「でも、どうしてここに?」

「おっと、そうだった。

 朝ユーノが言ってた探し物だろ?手伝うぜ!」

 

そう言えばこの銀髪オッドアイ…クラスメイトの!

 

「みんな、ありがとう!」

「みn…?まさか!」

 

皇くんが振り向く。そう、まるで今朝の再現をするようにずらりと並ぶ銀髪オッドアイ達…

 

「ちょっ、こんなに集まったら一般人に見られるだろ!?」

「その点は問題ないぜ。俺が『封時結界』を張った…『自己紹介』の時点でな。」

 

お、確かあいつは…

 

「お前…神谷!」

 

今朝11人の銀髪オッドアイ達に弄られて恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にし、

その後の騒動では主に封時結界で大活躍だった神谷くん!

そのおかげか銀髪オッドアイ達の中でも、少しだけ頼りになる奴として覚えてしまった。

 

「ありがとう、神谷くん!」

「封時結界なら任せな。このまま目的地まで結界の道を作ってやるよ!」

 

神谷くんがカッコいい様なカッコ悪い様な宣言をしてくれたので、

ここは素直に頼るとしよう。

 

「ありがとう!じゃあ、槙原動物病院までお願い!」

「…一応聞くが、何でそこなんだ?」

 

おっと、いきなり疑われてるな。

だがRPは問題ないのだよ!

 

「ユーノ君があそこにある可能性があるって言ってたの!」

 

あの後ユーノと相談した結果、

・なのはにはジュエルシードが危険物であり、怪物になる事があると言う事まで説明した。

・ユーノが転生者と言う事はなのはには隠している。

・ユーノが原作知識をもとに槙原動物病院が怪しいとなのはに教えた。

と言う、設定で動くことにしたのだ。

 

「そうか、ユーノが…」

「うん。『僕達からしてみれば』あそこが一番怪しいからね。」

「ふむ…まぁ、そうだな。」

 

もちろん「?」と首を傾げるようなリアクションも忘れない。

 

こうして槙原動物病院までの結界が張られた。

 

つくづく思う。

協力者と口裏を合わせればこんなにもスムーズに動ける。

やはり、話したのは正解だったんだな…と。

 

 




と言う訳で、これからジュエルシードを探すたびに銀髪オッドアイ達が合流します。

賛否が分かれると思った点は
・なのは(転生者)の秘密を自らユーノに打ち明けた事。
・レイジングハート(変態)のキャラ付け
ですね。

レイジングハートの願いは
『レイジングハートになる事』『個人的な映像記憶能力』『自我が外部要因によって変えられない事』
です。

『個人的な映像記憶能力』とは本人がデバイスになる為、
外部機器によって自分の記憶を覗かれないようにする為と趣味の為です。

『自我が外部要因によって変えられない事』も同じように
外部機器やプログラムを弄られる事で意思を捻じ曲げられないようにです。


いずれも本人の希望通りの形で叶えられております。

あと、次の話は少し遅れそうです。
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