スーファミ時代にはただの戦略ファンタジーゲームだと思っていたんですが、先日DS版のリメイクを遊ぶうちに「これは戦記物としても物凄い良作なんじゃないか」と唸ってしまった。その興奮のまま書きなぐった結果がこれだよ!
なお、好きなキャラはラング。第二部冒頭でいきなり出てきた小悪党だと思ってたら、なんとアカネイアの五大貴族のひとり(アドリア候)! おまけに第一部ではアカネイアを裏切ってドルーアに寝返り、戦後には何事もなかったかのようにアカネイアへ復帰、ハーディン皇帝の臣下の筆頭としてグルニアの全権統治を任される……小悪党なんてものじゃない、超有能ですよこのジジイ。
Q.アカネイアってどんな国?
A.恨みを買った大国。腐敗した貴族主義がもたらす惨劇の
ゲームの舞台であるアカネイア大陸の中心に建国された国家で、493年まではアカネイア聖王国。その後にアカネイア王国、アカネイア神聖帝国と改名。皇帝ハーディンの戦死、王妃ニーナの願いによって609年に消滅、アカネイア連合王国となった。初代はアドラといい、ナーガの神殿からお宝をねこそぎ奪っていった盗賊と思われる。実は年表中に2度も滅亡している。
一度目は493年、メディウスによるドルーア帝国の侵攻。竜に対しての戦術が確立されていなかったため、あっさり滅亡。アカネイア王家の男系はすべて殺され、王女アルテミスだけが生存。このアルテミスの悲恋の相手がマルスの先祖(直系ではない)の若者アンリ。二人は身分の差で結ばれず、アルテミスはアカネイア聖王国の有力貴族カルタス伯を婿にとる。
二度目は602年。597年に復活したメディウスを隠れ蓑に、ガーネフの悪魔的な策略が大陸を総なめにする。アカネイア王国の属国であるグルニア・マケドニア・グラの三国がドルーア陣営に付いた上に、アカネイアの五大貴族であるアドリア候ラング、サムスーフ候ベント(デビルマウンテンでおなじみ)まで離反。五大貴族で最後まで王家に付いたのはジョルジュの属するメニディ候ノア、ミディアのディール候シャノンの二家だけである。なお、他の一家ことレフカンディ候カルタス(アルテミスと婚約したカルタスの家)はお家騒動が勃発して混乱中。ここにもガーネフの手が回っている可能性は高い。
マムクート・シューター・ドラゴンナイトといった最先端の兵種が揃ったドルーア陣営に為すすべなくアカネイア王国軍は連敗し、王都パレスが包囲された後に降伏。グルニアの黒騎士カミュが占領統治にあたり、王家の一族はことごとく処刑される。この時王女ニーナだけがカミュに保護され、二年後にオレルアンの王弟ハーディンへと匿われる。これがグルニアどころかドルーア陣営の滅亡に繋がる致命傷になるわけで、後に知ったガーネフは怒り心頭だっただろう。よく暗殺されなかったものだ。
なお、パレス包囲の最中にアリティア王コーネリアスが出陣し、その背後をグラ王国に突かれて戦死している。王子マルスはアリティアを海路で脱出し、東の辺境国タリスへと亡命。2年後にタリスが海賊襲撃に遭うことで物語が始まるのだが、今は関係が無い。
Q.なぜ各国が裏切ったのか?
A.主家であるアカネイア王国への不満が頂点に達していたから。
それぞれの国を確認してみる。
アカネイア王国
アカネイア大陸のほぼ中央部。大陸の総人口100万人の内、1/3を有する。周囲を属国で固めたことで100年の平穏を得たかわりに、貴族主義の負の部分だけが増長した。明らかに戦力が危険水準に達している属国に対しても傍若無人にふるまい、下級貴族ですらアカネイア以外の国を蛮族・サルの群れと蔑む。傘下の国を国家として承認するかわりに朝貢を要求するが、同時に法外な賄賂をとる役人が当たり前のように存在する。
政策が苛烈に過ぎるのも特徴。498年のメディウス討伐後にマムクートを奴隷にしたほか、城下町のノルダに奴隷市場を設けたり、強大な力を持ちかけた貴族を開拓者として辺境に送り込んだりと、後の滅亡の火種を自分から撒いている。
オレルアン王国
499年にアカネイア王カルタス伯(アルテミスと結婚)の弟が平定し、その功績で建国。アカネイアから北に位置する草原地帯で、良質な馬の産地。アカネイア王国を復興した名君カルタスの血筋ということで、他国よりも扱いは上。あくまでも属国扱いなのは変わらない。左横には魔道都市カダインがある。
アカネイアから頻繁に貴族が送られて内政干渉されていたが、ハーディンの決起によって地元で奴隷扱いされていた部族(ウルフやザガロ)が騎士団を結成、政治を牛耳ろうとしていた貴族達をすべてアカネイア本国に叩き返す。これが後にハーディン皇帝とパレス貴族達の確執を生んだのかもしれない。
朝貢の義務はあっただろうが、王家の遠戚ということで軽めだった?
