やはり俺の幼なじみが帰ってくるのは間違って…いる? 作:あきこま
更新遅くてごめんなさい。ようやく試験を乗り切りました。
学校ではなく職場の試験だけど中々に珍しく勉強したので。
書いて思いました、学校に行くまでの朝のくだりでここまでかけるんだなぁと。
駄作を生み出しておりますが、見てくれる方々に感謝を込めて、ありがとうございます…。
それではご覧下さい。
色んなことがあった翌日、起床した俺は隣を見る。
そこに居たのは普段結んでいるサイドテールは無く、髪を下ろした状態でとても女の子がする顔ではない気がするがそこは触れないでおこうと思った俺の部屋の居住人、紅坂和葉が眠っていた。
実は前日の夜、俺は新たに布団を取り出してベッドを和葉に譲ろうと思っていたのだが。「何言ってんの? あんたもここで寝なさいよ」という一言の元俺の提案もとい考えはバッサリ一蹴された。
だってねぇ? 本人が了承してて俺が腹決まってないとかカッコ悪いじゃん? しかも俺めちゃくちゃ眠くて肯定しちまったし。
ただ、これ慣れる気しない。めちゃくちゃ緊張しちゃう。少し寝不足。
「今更否定してもダメだよなぁ……」
とか考えてるうちに体が動かなくなった。
これはまずい、金縛りだ。しかも物理的な。
寝ぼけている紅坂和葉が俺を抱き枕よろしく締めつけにかかってきた。非常にまずいですね。
割と朝飯食べて行くこと考えたらほんとにまずい時間になりつつあるため、母にヘルプを打診する。
「母ちゃん、助けて」
「……なに? 眠いんだけど」
「和葉に締め付けられてる、このままだと朝飯食えない」
「……今日の朝飯当番が私という事に感謝しなさい」
「え? なんで?」
「私が作ったご飯だから食べてくれないと困る、だから起こす」
「完全にご自分の都合入ってますねぇ……」
「なに? 起こして欲しくないって?」
「すいませんでした起こしてください!」
まもなく母親が到着し、ドアが開く。
「おはよう八幡、まーた見事な締めあげられ方ね?」
「感心してないで早くどうにかしてくださいよ……」
「わーかってるって……ほら和葉ちゃん! 起きなさい!」
……しかし、和葉は起きない。例えるなら、笛を使わないと起きないあのでかいポケモンとかそんな感じ。
「……八幡、最終手段に出ていい?」
「この際なんでもいい、起こしてくれ」
「10分だけならあなたに最高の寝床を提供してあげるわよ和葉ちゃん、それでもあなたはそこを選ぶかしら?」
「……お義母さんを信用し、今日はこれくらいで」
「てめぇ起きてやがったなちくしょう!」
「起きたならよし、さぁ早く食べた食べた、今日は雨が降っているから送ってあげるわ」
え? さっき眠いって言ってたよね? ちょっと運転怖いんだけど……。
「八幡、和葉ちゃんを起こす代償、車の中で終わらせるわ」
「なんでつって?」
「いやだから、車の中で起こした代償をね?」
「いや聞こえたよ、その上で驚きすぎでなんでつって? とか言っちゃったじゃん、無しでお願いします」
「無しにしたら私のくだりが無くなっちゃうじゃない!」
「そうだよ! そこはいいだろ別に」
朝飯は久々に小町でもなく俺のでもない母親製で、すごく美味かった。
具体的に現すなら、いつの間にか起きてた小町が爆食いしてた。
先程も言った通り、本日は母が送ってくれるらしい。
我が家の車は基本母しか運転しない、父は忙しすぎてそれどころでは無いし、なんなら母親が地味に車好きで今のうちの車があるようなものだ。
「小町、助手席乗ってね」
「あいあいさー!」
「あんたら2人は後ろね、和葉ちゃんは10分だけ八幡の膝借りて寝なさい」
「! はい!」
「さっきまで寝ぼけMAXだったやつがいきなり元気になった……。というか母ちゃん、まさか代償って」
「その通りよ、和葉ちゃんの枕になりなさい」
「朝から見せつけてくれるねぇ兄ちゃん……いやさ兄様」
「いやさとか言うな、キャラ変わってんぞお前」
ひとまず和葉が座ってそうそう寝やがったのはもう妥協。
しかしこいつ、よくこの車で寝れるな。
「母ちゃんの運転が上手いのか……」
「なんか言ったか? 息子よ」
「いや、この車って前後に動くだろ? たまに、よく寝れるなぁと」
「そりゃ私は1人じゃない時もしくは八幡以外が乗ってる時はギアチェンジを慎重にしてるからね」
「できれば俺だけ乗ってる時も優しくして欲しいんだよなぁ……」
「いやだ、あんたと二人乗りは楽しいのよ」
「小町もそれ乗ってみたい!」
「じゃ今度出かけましょうか、久々にみんなで」
「俺が家族の出かけに誘われるとは……」
「……いやホントごめん八幡」
先に小町を送って、今度は俺ら2人の通う総武高校へ。
「しかし、この車もよく長持ちしてるよな」
「あんたが生まれてすぐの頃だものね、この車買ったの。
あんた免許取るならMT車取りなさいよ?」
「早くても来年の話だよね? それ受験系統終わってからだよね?」
「そうだけど、和葉ちゃん居るなら遠出する時車必要でしょ?」
「まぁいずれは必要になるな、俺と違ってインドア100%じゃないし」
「あんたが免許とった時はこの車譲ってやるからさ、できるなら完全に壊れるまで乗ってやってよ」
「……まぁ、俺もこの車は思い出があるしな。その時は任せろ」
「うん! 息子の成長が嬉しいよ、やっぱり休み勝ち取って正解!」
「なんか似たようなやり取りあった気が……」
「多分それあんたじゃないわよ、というか着いたから和葉ちゃん起こして」
「あいよ……おい和葉起きろ! 着いたぞ」
「……王子様のキス「ない」最後まで言ってないじゃない!」
「俺はそんなやすやすしてやんない、というか無理」
「顔真っ赤ねぇ八幡、そんな初々しいかしら?」
「うっせ、ほっとけ」
「とりあえず、帰りも迎え必要なら連絡頂戴ね」
「おう、サンキューな」
「ありがとうございました! お義母さん!」
2人を見送った陽香はというと。
「この子も本来の力しばらく発揮できてないし午前中は走ろうかな……」
その後千葉の朝に、スポーツセダンのマフラー音が響いたとかそう出ないとか……。
比企谷家の車は作者が実際に乗ってる車をイメージ使用した物です。
多少筆ノリで書いている所があるので誤字脱字等あったら遠慮なく指摘お願い致します。