やはり俺の幼なじみが帰ってくるのは間違って…いる?   作:あきこま

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どうも、あきこまです。

ここで紅坂和葉について軽くおさらい。

紅坂和葉(クレハ)
PS4ソフト、ソードアート・オンライン フェイタルバレットの新登場ヒロインの1人。
小説内の名前は作者のオリジナル。
GGOの世界にてランチャーやらぶっぱしてるようで実は繊細な女子。
ゲームではピンク髪のサイドテールだがこの作品では茶髪混じりの黒髪サイドテール。 リズベットの仮想と現実って言えばわかりやすいかも。

本当はもう1人のヒロインも出したいところなんだけど、如何せん設定が難しいんじゃぁ。

まぁそれは追い追い考えます。

それではどうぞ。


3話 比企谷家と紅坂和葉、そして八幡と和葉の関係リスタート

 ー比企谷家リビングー

 

「で? 話ってなんだ」

 

 俺は和葉にコーヒーで構わないと言う承諾を得たので、MAXコーヒーを1本、和葉の前に置く。

 

「そうねぇ、何から話したらいいかなぁ」

「とりあえず家問題からか?」

 

「それでいっか、じゃあ改めて。

 

 八幡、とりあえず私はあんたの家に住みます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 んー? ちょっとよく聞こえなかったかも知れないなぁ。

 

 

「あ、ちなみに聞こえなかったとか無しね。

 もうあんたの両親に許可は貰ってるわ」

 

「逃げ場無しじゃねぇかよ色々とおい。

 それは話とは言わない、事後報告だ」

 

「まぁそうとも言うわね、とりあえずそういう事」

「もちろん小町の部屋だよなぁ?」

「受験生の部屋でお世話になるわけないでしょ。

 あんたの部屋でお世話になるわよ」

 

「はい? お前な、自分が何を言ってるか分かってるのか? 

 年頃の思春期獣系男子と同じ部屋で暮らすとか言ってんだよ? おわかり?」

 

「あんたは獣系男子じゃないからそれには当てはまらないわね」

 

「思春期男子には当てはまってるんですがそれは無視ですか……」

 

「う、うっさいわね! むしろ襲われてもばっちこいよ! //////」

「やめろ喋るなこれ以上喋るとお前は自分を見失うぞ!」

 

 全く何を口走りやがるこいつ……一瞬期待しちまったよ。

 危うく勘違いして振られるところだった、勘違いで振られるのかよ、せめて告白くらいさせろよ……。

 

 

「ち、違うのよ……今回の真剣な相談のひとつはそこなのよ」

「俺がお前を襲うことか?」

「ちっがーう! 心の準備ができてからにしてよ!」

「だからもう喋るなって頼むから!」

 

 

 

「その……あんた覚えてる? 昔私があんたに公園で言ったこと」

 

 忘れるはずがない……1度たりとも忘れた事は無い。

「次に会ったら結婚しろ……だったか?」

「なんだ、ちゃんと覚えてんじゃない!」

 

 俺の言葉を聞いて破顔した彼女の顔は、とても眩しいものだった。

 

「というわけで! 結婚するから今から同棲でもいいわけよ! 分かった?」

 

 

「あのー……指ズバしてまで決めに来てるところ申し訳ないですけど……」

 

「なによ、言ってごらんなさい?」

 

 

 

「俺まだ16ですけど?」

 

 

 

 

 

 次第に俺の知る紅坂和葉史上最も赤くなった顔で彼女は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しまったぁー!!! 2年早かったぁ!! 

 

 

 

 

 

 

 

 と叫んで、あまりにも大きい声なのでお隣さんが心配して見に来てくれた。すみませんお隣さん……。

 

 

 で、叫んでから決めポーズに悶えてるのか未だに立ち直らない和葉さん。

 

 10分経ったろうか、もうちょい経ってるだろうか。

 ようやく和葉が立ち上がり、言葉を発した。

 

「違うのよ……私本当はあんたの結婚できる歳になってから会うつもりだったのよ……でも待ちきれなかったのよ……会えるチャンスがあったから飛びついたのよ」

 

 涙ながらに顔を真っ赤にして話す彼女は、さながら悲願を達成した主人公のように、やっと会えた両思いのお姫様にあった時のような感情を持っていたのだろう。

 

 不覚にも見惚れてしまった、最後に会ってから4年ほど経っているが。俺の奥さん(仮(の予定?))はとてつもなく素敵な人物になっているようだった。

 

 普通こういう時、リア充なら抱きめして「○○さんはよく頑張りました」とかするのかもしれないけど。ん? これリア充じゃなくて思春期の症候群にかかってる人か。

 

 脱線したが、俺はそんなにかっこいいと思えるようなことが出来ない。なぜならだからだ。説得力あるだろ? 

 

 

 

「和葉、お前がこの数年ために貯めた感情は色々あるかもしれない、だがなこれだけは言わせてもらう」

 

 

「……へ? は、八幡! あんた!」

 

 我ながらみっともないと思うが、目から汗が出てきている。

 

「俺だって……寂しかったんだよ……お前の家族が急に引越しになって、いつも隣にいたやつが居なくなって……そりゃお前の家族にも事情が色々あったかもしれない! ……でもな、頭で理解はしていても俺自身心のどこかで納得してなかったんだよ……」

 

 

 こんなに感情的になるなんて、いつ以来だろうか。

 小学生の時ですらこんな感情滅多に出してなかったがなぁ……。

 

 

 すると、ふとフレグランスのいい香りが顔を覆った。

 

 和葉は身長が低い訳では無い、女子の方だと平均かその少し上かだ。

 その和葉が背後にあったソファーにダイブした、俺の体ごと引っ張ってそのまま倒れ込んだのだ。

 

