灰と幻想のデジャブガル 作:なにがし
しかし、グリムガルの魔法のことはさっぱりというか、そこまで詳しく書かれていないので難しい。
昨日は沢山話し合って、自分たちがこれからどうしていくべきかを皆で決めたりと久しぶりに皆と真剣に向き合って話し合った日だったと思う。
昨日、話し合って出てきた内容は──。
一つ、自分たちの戦闘の幅を上げるということ。
二つ、メリイさんと仲良くなれる様にコミュニケーションを取るようにするということ。
三つ、一人でとは言わないが、前衛職の人たちはなるべく仲間に頼らずに一人でゴブリンと相手取れる様になること。シホルやユメ、そして俺の後衛職や中衛職の人たちは弓や魔法で自分の当てたいと思う特定の場所に当てられる様な精密性を手にいれるということ。
四つ、モグゾーの兜や鎧を購入するということ。
五つ、ハルヒロとマナトを攻撃したあの因縁のゴブリンに雪辱を晴らすということを今後の取りあえずの大まかな目標とすること。
簡単に纏めると昨日主に話した内容はこの五つで、その中身の内容や今後の目標は思いの外とても難しそうに見えるが、全て纏めても頑張れば一ヶ月ぐらいで出来そうなことの様に思える。
モグゾーの兜や鎧を買うという行為が最たるもので、今日ダムローに行った後にすぐに買いに行けるだろう。
しかし……ハルヒロがモグゾーの兜と鎧を買いに行こうと誰よりもいち早く言ったのにはやはり周りを見ていて場を纏める資質がハルヒロにはあるなと思った。
これからのハルヒロには期待だね。まぁハルヒロは皆を纏めるにつれて、マナトと比べると思うから其処に関してはフォローしないとね。ハルヒロはハルヒロで。マナトはマナトだって。
さぁ、なんだかんだ今日も一日頑張りますか。
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昨日と同じ時間帯、同じ場所にメリイさんは佇んで俺たちを待っていた。
「おはようメリイさん。遅くなってごめんね?」
メリイさんはまだ待ち合わせより早いというのに俺たちが来るのを一人静かに待っていた。メリイさんは他人にも自分にも妥協しないタイプであるということがこういうところからも分かってくる。いやはや、流石である。
「別に……それで今日もダムロー?」
「そうだね。今日もお願いね?」
「あっそ……じゃあさっさと行って」
「そうだね。じゃあ皆行こっか?」
さて、昨日はこれから皆、なるべくメリイさんとコミュニケーションをしてみると言っていたけど、どうなることやら。今のやり取りを見て、もしかしたら怖じ気づいてしまった可能性もある。だけど、きっと大丈夫だろう。ユメはやれば出来る子だし、ハルヒロもそれとなく出来るだろうし、ランタはいつも通りの調子で話すだろつし、モグゾーやシホルは少し消極的でメリイさんに何か言われて傷ついてしまわないか心配でもあるが、あぁいったタイプだからこそ、頑張る時は頑張るということも知っている。
さぁ、課題の一つ。メリイさんとのコミュニケーション。頑張りますか。そして目指せ、普通の会話。
◆
エルは昨日の話し合いで、皆がメリイに不満に思っていたことの一つ。
何故メリイは軽い怪我の場合だと怪我の治療をしてくれないのかという不満について、しっかりとそれには理由があるのだとエルはハルヒロたちに説明をした。
メリイが何故軽い怪我だと治療をしてくれないのか?
それはケチだとかそういうセコい理由ではなく、もっと合理的かつ緊急を見据えての行動であるとハルヒロたちが納得出来る様な説明をした。
どういう風にエルが言ったのかというと。
俺やシホルが魔法を使うのに瞑想をしたり睡眠で溜め込んだ魔法力という精神の力を使ってエレメンタルを行使し、魔法を唱えるのと同じで、神官も
その他にも色々と不満や疑問などがあったが、それもエルが皆に分かりやすい様に伝えて、皆は満足げな顔をして納得してくれていた。そしてその表情を見たエルは自分がすぐに一つの答えを教えるのではなく、ハルヒロたちにも自分で考えさせた上で自分の意見を提示すれば良かったと後悔する様な一幕もあった。
だが、エルがしっかりとハルヒロたちの疑問に答えたからなのだろうか?
今日は皆がしっかりとメリイのことを尊重している様に見えた。そして、女性のユメやシホルがメリイに良く話しかけようとしている場面が見られた。
これには流石のメリイも昨日は不満そうだった人たちがいきなり積極的に関わってくる様になったと驚いたからなのか、それとも理解出来ないからなのか。
メリイはエルたちが自分のことを解雇すると知らせる前に折角だから仲良く接してから告げようと行動しているのだと勘ぐってしまって、メリイから何がしたいの? 解雇したいのなら早く言って、私は別に気にしないから。とメリイが自分の服を強く握りしめながら問い質す場面があり、それによりなんでこんな風に接する様になったのかを説明して、そしてこれからのエルたちの目標がハルヒロとマナトを攻撃した因縁のゴブリンを倒すことであるというのも説明し、もしメリイが嫌なら辞めて貰っても良いと言ったのが、どうやらメリイはエルたちの目標を手伝ってくれるらしく、これからも仲間として一緒にいてくれるらしい。
魔法力という精神の力を使って、人々は魔法を使っているんだよというお話しでした。