アリティア王国
500年にアンリが建国。地竜王メディウスを打倒し、王女アルテミスを救った英雄としての功績が評価された。地図上はアカネイアからやや離れて左。上にカダイン、右にグラ、左にグルニア、下にドルーアと接する島国である。
アンリはアルテミスとの悲恋をきっかけに妻を持たず、子供もいなかった。かわりに弟のマルセレスが継ぎ、子のマリウス、さらにコーネリアス、そしてマルスへと繋がっていく。マルスはアンリの一族ではあるが、直系ではない。にもかかわらず戦果を挙げるのだから、血の繋がりは恐ろしい。
王女アルテミスを救った英雄という点から朝貢も軽かっただろうが、オレルアンよりは多いだろう。
グルニア王国
501年にグルニア守備隊長オードウィン将軍が建国……といえば聞こえは良いが、実際はオードウィンの目覚ましい戦果を危険視したカルタスによってアカネイアから遠ざけられた結果である。国王に睨まれるよりは開拓地で国を築いた方が安全、という判断のもと、オードウィンと彼を慕う部下、さらにアカネイアに見切りをつけた有力貴族達が中心になった。大陸の最西に位置しており、右上にアリティア、右にドルーア、右下にマケドニアを睨む。
最もアカネイアにむしり取られたであろう国。成り立ちからして都落ちである以上、アカネイアの貴族に蔑みの目で見られるのはおかしくない。その反骨心から富国強兵に励み、後に黒騎士カミュや優秀な将軍達を擁立することになる。ほぼすべての国民が反アカネイア派。
マケドニア王国
503年、元ドルーアの人間奴隷アイオテが建国。地図では大陸の南、ドルーアの真下に位置する。海を挟んで左にグルニア、右にアカネイア。
どうしようもない糞立地。山岳地帯という農耕には向かないハンデに加えて、上にはいつ復活するかもわからないドルーアの爆弾を抱えている。だったら林業でもするしかないのだが、グルニアにもアカネイアにも海がそびえているため地続きの有力国家がない。つまり貿易手段としてはハイリスクな航海オンリー。こんなところを任された内政官は頭を抱えたくなるだろう。それでもやってのけたマケドニア人は偉い。ただし根こそぎアカネイアが奪っていく。そりゃミシェイルも反逆するよ。
ガーネフ接触時、当時の父王とミネルバはアカネイア派、ミシェイルはドルーア派だった。アカネイアへの反感を煽られただけでなく、グルニアとグラの離反計画も伝えられたかもしれないミシェイルは従わない父王を殺害、マリアを人質としてドルーアに送った。これが最終的には真田兄弟よろしく家が残る結果に繋がるのだから、ぎりぎりの所でミシェイルも悪運をもっている。
補足。「マケドニアに対してアカネイアは多大な援助をした」というが、果たしてどこまで真実なのかは怪しい。なにしろ悪徳役人が常態化しているので、援助金すら届く前に横領している可能性が高い。俺達のラングならやってくれる。間違いない。
グラ王国
537年、アリティア王国でアンリが没した際のお家騒動によって分離独立した国家……というが、アリティアを危険視したパレス貴族達の謀略だと思われる。カルタスにとってはアルテミスを競った相手であり、アカネイアとは海を隔てて隣接した仮想敵国でもある。戦力はできるかぎり削いでおきたいのが本音だろう。結果、アリティアの国土は東西で真っ二つに割れた上、アカネイアに近い右半分をグラに取られたことで、アリティア王国は中央から一層遠のくことになった。
この国は成り立ちからして反アリティア一色である。602年時点の国王ジオルからして、マルスの父コーネリアス国王への嫉妬で凝り固まっている。父祖の宿願であるアリティア打倒のためなら、主家であるアカネイアが滅んでも構わないと思うのも不思議ではない。ガーネフが軽く煽ってやるだけで、グラはたやすくドルーア陣営についただろう。
結局コーネリアスは呆気なくグラの離反によって討たれたのだが、もう少し危機意識は無かったのだろうか。そもそもの国の成り立ちからして反アリティアの相手を信用し過ぎである。
朝貢は当然のように重かっただろう。何しろアンリと違って功績が無いのだから、アカネイアも遠慮無く搾り取ったに違いない。
タリス王国
579年、辺境の島々で争っていた部族を統一したモスティンによって建国。場所は大陸の最東、アカネイアの右。ただし首都パレスからは遠く離れており、自由港湾都市ワーレンやオレルアン南のレフカンディの方が近い。
建国にグルニア将軍のロレンスが関わっている。タリスの部族の中で有力者だったモスティンに協力した縁が続いており、それが後年シーダの説得で活きる形になる。
海洋国家として十分に大きくなれる下地はあるが、いかんせん辺境過ぎる。おまけに国の上、ガルダ海ではいたるところに海賊が跳梁跋扈している。ガルダ海賊を討伐してからのタリスは大手を振って繁栄しただろう。もしマルスがアリティアに帰還せず、タリス王になっていたら? 面白いIFになると思う。誰か書いて、役目でしょ。
朝貢させようにも貧弱過ぎる。アカネイアの役人も大して期待しなかっただろう。
以上。属国6ヶ国の半分が割れて襲い掛かってきたのである。おまけに100年間の平穏によってアカネイア軍の大半は戦争を知らない。辺境の地で蛮族と戦い続けてきたグルニア・マケドニアの軍隊は精強であり、相手は恨み骨髄に達するアカネイア。いっさいの遠慮呵責なく、地獄の光景が広がっただろう。ドルーア帝国のマムクート達の方がドン引きしたかもしれない。あるいは人間の愚かさを嘲笑ったか。
参考文献は公式サイトとアカネイア・クロニクルです。