 

 

 

 

 

 まぁ要するに、俺は和葉の胸に顔を埋めてるような構図なのだが……。

 不思議と全然そんな邪な感情は湧いてこない、包まれたことに対して安心感を覚えてしまった。

 

「ごめんね、八幡。待たせちゃったね。 私の胸で良ければ貸してあげるから、好きなだけ泣きなよ。 遅くなって……ごめんなざい!」

 

 

 話してる途中から和葉も泣き出してしまっていた、お互い顔がぐちゃぐちゃになるまで泣いていた。気づいたら2時間たっていてそのまま泣き疲れて2人とも寝てしまったようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 知ってる天井だった、そらそうだ、自分の家なんだから。

 ただ、家に帰ったのが13時、今は16時に差しかかるかと言ったところだ。

 

 キッチンから物音がする、小町帰ってきてるのか。

 

 寝ぼけた俺は料理をしているらしい小町(?)の頭を撫でることにした。

「ありがとな小町……今日俺の飯当番なのに済まないねぇ」

「!? 八幡、それは言わない約束でしょ?」

「おう、悪い悪い、そう言えばそうだ……った? おい小町、今お兄ちゃんを名前で……あ」

 

「そりゃお前の母親だもの名前で呼ぶだろ」

 どうやら小町とお袋間違えてたようですねぇ……頭撫でちゃったじゃん……。

 

「お袋!? なんでこんな時間に帰ってきてるんだ」

 

「元々今日出勤じゃなかったはずだしねぇ、急遽だから早上がり。

 で、帰ってきたら息子夫婦が仲睦まじく寝てるから、そこの紙に書いてる当番制があんただったし、寝かせてやろうと思って今に至る」

 

「作って貰ってる立場から言うのもなんだけど、久々だな。お袋の味……おい、息子夫婦ってなんだよ。まだ結婚してねぇよ」

 

 

「結婚することは否定しないのか、そりゃいいことだ事。

 いつもお前達2人に頼りきりだったからね、たまには作るわよ。

 折角週休5日勝ち取ったんだしね」

 

 そう言えばそうでしたね……仕事してるのに休みえぐいんですもんね。

 

「てことで、あんたは和葉ちゃん、部屋の布団に寝かせてきなよ。

 色々あったから疲れてるんだろ? さっきまで結構な話してたらしいし」

 

「ちょっと待て、一体どこまで知ってる!?」

「家入る前にお隣さんに聞いた程度よ(まぁ、一部始終見てたけど)」

 

「そうか……ならよかった」

 

 八幡は、和葉を所謂お姫様だっこと呼ばれるあれで運び出した。

 

 

 

 ーSIDE 比企谷陽香ー

 

「いつの間にあいつもあんなに立派になったか。

 そりゃそうよね、もう高校生だもんね、私が見てこなかっただけなのかもね……もっと早くこうするべきだったかなぁ」

 

「そーんなことないんじゃないの?」

 

「あら小町、おかえりなさい、いつの間に?」

「今さっきだよ、お兄ちゃんが上に上がる背中見えたからリビング来たらお母さんが独白してたし」

 

「独白って……まぁ間違えじゃないか。

 小町は? この際はっきり言って頂戴、私の事、恨んでる?」

 

「恨んでなんかないよ、私とお兄ちゃんのために一生懸命働いてるんだから。本音言うとね……小学生の時は凄い寂しかったし、お母さんなんか……と思った事もあったんだ。友達の家に行っても必ずお母さんが居たし。

 

 でもね、お兄ちゃんが居てくれた、和葉さんもいてくれたし、ちょっとしか関わってないけど陽希さんもいた。小町も大きくなるにつれてなんで家に両親がいないかなんて、多少なりともわかったつもりだしね」

 

 小町まで……私の息子と娘はこんなに立派になって……。

 

「お母さん……泣いてるの?」

 

「へ? 私が?」

 言われてから目の下に手をやると、確かにそこには雫の感触があった。

「……泣く資格なんて……私には無いはずなのにね」

「そんなことないよ、人は誰しも泣く権利がある。お母さんもね!」

 

 私の涙は感動なのか、寂しさなのか、結局の所泣いた私にもよく分からない。でもこれだけは言える。

 

 

 家にいる時間を極限まで増やしたことは間違いなく正しい答えだった。

 

 

 

 ーSIDE 比企谷八幡ー

 

 

 

 和葉をベッドに降ろし、布団をかけたところで俺は下に戻った。

 いつの間にか帰ってきてた小町とお袋の声が聞こえる。

 

 親子水入らずの会話に入るのもちょっと気が引けたので、部屋に戻ることにした。いや俺も息子だけどほら、小町とお袋の組み合わせってあんまなかったからさ。

 

 

 部屋に戻ると、和葉が寝息をたててスヤスヤと寝ている。

 なので俺はその横で本を読むことにした。

 

 

 

 その後、2時間後に和葉が起床。 久々の再会を果たした小町は嬉しさのあまり崩れ落ち、その場で泣きじゃくった。

 

 結局、今日の比企谷家は4人全員が泣く始末。親父は会社に泊まるらしく今日は帰宅してない。

 

 

 俺と和葉は長らく続いてたのか終わってたのかわからない恋人関係を一旦廃止する事にした。ひとまずは再び付き合う前提として友達から始めようという事で、長年頭の片隅にいた両思いの少女は、かなり好意的な友達としてリスタートした。

 

 

 その日の比企谷家の食卓はとても賑わっており、4年の歳月など感じさせない程に話していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




過去最長の話になった気がする。
なんか筆が乗って気づいたらこんなに。



読者様の意見参考を元に一部表現変更致しました。

また次回です。


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